【悲報】異世界風俗、嬢の平均年齢が500歳を超えている 作:フレキシブルコーギー
「手加減しないから。そのつもりで」
メディはそう言い放つと、俺の手を振りほどいて起き上がった。蛇の目が暗がりのなかでぎらついている。さっきまで精液まみれで震えていたメイドは、もういなかった。
「覚悟はいいですね、タクミさん」
彼女はゆっくりとブラウスのボタンに手をかける。面接のときのシェリル夫人を思い出すような、焦らす仕草だった。
ひとつ、またひとつとボタンが外れ、白い鎖骨が露わになり、その下の豊かな膨らみが姿を見せる。
小柄な上半身に形のいい胸。重力に逆らうように張りがありながら、先端の色はうすい桜色で、初々しさがあった。腰から下は深緑の鱗で覆われ、長い尾がベッドの縁からだらりと垂れている。
「じっくり見る趣味でもあるんですか」
「……す、すみません」
まぁあるんですけど。
彼女はゆっくりと俺に這い寄ってきた。胸が揺れる。鱗がシーツを擦る音が、さわさわと部屋に響く。
「まずはキスからです」
「キス……?」
「舌コキが良かったんでしょ。次はキスでどこまで耐えられるか試してあげます」
彼女は俺の肩に手を置き、そのまま顔を近づけてきた。薄荷と麝香の混ざった匂いがふわりと漂う。面接のときに嗅いだシェリル夫人の匂いとは少し違う、もっと控えめで清楚な香りだった。
「んむ……っ」
最初は唇を重ねるだけだった。
柔らかくて少し冷たい。それがラミアのキスの第一印象だ。でも、それだけじゃなかった。
くちゅ……っ♡
彼女の二又の舌が、ぬるりと俺の唇をこじ開ける。細くて長い舌先が別々の生き物みたいに、俺の歯列をなぞり、上顎をくすぐり、舌の裏側をちろちろと這い回る。
「んっ……んむ……っ……♡」
絡め取られる、という表現がぴったりだった。
人間のキスは互いに舌を絡め合うものだが、ラミアのキスは違う。二又の舌がそれぞれ独立して動き、俺の一本の舌を両側から責め立てる。
こっちが逃げようとすると、片方が追いかけ、もう片方が別の場所を攻める。翻弄されているのに、なぜか抗えない快感があった。
ちゅぱっ……ちゅるっ……ちゅぷぷぷ……っ♡♡
「ん゛っ……♡ふっ……ぁ……っ♡」
俺の口のなかで彼女の舌が好き放題に暴れ回る。唾液が混ざり合い、唇の端からだらりと垂れた。
「……ふ、ぁ……っ」
ようやく唇が離れたとき、俺はもう息が上がっていた。
「ラミアのキス、人間のより気持ちいいでしょう?」
彼女はうっすらと笑い、それから俺の胸に手を当てて押し倒した。さっきまで俺が彼女を押し倒していたのに、いつの間にか立場が逆転している。
「まだ序の口ですよ。次はこれです」
彼女は俺の上に覆いかぶさると、今度は下半身の尾を俺の足に絡めてきた。
ひやり。
鱗の感触はやはり冷たい。でも、さっきまでの締め付ける尾じゃない。するすると、まるで手で愛撫するみたいに俺の太ももから膝、ふくらはぎへと這い回る。
「ラミアの尾は巻きつくだけの道具じゃないんです」
彼女はそう言いながら、尾の先端を器用に動かして、俺の両足のあいだに侵入させてきた。鱗の一枚一枚が、敏感な太ももの内側をなぞる。
さわさわ……っ♡ つつつつ……っ♡
「……っ!」
尾の先が、俺の睾丸の裏側をそっと持ち上げた。ぞわぞわっと背筋を何かが駆け抜ける。指じゃない、舌でもない、でも確かに気持ちいい。硬い鱗の縁が、柔らかい袋の皮目をなぞり、先端の細くなった部分が会陰を刺激する。
「あ……っ、これ、やば……」
「やばいですか?まだこれからですよ」
彼女の尾が、今度は俺のおちんぽに巻きついた。
にゅるるるるる……っ♡
鱗に覆われた尾が、根本から先端までを螺旋状に取り巻く。尾の内側……柔らかい部分が、俺の竿にぴったりと張りついて、ゆっくりと上下に動き始めた。
これは。
これは尻尾コキ……!
「ラミアの尾は握力が強いんです。人間の手よりずっと強い。でも、その気になれば、こんな繊細な動きもできるんですよ」
にちゅ……っ♡ にちゅにちゅ……っ♡
彼女は自分の蜜を尾の先に絡めて、ぬめる潤滑を竿全体に塗り広げながら、ゆっくりと扱き上げてくる。
鱗と鱗の隙間が、ちょうど人間の指の関節みたいに、凹凸のある刺激を生み出す。人間の手では絶対に味わえない、無数の鱗が同時に動く快感。
「あっ……はっ……っ、メディさん、すごい……!」
「まだです。こうやって──」
にゅるんっ♡♡
尾の先が、今度は亀頭のくびれにぎゅっと食い込んだかと思うと、こりこりとカリ首を集中的に攻め始めた。同時に、尾の中ほどが根元をぎゅうぎゅうと締め上げ、根本と先端で別々の刺激を与える。
「あ゛っ……!?♡これ、やばい……っ♡」
「ラミアの尾コキ、お気に召しましたか」
「召しました……召しましたけど……っ」
俺は必死で耐えていたが、正直もう限界だった。でも、ここでまた射精するわけにはいかない。
まだ本番していない。いくら俺でも無限に射精は出来ない、最後の射精は本番でしたいんだ……!
彼女は尾の動きを止めずに、俺の顔を覗き込んだ。
そんな彼女の目を見たら、気づけば疑問が口をついて出ていた
「メディさん、いつから……なんで風俗嬢なんてしてるんです」
俺の問いに、彼女の尾がぴたりと止まった。
「聞きますか、それ」
「聞きたいです」
メディは少しだけ沈黙し、それから小さく息を吐いた。
「エゼルディア家の給金だけじゃ、妹の薬代が足りないんです」
「妹?」
「病気で。ラミアの専門医じゃないと治せない持病で、薬がとにかく高いんです。メイドの給金のほとんどが消えます。だから生活費を副業で」
「それで、風俗に……」
「エゼルディア家にも薬を融通してもらっています。それでも、希少な原料代までは賄えないんです。 短期で稼げるのが、ラミアの女にはこれくらいしかなくて」
彼女の尾がゆっくりと解かれていった。彼女はシーツの上にだらりと尾を投げ出す。さっきまでの強気な顔は消え、いまは疲れた若い女の顔だった。
「幸いラミアの舌と尾は需要があるので。それだけで指名も入ります。本番しなくてもやっていける程度には」
「本番、したことないんですか」
「するわけないでしょ」
彼女は自嘲気味に笑った。
「こんな仕事、いつまでも続けるつもりはないです。妹の病気が治ったら、すぐにでも辞めます」
俺は黙って彼女を見つめた。
深緑の鱗を持つラミアのメイド。昼は真面目に働き、夜は副業で風俗嬢。理由は妹の薬代。ちゃんと理由があった。
でも。
「メディさん」
俺は起き上がった。
だが、彼女へ手を伸ばすことはせず、ベッドの上で正面から向き合う。
「俺、メディさんとしたいです」
「……?」
彼女の目が呆れたように細くなった。
「いまの話を聞いて、余計にそう思いました。最低かもしれませんけど……誰にも言えない事情を抱えながら、それでも働いてるメディさんを見てたら意識しないほうが無理です」
「それ、口説いているつもりですか?」
「自分でもよく分かりません。でも、本気です」
メディは訝しげに俺を見つめている。
「本番は嫌ですか」
「……嫌に決まってるでしょう。私は本番NGなんですから」
「でも、俺はメディさんを抱きたい」
「タクミさん」
低い声だった。
これ以上ふざけるな、という警告にも聞こえる。
それでも、俺は続けた。
「俺が最初に入った店では、相手が五百歳を超えたエルフでした。次に会ったドワーフも五百歳を超えていた」
「何ですか、その自慢にもならない経歴は」
本当にその通りだ。
「そんな俺でも、これは予想できませんでした。朝は澄ました顔で俺を案内していた先輩が、夜は別の名前でここにいて……しかも本番は誰にも許してないだなんて」
「……」
「そんなことを知ったら、メディさんを意識しないほうが無理です」
彼女はしばらく俺を睨んでいたが、やがて小さく息を吐いた。
「どうせ、私が断ったら弱みを言いふらすんでしょう」
「言いません」
メディが目を瞬いた。
「いま、俺としなくても言いません。誰にも話さない」
「……なぜですか」
「メディさんの事情を聞いたからです」
俺は彼女の目をまっすぐに見た。
「何も知らなかったときなら、馬鹿な冗談くらいは言ったかもしれません。でも、いまは無理です。メディさんが隠してきたことを、笑い話にして職場で言いふらすなんてできません」
「それなら、もう帰ってください」
「それも嫌です」
「は?」
「弱みがあるからじゃない。秘密を守る代わりでもない。そんなものが何もなくても……俺はメディさんとしたい」
自分でも勝手なことを言っていると思う。
それでも、ここで誤魔化したくなかった。
「メイドとして澄ました顔をしているメディさんも、メピィとして無理に甘い声を出しているメディさんも、どっちも知ってしまったから」
「……」
「嫌なら諦めます。ここで終わりにして、明日から何もなかった顔で働きます。秘密も絶対に守ります」
そこで一度、息を吸う。
「でも、俺を選んでくれるなら……メディさんとしたい。初めてを俺に任せてほしい」
長い沈黙が落ちた。
メディは俺の顔をじっと見つめていた。嘘を探すように、逃げ道を確かめるように。
やがて、彼女は視線を伏せる。
「……本当に、断っても誰にも言わないんですね」
「はい」
「明日から態度を変えたりもしない?」
「しません」
「絶対に?」
「約束します」
メディは目を閉じ、深く息を吐いた。
それから尾をゆっくりと動かし、俺の手首へ先端を巻きつける。
「勘違いしないでください」
「何をです?」
「弱みを握られたからではありません」
彼女は俺の手を引き寄せ、自分の肩へ触れさせた。
「私が自分であなたを選ぶんです」
「……はい」
「そのかわり」
縦長の瞳孔が、まっすぐ俺を射抜いた。
「私の初めてを、後悔させないでください」
彼女は顔を背けた。メディの頬が、ほんのりと赤く染まった。
俺はそれ以上、なにも言わなかった。
代わりに俺は自分の下半身を近づけた。深緑の鱗に覆われた下半身の付け根……人間でいうおまんこのあたりに、亀頭を押し当てる。
ぬちゅっ……♡
「あっ……♡」
そこはほんのりと熱を持っていた。
鱗はこの部分だけ小さく細かくなっていて花びらが重なるみたいに、何枚も何枚も折り重なっている。外側の鱗は硬いのに内側にいくほど柔らかく、薄く、しっとりと湿っていた。
俺が指でそっと鱗の隙間をなぞると、彼女の身体がびくんと跳ねた。
「ラミアって、ここがおまんこなんですか」
「……そう、ですけど」
「人間とだいぶ違うから、ちょっと観察させてください」
「なに言って──」
俺は彼女の尾の付け根を両手で押さえ、顔を近づけた。
外側からはわからなかったが、一番奥の鱗を指でそっと押し広げると、その下には人間の女とよく似た、淡い桜色の粘膜が隠れていた。
くぱぁ……っ♡
「や、やめて……っ、じろじろ見ないで……っ」
「でも、すごい綺麗ですよ。鱗のあいだにこんなのがあるなんて」
ラミアのおまんこは鱗が開き、奥からとろりと蜜が溢れてくる仕組みらしい。いま、まさにその瞬間だった。
細かく震える鱗が一枚、また一枚と外側に開き、なかの粘膜がひくひくと外気に触れて震えている。
「見るだけじゃなくて……っ、ちゃんとして……っ」
「ちゃんと、とは」
「だから挿れるなら、挿れて……っ♡」
くちゅ……っ♡
俺が指を差し込むと、鱗のあいだからとめどなく溢れた蜜が、指の腹をぬるりと包み込んだ。
人間よりずっと短くて狭い膣内は、入り口こそ鱗で覆われているものの、奥はしっとりと熱く別の生き物みたいにうごめいている。
「指、や……っ♡それ、いらない……っ♡」
「……挿れます」
彼女は目を閉じ、シーツをぎゅっと握りしめた。
にゅぷぷぷぷぷ……っっ♡♡♡
亀頭が鱗の層を一枚ずつ押し広げながら、奥へ奥へと沈んでいく。最奥でひときわ熱い粘膜が亀頭を包み込んだ。
「──っっ!!」
彼女の身体が、びくんと跳ねた。
狭い。エルフやドワーフとは比べものにならないほど、狭い。ラミアの膣は人間よりずっと短く、筋肉質で奥が驚くほど熱い。冷たい鱗に覆われた身体の、一番奥だけが燃えるように熱かった。
そして。
俺のペニスに、なにかが引っかかった感触があった。
見ると、結合部からうっすらと赤いものが滲んでいる。
血だ。
「メディさん……」
彼女は痛みを堪えながら、絞り出すように言った。
「風俗でもプライベートでも……初めてですから……」
処女だった。
フェラも尾コキもディープキスもプロ級だったのに、本番だけは初めて。そんなことがあるのか。いや、あるのだ。いま、目の前の光景がそれを証明している。
「……痛い、です」
「すみません、動かずにいます」
「意外と、優しいんですね」
「こんな時くらいは」
俺は彼女の痛みが和らぐまで、動かずに待った。彼女のなかはぎゅうぎゅうと締まっていて、それだけで射精しそうだったが、必死で堪えた。
「もう、いいです。動いて」
「いいんですか」
「じっとしてるほうが、余計に意識してしまいます」
俺はゆっくりと腰を動かし始めた。
にちゅ……っ♡ にちゅ……っ♡
「んっ……ふっ……ぁ……っ♡」
最初は痛がっていたメディだったが、徐々に声が変わっていった。痛みだけじゃない、別のなにかが混ざり始めた声に。
「メディさん……」
「なに……っ♡」
「気持ちいいです」
「……っ、そんなこと、報告しなくていい……っ♡」
ずちゅっ……♡ ずちゅっ……♡
「あっ……ぁっ……♡」
彼女の両腕が俺の背中に回された。深緑の尾が無意識に俺の腰に巻きつく。締め付ける力はない。離さないように絡むだけだ。
「メディさん、俺、もう──」
「まだ……っ♡まだ、やめて……っ♡」
彼女は自分から腰を動かし始めた。初めてのくせに、身体が勝手に快感を求めている。その動きは拙くて、ぎこちなくて、でも必死だった。
「あっ♡あっ♡んっ……♡なにこれ、こんなの……っ♡」
「メディさん……」
「知らない……っ♡こんなの、知らない……っ♡」
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ にちゅっ♡♡
彼女のなかが、少しずつ俺の形に馴染んでいく。さっきまでの痛みはもうないらしく、彼女の声は完全に快感のそれに変わっていた。
「あああっ……♡♡だめ、これ……っ♡なんか、変になる……っ♡」
「なにが変なんです?」
「わかんない……っ♡でも、お腹の奥が、きゅうって……っ♡」
「それ、多分イきそうですよ」
「イく……?イくって……っ♡♡」
彼女の膣がきゅううっと締まった。イき方を知らない身体が、初めての快感の波に戸惑っている。俺は彼女の腰を掴み、動きを速めた。
ずちゅっ!!ずちゅっ!!ずちゅっ!!♡♡♡
「あ゛っ!?♡♡や、やだ、なんか来る……っ♡♡来る来る来るぅ……っ!!♡♡♡」
「きていいですよ」
「でも、私、こんなの……んお゛っ!?!?♡♡♡♡」
びくんっ!!びくんっ!!
メディの身体が、大きく跳ねた。
背中が弓なりに反り、深緑の尾がシーツを叩く。口がだらしなく開き、二又の舌がちらりと覗く。目は見開かれ、涙がうっすらと滲んでいた。
「はぁ……っ、はぁ……っ♡♡」
余韻に震える彼女を、俺はじっと見下ろした。
「……なに、見てるんですか」
「綺麗だなって」
「こんな時に、なに言って」
彼女は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
でも、尾だけは正直だった。俺の腰に巻きついた尾が、ぎゅっと離さない。むしろ、さらに強く絡んできている。
「メディさん、まだなんですけど」
「え?」
俺はまだ、彼女のなかに収まったままだった。そして、まだ硬かった。
「ちょ、ちょっと待って。いま初めてでイったばっかりで、私、気持ちが整理できてな──」
「嫌ですか」
「……」
彼女は黙った。そして、小さく首を振った。
「嫌じゃ、ないです」
「じゃあ」
「でも、ひとつだけ」
彼女は俺の首に両腕を回し、自分から唇を重ねてきた。
「キスして。しながら、して」
くちゅ……っ♡
二度目のキスは、さっきよりずっと深かった。二又の舌が俺の舌に絡みつき、唾液が混ざり合い、息継ぎのたびに荒い吐息が漏れる。
ちゅぱっ……ちゅるっ……んむっ……っ♡♡
「んっ……ふっ……♡」
キスをしたまま、俺は再び腰を動かし始めた。
さっきより早く、深く、強く。
ずちゅっ!!ずちゅっ!!ずちゅっ!!♡♡♡
「ん゛っ!♡んふっ!♡ん゛ん゛っ!♡♡」
口を塞がれたままのメディが喉の奥で喘ぐ。キスで呼吸を奪われているのに、それでも自分から舌を絡めてくる。
彼女のなかはとろとろに蕩け、俺の形を完璧に覚え込もうとするみたいに、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「ん゛ぅ……っ♡♡ふっ……ぁ……っ♡」
ちゅるっ……ちゅぱぁ……っ♡
ようやく唇が離れたとき、彼女の口元は唾液でぐちゃぐちゃに濡れていた。
「はぁ……っ、はぁ……っ♡タクミさん……っ♡」
「なに」
「私、もう……イきそ……っ♡♡」
「いい……ですよ……!」
「でも、タクミさんは……まだ出してない……っ♡」
「俺も、もう出ます……!」
「じゃあ……っ♡一緒に……っ♡」
彼女の尾が、俺の腰にぎゅるりと巻きついた。
「いっしょに、イこ……っ♡♡」
ずちゅっ!!ずちゅっ!!ばちゅっ!!♡♡♡
俺は最後の力を振り絞って、彼女の奥を突き上げた。彼女も自分から腰を押しつけてきて、最奥で俺の先端をぎゅうっと締め上げる。
「あ゛っ……イグっ……イグイグイグぅ……っ!!♡♡♡」
「出す……っ!!♡」
俺は彼女のなかから引き抜こうとした。いくらなんでも、勤務先の同僚に中出しはまずい。危険日だとかそんな問題じゃなく、倫理的によくない。
でも。
抜けなかった。
「……え?」
メディの尾が、俺の腰にがっちりと巻きついて、動きを封じている。
「なに、して」
彼女は答えない。
代わりに、にやりと笑った。
「──っ!!」
びゅるるるるるるるるるるっっっっっっ!!!!!
どぴゅっ!!どぷっ!!どぷどぷどぷっ!!びゅくびゅくびゅくっ!!
「あぁぁぁぁぁぁぁーーーっっっ♡♡♡♡♡♡」
メディが絶叫した。
長い舌をだらりと垂らし、全身を痙攣させながら絶頂する。俺の精液が彼女の最奥を叩くたびに、彼女の身体はびくんびくんと跳ねた。
そのたびに、膣が搾り取るように締まって、最後の一滴まで俺の精液を吸い尽くそうとする。
どくっ……どくっ……♡
「はぁ……っ……はぁ……っ……♡」
メディは脱力して、シーツの上に沈み込んだ。
俺も限界だった。彼女の隣に倒れ込み天井を見上げる。
しばらく、ふたりの荒い息だけが部屋に響いていた。
どれくらい時間が経っただろう。
沈黙を破ったのは、メディの掠れた声だった。
「いいこと、教えてあげます」
「え?」
「ラミアという種族はですね」
彼女は天井を見上げたまま、淡々と生物学の講義みたいに言った。
「処女膜を破った相手に、執着するんですよ。永遠にね」
…………は?
俺はがばりと起き上がった。メディは起き上がらず、だらりとシーツに沈み込んだまま、口元だけで笑っている。
「生物学的な本能です。最初に交わった相手の匂いと体温と精液の成分を、ラミアの身体は覚え込む。それ以降、他の相手じゃ満足できなくなるんです」
「ちょっと待ってください。それ、いま言うことですか」
「言うタイミング、いましかないと思って」
「だからって」
「それから」
彼女は俺のほうに顔だけを向けて、にっこりと笑った。
「今日は私、危険日なんで」
「──は???」
「よろしくお願いしますね」
「なにを!?」
「パパ」
「いきなりの危険日告白!?ていうか外に出そうとしたのに、離さなかったのメディさんですよね!?」
「さあ、なんのことやら」
彼女はすっとぼけた顔で言った。
俺はへなへなとベッドに崩れ落ちた。足に力が入らない。腰も痛い。なのに頭のなかは「パパ」という言葉がぐるぐる回っている。
そんな俺を見下ろしながら、メディはぽつりと呟いた。
「まぁ人間とラミアじゃ、一回の中出しで子供が出来る確率なんてほとんどないと思いますけどね。ハーフは確率がかなり低いですし」
その呟きは、俺の耳には入らなかった。
♢ ♢ ♢
翌朝。
俺は使用人寮の自室で起きる。
「うっ……ここは……そうだ……昨日はフラフラで自室に帰ってきて……」
昨夜の出来事が夢だったのではないかと一瞬疑ったが、腰に感じる鈍い疲労が現実だと告げている。
メディ。
副業。
ラミアの執着。
危険日。
パパ。
……パパ。
パパ!!!
俺は頭を振り、制服に着替えた。昨日のズボン問題は解決していて、仕立て屋からちゃんとした人間用のズボンが届いている。
ありがたい。これで今日はパンツ一丁で歩き回らなくて済む。
寮を出て、館の廊下を歩く。
「おはようございます、タクミさん」
聞き慣れた声に振り返ると、メディがそこに立っていた。深緑の鱗、整った顔立ち、いつものメイド服。表情はいつも通り涼やかで、昨夜の面影は微塵もない。
「おはようございます、メディさん」
「本日もよろしくお願いします」
うん、普通だ。まったく普通だ。
俺がほっとしたのも束の間、メディはするりと距離を詰めてきて、俺の襟元に手を伸ばした。
「え?」
「襟が曲がっています」
「え……あ、はい、どうも」
彼女は手際よく襟を直し、ついでに肩に付いていた糸くずを摘まみ取った。顔が近い。昨日、キスした距離とほとんど同じだ。
「……メディさん」
「なんでしょう」
「距離、近くないですか」
「通常の業務距離です」
彼女はさらりと言ってのけたが、そのときにはもう尾の先が俺の手首に巻きついていた。
朝食の時間、厨房に顔を出すと、ドワーフの料理長が鍋をかき混ぜながらちらりとこちらを見た。
「おう、タクミ。昨日はよく眠れたか!初日の勤務だから疲れただろう!」
「はい、おかげさまで」
「そりゃよかった。……ところで、おいメディ。なんでお前さんも一緒に来てるんだ」
「私はタクミさんの指導係ですので」
メディは俺の斜め後ろに控えている。指導係。いつの間にそんな役職になったんだ。
「指導係……?でも昨日はいなかったような……あぁ、まぁいい」
でも、彼女の尾は俺の腰に巻きついたままだ。料理長はその尾をちらりと見て、なにも言わずに鍋へ視線を戻した。大人の対応だった。
廊下を歩いていると、天井から足音がした。
無数の足音。キリアだ。
「おはようございまーす!タクミさん、メディさん!」
ムカデの使用人は壁を駆け下り、俺たちの前に降り立った。相変わらず顔は可愛いしテンションが高い。
「おはよう、キリア」
「おはようございます、キリアさん」
「いやー、今日もいい天気っスね!掃除が捗るってもん──」
キリアはそこで言葉を切り、俺とメディを交互に見た。正確には、俺の腰に巻きついた深緑の尾と、それを無表情でくっつけているメディとを。
「あー、メディさん?」
「なにか」
「今日、めちゃくちゃ距離近くないっスか?タクミさんの腰に尾巻いてるっスけど」
「通常の業務距離です」
「業務距離で尾は巻かないっスよ。私、ムカデなんで尾ないけど、それはないっス」
「指導係として、彼が迷子にならないようにしているだけです」
「迷子防止で腰に尾を巻く必要はないっスよね?」
明らかに嘘だった。キリアもそれを察したらしく、一瞬だけにやりと笑うと楽しそうに壁を這い上がり、天井を走り去っていった。
メディは無言で前を見ていた。尾だけは、相変わらず俺の腰に巻きついている。
その後も、すれ違う使用人たちの視線が妙に優しかった。リザードマンは窓の外から親指を立ててきた。ハーピーの経理係は帳簿から顔を上げ、にこりと微笑んだ。
──誤解だ。
いや、誤解ではないけど、説明が難しい。
そして、ヴェーラの部屋に行くと──我らが可愛い主が出迎えてくれた。
「お兄ちゃん、おはよう!」
「おはようございます、ヴェーラ様」
ヴェーラは俺に飛びつこうとして、途中で動きを止めた。彼女の瞳が、俺の腰に巻きついた深緑の尾をじっと見つめる。
「……メディも、お兄ちゃんのあったかいの欲しいの?」
「え?」
「メディもお兄ちゃんに巻きついてる。ヴェーラと一緒。メディもお兄ちゃんのあったかいのが好きなの?」
純粋な疑問だった。ラミアの子供にとって、尾を巻きつける行為は体温補給でしかない。
メディが俺に巻きついているのも、単純に人間の体温を求めているのだと受け取ったらしい。
メディは一瞬だけ言葉に詰まり、それからいつもの澄ました顔で答えた。
「……ええ。そういうことです」
「そっかー!お兄ちゃん、大人気だね!」
無邪気な笑顔で言うヴェーラに、俺はどう返事していいかわからなかった。
「ではタクミさん。ヴェーラ様をよろしくお願いします」
「お兄ちゃんあそぼー!♡」
ヴェーラは俺の手を取って、自分の部屋へと引っ張っていく。そのとき、俺の腰に巻きついていた尾が、するりと解かれた。離れる間際、尾の先が俺の手の甲をほんの一瞬だけ撫でていった。
俺は振り返らずに歩き出したが、背中にメディの視線が突き刺さっているのを感じていた。
ヴェーラの部屋でおままごとに付き合わされていると、廊下から微かな話し声が聞こえた。声の主はキリアとメディだ。
「メディさん、やっぱりなんかあったんスね」
「なにがです」
「だって顔が違うもん。雰囲気っていうか、鱗の艶っていうか」
「気の所為です。掃除に戻ってください」
「へーい。……あ、でもメディさん」
キリアの声が、少しだけ真面目なトーンになった。
「よかったっスね」
「……なにがですか」
「なんか、楽しそうだから」
メディの返事は聞こえなかった。でも、キリアが天井を走り去る足音は、なんだか弾んでいるように聞こえた。
俺はヴェーラの差し出すおままごと用のおもちゃを受け取りながら、深く息を吐いた。