街道を北へ。
もう三日になる。
俺とアリシアは、人のいない道を選んで歩いてた。
正確には、歩いてるのは俺だけ。
アリシアは俺の術式で動いてる。
でも、遠目には二人の旅人に見えるはず。
多分。
「……疲れた」
俺は本気で疲れてた。
魔術師は体力ない。これでもかってくらいない。
足は棒。肩はこる。寝不足。
夜はアリシアを抱いて寝てるけど、地面は固いし寒いし。
「お前は疲れないよな」
隣のアリシアを見る。
外套の下で、相変わらずの無表情。
死んでるから疲れない。
死んでるから文句も言わない。
「便利なのか、そうでもないのか」
よくわからない。
でも、文句を言わない女って最高かもしれない。
なんて考えて、すぐに自己嫌悪。
最低だな、俺。
次の日の昼前。
森に入った。
街道から外れて、獣道を進む。
魔物を避けるためだ。
北の山脈に近づくほど魔物は増える。
俺の戦闘力ははっきり言ってない。
アリシアは生前は強かったけど、今はただの死体。
二人とも戦えない。
「見つかる前に、隠れるか……」
それが一番。
陰キャは逃げ足だけは早い。
獣道を三時間。
木々が開けて、小さな泉が見えた。
森の中の、隠れた水場。
岩の隙間から水が湧いてて、底まで透き通ってる。
周りは苔と古い木。
誰もいない。
完璧だ。
「ここで休むぞ」
俺は術式を止めた。
アリシアの身体から力が抜けて、俺の腕の中に倒れ込む。
抱きとめて、泉のそばの平らな岩に寝かせる。
外套を外す。
金髪が、さらりと広がった。
「水、飲むか」
聞いてから、意味ないことを思い出す。
俺は一人で泉の水を飲んだ。
冷たくて、うまい。
生きてる。
俺は生きてるんだな、と思った。
「ついでだ。洗ってやるよ」
アリシアの身体は、腐敗防止の魔法で保たれてる。
でも、旅の汚れはつく。
土埃、汗……俺の精液の跡とか。
俺は彼女の服を脱がせ始めた。
まずは上着。
包帯はもう巻いてない。旅の間に取れた。
だから上着の下は、すぐ肌だ。
「……おっぱい」
口に出てた。
相変わらずデカい。
何度見ても、慣れない。
何度揉んでも、飽きない。
白くて、やわらかくて、重力にちょっと負けてる。
乳首は淡いピンク。
死んでるから、温度は冷たいまま。
でも、触るとちゃんと固くなる。
死後硬直じゃない。そういうのじゃない。
俺は知ってる。何度も触ったから。
アリシアの乳首は、触るとちょっと固くなる。たぶん、弾力が残ってるだけ。
でも俺は、それを「反応」だと思うことにしてる。
「下も脱がす」
スカートじゃない。旅用のズボン。
それを下ろす。
太ももが露出する。
筋肉質で、でも女らしい曲線。
生前の訓練の跡が、かすかに残ってる。
下着も取る。
金髪の茂み。
閉じた割れ目。
きれいな肌色の大陰唇。
何度見ても、ドキドキする。
「洗うぞ」
俺は自分の服も脱いだ。
全裸になる。
泉は冷たそうだけど、まあ大丈夫。
まずアリシアを抱き上げて、浅いとこに連れてく。
水に浸ける。
ひんやりして気持ちいい。
太ももを支えにして、彼女を岩にもたれさせる。
顔が水につかないように。
それから、持ってきた布で、そっと彼女の身体を拭き始めた。
顔。
水滴が瞼の上で光る。
長いまつげ。
死んでるのに、今にも開きそう。
「お前の目、好きだった」
青くて、強くて。
いつも笑ってた。
俺にだけじゃない。みんなに向けて。
それがちょっと嫌だった。
でも、それがお前だった。
「次は首」
首筋。
鎖骨のあたり。
生前は汗ばんでた場所。
剣を振るって、鎧着て、いつも体力お化け。
汗を拭うお前を、何度も遠くから見てた。
「胸」
布を当てる。
やわらかい膨らみを、そっと拭く。
指が沈む。
冷たい水の膜が、肌を覆って、つやつや光る。
布で乳首をなぞる。
こり、と感触。
「……はあ」
息が荒くなる。
俺は手を止めた。
だめだ、洗うだけ、洗うだけ。
「腕」
筋肉の名残のある二の腕。
無数の傷跡。
古いやつ、新しいやつ。
「手」
ごつごつした指。
剣だこが残ってる。
生前はこの手で、どれだけ敵を倒したんだろう。
今は動かない。
でも俺が動かす。
俺だけが、アリシアを動かせる。
「お腹」
布を下ろす。
引き締まった腹。
肋骨がうっすら見える。
戦場で食う暇もなかったんだろう。
「ちゃんと食えよ、生前から」
死んでるのに、説教する。
馬鹿みたいだな……。
水が、へその周りにたまる。
脚。
太もも。
ふくらはぎ。
足首。
ブーツを履いてた跡が、かすかに赤くなってる。
死んでるのに、跡がつくんだな。
「……で」
最後。
脚の間。
「ここも、洗わないと。な」
声が震えた。
わかってる。
洗うだけじゃないって。
自分でわかってる。
でも、洗う。
俺は布を、そっと彼女の割れ目に当てた。
大陰唇を、そっと広げて、中を拭く。
淡いピンクの粘膜。
つやつやしてる。
死んでるのに、内側はまだしっとりしてる。
腐敗防止の魔法が、粘膜まで守ってる。
「……クリトリス」
小さな突起。
包皮をちょっと剥いて、優しく拭く。
こりこり。
指に力を込めすぎないように。
膣口。指を入れる。
水と一緒に、人差し指がずぶりと入った。
冷たい。
でも、相変わらず狭い。
肉壁が指に絡む。
「一回、出しとくか」
俺は自分の股間を見た。
もうガチガチに勃起してる。
洗いながら、ずっとこれだ。
先っぽから透明な汁が垂れて、水に溶ける。
「アリシア」
俺は彼女を泉の縁に移動させた。
上半身は岩に寄りかからせて、腰だけ水に浸かる感じ。
脚を広げる。
水の中で、金髪の茂みが揺らめいてる。
その下の、ピンクの割れ目。
「挿れるぞ」
俺は腰をあてがった。
亀頭を膣口に押し当てる。
冷たい水と、冷たい彼女の肉。
「……ん」
一気に、奥まで。
ずぶぶぶ、って音が水中で響いた。
「……は、ぁ……っ」
全身が震える。
何度入れても、これ。
最初の一突きの、この感覚。
冷たくて、狭くて、俺の全部を包み込んでくる。
「動くぞ……!」
腰を引く。
水の抵抗と、肉壁の締め付け。
二重の快感。
また奥まで。
ぱしゃん、と水が跳ねる。
「アリシア……アリシア……!」
腰を打ち付ける。
水しぶきがあがる。
泉の静けさを、俺の腰の音が壊していく。
アリシアの身体が揺れる。
死んだ身体が、俺の動きに合わせてがくがく揺れる。
おっぱいが、水上でぶるんぶるん跳ねる。
水滴が飛び散って、日の光に光る。
「好きだ……好きだ、好きだ、好きだ……!」
声が抑えられない。
誰もいないから。
森の中だから。
叫んでも、誰も聞いてない。
アリシアしかいない。
アリシアは、何も言わない。
でも、俺を受け入れてる。
この冷たい膣が、俺のをぎゅうぎゅう締め付けてる。
「お前の中……冷たいのに、気持ちいい……!」
俺は彼女の胸を掴んだ。
両手で鷲掴み。
ぐにぐにして、揉みしだきながら、腰を振る。
指の間から白い肉がはみ出る。
乳首を親指でぐりぐり潰す。
水と汗でぬるぬるした肌。
「アリシア……っ、出す、出すぞ……!」
一番奥を亀頭で突く。
子宮口ってやつ。
死んでるけど、たぶんそこ。
ぐりぐり押し付けて、俺は叫んだ。
「……っ、く、ぅ……!」
どくどく、どくどく。
精液が彼女の胎内に流れ込む。
冷たい水の中で、俺の熱い精子が彼女の中を満たしていく。
「……は……はぁ……」
しばらく動けなかった。
繋がったまま、彼女の胸に顔を埋める。
冷たい。
でも、俺の居場所はここだ。
十分くらい、そうしてた。
やっと俺は顔を上げた。
アリシアは変わらない。
目を閉じて、ただ静かに。
でも、口元が。
やっぱり、ちょっと笑ってるように見える。
気のせいだ。
死体の顔の筋肉が、たまたまそう見えるだけ。
わかってる。
でも。
「……綺麗だよ、お前」
俺はキスをした。
冷たい唇。
冷たい舌。
それでも俺は、夢中で貪った。
印をつけるみたいに。
「……続き、するか」
俺のモノは、もう硬さを取り戻してた。
まだまだ、旅は長い。
もう少しだけ、ここにいよう。
アリシアと、二人きりで。
「なあ、アリシア」
「次は、お前からもしてほしいよな」
返事はない。
でも、いつか。
屍の塔で、もっと深い死霊術を手に入れたら。
お前を、もっと人間に近づけられたら。
「そしたら、お前、俺のこと好きになってくれよな」
「……死んでるけど」
俺は笑った。
自分で言って、悲しくなった。
それに……。
こんなことをしている俺を、アリシアはきっと許さないだろう。
あいつは卑怯なことを嫌うやつだったから。
でも、いい。
今はこれで。
今は、俺がアリシアを好きでいられれば。
「……もう一回」
俺は彼女の腰を引き寄せた。
水音が、また響き始める。
森の奥で、カラスが一羽、鳴いた。
俺たちを嘲笑うみたいに。
でも、どうでもいい。
今、俺は世界で一番幸せだ。
アリシアと繋がってる。
それだけで。
全部、それだけで。
日が傾く頃、俺はアリシアを泉から引き上げた。
新しい服を着せる。旅の準備。
体はきれいになった。
金髪は、また輝きを取り戻してる。
「……よし」
術式をかける。
「立て」
彼女は立ち上がった。
外套を被せる。
フードを下ろす。
また二人、北へ歩き出す。
泉を後にして、森の奥へ。
屍の塔までは、あと少し。
「待ってろよ、アリシア」
俺は彼女に話しかける。
「次に立ち寄るところでは、もっとゆっくりしよう」
「それまで、このままでいいから」
「隣にいてくれ」
彼女は歩く。
何も言わず、俺の隣を。
それが、今の俺のすべてだった。
森を抜けると、遠くに山脈が見えた。
屍の塔は、まだ見えない。
でも、近づいてる。
確かに、一歩ずつ。
俺は、禁断の力を手に入れる。
それが偽物のアリシアしか生み出せなくても。
俺が本物だと思えば、それでいい。
「お前は、俺のアリシアだ」
誰がなんと言おうと。
俺は、そう決めたから。