キィィン、コォォン……
放課後を告げるチャイムが、教室のスピーカーから鳴り響いた。
普段なら、この音は『学園の王子様』としての業務の第二部の始まりを意味する。
他クラスの女子生徒たちが廊下に群がり、委員会や部活動の助っ人を頼まれ、爽やかな笑顔を振りまきながら夕暮れまで学校に残る。
それが、
しかし、今日だけは違う。
今日だけは、一秒たりともこの場所に留まっていることなんてできなかった。
「あ、あのっ!
「ごめんね。今日はどうしても、絶対に外せない『用事』があるんだ。また今度誘って」
「えっ……あ、うんっ! わかった!」
申し訳なさそうに、でも少しだけ早口で女子生徒の誘いを断り、ボクは鞄をひったくるようにして肩にかけた。
「
教室の前方から、クラス委員長である
「うん、ごめんね
「そ、そうですのね……お気をつけてお帰りくださいませ」
その途中。
わざとらしくボクの進行方向に立っていたクラスメイト──ボクの『ただの幼なじみ』であり、ご主人様である
「……
教室の隅で、いつも目立たない男子を完璧に演じている彼からの、ごく自然な、クラスメイトとしての軽い声かけ。
でも、ボクにははっきりと分かった。
その穏やかな瞳の奥に、ボクを今すぐ組み敷いてめちゃくちゃに犯してしまいたいという、サディスティックな『ご主人様』の光がギラギラと宿っているのが。
「あ……うん、
ボクは必死に『学園の王子様』の爽やかな笑顔を作り、彼にそう返すのが精一杯だった。
少しでも気を抜けば、教室のど真ん中なのに「早くご主人様のお部屋に行って、全裸になりたいよぉ」と泣きついてしまいそうだったから。
他の誰の目にも触れない、彼とボクだけの秘密の合図。
その背徳的なやり取りだけで、スラックスの下に隠されたボクの下半身は、キュンッ、と甘く、そしてひどく暴力的に収縮した。
あぁっ……! だめっ、急がないとっ……早く、早くご主人様のお部屋に行かないとっ……!
ボクの右手は、スラックスのポケットの中に突っ込まれたまま、一つの硬い金属をギュッと強く握りしめていた。
お昼休みの前、あの人気の全くない旧校舎の空き教室で、大好きなご主人様から渡された、銀色の『スペアキー』。
冷たいはずの金属の鍵が、ボクの手のひらの汗と熱気を吸い込んで、まるで火のついた石炭のように熱く感じられる。
この鍵を持っているという事実。
ボクがご主人様に所有され、彼のプライベートな空間への出入りを許されたという、絶対的な信頼と支配の証。
それを握りしめているだけで、頭の芯がジンジンと痺れ、股間の奥からは「とろぉっ……」と透明な愛蜜が分泌され始めていた。
『ベッドの中で全裸になって、僕を待つんだ。……僕の可愛い、お姫様』
耳の奥で、ご主人様のあの低くて甘い、そして残酷なまでにボクを縛り付ける命令の声が何度もリフレインする。
全裸になって、待つ。
ご主人様が帰ってくるまで、誰もいない彼の部屋で、一人で服を脱ぎ捨てて、無防備な姿で彼を待つ。
その背徳的すぎるシチュエーションを想像するだけで、呼吸が浅くなり、視界がチカチカと明滅しそうになる。
全裸でっ……ボク、ご主人様のお部屋で、全裸になるんだっ……♡♡♡♡
学校からご主人様のマンションまでの道のりが、こんなに長く感じたことはなかった。
すれ違う下校中の生徒たちが、ボクを見て顔を赤らめている。
彼らは誰も知らない。
この凛々しい顔をした学園の王子様が、今まさに、おまんこを自分の汁でぐちょぐちょに濡らしながら、男に抱かれるために急いで帰っている発情した雌猫だということを。
その圧倒的な優越感と羞恥心が、さらにボクの渇きを加速させていく。
布越しに伝わる自分自身の湿り気を意識するたび、ボクは内股になりながら必死に歩みを進めた。
一話の文字数がドエライことになっているので、ちょっとお試し。
今までのが良かったかどうかも教えてほしいですね。