さよならコブラツイスト 〜美墨なぎさと弟・亮太〜 作:黒沼むつみ
ROUND1+2──「ちょっとあんたなに大きくしてんの?!」
〈ROUND1〉
ありえない。
弟に・・・初めてを奪われる、なんて。
身体にまだ感触が残ってるみたい。
わたしをずっと前から好きだったのも驚いたけど・・・
それにしたって。
・・・でも、あそこで手を離すわけにはいかなかった。
今にも亮太は、どこかへ消えてしまいそうだったから。
オユガワキマシタ。
「ええい!」
破れたブラウスを脱ぎ捨てゴミ箱にシュート。
わたしの大声に驚いたのか、背を向けてベッドに座ってる亮太がびくりと震えた。
怖いのはこっちだったってば。
かといって今さらどうなるわけじゃない。
考え続けても何も変わらないし。
っていうか!
もう一回しちゃったんだから、お姉ちゃんも何もなくて・・・
亮太がわたしを女の子として見てるなら、わたしも亮太を男の子として・・・
・・・えっと、ええ?!
あーもう、わかんない!
まあ・・・なるべく頑張ろう。
亮太がブラジャーだけのわたしをチラチラ見る。
わたしと同じくらいになった背を縮こませて、
バツが悪そうに、でも見たくて仕方がないって感じ。
しょうがないやつめ。
「わたしといっしょに入る?」
「ええっ!!!」
となりの部屋どころかアパート中に響き渡るんじゃないかって大声。
そんな食いつく?
え、そんな・・・そんな見たいのかな。
・・・ちょっと焦らしちゃえ。
「脱衣所狭いから後から来なさいよ」
目の前で脱いでなんかやるもんか。
・・・うわっめちゃくちゃ残念そうな顔してる。
あとで背中くらい流してやるか。
〈ROUND2〉
・・・よく分からない。お姉ちゃんが。
ぼくがやったことが許されるとは・・・思わないけど、一緒におふろって・・・これは・・・どういう?
ぐるぐると想像がめぐる、泡だらけの手がぼくの体にお姉ちゃんの熱い息がいや本当に入っていいのかなでも単に一緒に入るだけで目の前を通り過ぎたあの薄くて形のいい胸ブラジャーの中身が
「亮太!まだ来ないの!?」
あわてて脱衣所に駆け込んで服を脱ぎ捨てる。
その辺のカゴにかけておけばいいかな。
脱衣所はせっけんとお姉ちゃんの匂いで満たされていて、ぼくのものがもう自己主張をはじめてる。
さっき、傷つけてしまったばかりなのに。
・・・ぼくは、最低だ。
「亮太?もう上がっちゃうよ?」
すりガラスの向こう、明るい肌色の輪郭が動いてる。
「いま、いまいくから」
飲み込んだ唾の音がやけに大きい。
扉を開けた。
さっきは気づかなかった。
試合のユニフォームの跡だろうか。
薄い日焼けと白い肌のコントラスト。
立ち上る湯気に包まれて、しっとり光ってる。
純白のお尻からつ、と伝った水滴が、太ももの境界線をまたいで小麦色の肌へ流れた。
もうダメだ
みきみきとみなぎるつよくなるおおきくなる
「ちょっとあんたなに大きくしてんの?!」
そうなる事は分かってたでしょ、お姉ちゃん。