※この作品はR-18です。

奉仕種族に転生したら変態お嬢様に飼われることになった件   作:もんも♡

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7.朝風呂と氷の白百合の再起動

朝。

 

小鳥のさえずりとともに目覚める、さわやかな使用人ライフ──

 

とはならなかった。

 

なぜなら僕は、お嬢様の私室の床で目を覚ましたからだ。

 

(……なんで床?)

 

寝ぼけた頭で記憶をたどる。

 

昨夜、お嬢様を三十回イかせて失神させて、タオルケットをかけて、照明を消して。それで、部屋を出ようとして──

 

(ああ、そうだ)

 

「いかにゃいでぇ……♡」

 

意識が朦朧としてるのに、僕の服の裾を掴んで離さなかったんだった。

 

指、一本一本剥がそうとしたけど、あれなんでだろう、人間の握力ってなんであんなに強いんだろう。

 

結局、その場に座り込んで、気づいたら寝てた。

 

(奉仕種族の鑑だな、僕)

 

自分で自分を褒める。

 

床で寝たわりに身体は痛くない。これもファムの種族特性だ。

 

人間に尽くすために進化した生物は、柳床で寝ても疲れが取れるようにデザインされている。どういう生き物だ。

 

「ん……」

 

ベッドの上から、寝言ともため息ともつかない声。

 

見上げると、お嬢様が薄目を開けていた。

 

「ショコラ。おはよう」

 

「おはようございます、お嬢様」

 

「なんで床に?」

 

「なぜでしょうね」

 

僕はさらりと流した。使用人として「あなたが離してくれなかったからです」とは言わない。プロだから。

 

お嬢様はむくりと起き上がり、ぐっと伸びをした。

 

ベビードールはぐちゃぐちゃで、乳首は依然としてこんにちは状態だ。

 

でも彼女はまったく気にする様子もなく、窓辺に歩み寄ってカーテンを開ける。

 

朝日が差し込む。

 

その光を浴びながら振り返ったカタリナお嬢様は──

 

「今日はいいお天気。絶好の学園日和ですわ……」

 

そこにいたのは、昨日の夜の獣とは別人だった。

 

目は爛々としていない。口調も落ち着いている。仕草は優雅で、背筋はピンと伸びている。

 

(……あ、これが『氷の白百合』モードか)

 

初日の応接間で見せた、完璧な貴族令嬢の顔。

 

つまり彼女は、朝起きたらちゃんとスイッチが切り替わるんだ。

 

「ショコラ、今日からあなたも学園に同行してもらいますわ。護衛兼お世話係として」

 

「学園に?」

 

「ええ。話は通してありますの。ファムを連れている生徒は他にもいますから、珍しくはありませんわ」

 

そういえば初日にそんな話をしていた気がする。「学園にも通っていて、身の回りの世話と護衛を兼ねられる奉仕種族を探していた」と。

 

「学園までは馬車で三十分ほど。それまでに朝の支度を済ませましょう。まずは……そうね、昨夜の汗を流したいから、お風呂の準備をお願いできるかしら?」

 

「はい、かしこまりました」

 

僕は立ち上がり、執事服についた埃をはたいた。

 

よし、今日は普通の業務だ。

 

普通の朝風呂の準備だ。

 

僕は浴室へ向かった。

 

公爵邸の浴室は、これまたとんでもない広さだった。

 

白大理石の床。壁には精緻なモザイク画。浴槽は優に十人は入れる大きさで、湯は魔法で常に適温に保たれている。

 

「すごいな……公衆浴場ぐらいある」

 

僕は魔法で湯を張りながら、思わずつぶやいた。

 

「あら、公衆浴場に入ったことがあるのかしら?」

 

「うわっ」

 

振り返ると、お嬢様が浴室の入り口に立っていた。

 

もう着替えてきたのか、シンプルな白いバスローブを羽織っている。でもベルトはまだ結んでなくて、前がほぼ全開だ。

 

「お、お嬢様、前が……」

 

「あら、ほんと。失礼」

 

彼女はこともなげにベルトを結んだ。恥じらいの「は」の字もない。

 

「それで、ショコラ。お湯はもう大丈夫かしら」

 

「はい、ちょうどいい温度です」

 

「ありがとう。じゃあ、服を脱いで」

 

「はい、かしこまりました」

 

僕は執事服のボタンに手をかけて──

 

「?」

 

手が止まる。

 

「どうしたの? 早く脱がないと学園に遅れますわ」

 

「いや、あの、僕も脱ぐんですか?」

 

「ええ。わたくしの身体も洗ってほしいから」

 

お嬢様はまるで天気の話をするみたいに言った。

 

「自分の身体は自分で洗えるけど、今日はあなたに洗ってほしいの。それも立派なご奉仕ですわ」

 

(……立派なご奉仕)

 

その言葉、たぶん里の教科書には載ってない意味で使われてる。

 

でも、拒否権はない。僕は奉仕種族だ。

 

「……わかりました」

 

僕は観念して、執事服を脱ぎ始めた。

 

例のボタンだけは慎重に避けながら。あれを間違えて押したら、また股間からこんにちはである。

 

全部脱いで、きちんと畳んで棚に置く。

 

振り返ると──

 

お嬢様もすでにバスローブを脱いでいた。

 

「……」

 

言葉を失った。

 

朝日に照らされた彼女の裸身は昨夜のベビードールで見たよりも、ずっと、はるかに。

 

白い。

 

そして、すごい。

 

昨夜は乳首に夢中で気づかなかったけど、あらためて見るとお嬢様の身体のバランスは驚異的だった。

 

肩は華奢で、鎖骨のラインは繊細で、腰はきゅっと絞られてるのに、胸とお尻だけがふんわりとボリュームを持ってる。

 

神様が「ここはこう、ここはこう」って狙って設計したみたいな、計算された曲線。

 

「どう? わたくしの裸、そんなにまじまじ見られると、さすがにちょっと照れますわ」

 

「…………すみません」

 

いや、照れてるようには見えない。

 

でも僕は素直に謝った。奉仕種族だから。

 

「それじゃあ、まずは髪からお願いするわね」

 

お嬢様は洗い場の椅子に腰掛けた。

 

プラチナブロンドが、するりと背中に流れる。

 

僕は手桶でお湯をすくい、そっと彼女の髪にかけた。

 

「ん……いいお湯」

 

安らかな声。

 

僕はシャンプーを手に取り、泡立ててから、ゆっくりと髪に揉み込んでいく。

 

「あ……気持ちいい……♡」

 

指の腹で頭皮をマッサージする。こめかみのあたりをぐるぐる、後頭部をぐいぐい、耳のうしろをそっと撫でる。

 

「んっ……♡ ショコラ、上手ですわ……♡ 狙ってる?♡」

 

「狙ってません」

 

本当に狙ってない。僕はただ、奉仕種族としてベストを尽くしているだけだ。

 

泡を洗い流して、次はトリートメント。

 

「お嬢様の髪、すごくきれいですね」

 

「あら、嬉しい。毎日手入れしてるんですのよ」

 

「わかります。指通りがぜんぜん違う」

 

「ふふ、あなたに褒められると、なんだか特別な気分だわ」

 

(……こうしてると、本当に普通の主従みたいなのに)

 

シャンプーの時間だけは、彼女もただの女の子だった。

 

でも。

 

「さあ、次は身体ですわね」

 

その声に、ほんのちょっとだけ、熱が混ざり始めた。

 

僕は新しいスポンジを手に取り、ボディソープをたっぷり含ませた。

 

「まずは背中から」

 

「ええ、お願い」

 

泡立ったスポンジを、そっと背中に当てる。

 

肩甲骨から、背骨に沿って、くるくるくるっと円を描く。

 

「ん……っ♡」

 

お嬢様の口から、ちいさな吐息。

 

僕は気にせず続ける。

 

腰のあたりを横にスライド。脇腹を、そっと撫でる。

 

「んふ……っ♡ そこ、ちょっとくすぐったい……♡」

 

(あれ? なんか声が甘くなってきた)

 

肩を首筋をうなじを。泡のついた手のひらで、ていねいに洗い流すように撫でる。

 

「はぁ……っ♡ ショコラ、あなたやっぱり……狙ってるんじゃ……♡」

 

「狙ってないです」

 

本当に狙ってない。奉仕種族の本能が、ご主人様を気持ちよくする最適なツボを自動で探してるだけだ。

 

断じて僕は変態ではないのだ。

 

たぶん。

 

「じゃあ、前も……いいかしら?」

 

お嬢様が、くるりとこちらを向いた。

 

泡まみれの両手でスポンジを握りしめる僕の前に、また巨乳が。

 

(平常心、平常心……)

 

僕はスポンジを胸元に──当てなかった。

 

代わりに、鎖骨のあたりからスタートした。

 

「まぁ、遠回りですのね」

 

「順序ですから」

 

鎖骨をなぞり、肩を揉み、腕を下り、手首まで。

 

右手が終わったら左手。

 

「じれったいですわ……」

 

お嬢様が不満そうに唇をとがらせる。でも目はすでにとろりと潤み始めている。

 

(さあ、ここからだ)

 

僕は意を決して、スポンジをお嬢様のお腹に当てた。

 

肋骨の下あたりを、くるくる、くるくる。

 

へその周りを、そーっとなぞる。

 

「んぅ……っ♡」

 

(よし、まだ大丈夫だ。まだ変態スイッチは入ってない)

 

次に、太腿。

 

膝から上へ向かって、両手で包み込むように洗う。

 

「あ……っ♡ そんな、太腿なんて……っ♡」

 

(あれ? 太腿も弱点なのか)

 

右足が終わり、左足。

 

そして最後に──

 

「お嬢様、胸をお洗いします」

 

「……っ♡ ええ……どうぞ……♡」

 

声がもう、夜のモードに片足突っ込んでる。

 

僕は泡をたっぷり含ませたスポンジを、そっと、お嬢様の左の乳房に当てた。

 

「んぁっ……!♡♡」

 

声のトーンが一段上がる。

 

でも僕は、あくまで「洗う」動きを崩さなかった。

 

スポンジで、乳房のふもとから頂点に向かって、ゆっくりと円を描く。

 

「あっ……♡ やっ……♡ それ、洗い方、えっちすぎ……っ♡」

 

「普通の洗い方です」

 

「うそ……っ♡ ぜったい、うそ……っ♡」

 

ふもと、外側、内側、頂点。

 

左右交互に、同じ動きを繰り返す。

 

泡が胸の谷間にたまって、とろりと流れ落ちる。

 

「あぁっ……♡ あっ、あっ、んっ……♡♡」

 

お嬢様の膝が、かくんと震えた。

 

「お嬢様、ちゃんと立ってください。洗えないです」

 

「ら、らってぇ……っ♡ きもちよくて……っ♡」

 

「まだスポンジですよ」

 

「す、すぽんじのくせにぃ……っ♡♡」

 

スポンジのくせに、とは新種の文句だ。

 

僕は仕上げにスポンジの角で乳首の先端をつん、とつついた。

 

「ひゃんっっ!!!!♡♡♡」

 

浴室に声が響く。

 

「……い、いま、ちょっとイッた……っ♡」

 

「スポンジでですか?」」

 

「す、すぽんじであんなとこ、つつかれたら、イくに決まってるじゃない……っ♡♡」

 

(決まってるんだ……)

 

僕はそっとスポンジを桶に置いた。

 

「では、泡を流しますね」

 

「ええ……っ♡」

 

手桶ですくったお湯を、肩からそっとかける。

 

泡が流れて、白い肌が露わになる。

 

露わになった胸の先端は、すでに硬く尖って、さっきよりもずっと濃い紅色に染まっていた。

 

「……ショコラ」

 

「はい」

 

「あと、五回だけ……♡」

 

「……」

 

「学園に遅れる前に、あと五回だけ、ここを……っ♡」

 

お嬢様は自分の胸に手を当てて、潤んだ瞳で僕を見上げた。

 

「直接、指で……っ♡ そしたら切り上げるから……っ♡」

 

(切り上げる、ね)

 

この人の「ちょっと」が三十回だったことを、僕は忘れていない。

 

でも。

 

「……わかりました。五回だけですよ」

 

「ええ……っ♡ 約束しますわ……っ♡」

 

この人の口から「約束」という単語が出ること自体が奇跡だが、まあいい。

 

僕はお湯で手をすすいでから、そっとお嬢様の胸に手を伸ばした。

 

「言っておきますけど、ほんとに五回だけですからね」

 

「ええ……♡」

 

「学園が終わったらいくらでもしますから、今は五回だけで」

 

「……♡」

 

(今、舌なめずりした?)

 

結局、浴槽の中で三回、洗い場で二回、合計五回の乳首絶頂(合計所要時間約二分)を経て、お嬢様はなんとか正気を取り戻した。

 

「ありがとう、ショコラ。すっかりさっぱりしたわ」

 

浴室から出てきた彼女は、また「氷の白百合」の顔に戻っていた。

 

すごい切り替えだ。

 

まるで二重人格を見てるみたいだけど、本人は完全に自覚的だからタチが悪い。

 

「さあ、学園に行く準備をしましょう。あなたも新しい制服を着てね」

 

「僕もですか?」

 

「ええ。学園にはファム用の制服があるの。ちゃんと手配してあるわ」

 

さすが公爵家。準備がいい。

 

というか、僕が来る前から全部手配してあったんだろう。例の奉仕種族資金で。

 

僕は自分の部屋に戻り、支度を済ませた。

 

学園指定のファム用制服は、執事服よりも軽装で動きやすかった。深緑のジャケットに、白いシャツ、同色のハーフパンツ。ポケットにはちゃんと「奉仕種族用」と刺繍が入っている。

 

(これ、学園ではけっこう普通の風景なんだろうか)

 

人間の生徒の横に小さなファムが控えてるのが。

 

そんなことを考えながら玄関ホールに向かう。

 

そこにはすでに制服姿のカタリナお嬢様が待っていた。

 

「……お嬢様」

 

「なぁに?」

 

「学園の制服、なんというか、その……」

 

彼女が着ている制服は、貴族学園らしく上品なデザインだった。白いブラウスに長めのプリーツスカート、紺のブレザー。清楚そのもの。誰がどう見ても、品行方正な公爵令嬢だ。

 

でも僕は知ってる。

 

この制服の下で、今朝も乳首が疼いてることを。

 

それどころか、たぶんスカートの中も、微妙に濡れてることを。

 

「ふふ、どうしたの? そんなに見つめて」

 

「いえ。制服、とてもお似合いです」

 

「あら、ありがとう」

 

カタリナお嬢様は、にっこりと微笑んだ。

 

それはもう完璧な、貴族の笑顔だった。

 

(この笑顔と昨夜のアヘ顔が同一人物のものだって、誰が信じるんだろう)

 

そんなことを思いながら、僕は彼女のあとに続いて馬車に乗り込んだ。

 

♢   ♢   ♢

 

王都の中心部にある王立ローゼンハイム学園は、貴族の子息子女が通う由緒正しき教育機関だ。

 

馬車を降りた僕の目の前に広がるのは、荘厳な石造りの校舎。手入れの行き届いた前庭。噴水の周りには制服姿の生徒たちが三々五々集まっている。

 

「カタリナお嬢様!」

 

「おはようございます、カタリナ様!」

 

馬車から降りた彼女に、何人もの生徒が声をかけてくる。

 

そのときのカタリナお嬢様の変わりようは、見事というほかなかった。

 

「ごきげんよう、皆さま」

 

さっきまで浴室で「あ゛っ♡」とか言ってた人と同一人物とは思えない、涼やかな挨拶。

 

背筋は伸び、視線は穏やかで、口元には微笑みをたたえているが、必要以上に親しみを見せない。

 

そう、「氷の白百合」だ。

 

近寄りがたいほど美しく、気安く話しかけることを許さない、孤高の令嬢。

 

「……すごいな」

 

僕がぽつりとつぶやくと、隣に立っていた別のファム……どうやら他の生徒に仕えているらしい小柄な女の子のファムが、こっそり耳打ちしてきた。

 

「ねぇ、きみ、カタリナ様の新しいファム?」

 

「え? あ、はい」

 

「大変だね……あの人、学園のファムたちの間では有名なんだよ」

 

「な、なにがです……?」

 

彼女は声をひそめて、言った。

 

「たまにトイレから、すごい声が聞こえるんだって」

 

(トイレで何をしてるんですかお嬢様)

 

「それと購買部に『媚薬入り紅茶の茶葉はありませんか』って真顔で問い合わせたこともあるって」

 

(購買部のトラウマを想像したくない)

 

「あと、保健室の先生が言ってたんだけど、『内に秘める衝動の鎮め方を教えてほしい』って相談に来たことがあるらしくて」

 

(中二病か?いや、内容は変態病なのは分かるんだけど)

 

「先生が『どうしたんだね急に』って聞いたら、『最近、夜も眠れないほどで……』って」

 

(不眠症の訴えに聞こえるけど……)

 

でも中身は不眠症じゃない。三十回イかないと寝れないっていう、生物のバグだ。

 

「よくそんな情報知ってるね……」

 

「ファムネットワークってやつよ」

 

彼女はいたずらっぽく笑って、自分のご主人様のもとへ走っていった。

 

(この学園にはファムネットワークなるものが存在するのか)

 

そしてその情報網に、カタリナお嬢様はしっかりマークされていると。

 

まあ、当然か。

 

僕達ファムにとって、人間の動向は一番の楽しみだ。悪い動向であれ、良い動向であれファムにとっては一番の感心ごとなのだ。

 

「ショコラ、何をしているの? もう授業が始まりますわよ」

 

遠くでお嬢様が呼んでいる。

 

今は聖母のような微笑みを浮かべて。

 

「今行きます!」

 

僕は小走りで彼女の元へ向かった。

 

校舎に入る直前、お嬢様が僕だけに聞こえる声でささやいた。

 

「お手洗いの場所、もう把握した?」

 

「してません」

 

「じゃあ、あとで教えてあげますわね」

 

「え?なんで……?」

 

♢   ♢   ♢

 

こうして僕の学園初日が始まった。

 

授業中、お嬢様は完璧な優等生だった。教師の質問にはそつなく答え、ノートは丁寧に取り、居眠りする生徒もいない静かな教室で、ひときわ凛とした姿勢で席についている。

 

(なんて真面目なんだ)

 

(なんて清楚なんだ)

 

(この人が少し前まで浴室で「すぽんじのくせにぃ」とか言ってたなんて、誰が──)

 

「カタリナさん、次の設問はどうかな?」

 

「はい、この魔法方程式の解は……」

 

(──誰が信じるんだろうな、ほんと)

 

僕は教室の後ろで待機するファム用の長椅子に座りながら、深いため息をついた。

 

あと数時間。

 

たぶん、お嬢様は「お手洗い」に行く。

 

そこで何が起きるかは、僕にも容易に想像がついた。

 

(ファムネットワークに、新しい伝説が追加されませんように)

 

それだけを祈りつつ、僕は二時間目の魔法史学の授業に耳を傾けた。

 

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