※この作品はR-18です。

かっこいいボクの、かっこわるくて淫らな秘密   作:斑目朔

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王子様と机の下の密約(中編)

 その日の放課後。

 

 学校の図書室は、中間テストを間近に控えた生徒たちの静かな熱気と、ページをめくる音で満ちていた。

 

 西日の差し込む窓から離れた、図書室の奥まった資料コーナーの長机。

 

 そこが僕たちの陣地だった。

 

 僕と志穂(しほ)、そして漣(れん)と西園寺(さいおんじ)さんの四人は、机を囲むようにして座り、一緒にテスト勉強をしていた。

 

 表向きは「クラスメイト同士の勉強会」だ。

 

「あー……ダメだ、もう頭パンクしそう。数式が全部うどんに見えてきた……」

 

 一時間ほど経った頃、漣(れん)がシャーペンを放り投げ、大げさに机に突っ伏した。

 

 彼のノートには、謎の記号と、落書きのような計算式が散乱している。

 

「真宵(まよい)くん、まだ一時間しか経っていませんわよ。もう少し集中力を保ちなさいな。そんなことでは、本当に赤点を取ってしまいますわよ」

 

「西園寺(さいおんじ)はいいよなー、元から頭いいから。……ちょっと俺、糖分補給してくる。自販機でジュース買ってくるわ。なんか欲しいやつある?」

 

「いえ、わたくしは結構ですわ」

 

 漣(れん)はそう言うと、財布だけを持って足早に図書室を出て行った。

 

 残された西園寺(さいおんじ)さんも、小さくため息をついて立ち上がった。

 

「わたくしも、次の単元の参考書を探してまいりますわ。柊(ひいらぎ)様、少し離れますね」

 

「うん、いってらっしゃい、麗香(れいか)」

 

 志穂(しほ)が爽やかに微笑み、西園寺(さいおんじ)さんもまた、書架の奥へと姿を消した。

 

 ……そして。

 

 高い本棚に囲まれたこの資料コーナーに、僕と志穂(しほ)の、二人きりになった瞬間。

 

「はぁぁっ……」

 

 志穂(しほ)は、今まで背筋をピンと伸ばしていた姿勢を崩し、机の上にドサリと突っ伏した。

 

 そして、顔だけを横に向けて、僕の方をジッと見つめてきた。

 

「……翔(かける)」

 

 その声は、もう『学園の王子様』のものではなかった。

 

 甘く、震え、熱を帯びた、僕だけが知っている雌猫の鳴き声。

 

「どした?」

 

「やっと……やっと、隣に来られたっ……」

 

「声が大きい。西園寺(さいおんじ)さんが戻ってくるぞ」

 

「うぅっ……」

 

 僕が冷たく注意すると、志穂(しほ)は情けない声を漏らし、さらに身体を僕の方へとすり寄せてきた。

 

 図書室の机の下。

 

 誰にも見えない死角で、彼女は制服のスラックスを穿いた自分の長い脚を、僕の足へと密かに、そしてねっとりと絡ませてきたのだ。

 

「……おい、志穂(しほ)。何をしてる」

 

「だって……ボク、学校にいる間、ずっと翔(かける)の匂いが恋しくてっ……頭が、全然勉強モードにならないんだもんっ……」

 

 志穂(しほ)はブラウスの襟元を少しだけ緩め、顔を真っ赤にしながら、小声で自白を始めた。

 

「さっき、麗香(れいか)たちに数学教えてる時もっ……頭の中では、ずっと翔(かける)のおちんぽのことばっかり考えちゃってっ……」

 

「……」

 

「翔(かける)のお部屋で……中出しされた時のこと……思い出してっ。……ねぇ、翔(かける)。今、スラックスの中……ボクのお汁で、じっとり濡れちゃってるのっ……」

 

 志穂(しほ)の足が、僕のふくらはぎをスリスリと擦り上げる。

 

 図書室という公の場で、こんなはしたない言葉を並べて僕を誘惑してくる。

 

 彼女の王子様としてのプライドは、僕への欲情の前では何の役にも立たないらしい。

 

「触って……ボクのおまんこ、翔(かける)の手で、確認して……?」

 

 志穂(しほ)がさらに身を乗り出してこようとした、その時。

 

 パシッ。

 

 僕は机の下で、志穂(しほ)のスラックスの太ももを、手のひらで軽く、しかし鋭く叩いて制止した。

 

「ひぅっ……!」

 

「図書室だぞ。……誰かに見られたらどうするつもりだ。王子様の化けの皮が剥がれるぞ」

 

 僕の冷たい言葉と、太ももへの微かな痛みに、志穂(しほ)はビクッと肩を震わせた。

 

 しかし、彼女の瞳は恐怖よりも、むしろその「お預け」と「軽いお仕置き」によって、さらにドロドロに蕩けきってしまっている。

 

「うぅっ……ごめんなさい、ご主人様っ……でも、ボク、もう限界なのぉっ……翔(かける)に、犯されたいよぉっ……」

 

 僕は、机の下で震えている志穂(しほ)の足を、自分の靴の先端で軽く押し返した。

 

 そして、太ももを叩いた手をそのまま少し持ち上げ、机の影で志穂(しほ)の口元へと差し出した。

 

 志穂(しほ)はハッとして、待ってましたとばかりに僕の人差し指と中指をそっと両手で包み込むと、誰にも見えない暗がりで、それに熱い舌を這わせたのだ。

 

「ん、ちゅっ……れろっ……ちゅぱぁっ……♡」

 

 湿った、微かな水音。

 

 図書室の静寂の中で、彼女は僕の指先をチュパチュパとしゃぶりながら、上目遣いで僕にすがりついてくる。

 

 僕は指先に彼女の甘い唾液と舌の感触を感じながら、冷徹な調教者のように、彼女に条件を提示した。

 

「……そんなに僕に犯されたいなら、今回の中間テスト、学年トップ十に入ってみせろ」

 

「えっ……? 学年、トップ十……?」

 

 志穂(しほ)は僕の指を咥えたまま、驚いたように目を丸くした。

 

 彼女は優秀だが、学年トップ十ともなれば、それなりに本腰を入れて勉強しなければ届かないハードルだ。

 

「そうだ。もしトップ十に入れたら、テスト最終日の放課後……僕の部屋で、お前の大好きな『ご褒美』をたっぷり仕込んでやる。朝までめちゃくちゃにしてやるよ」

 

 僕の言葉に、志穂(しほ)の瞳孔がカッと開いた。

 

「でも、もしトップ十に入れなかったら」

 

 僕はあえて言葉を切り、彼女の耳元にさらに顔を寄せて、冷たく言い放った。

 

「次の週末まで、完全放置だ。……おまんこを触ることも、僕の部屋に来ることも許さない」

 

「ひぃっ……⁉」

 

 完全放置。

 

 それは、僕に依存しきっている志穂(しほ)にとって、どんな身体的な苦痛よりも恐ろしい地獄の宣告だ。

 

 志穂(しほ)は机の下で僕の指をギュッと強くしゃぶり、参考書で口元を隠しながら、必死に声の震えを抑えた。

 

「う、うぅっ……! ♡ んぐっ……」

 

 恐怖と、ご褒美への期待。

 

 その極限のプレッシャーが、彼女の身体を強烈に発情させているのがわかる。

 

 ブラウスの奥で、彼女がいつも身につけている首輪の鈴が、小さくチリンと切なく鳴った。

 

「んっ……、がんばる……ボク、絶対にトップ十に入るからっ……」

 

「約束できるか?」

 

「うんっ……! だから、その時は……おまんこ壊れるまで、いっぱいいっぱい、犯してね……? ご主人様っ……♡」

 

 机の下で、僕の指を甘く舐めながら、僕たちは絶対に誰にも言えない秘密の密約を交わした。

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