第三章:忍び寄る変容
【食卓の異変】
調教開始から一週間後
リューネに打ち込まれたマシンセルが体を侵食しはじめていた
マシンセルが独自に判断した事は“宿主の生存と現状への体組織適応”
まず生命維持の為に、食事に適応し始める
足りない栄養を補うため、“あなた”の精液とおしっこを栄養として消化吸収できるように胃や腸が変化
食事を積極的に行わせる為、“あなた”の精液とおしっこの味を“美味しい”と感じるように味覚が変化しはじめる
彼女の強い肉体と精神が抵抗しているため、マシンセルの侵食率は5%程度
午前7時のサイレンが鳴ると同時に、リューネは憂鬱な気分になる
またあの忌まわしい時間だ
チューブから無慈悲に口内に流れ込む粘液
いつもの嘔吐感を催す廃棄物のような味と食感…
「…!フゴッ!…ゴキュッ…オェッ…?」
(今までみたいな……あの腐った生ゴミの味じゃない……?)
(ひどい味だけど……ちょっとマシになってる‥?)
(今日は変えたの?わからない…………)
しかし喉を滑り降りる感触は以前ほど拒絶反応を引き起こさなかった
嫌悪感や抵抗感はあるものの、嘔吐もなく飲み込んでいることに彼女自身が驚いていた
ゴロゴロゴロ…
異物を警告する音がお腹から鳴り響く
だがこれも、最初より音が小さく、痛みも減っていた
ブビュッ…ブビュッ…ブリュッ…プゥーッ
肛門から消化を拒絶された汚濁が排出される
だがこれも量が明らかに減っており
胃や腸がある程度の量を受け入れて吸収したことを示していた
明らかに異物を“栄養”として認識し始めていた
【午後の陵辱】
「今日も可愛がったるわ」
“あなた”の指が右乳房の頂点をなぞる。過去の一週間と同じ行為だが──
ピクッ……
微かな電流が脊椎を走った
生命の危機に生殖本能が刺激され、それにマシンセルの侵食も合わさり
本人の意思とは無関係にほんのわずか快楽を感じ始めたのだ
(なに……?今の感覚は……!?)
(違う!!これは……寒気がしただけよ……!)
「ほう……少し敏感になってきたやんけ?」
“あなた”が嘲笑う
【深夜の排泄】
深夜、いつもの排泄時間
初日の衝撃的な排泄経験から、我慢は無駄と知り
抵抗せずに静かに排泄を行うようになっていた
あきらめていたとしても屈辱には違いなくリューネは身体を震わせる
「……ふっ!」
ブリリリリ、シャアアアアア
いつまでも慣れない恥ずかしい臭いと音に顔をしかめる
(汚い…臭い…恥ずかしい……朝になったらあいつにまた見られる……)
(だけど……今は生き延びるのが最優先……チャンスは必ず来る……)
朝。やってきた“あなた”がプラスチックスプーンで床に落ちたリューネのうんちをすくいあげる
かつては泣きじゃくりながら顔を背けた光景だが──
「くっさ!……今日もえらい臭いやなぁ?」
リューネの頬が朱に染まる。だが目尻から涙は溢れてこない
悲しさ悔しさよりも羞恥が勝っているようだ
(恥ずかしい……どうしてこんなことするの……)
【浄化の儀式】
ホースの冷たい水と固いブラシが柔肌を蹂躙する
相変わらず乱暴な動きだ
(痛いっ…!またモノみたいに……!)
(いつかこの手で……報いを受けさせる……!)
皮膚が乱暴に擦られる
尿道と肛門と女性器もブラッシングされ、ウンカスやマンカスを目の前に持ってこられる
だがその体を洗浄される行為自体への嫌悪感は少し薄れていた
【観察室からの視点】
監視カメラ越しに“あなた”はモニターを睨む。
『排泄の時間に泣かへんようになった……』
『食事の嘔吐はなくなったな……』
『味覚変化のログ……わいの精液や尿も栄養として吸収しとるみたいやな……』
『同じ時間に同じ行為……あえてルーチン化する事で慣れさせる……』
『リューネにも、マシンセルにもな……』
『やが反抗的な目付きは……未だ健在やな……』
(体は順調に変化しとる……心は想像以上に強靭で抵抗しとる……)
(逆に言えば……だからこそ壊れないでここまで来れてるともいえる……まぁじっくりやっていこか……)
【夜半の誓い】
両手両足を穴に拘束され宙吊りにされた状態でリューネは目を閉じる。しかし眠れない
(身体が……変…何かが侵食してきてる…)
(間違いなく注射で打たれたアレだ………)
(でも……思考はまだ自由だ……)
(親父…なにしてるかな………)
(ケンカなんかしなきゃよかった…………)