【悲報】異世界風俗、嬢の平均年齢が500歳を超えている 作:フレキシブルコーギー
ノックのあと、聞こえてきた声は想像以上に澄んでいた。
「どうぞ、開いてま~す♡」
俺は息を整え、ドアを押し開けた。
部屋の中は薄暗く、間接照明が橙に揺れている。壁には無難な風景画。ベッドはやけに広い。そして、窓辺に立って微笑んでいるひとりのエルフがいた。
「あら」
彼女は俺の顔を見て、ぱちぱちと銀色の睫毛を瞬かせた。
「若いのねえ」
見た目は十代後半。小柄で、腰まである銀髪が照明を受けてさらさらと輝いている。大きな瞳は紫水晶みたいに透き通っていて、肌は陶器のように白い。深いスリットの入ったドレスからは細くて長い脚がのぞいている。
誰がどう見ても、美少女だ。
「えっと……あの、ラフィエルさん?」
「そうよ。よろしくね」
にこりと笑う。可憐そのものだ。
そして彼女は、ぽつりとこぼした。
「ああ……こんな若い男性が来るなんて、何百年ぶりかしら……」
「……え?」
「あっ」
彼女は口を押さえ、ぱたぱたと手を振った。
「ち、違うの!百日ぶり!百日ぶりって言ったのよ!」
いや、いま確かに「何百年」って。
「聞き間違いよ。この部屋ちょっと音が反響するから」
「反響で『百日』が『何百年』になるものなんですか」
「なるのよ。不思議ねえ」
彼女は悪びれずに言うと、つかつかと歩み寄ってきて、俺の手を取った。細くて、ひんやりと冷たい指が俺の手のひらに重なる。
「あらためまして。ラフィエル。よろしくね。年齢は……五百……」
一瞬の間。
「二十三歳!ピチピチのエルフなの!」
語尾が妙に弾んでいた。無理がある。
「……いま、五」
「二十三」
「えっと、五百」
「にじゅうさん!!!!!!」
即答だった。
目は笑っているが、まったく笑っていない。
「はあ……」
まあ、いい。俺は異世界から来た人間だ。相手が何歳だろうと、正直どうでもいい。問題は見た目とサービス、それだけである。
「じゃあラフィエルさん、よろしくお願いします」
「うん。いっぱい可愛がってあげる」
彼女はそう言って、俺の胸に手を当てた。
その瞬間だった。
ふわり、と。
花のような、それでいてなにか熟れきった果実のような、不思議な匂いが鼻をかすめた。
陳皮、とさっきも思ったが、もっとこう、原始的で、奥行きのある匂いだ。百貨店の化粧品売り場でもなければ、その辺の女の子の香水でもない。俺の本能にじかに訴えかけてくるような、雌の匂い。
思わず、すぅ……と息を吸い込んでしまった。
「……あら?」
ラフィエルがきょとんとした顔で俺を見上げる。
「あなた、いま私の匂い、かいだ?」
「え、あ、はい。すみません。なんかいい匂いだなって」
彼女は数秒、ぽかんと口を開けていたが、やがてくすくすと笑い始めた。
「変わってるのね、あなた。人間ってみんなそうなの?」
「いや、よくわからないですけど。俺は好きです、この匂い」
「ふぅん……」
彼女は紫色の瞳を細める。値踏みするような視線でありながら、どこか嬉しそうでもある。
「私の匂いを好きって言った人間、あなたが初めてよ。たいてい『加齢臭がする』って、ゴブリンやオークは逃げちゃうんだから」
「ゴブリンの寿命四十年ですしね」
「そうそう。だからそういう連中とは感性が合わないのよ」
彼女はふふんと鼻を鳴らし、続けた。
「でも、あなたは違うんだ?」
「俺は……まあ、異世界から来たんで、よくわからないっすね、そういうの」
「異世界?」
「勇者召喚ってやつで。でもハズレだったんでクビになって、いま無職です」
「ぷっ」
ラフィエルは吹き出した。
「あははは!なにそれ!召喚されて戦力外って、そんなことあるの!?」
「あるんですよ。スキル【体力+1】だけです」
「そのスキル、いまなんの役にも立ってなくない?」
「いまほどそれを痛感してる瞬間はないです」
ひとしきり笑ったあと、ラフィエルは目じりの涙をぬぐい、ゆっくりと俺を見上げてきた。
「……ねえ。そんな可哀想な勇者さんには、私がたっぷりご奉仕してあげる」
笑顔はさっきまでと変わらなかった。
でも、目の奥の温度が、一段階上がった気がした。
「あ、ちょっ――」
そのまま、とん、と胸を押されて、俺はベッドに倒れ込んだ。
見上げると、ラフィエルが俺の上に跨っている。
ドレスの肩ひもがするりと落ち、白い鎖骨が露わになった。
さっきよりもずっと強く、あの匂いが漂ってくる。
甘くて、ほろ苦くて、脳みその奥の奥がじんわりと熱くなるような――。
「あなたみたいな若い男の子、本当に久しぶりだから、張り切っちゃう」
彼女はそう言って、するすると器用に俺のベルトを外し、ズボンを下ろした。
すでに俺の股間は正直に反応している。ラフィエルはそれを見て、目を細めた。
「まあ、立派」
「どうも」
「じゃあ、まずはお口でご奉仕ね。若いザーメン、どんな味がするかなぁ」
彼女はいたずらっぽく笑い、銀髪を耳にかけた。
そして、顔を俺の股間に近づける。紫色の瞳が、薄闇のなかできらりと光った。
「いただきます」
最初は、ちゅっ、と。
軽いキスだった。先端にそっと唇が触れる。
「んっ……♡」
ラフィエルは小さく息を漏らし、それから舌を這わせ始めた。
れりょ……っ♡
ぬるりとした温かい舌が、ゆっくりと筋をなぞる。
「っ……」
思わず声が出そうになるのをこらえる。これだけで、とんでもなく気持ちいい。
「ふふ……もう硬くなってる」
彼女は笑いながら、今度は舌全体を使って根本から先端までを舐め上げた。
れろぉ~~……っ♡
「は……っ」
「感じてる?まだ序の口よ」
そして彼女は、ぱくり、と咥えた。
「んむっ……♡」
口のなかは熱くて、ぬめっていて、それでいて妙に締まりがあって――まるで彼女の舌が意思を持っているかのように、複雑に動く。
「んっ……ふっ、んっ……ちゅっ、んッ……♡」
ラフィエルは顔を上下させ始めた。
そのたびに、俺の背筋を快感が駆け抜ける。
ちゅぽっ……♡ んぽっ……♡ ちゅぽっ……♡
耳に届く水音が、どんどん露骨になっていく。唾液と先走りが混ざり合い、部屋中に響きそうなほど濡れた音を立てている。
こんなフェラチオ、受けたことがない。
「んぶっ……じゅるっ……じゅるるるるっ……♡」
彼女は時折、吸い上げるように口をすぼめる。頬がくぼみ、紫色の瞳がじっと俺を見上げてくる。
何百年――いや、違う、なんにせよ尋常じゃない熟練度だ。
「はあっ……やば……っ」
俺の腰が勝手に跳ねる。でもラフィエルは動じない。むしろ嬉しそうに喉の奥まで咥えこんで、ぐっと締め付けてくる。
「ん゛ぶっ……! んっ、んっ……ぢゅるるるっ……♡♡」
「くっ……!」
限界が近い。
「ラフィエルさん、俺、もう……」
彼女は返事の代わりに、口をぎゅっと窄めて、思い切り吸い上げた。
ん゛ぽんっ!♡ ぢゅうううううう~~~~~~~~っっっ♡♡♡
バキュームフェラだ。
強烈すぎる吸引に、頭のなかが真っ白になる。
「あ、やば、出、――っ!」
びゅるるるるるるるっっっ!!!!
俺の精液が彼女の口のなかで弾けた。一拍遅れて、二射目、三射目が追いかけるように噴き出す。
びゅくっ!びゅっ!びゅるるるるっ!!
「ん゛ん゛ん゛~~~~~~っ♡♡♡」
彼女は一滴もこぼさず、喉を鳴らしながら、ぐっぐっと吸い続ける。口の中のものが搾り取られる感覚に、俺の腰が何度も跳ねた。
「……う、そ……」
びくん、びくんと痙攣する俺を見下ろしながら、ラフィエルはようやく口を離した。
ちゅぽんっ……♡
唾液と精液が混ざった透明な糸が、彼女の唇と俺の先端を繋いでいる。
彼女はその糸を、指ですくって口のなかに戻した。
そして。
「あぁ~~~~~~……♡♡」
天を仰ぐように顔を上げて、恍惚のため息をついた。
「若い男のザーメンうめぇ~~~~……♡♡」
うめぇ、の言い方が妙に野太い。
さっきまで可憐な美少女だったのに、いまはなんだか、こう、長年やってきた職人のような迫力がある。
「何百年ぶりだよこれ……♡♡やっぱ若い男のザーメンは格が違う……♡♡」
「……ラフィエルさん」
「なぁに?」
「なにが『何百年ぶり』なんですか」
彼女はハッとした顔で口を押さえた。
「うそ。いま言った?」
「言いました」
「ならノーカンで」
「え?」
「ノーカンなの。若い男のザーメンを飲んだあとの発言は全部ノーカン。これエルフの常識だから」
「そんな常識初めて聞きました」
「だってあなた異世界人じゃない」
くすっと笑う顔は、やっぱり可憐で、ずるいと思った。
「……でね」
彼女はそう言って立ち上がると、するりとドレスを脱ぎ捨てた。
部屋の橙の明かりが、彼女の裸を照らし出す。
白い肌。細い腰。小ぶりな乳房。すべてが精巧な美術品のように整っている。
――のだが。
……あれ?
思わず、腹のあたりに目が行った。
彼女のウエストは細いのだが、かすかに、ほんのわずかに、たるみがあるような。
そして、脚の付け根にも、うっすらと肉が乗っている。太ったというほどではない。でも、「引き締まっている」とも言い切れない、微妙なライン。
五百……いや、二十三歳の身体つきとしては、ほんの少しだけ、贅肉があるような気がした。
「……なに見てるの?」
ラフィエルが口をとがらせる。
「いや、別に」
「いま、ちょっとお腹あたり見てなかった?」
「見てませんけど」
「嘘おっしゃい。五百歳のエルフの身体は贅肉があると思ったでしょ」
「五百って自分で言いましたよねいま」
彼女は答えず、逆に一歩、俺に近づいた。
肌から放たれる、あの熟れた果実のような匂いが、さらに濃くなる。
「若い男のザーメン、一滴残らず搾り取ってあげる……♡」
彼女がのし、と俺の上に覆いかぶさってくる。
さっきまでの可憐な笑顔は消えていた。
代わりにそこにあったのは、獲物を見つけた牝の笑みだった。
「ここからが、本番だからね」
俺の心臓が、ドクリと鳴った。