ヤンデレ魔族と没落貴族のヤバい生活♡~旦那様の体液が全部媚薬でごっくんしたらみんな狂ってイっちゃうんです~ 作:有のよいち
陽は出ていたけれど、森はまだ薄暗かった。
お父様は日光を物ともしない。バナワース家出身のバンパイアは古来からの純血種。日光に完全な耐性を持っている。
森の先にある岩山の少し手前に、闇の境界が見えた。人間には見ることも感じることもできない、魔界との境界線。私たちはまっすぐに魔界へと入った。
「す、すごい!」
旦那様が声を上げた。突然景色が切り替わったように感じたはず。きっかけはどうあれ、旦那様と故郷へ帰るなんて、結婚のごあいさつに来たみたいで——。
だめ、顔がにやけちゃうよ。
「ラズ、エルヴェ殿の心配はいらん。このまま魔王城へ飛べ」
「はい、お父様」
「リリスもラズと向かってくれ」
「え、私も? なんでよ」
「召喚状こそないが、おまえも同行するよう仰せつかっている」
「そういうことは先に言ってよね!」
お母様がむすっとして不満げな声で答えた。
ケンカしてるように見えるけど、ふたりはいつもこんな感じ。でもすごくラブラブで、小競合いは前戯だって、前にお母様が言ってた。
その光景が私には微笑ましかった。
途中、お父様は旦那様をつれて実家の古城へ向かった。少しの間、私は旦那様と離れて過ごさなきゃいけない。
魔界はずっと夜。
好きなはずの闇が、今は偽物に思える。翼が重い。胸が苦しい。昔はお母様といっしょに飛ぶのが一番好きなことだったはずなのに。
「ラズちゃん。……寂しいでしょ」
伏し目がちにそう言ったお母様。言った本人のほうがひどく寂しそうな目をしていた。
「ママね、今すぐパパとエッチしたいわ♡」
「何言って……。これから魔王様に会いにいくってときに……」
「ラズちゃんだって、今エル君のことで頭がいっぱいじゃない?」
「……そうだけど」
「ふふ。恋してるわね♡」
お母様ったら、わさわざ顔を覗き込んで目を細める。私よりうれしそうにして。
「無事に済ませて早く帰りましょ」
「……うん」
魔王様からの召喚状なんて、滅多に出されるものじゃない。無事に帰れる保証なんてない。お母様も緊張しているんだと思う。
間違いなく旦那様のことが原因。
何としても旦那様のもとへ帰らなきゃ。
城門へと降りたった。屈強そうな門番の魔族が大槍で行く手を阻んだ。私は召喚状を手渡した。
「ラズ=リリン=バナワース。魔王カルミラ様がお待ちだ。通れ」
「ありがとうございます」
「私のこともちゃんと呼んでよ~」
「リリス様は顔パスです。いつでもどうぞ」
「ええ~? それじゃつまんな~い」
お母様は尻尾をぐるんぐるん回して、腕を組んでむすっとしていた。門番は呆れ顔。でも、お母様の凄さはそれだけで伝わった。
入城すると、そこは真っ暗闇。ただ遥か上空に扉が見えているだけだった。
城内は訪れた時、訪れた人によって見え方が違うと聞いた。玉座の間へはその都度異なる方法でしか辿り着けないという。
私はお母様と示し合わせて、同時に飛んだ。扉に近づくと、それは城門とほぼ同じ幅と高さがあった。
「待っておったぞ。入れ」
強烈な色香を湛えた声だった。たったひと言で、そのお姿がいかに麗しいかが伝わった。
重厚な扉がひとりでに開く。玉座の間はエメラルドに似た緑色の輝きを放っていた。ところが玉座に近づくにつれ、ルビーのような赤紫色へと変化していった。
「まるでアレキサンドライトね」
お母様が目を細め、ため息混じりに言った。強大な魔力が見せる、神秘的な光景だった。
魔王カルミラ様が立ち上がった。
私たちは跪き、頭を垂れた。
「ラズ=リリン=バナワース、魔王様直々の召喚の命により、まかりこしました」
「うむ。
立派な角つきの冠、装飾が施された目隠しで口元しか見えない。それでも、息を飲むほどの美貌の持ち主なのが分かる。
一切の歪みのない長い髪は、パープルサファイアのように角度によって異なる輝きを放っていた。それもまた、魔力の成せる美しさだ。
女王の気品に圧倒された。
「単刀直入に聞く。お主、人間の男を連れているな」
「……はい」
予想通りの質問だった。餌として殺さず、連れだって旅をするなんて、魔族なら誰でも異常だと思うはずだから。
「お主から感じる魔力で分かる。その男と生身でまぐわったであろう」
びくっと体が反応した。初めてお会いしたはずなのに、全てを見透かされている感覚。このお方には誤魔化しは通用しないんだ。
おそるおそる、答えた。
「はい。おっしゃる通りでございます」
目隠しで見えないけれど、険しい眼差しを向けられているのを感じた。
「孕む恐れは皆無だが、万が一がある。これより触診を行う。余に身を委ねよ」
「はい、仰せのままに」
カルミラ様が私に向け、両手を翳す。無数の魔力の触手が現れ、次々と服の中に入ってきた。
「あっ……うあっ」
全身をまさぐられ、思わず声を上げた。瞬時に服を剥ぎ取られ、全裸にされた。膝を曲げた状態で拘束され、大きく開脚させられた。
宙に浮かされた私の体。カルミラ様の目の前に秘部を突き出すかたちになった。
「ラズよ、口淫に飲精も行ったな?」
素直に肯いた。すると口をこじ開けられ、触手は喉奥まで伸びてきた。
「うえっ……えぐっ」
「苦しいだろうが、耐えよ」
カルミラ様のお言葉とは裏腹に、私はすべてに快感を覚えていた。
触手は喉奥を這い、腟と直腸を掻き回した。同時に乳首と陰核をこね繰り回された。まるで複数の殿方に弄ばれているような感覚だった。
「うあっ、はああ……あうっ……」
涙が流れた。旦那様の居ない所で、旦那様以外に感じるなんて、自分が許せなかった。
喉奥の触診はすぐに終わった。
けれど、腟内の触診はしばらく続いた。私の呻き声と、くちゅっ、ぐちゅっという情けない音だけが、玉座の間に響き渡っていた。
ひどく惨めだった。
腟液が床に小さな水溜まりを作ったころ、ようやく女王の触診は終わった。
「異常はないようだな。孕んだ兆候もない」
私は拘束を解かれ、床に座らされた。そしてカルミラ様は私を見下ろし、言った。
「ラズよ、余から厳命を下す。心して聞け」
「はい……」