変身忍者嵐より 千恵(毒蛾くノ一)の異なる未来第2編・江戸での血車党との対決 作:shpfive03
タツマキとカスミ共々、血車党の偽番所に閉じ込められた人たちは、異形の怪人、骸骨丸の出現と、その発言に動揺を隠せない。
タツマキ、カスミの二人は、その人たちを庇うような形で、前に立ち、剣を構える。
そんな二人をせせら笑うかのように
「タツマキとカスミ、これを見ろ!」
と骸骨丸は右手を挙げる。
それを合図として煙と共に、タツマキとカスミにとっても見覚えのある七人の再生化身忍者たちが次々と姿を現した。
毒ウツボ、卍カマイタチ、トゲナマズ、ゲジゲジ魔、そして
死人ふくろう、毒蛇くノ一、血吸いコウモリという三名の化身忍者については、タツマキもカスミの二人にとっても、その人間体であった山彦小次郎、あざみ、こずえのことは、まだ生々しい記憶である。
特に血吸いコウモリが目の前に姿を現した時には、カスミは思わず
「こずえさん!」
と声をあげてしまった。
タツマキとカスミの背後にいる人たちも、この七人の再生化身忍者たちの姿を見て、更に不安にかられて動揺する。
「各々がた、ご心配には及びませぬ」
とタツマキが言うものの、人々は不安を隠せない。
それを見て骸骨丸はフッフッフと勝ち誇ったように笑う。
「どうだカスミ、驚いたか?、血車党の力は無限だということがわかっただろう。伊豆田方の時には失敗したが、今度こそお前を捕らえ、我が血車党の化身忍者にしてやる!」
カスミもそんなことで負けてはいない。
「間もなくハヤテさん、つまり変身忍者嵐がここにやって来ます。千恵さんだっていますし、ツムジも来ます。たとえ化身忍者が七人いたって負けません!」
それを聞き、骸骨丸がさらに言った。
「変身忍者嵐ならまだしも、たかが『出来損ないの裏切者』が来たところで何ほどのことがあるというのだ?、ましてや伊賀の小僧など、お前は多勢に無勢という言葉を知らんのか?」
それに対してカスミは
「少数精鋭という言葉もありますよ、だいいち、あなたは早川で千恵さんに別の化身忍者共々追い返されてるじゃないですか!」
と言い返す。
「あの時は追い返されたのではなく、単に引き上げたけだが」
骸骨丸は不愉快そうに言った。
「それより、今すぐ七人の再生化身忍者たちが下忍たちと共に飛びかかれば、お前たち二人などあっという間に片付くだろ」
骸骨丸はそう言うと、再生化身忍者たち、下忍たちに合図する。
「やれ!、さっさと片付けろ」
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ハヤテはいち早く変身忍者嵐に『変身』し、そのままハヤブサオーに乗り渡船場へ急ぐ。
そして千恵、ツムジ、紅葉の三人も渡船場に向かって足早に歩いていった。
そんな三人の前に
「ニャー!」
「グェッグェッグェ」
と不気味な声をあげながらネコマンダラとガマドクロが姿を現す。
千恵は
「変身!」
と叫び、両手をクロスして大きく回した。
そして『蛾の変身忍者千恵』の姿に変身する。
これを見て紅葉は驚いたが
ツムジが
「紅葉ちゃん、心配事いらないよ、変身した千恵お姉ちゃんが、こいつらをあっという間に退治してくれるから」
と言うと、そういうものかと紅葉も落ち着いた。
「ガマドクロ、また甦ってきたの、不気味なやつ、そこの猫の化身忍者ともども、かかってきなさい!」
千恵の挑発に乗ったガマドクロとネコマンダラは
「ニャー!」
「グェッグェッグェ」
と、それぞれ叫びながら『変身忍者千恵』に襲いかかる。
が、千恵はガマドクロ、ネコマンダラを、その鋭い剣さばきでザクッ、ザクッとあっさり斬り捨てた。
ガマドクロ、ネコマンダラとも、その場にどうっと倒れる。
そして、その体は直ぐに崩れ落ち、塵となっていった。
仮にも化身忍者と思ってはいたのに、この『弱さ』はなに?
千恵は拍子抜けしてしまった。
ネコマンダラは知らず、少なくともガマドクロは以前に対戦した時は、もう少しは手強かったように思ったのたが‥‥
いずれにしても、そんなことを気にしている暇はない。
両名の化身忍者を斬り捨てた『変身忍者千恵』は、ツムジと紅葉の二人に向かって振り返ると
「先を急ぎましょう」
とだけ言った。
「もちろん!」
とツムジ。
「うん!」
と紅葉が答える。
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骸骨丸の合図により七人の再生化身忍者と血車党の下忍たちがタツマキ、カスミに襲いかかろうとする、まさにその時
「嵐、見参!」
ハヤブサオーに乗った変身忍者嵐が、血車党偽番所の扉を突き破って登場する。
「来たな、嵐」
骸骨丸はニヤリと笑うと
「血吸いコウモリ!」
と、手前にいた再生化身忍者、血吸いコウモリに呼び掛ける。
「嵐の相手をしてやれ」
頷いた血吸いコウモリは、ハヤブサオーに乗ったままの嵐の目の前に立ちふさがる。
そして
「ハヤテさん、私、こずえです。またお会いしましたね!」
と血吸いコウモリはハヤテに向かって言った。
「こずえ‥‥さん?」
明らかにこずえの声である。
が、そんなはずはない、と嵐は激しく首を振った。
こずえの遺体は火葬され、今は清雲寺の墓に眠っている。
それに間違いはないはずだ。
が、次に血吸いコウモリが言った言葉は、嵐にとっても驚くべきものだった。
「ハヤテさん、私の体は燃えてしまいました。もう、この姿から元に戻ることは出来ません。私、元の体に帰りたい!!」
血吸いコウモリは、こずえの声で、嵐にそう訴えかけるのだ。
嵐はハヤブサオーに乗ったまま、立ち止まってしまう。
動揺は隠せずにいた。
嵐のその様子を見て
他の六人の化身忍者たちが、一斉に飛びかかってくる。
嵐の心には迷いが生じ、戦うことが出来ずにいた。
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再生化身忍者、血吸いコウモリから発せられた『こずえの声』に動揺した変身忍者嵐に、やはり再生化身忍者の死人ふくろうが
「クエェーコォォー!」
と叫びながら襲いかかる。
嵐は叫んだ。
「お前も小次郎なのか?」
だが死人ふくろうはそれには答えないまま、ひたすら斬りかかろうとする。
が、ここでハヤブサオーが激しく暴れ始めた。
飛びかかってきた死人ふくろうは、ハヤブサオーによって撥ね飛ばされる。
死人ふくろうはドサッと地面に倒れた。
が、さすがに直ぐに立ち上がってくる。
一方で嵐は落馬しまいとばかりに暴れるハヤブサオーにしがみつく。
が、このハヤブサオーの『暴走』のおかげで
飛びかかろうとしていた、他の再生化身忍者たちも怯み、結果としてハヤブサオーと、それに乗る嵐には近づけずにいる。
「嵐殿!!」
心配したタツマキが嵐に向かって大声を出す。
カスミも
「ハヤテさあんっ!」
と叫んだ。
カスミは嵐の危機と見ると、つい無意識に『ハヤテさん』と呼んでしまうのだ。
彼女にとっては『嵐もまた、ハヤテの一部』なのである。
そこへ今度は、先ほど嵐とハヤブサオーが突き破った入口の扉から
千恵、ツムジ、紅葉の三人が姿を現す。
「うわっ!、死んだはずの化身忍者だらけだ」
とツムジ。
「でも、ここには『新しい毒蛾くノ一』はいないようね」
と千恵。
紅葉も不安は隠せないながらも『逃げるもんか!』という顔つきになる。
そうした三人の様子を見て骸骨丸はニヤリと笑った。
「来たな、伊賀の小僧と『出来損ないの裏切者』。ここには貴様らの相手をするのにちょうどいい化身忍者がいる。貴様らはその化身忍者の手にかかって死ね!」
骸骨丸のそのセリフと共に、爆音、そして煙がその場に見えたかと思うと
その化身忍者が眼光を光らせながら姿を現した。
「カカアァ!、カカアァ!」
鋭い眼光を発する白いカラスの頭部に、飛行のための翼と鋭い爪を持つ、新たなる化身忍者、人喰いカラスは『変身忍者千恵』を指差し
「貴様が『出来損ないの裏切者』か!、この人喰いカラスの嘴で貴様の青い眼を抉り取ってくれるわ!」
と宣言する。
この化身忍者の実力は、再生化身忍者たちとはレベルが違う
千恵は身構えた。
「なに言ってやがるんだい」
とツムジ。
「千恵お姉ちゃんは嵐さんの次に強いんだぞ!、この間だって襲ってきた化身忍者を叩き斬ったし」
ちょっと千恵は照れ臭くなりながら
「ツムジさん、油断は禁物です。こいつは掛け値なしに強いですよ」
と人喰いカラスに向けて剣を構える。
人喰いカラスの方も
「ふん、確かに女のくせに剣の腕は少しはたちそうだな。だが、それだけさ」
そう言い放つと、いきなり剣を抜き、千恵に襲いかかる。
『変身忍者千恵』と人喰いカラスの壮絶な斬り合いがはじまった。
一方でツムジは紅葉の前に立ち
「紅葉ちゃんは安心して!、おいらが守るから」
と背後にまわった紅葉に声をかける。
「うん!、ツムジお兄ちゃん、ありがとう」
と紅葉。
それを見て骸骨丸は舌打ちする。
彼は元々『斬り合い』のような消耗戦を好んでいない。
一方で嵐、というよりハヤブサオーだが
そのままの勢いで、骸骨丸と下忍たちの方へ突っ込んでいく。
「うわあ!」
と散り散りになる下忍たち。
骸骨丸も思わず飛び退いた。
「嵐殿!」
とタツマキが声をかける。
「うむ、タツマキとカスミは後ろの皆さんを連れて、ここから避難してくれ。ここは私が何とかする」
と馬上の嵐。
「ハヤテさん!」
とカスミは再生化身忍者の血吸いコウモリを指差し
「こずえさんは本当に?‥‥」
と嵐に向かって問いかける。
「だとしても、私は全力で戦うまで!」
そう宣言すると、嵐はハヤブサオーから降りた。
そして
「ありがとうハヤブサオー、おかげで目が醒めたよ」
と、あえて暴走してくれたハヤブサオーに礼をいう。
そして剣を抜き、構えた。
「ここから先、皆に手を出そうとするものは、誰であろうと、この変身忍者嵐が相手になる。それを承知でかかってこい!」
その嵐に対して、再生化身忍者血吸いコウモリは『こずえの声』で言った。
「ハヤテさん、あなたはまた、私と兄を殺すんですね‥‥」
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「皆さん、とにかく早く逃げなされ!」
タツマキとカスミが、ここに一緒に閉じ込められていた人たちを先導する。
そしてツムジと紅葉も、その流れに合流した。
が、その前に唐突に一人の女性が姿を現す。
「あなた、カスミ、ツムジ、元気でしたか?」
その女性の姿を見てタツマキ、カスミ、ツムジの三人は一様に驚く。
タツマキは
「お恵、なぜ、お前がここに!」
と、目の前の女性を指差す。
カスミも
「お母さん!」
と叫び
ツムジも
「母ちゃん、なぜ?」
と目を大きく見開いた。
その女性は、既に亡くなったはずのタツマキの妻にして、カスミ、ツムジの母、『恵の姿』だったのだ。
「偉大なる血車魔神斎様の力により、私は再び命を貰いました。あなた、それにカスミもツムジも、血車様と無益な争いはやめましょう」
普段なら、こんなセリフを聞かされれば、直ぐに『おかしい』とわかるはずのカスミとツムジも、まるで金縛りにあったかのように、目の前の『恵の姿』に魅いられてしまっている。
「お母さん‥‥、わたし‥‥」
カスミは目の前の『恵の姿』に、そのままフラフラと近づこうとする。
ツムジも、紅葉を抱きつつも、どうしても『恵の姿』に引き込まれそうになってしまう。
だが、タツマキは冷静だった。
「ええい!」
タツマキはなんの躊躇いもなく、目の前の『恵の姿』に対して、その剣を振るい、それを斬り捨てた。
「お父さん!」
カスミが悲鳴をあげる。
だが、タツマキは自分の斬った『恵の姿』を指差す。
そこにあったのは恵の姿ではなく、ただの人形の姿であった。
「こんなものは幻術にすぎぬわ!」
とタツマキ。
「このわしが、二十年以上連れ添ったお恵のことを、他の誰か、何かと見間違えるものか!、こざかしい血車党の幻術めが」
それを聞き、カスミは一瞬でも騙されて魅いられそうになった自分を恥じた。
やっぱり父は一流の忍者である。
そしてタツマキは、再生化身忍者たちと戦う嵐に向かって言った。
「嵐殿!、その化身忍者の発する『こずえ殿の声』に惑わされてはなりませぬぞ!、こずえ殿がどのような方であったのかは、嵐殿はご存じのはず。ただの『声』に騙されてはなりませぬ!」
嵐はそれを聞き、深く頷いた。
「タツマキ、ありがとう!」
そして嵐は、飛びかかってきた血吸いコウモリを瞬間的に斬る。
再生化身忍者である血吸いコウモリは倒れ、直ぐにその姿はグズクズと崩れていき、やがて塵となった。
「やはり幻術だったのか!」
その声に反応するかのように、今度は一人の女性が突然、その場に姿を現した。
「フフン、ええ、そうよ。でも、こんな見え透いた手に引っ掛かりそうになるなんて、あなた、相変わらずバカね」
その女性は目の前の嵐をバカにするかのように哄笑する、
その女性の姿を見て、嵐は驚愕した。
「あ、姉上‥‥」
そこにいたのは
カスミと同じく、その綺麗な長い黒髪を下におろした美貌の女性。
その姿は医術者としてのの作務衣姿ではなく
血車党くノ一、その
額にきつく締めた黒い額当てからは、意志の強さを感じさせる切れ上がった涼やかな瞳が覗く。肩まで届く漆黒のストレートヘアは美しく切り揃えられ、激しい動きにも乱れぬ気品を漂わせている。
身に纏うのは、血を連想させる深い、しかし鮮やかな
その下に仕込まれた黒い鎖帷子が、両腕の動きに合わせて鈍い金属光沢を放つ。
手首には黒い手甲、そして指先を自由に動かせる指貫の籠手をはめ、いつでも得物を抜ける構えを崩さない。
小袖と同色の臙脂色の軽快な忍び袴を穿き、腰は幾何学模様が施された太い帯で固く引き締めている。
帯の正面で結ばれた金色の飾り紐と房が、落ち着いた装束の中で唯一の華やかさを主張していた。
足元は膝下までを覆う黒い脚絆で硬く引き締められ、俊敏なフットワークを支える黒い草鞋を履いている。
変身忍者嵐こと、ハヤテの実の姉にして
血車党における序列第三位、医術班の頭にして、二人の『毒蛾くノ一』を含む、多くの化身忍者の生みの親ともいうべき女性
その名は
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「久しぶりねえ、ハヤテ」
嵐は動揺を隠せずにいたが、それでも一応は
「こちらこそお久しぶりです、あ、ね、う、え!」
と、やや皮肉っぽく、一応の返事を返した。
ハヤテさんの姉上?
人喰いカラスとの激しい斬り合いをしていた千恵は一瞬の動揺を隠せず、その隙を人喰いカラスに突かれ、自らの持つ剣を弾き飛ばされてしまった。
「しまった!」
臍を噛む千恵。
「『出来損ないの裏切者』、これで終わりだあ!」
一気に勝負をつけようと人喰いカラスは剣を振り上げ、千恵を斬ろうとする。
「千恵お姉ちゃん!!」
千恵の危機を見て、思わず叫ぶツムジ。
だが千恵は冷静さを取り戻した。
「戸隠流真剣白刃取り!」
そう叫ぶなり千恵は、人喰いカラスが自らの頭上に降り下ろす剛剣を、その両の手のひらを合わせ、力強く挟んで受け止めた。
人喰いカラスは自分と比べて非力と思われた千恵に自らの剣を両手で白刃取りされ、これを動かすことが出来ずにいることに驚く。
「くそ!、離せ」
千恵は笑う。
「変身忍者嵐でさえ、私の白刃取りを直接振りほどくことは出来なかったんだよ、まして、あなたに出来るものですか!」
そう言って千恵は、そのまま人喰いカラスを放り投げ、その剣を奪い取った。
「さすが、千恵お姉ちゃん!!」
思わずツムジが、そばにいた紅葉と一緒に歓声をあげる。
「くそ!」
千恵により転ばされた人喰いカラスは怒りとともに、逆に自らが千恵から弾き飛ばした剣を拾って、その体勢を立て直す。
その様子を見ていた風華は、今度は皮肉っぽい視線を千恵に向ける。
「『前の毒蛾くノ一』、あなたも元気そうね。なかなかやるじゃない」
千恵も一応の返事をすることにした。
「風華さま、おかげさまで今も私は生きていますわ。ところであなた様がハヤテさんの姉上というのは‥‥」
「本当よ」
風華はフフッと笑う。
そして
「人喰いカラス、ちょっとだけ待ってあげなさい。わ、た、く、し、せっかくなので皆様とご挨拶したいの」
人喰いカラスはそれを聞き、不承不承ながら千恵とは対峙の姿勢をとる。
そこへタツマキが
「やい、お主がハヤテ殿の姉上というのは本当なのか!、さっきのような幻術ではないのか?」
と風華に向かって叫ぶ。
「他ならない変身忍者嵐、つまりハヤテが認めているじゃない」
面白いものを見るような目付きで風華はタツマキを見る。
風華は続ける。
「そう、確かにさっきまでの『こずえの声』や『お恵さんの声』は、私の術によるもの。だからといって、この私までが術による偽物というわけじゃないわよ」
そして風華は、今度は骸骨丸の方に声をかける。
「骸骨丸様、いずれにしても私は頼まれたことくらいはちゃんとやりましたわよ。まあ、この伊賀忍タツマキに術が見破られたのは予想外でしたけどね」
骸骨丸は
「ああ、いずれにしても風華、今回は手間をかけさせた」
と風華に返事をする。
「それにしてもハヤテのバカっぷりは相変わらずね」
と風華は笑う。
「まさか、こんな子供騙しに引っ掛かりそうになるなんてね」
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「ハヤテさんをバカにしないで!」
カスミが思わず風華を怒鳴る。
「あなた、ハヤテさんのお姉さんというのが本当なら、なぜ、こんなことするの!」
風華は楽しそうに
「あなたがカスミちゃんね。はじめまして、わたくし、不肖の弟であるハヤテの姉、風華と申します」
とカスミに対して軽く頭を下げ、挨拶をする。
そして風華は
「あなたには是非、我が血車党の化身忍者となり、私と共に血車党のために、その能力を役に立ててほしいわ」
とカスミに『お願い』をする。
「ふ、ざ、け、な、い、で!!」
カスミは怒りをあらわにし、顔を真っ赤にして風華を怒鳴り付けた。
「あらあら、可愛らしいこと」
と風華はそんなカスミを見て
「まだ子供なのね。さっきも『お恵さんの声』に簡単に騙されそうになったし」
クスッと微笑む。
カスミは目の前の風華に殺意を覚え、今すぐに彼女を叩き斬ってやりたくなった。
「血車党に来なさいよ、このお姉さんがいろんなことを教えてあげるわ」
面白そうに風華はカスミを笑う。
「お父さん!、ツムジ!、皆さんをお願い。私、今すぐこいつを叩き斬ってやりたい!」
そう言ってカスミは剣を抜き、一気に風華に飛びかかろうとする。
が
「よせ、カスミ!、気持ちはわかるが、こいつは強いぞ。それに」
と嵐が制止の声をあげる。
カスミはそれを聞いて、一瞬思いとどまる。
「こんなやつでも、仮にも‥‥、私の姉上なんだ」
苦しそうにいう嵐。
「あらあらハヤテ、こんなやつとは失礼ね」
どこまでも風華は楽しそうである。
が、風華は、今度は骸骨丸に向かって
「骸骨丸様、わたくしは今日のところはここで引き上げさせていただきますわ。本来は管轄外の『戦闘班』のお仕事に思わぬ時間を費やしてしまいましたし」
という。
骸骨丸も
「うむ、私も江戸の様子が気になるし、ここはいったん撤収しようと思っていたところだ。人喰いカラス、そして下忍たち、引き上げるぞ。再生化身忍者たちも転移の術は使える。それぞれ、次の作戦に向け、ここから撤収しろ!」
と号令をする。
江戸の様子?
タツマキは骸骨丸のその言葉を聞き逃さなかった。
「では骸骨丸様、ここは予定通り爆破して」
と人喰いカラス。
爆破という言葉を聞き、タツマキ、カスミ、ツムジは急いだ。
「みんな、早くここから逃げて!」
紅葉を含む、ここに捕らわれていた人たちは一斉に逃げ出した。
風華、骸骨丸、そして人喰いカラス、再生化身忍者たち、下忍たちが次々と煙と共に姿を消す。
そして変身忍者嵐とハヤブサオー、タツマキたちの先導で逃げ出した人々。
間もなく
もぬけの殻になった『血車党の偽番所』は
渡船場を巻き添えにして爆発した。
これで、しばらくはここから渡船によって相模川の対岸には渡れなくなる。
ハヤテの二次創作小説上の姉、風華(ふうか)の忍び装束の描写は細かくなっているのは、当時使っていた画像が使用できなくなったからという事情によるものです。
文章でカバー出来るかどうか…