ドットアビスを1ミリも知らない転生者さんヒロインをうっかり寝取ってしまう 作:国語が苦手なオオムラ
今から俺は全自動ハンコ押しマシーンになる。と司令官は言った。それマシーンにやらせればいいのでは、というのはアリシアさんが怖かったので飲み込んだ。
所狭しと積み上げられた書類の山で司令官のご尊顔が見えん。
今日は休日出勤、司令官の邸宅にて事務員での参戦である。
「悪いな、書類仕事できる人材が居ないんだ」
「司令官のためなら三日三晩戦えます!」
「そんなには……かからんはずだ。たぶん」
司令官がハンコを押すのが大部分で、監視役にアリシアさん。遊びすぎて宿題溜めちゃったらしい。
僕たちは計算とか見直しとかが必要な書類を片付ける。担当は、僕と万能メイドのニナさんだ。
「早く終わらせて飲みにいくぞ」
「はい!」
司令官が腕まくりする気配。できる上司感ハンパなくてしゅき♡仕事溜めてたけどしゅき♡
「それではわたくしたちも始めましょう」
抑揚のない平坦な声で、ニナさんが司令官しゅきしゅきしてる僕の向かいに座った。無口で無表情。初対面ならそんな印象を受けるニナさんだが、えっちの時は結構よく喋るし、ちゃんと見てれば感情も豊かだ。
ニナさんは料理も上手で胃袋を掴ませてくれないし、娼館で指名する時もいつの間にか媚薬を盛られてのご奉仕で満足させられてしまい、勝ち負けでいったら全敗している。だからいつかヒイヒイ言わせてやりたいと、常々思っていた。
この事務バトル、負けられない……!
カリ……ペラ……パチ、パチ
静かな執務室。書類を捲る音が響く。そんな中、パチパチいっているのはマリナさんに有料で借りてきた僕の算盤だ。
電卓のないこの世界、算盤はあれど習得しているのは一部の商人くらいだ。万能メイドといえど、転生者のこの計算力にはひれ伏すだろう。ハハハどやっ。
「……」
予算表を1枚仕上げて向かいを見れば、ニナさんの横にはキッチリ揃えられた書類がすでに数枚重なっていた。
なん……だと。
どうなってる?どうやってる?しばし観察する。
別に、超スピードとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。なんか、見蕩れるほど、いちいち流麗な所作をしていた。むしろ動作はゆっくりだ。だけど、無駄がない。
「どうかされましたか?」
「いえ……大丈夫です」
視線に気付いたのか、翠の瞳が不思議そうに瞬いた。首をかしげて、クリーム色の髪が揺れる。美人というよりかわいい感じだ。そのくせ胸元は大きめに空いていて、前かがみになると谷間がこれでもかと強調される。これでそういうメイドじゃないとか嘘としか思えない。目のやり場に困る。いや仕事しろって話なんだけど。
書類に向き直る。やり方は見た。キャラもできている。僕の中で、生まれたてのメイドさんが命を吹き込まれるのを待っている。
息を吸って、吐いた。
──たとえば師が弟子に、己の技を伝えるため過去に登った山を歩かせたとする。
脇目もふらず山頂を目指した師と比べ、生まれが、育ちが、感性が違う弟子は、木立に現れた野ウサギを口笛で呼ぼうとしたり、道に寝転んで満天の星空が白むまで眺めていたりする。そうして辿り着いた先で、師とは違う花を咲かせるだろう。
上っ面だけを真似ても再現できない、積み重ねた人生の差を、わたしは才能と呼んでいる。
みんなと同じことができなくても気に病まなくていい。わたしと同じなんて目指しちゃいけない。キミはキミの道を歩いて、キミだけの花を咲かせればいいんだ。
これは誰の言葉だったか。前世か、今世か、さっぱり思い出せないから、たぶん、僕の大事な人だったんだろう。
作業効率は上がったけど、ニナさんには到底追い付けそうになかった。ニナさんが歩いた
「(ん……ん~~っ!)」
「(お疲れ様です)」
結局ニナさんが7割近くやって、どうにか終わった。けど司令官がまだ仕事してるので囁き声だ。
「(お帰りになられますか?それとも娼館に行かれますか?)」
「(待ちます。上司が頑張ってるのに帰れません。飲みに行く約束もしてますし)」
「(そうですか。なら、こちらへ)」
ニナさんについて執務室を後にする。最後に振り返ると、少しだけ開けた書類の山の奥で、司令官が死んだ目でハンコを押し続けていた。それやっぱり機械でやったほうがよくないかな。
どうぞ、と促されて座ったのは馴染みのない客間のソファーで、いつものハーブティーを淹れたニナさんは僕の隣に腰掛けた。距離がだいぶ近い。
「いつもなら娼館に行っている頃合いですので、今日はわたくしが代わりにお相手を務めさせて頂きます」
ご主人様、と僕を呼び左腕に青と白の連邦カラーのメイド服のおっぱいが押しつけられる。娼館衣装のドスケベメイド服じゃない、クラシックというにはちょっと怪しいけど、露出の抑えられた服装が新鮮でいい。
ニナさんはお客さんを一夜限りのご主人様に見立ててご奉仕してくれるので、僕は意識しなくても演じているのと同じ状態になれる。つまり普段よりも興奮しやすいのである。
そんな状態で、太ももを撫でられながら、どうぞ召し上がってください、なんて上目遣いに言われたら分かっていても媚薬ハーブティーを飲んでしまうというもの。
そう。目の前のお茶は、十中八九媚薬入りだ。
僕がコレを飲んだ瞬間、ニナさんの手が太ももからちんぽにシフトする。手早く一発抜かれたあと、失礼、なんて言いながらお口で丁寧なお掃除をして、綺麗になって何よりです、と騎乗される。媚薬で決壊しやすくなった僕はそのまま何度も彼女の中に射精して、もうずっとイってるのお♡って状態でさらに絞られる。その様子を恍惚としたニナさんに意識が落ちるまで見られ続ける。だいたいいつもこのパターン。イヤなのに、なんか癖になりつつある僕がいる。
「飲んで、くださらないのでしょうか?それとも」
わたくしでは不足でしょうか、なんてこの可愛いメイドさんに不安そうに言われてしまえば、たとえ毒と分かっていても口にしてしまうのは男なら避けられないかと思う。
湯気の立つカップを手に、僕はそれを口に含んだ。
瞬間、舌に乗るまったりとした芳醇な甘み。心なしかピリピリと刺すような刺激がまるで夕暮れのスコールのようだ。うむ。これは75年のボルドー。
媚薬ソムリエの僕なら、というかたぶんこれ誰でも分かる、かなり濃い媚薬入りハーブティー……いやハーブ入り媚薬ティーだ。
ばかやろう!こんなの飲めるか!
「ん!?やっ、んんっ!ん~~~っ!」
抱き寄せて、くちづけた。暴れる。逃がさない。今日という今日は味わってもらう。媚薬のたっぷり乗った舌で、唇を舐め回す。耳の裏を指で軽くひっかく。のしかかるようにソファーに押し倒していく。
やがて、彼女の喉がこくり、こくりと鳴った。
「ぷはっ、ぁ……あ、あ……♡」
ぞく♡ぞく♡
ニナさんの目がとろんと蕩けていく。だらしなく半開きの唇から、小さな舌がキスの続きをせがむように覗き、とろりとこぼれた唾液が顎から真っ白な喉へ滑っていく。
「んむううぅ♡んあっ♡はぷっ♡」
じゅぞぞぞぞぞ♡
唾液まみれの舌を強く吸ってやる。メイド服を肩からずりさげると、ブラを上にずらし、おっぱいをすくい上げる。ニナさんは身もだえて、でも逃げるどころか僕に体全体で絡みついてくる。
はじめに舌に乗せた分だけで、普段僕が盛られるくらいの媚薬量だった。媚薬量って言い方でいいのかな?単位とか計算式とかあったりする?
ともかく、僕のほうも結構余裕ないくらいには興奮していた。すぐにでもちんぽ突っ込んで犯して思うさま中出し種付けしたいくらいには。
「はあっ♡はああぁあ♡ご主人、様ぁ♡」
でも我慢して、ぱんつの上から擦りあげるに留める。腰を浮かせて強く当てようとするニナさんを抑えつけて、あくまで僕のペースで、僕主導で焦らしてやる。
「あたまが、おかしくなりそうで♡焦らさ、ないでぇ♡」
「ニナさん、僕のちんぽ欲しい?」
「あ、あっ♡ください。おちんぽ、わたくしのおまんこにぃ♡」
「……今からする質問に正直に答えてくれたら、入れてあげる」
「は、はいっ、はいっ♡」
「ニナさんのえっちなおまんこ、いっぱい可愛がって頭もたくさん撫でてあげよう」
「あっ♡あっ♡はやく、はやくしつもん、してくださいっ」
こんな機会、中々ないからみすみす逃す手もない。
※ヘルプ→よくある質問みたいにするけど実際にはねちねちくちゅくちゅしてます。
Q1:聞いた話なんだけど、お客さんに媚薬盛るのって最初の1回だけなの?
A1:はい。初めてのお客様の緊張をほぐす目的ですので。
Q2:その際媚薬量はかなり抑えてるってルディアさんに聞きましたが……。
A2:はい。一応、頂き物とはいえ貴重なものですので。
Q3:じゃあ司令官とは毎回媚薬えっちしてるの?
A3:いえ、ご主人様とは、最初の偶発的な1度きりです。
Q4:え、待って。じゃあなんで僕毎回濃いやつ盛られてるの?
A4:目を逸らす。
「……ニナさん?」
「その、はじめて見た時から、媚薬飲ませたいなと」
どんな思考してんの!?
街歩いてて、うお!あの女、媚薬飲ませたいぜえ……!ってなるか?頭オトフロかよ!
目を覗き込む。まだ隠してる気がする。
「ニナ」
「あ、あっ♡」
「言いなさい」
「……似て、るんです……」
「僕が?誰に?」
「……幼いわたくしを、躾けていた、教育係の執事長に」
ほう。つまり、子どもの頃厳しく指導した執事長に似ているからってだけの理由で関係ない僕のちんぽをいじめて悦に浸っていたと、そういうことかね?
「この!駄メイドがっ!」
「ひあっ!あ、ああああっっ♡」
思いのほか人間くさかったニナさんの焦らされまんこにひと息にぶち込んでやった。実は僕も結構ギリギリで、入れただけで絶頂したイキまんこの快楽に腰が止まらなくなる。
「オトフロに帰れ!オトフロに帰れ!」
「だめ♡らめ♡イってる♡イってるのおおお♡」
「種付けしてやる!こぼすなよ!」
「あ゛あ゛ぁぁぁっっ♡」
……ああやべえ、気持ちいい。全然射精とまんねえし出したそばから新しいやつが作られてる。
「ぁ……ぁ……しつじちょお……♡」
もっと♡もっと躾けて♡おまんこいじめて♡
あのクールなニナさんが、蕩け顔でみっともなく大股開いて誘ってくる。執事長って、コレもしかして鬼畜眼鏡刺さるんじゃね?
「こぼすなと言っただろうが」
「す、すみませ、ああっ♡」
「もう1度機会をくれてやる」
「あっ♡あっ♡だめ、イクうぅぅ♡」
「自分だけイクとは……そのだらしないまんこを徹底的に躾けてやらんとな」
おお……やるじゃないか鬼畜眼鏡。正直使いどころに困っていたが、ここがお前の輝く場所だったんだな。
その後も上から目線で正常位で二発。バックで一発。寝バックで二発。側位で一発出して立ちバックで入り口のドアに押し付けて犯す頃には媚薬の効果も尽きつつあった。体力のあるニナさんも反応が弱々しくなっている。感度はマックスだが。
「……ぁ、はっ、ぁ、んっ♡」
「もうへばったのか……ダメなメイドだ」
僕もかなりへばっていた。そろそろ〆かなーなんて思ってた。
「こんな未熟なメイド、どこにもやれんな」
……ん?おい……。
「お前は一生、僕が躾けてやる」
「あっ♡……あっ♪執事、長♡」
こいつ!ちょっと気を抜くとすぐ執着出しやがる!退場だ退場!クレハさんみたいになったらどうすん……いや、今は考えない。
「出すぞ!ニナ!」
「きて♡くださっ♡おまんこ、躾けてえぇぇっっ♡」
さすがに大人しい量の射精をして、ニナさんが足をガクガクさせながら受け止める。余韻まんこに癒されながら、僕はぼんやりとクレハさんの澱んだ目を思い出していた。
「……なにか、お悩み、ですか?」
「なんでもない」
「んっ♡」
勘のいいニナさんが、力のない顔で聞いてきた。透き通るような翠の瞳は見通しのいい僕の心を全て暴いてしまうような気がして、ごまかすようにキスをした。
事後。へとへとになってソファーでぐでーんと伸びた僕をよそに、ニナさんはあちこちにできた水たまりを綺麗に掃除すると、乱れたメイド服を直して僕のそばに来て、もたれかかるように眠った。できたメイドさんである。頭を撫でてやると、眠っているのに嬉しそうな顔をする。
しばらくそのまま、のんびりと過ごしていると、外に人の気配と、控えめなノック。返事をする。
「シレーカァン!」
声が裏返ってマスオさんみたいになった。オトォサァン!
気まずそうな顔の司令官と、真っ赤になったアリシアさんがいた。
「すまんな、遅くなって」
「いえいえ、終わったんですね、お疲れ様です!」
「あ、あの」
「なんです?アリシアさん」
「えっちな、声は、もっと……控えめに、ですね」
「ア、ハイ」
聞こえてましたか。いやすいませんねうちのニナさんが。僕はそんなに、興奮……したかも。さーせん。
「飲みは今度にするか?」
「エ゛ッ!?」
「いや今日はもうニナを抱いただろ?」
「いやいや、僕は司令官と飲むのがメインで女の子はおまけですよ!」
「そうか?ははっ、じゃあ行くか!」
司令官はなんか嬉しそうに笑った。映える。しゅき♡部下を心底大事にしてくれるから、僕たちも笑って命懸けらるんだよな。ほんとうに、ここに来てよかった。最初の僕がなんでここを目指したのか今となっては分からないけど、いい選択だったと思う。
「あ、司令官」
「どうした?」
「今夜、ニナさん指名してもいいですか?」
「お前、まだヤるのか……さすが四天王」
「四天王?いえ、先にご奉仕して貰ったので、後払いで指名料貢ぎたいなって」
「あぁ」
そうして、夜も更けつつある街並みを司令官と、ニナさんを背負った僕とで歩く。色々な話をする。空っぽの僕が満たされていく。店は閉まり、家々に灯りがつく。窓から夕餉の香りと、家族の談笑。人も増えたな、と司令官がしみじみ言った。
ところでメイドカフェに必要なものはなんだろうか?メイドさんの技術力?店の雰囲気?それもあるけど、僕は客のレベルかと思う。
メイドさんだって萌え萌えキュンするのは恥ずかしいので、最大限乗れる技量が客にも要求されるのだ。
「萌え萌えビーム♡萌え萌えビーム♡」
「グワーッ!」
「グワーッ!」
左右からセクハラされるニナさんが放った、流れるような2連ビームを受けた僕と司令官は胸を押さえて椅子から転げ落ちる。ルディアさんの冷たい目がむしろ心地良い。
「あの、わたくし、そういうメイドでは」
その服装でそれは無理がある、と突っ込まれて困った顔をするニナさんを挟んで、僕たちは国家も基地も大穴も、なんにも関係ないくだらない話を閉店までしていた。ここ最近で、一番良い夜だった。