※この作品はR-18です。

変身忍者嵐より 千恵(毒蛾くノ一)の異なる未来第2編・江戸での血車党との対決   作:shpfive03

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変身忍者嵐と化身忍者毒蛾くノ一楓、最終決戦

変身忍者嵐と化身忍者毒蛾くノ一は、それぞれ江戸城天守閣の鯱(しゃちほこ)、その右側、左側へと降り立った。

 

「化身忍者毒蛾くノ一、ここで決着をつけるぞ!!」

 

と嵐は叫び、そして抜刀する。

 

嵐はあえて彼女のことを『楓さん』と呼ぶのは止めた。

 

今の彼女はもう、血車党の化身忍者であることに誇りを持つ『毒蛾くノ一』なのだ。

 

化身忍者毒蛾くノ一も

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

と叫ぶと

 

「望むところさ、嵐、血車党の敵である貴様を討って、手柄としてやる!」

 

と豪語し、そして剣を構える。

 

少しの間、睨み合いが続いたが、先に仕掛けたのは嵐の方だった。

 

「嵐旋風斬り!!」

 

嵐はそう叫ぶと、愛刀、速風を縦横無尽に旋風回転させる。

 

そして

 

「たあぁぁぁぁー!!」

 

と大きく飛び上がった。

 

が、化身忍者毒蛾くノ一はそれを平然と見ると、今度は自らの剣を縦横無尽に旋風回転させる。

 

「それは!」

 

空中で驚く嵐。

 

化身忍者毒蛾くノ一がやっていることは変身忍者嵐の必殺技『旋風斬り』そのものではないか!

 

ただし、嵐の「旋風斬り」が右回しなのに対して、こちらは左回しである。

 

当然ながら嵐はこの光景に見覚えがあった。

 

「血車流、逆旋風!」

 

化身忍者毒蛾くノ一が叫ぶ。

 

同じく旋風回転により斬りかかるもの同士が激突する。

 

バキィィンッ!!

 

剣と剣が激しく火花を散らし、変身忍者嵐、化身忍者毒蛾くノ一は、双方とも大きく飛び退いた。

 

思わず嵐が叫ぶ。

 

「毒蛾くノ一、その旋風斬りは!?」

 

「ふっ、ええ、そうさ!」

 

不適に笑う化身忍者毒蛾くノ一。

 

「菖蒲が使った『逆旋風』と同じものを、この私が使えるのがそんなに不思議なのか?」

 

言われてみれば、そうかもしれないが…

 

「それよりも、既に『秘剣影うつし』は、この私には通用しないことはハッキリしたし、旋風斬りも双方互角というなら、嵐、お前の必殺技は、いずれもこの私には通用しないということだぞ!、そのつもりでかかってくるんだな」

 

そう嵐に向かって豪語する化身忍者毒蛾くノ一。

 

「むむっ!」

 

唸る嵐。

 

いや、本当は嵐には密かに身につけた必殺技がもう一つ、あるにはあるのだ。

 

しかし…

 

「それよりも、一対一の決闘とはいえ、これは術のうちだから反則行為ではないよなあ」

 

と言うなり、化身忍者毒蛾くノ一は印を切り、その両手を大きく上に伸ばす。

 

「血車忍法『毒蛾乱舞』!」

 

たちまち化身忍者毒蛾くノ一のまわりに大量の大きな毒蛾たちが集まり、そのまま群れをなす。

 

そして

 

「やれえっ!、変身忍者嵐とて狂い粉の敵ではない!」

 

化身忍者毒蛾くノ一の号令のもと

 

群れをなした毒蛾たちは変身忍者嵐に向かってわさわさっと襲いかかる。

 

嵐をその鱗粉で攻撃するために。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「嵐旋風斬り!!」

 

嵐は再び叫び、愛刀、速風を縦横無尽に旋風回転させ、毒蛾を次々斬るものの、次から次へと押し寄せる毒蛾たちの攻撃には、さすがに辟易させられずにはいられない。

 

「くくっ、どうだ嵐!」

 

してやったりとばかりに化身忍者毒蛾くノ一が笑う。

 

が、嵐は一枚上手だった。

 

「羽根隠れ!」

 

たちまち嵐の周りに大量の羽毛が発生したかと思うと、次の瞬間、変身忍者嵐の姿はその羽毛たちに包まれた。

 

その羽毛は完全に嵐の姿を見えなくし、そして、羽毛が消えてなくなったかと思うと

 

その場から変身忍者嵐の姿も消えてしまい、嵐を包囲していたはずの毒蛾たちだけが空しく飛び回っているだけである。

 

「嵐、どこへ行った!」

 

思わず叫ぶ化身忍者毒蛾くノ一。

 

「ここさ」

 

次の瞬間、嵐の姿が化身忍者毒蛾くノ一の目の前に現れていた。

 

そして嵐の剛剣が、いきなり化身忍者毒蛾くノ一の剣を弾き飛ばす。

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

狼狽した化身忍者毒蛾くノ一は悲鳴をあげる。

 

そして

 

「嵐、卑怯だぞ!」

 

突然目の前に現れて奇襲で自分の剣を弾き飛ばした嵐を非難する。

 

が、嵐は平然と

 

「卑怯だと?」

 

と嘯くと

 

「羽根隠れは私の忍法の一つだ。術のうちだから反則行為ではないと言い切ったのは毒蛾くノ一、お前だぞ!」

 

と返事を返す。

 

その嵐の返答にわなわなと怒りに震える化身忍者毒蛾くノ一。

 

だが嵐は

 

「毒蛾くノ一、ならば剣を取れ。お互いの剣でキチンと決着をつけよう!」

 

と断言し、自らが弾き飛ばした化身忍者毒蛾くノ一の剣を指差す。

 

気を取り直した化身忍者毒蛾くノ一も直ぐにその剣を取り、そして

 

再び変身忍者嵐と化身忍者毒蛾くノ一の斬り合いがはじまった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

拾い上げた剣を両手で握り締め、化身忍者毒蛾くノ一は猛然と屋根の傾斜を駆け登ると

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

絶叫と共に捨て身の唐竹割りで攻める。

 

嵐はそれを速風の刀身で受け止めた。

 

ギィィィンッ!と高音の金属性が響き渡り、二人の足元の瓦が跳ね飛んで堀へと落ちていく。

 

鍔競り合いの至近距離で対する両者

 

毒蛾くノ一は間髪入れず、膝蹴りを嵐の腹部に打ち込み、跳ね返る反動を利用してクルリと空中を宙返りすると、嵐の背後、鯱(しゃちほこ)の目の前に着地した。

 

「そこだあっ!」

 

鋭い突きが嵐の背中を狙う。

 

だが、嵐は振り返りざまに刃を滑らせ、突きの軌道を外すと同時に、速風の柄頭(つかがしら)で毒蛾くノ一の手首を強打する。

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

手首の痺れに毒蛾くノ一が叫んだ、その一瞬、彼女は再び腕を左回りに振ろうとした。

 

『逆旋風』の予備動作!!

 

だが、嵐の眼法はそれを見逃さない。

 

旋風が巻き起こるよりも早く、嵐は一歩大きく踏み込むと、相手の肘の関節めがけて剛剣の腹を叩きつけ、その回転運動を根元から力任せに打ち砕いた。

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

必殺の型を完璧に潰され、体勢を大きく崩した毒蛾くノ一が、天守閣の屋根をズルズルと滑り落ちていく。

 

それを確認した嵐、いやハヤテは

 

その心の中で父、谷鬼十のことを思った。

 

………………

 

『いいかハヤテ、感情に任せて女子供に手を上げるような奴には絶対なるな!』

 

………………

 

目の前の化身忍者毒蛾くノ一、いや楓は、元はといえばカスミと同年の『女の子』だったことを嵐は忘れていない。

 

が、嵐は目を一瞬だけ閉じると

 

父上、ハヤテは今、あえて、貴方の教えに背きます!!

 

と心の中で呟く。

 

そして嵐は非情の決心をすると

 

「どうりゃあぁっ!」

 

と叫びながら空高く舞い上がると、空中できりもみ回転をし

 

「嵐、稲妻斬りいっ!」

 

と叫びながら急降下斬りの体勢に入った。

 

変身忍者嵐の稲妻斬り

 

それは空高く舞い上がり、空中できりもみ回転しながら目にも止まらぬ速さで急降下しながら敵を斬る、変身忍者嵐の第三の必殺技である。

 

急降下する嵐の脳裏に、その場にはいないはずのカスミの姿が一瞬だけ見えた。

 

その『カスミ』は泣きながら、悲しみながら

 

にこっと笑顔を見せる。

 

………………

 

『ハヤテさん、楓ちゃんの介錯をお願いします』

 

………………

 

それは恐らく、嵐の意識が一瞬だけ見せた幻覚だったのだろう。

 

だが、目の前の『楓』には、もう帰るところはない

 

既に伊賀忍者としては裏切者でしかなく、その身は伊賀に戻ることは出来ない

 

もはや『裏切者の抜け忍』として制裁の対象である

 

そして

 

血車党に帰っても、待っているのは血の掟だけである。

 

ある意味で彼女は自ら死を選んだと言っていい。

 

 

嵐はすべての迷いを振り切り、そして、その稲妻斬りで化身忍者毒蛾くノ一を斬った。

 

「イーッ!、ヨーウゥゥー!!」

 

斬られた化身忍者毒蛾くノ一は悲鳴をあげると

 

天守閣の屋根から転落し、そのまま江戸城を囲む内堀へとその身は落ちていった。

 

その最期の瞬間、化身忍者毒蛾くノ一が何を考えていたのか?

 

それは嵐には分からない。

 

そして化身忍者毒蛾くノ一の体は堀の中に転落すると

 

次の瞬間、大きな爆音と共に

 

バッシャーン!と凄まじい水しぶきがあがった。

 

化身忍者毒蛾くノ一の最期である。

 

そして彼女はその死と共に自爆したのだ。

 

次の瞬間、この場にいた毒蛾の群れたちもかき消すように姿を消した。

 

だが、なぜか一羽だけ

 

蛾がヒラヒラと舞っていき、いずこかへと飛び去っていく。

 

それは、もしかしたら『楓の魂の姿』だったのかもしれない。

 

そして

 

天守閣の屋根の上には、もはや変身忍者嵐が空しい気持ちをいだきながら

 

一人でポツンと立っているだけであった。

 

いずれにしても、もはや決着はついたのだ。

 

化身忍者毒蛾くノ一は、もういない。

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