※この作品はR-18です。

変身忍者嵐より 千恵(毒蛾くノ一)の異なる未来第2編・江戸での血車党との対決   作:shpfive03

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変身忍者嵐 VS 再生化身忍者たち、そして人喰いカラス VS 変身忍者千恵

 

一方で

 

百地源太夫も、やはり伊賀組屋敷の火災鎮火がおさまったのを受け、藤林、服部ら他の上忍、そして六名の中忍たちと別れて私宅に戻った。

 

藤林や、あるいは服部などが焦って、先走ったことをしでかさなければよいのだが‥‥

 

これが源太夫の偽らざる思いであった。

 

恐らく血車党側は、我ら伊賀の「上忍三家」が到底一枚岩とは言えず、そこへ揺さぶりをかけることで、我らの、つまり伊賀忍者全体の結束を乱そうとしている。

 

源太夫はそのように考えていた。

 

彼はタツマキからの幾度も届いた報告書にすべて目を通しており、それを自分なりに分析した上で

 

血車党率いる化身忍者は、それぞれが融合した動物の持つ能力を最大限に引き出す超常能力の持ち主であり

 

到底、通常の人間が忍術の修行、経験を積んだところで、敵う相手ではないということを

 

正確に理解していた。

 

「父上、お帰りなさいませ!」

 

源太夫が戻るのを見て、娘の千秋が深々とお辞儀をする。

 

歳の頃は数えで17。

 

タツマキの娘、カスミも同年代だったな‥‥

 

源太夫はふと、暫く会っていないカスミのことを思い出した。

 

「千秋!」

 

源太夫の言葉に、千秋は

 

「はい!」

 

と答える。

 

「既に聞き及んでいると思うが、今晩、伊賀組屋敷において火災があった。で、その火災だが」

 

千秋は父の口調にただ事ではない気配を感じ、ゴクリッ、と唾を飲み込む。

 

「血車党の仕業だ」

 

源太夫は率直に千秋に伝える。

 

「やはり‥‥」

 

千秋は思わず呟くように言った。

 

「血車党の連中は、恐らく、ある程度は我が伊賀忍者の内情を理解し、揺さぶりをかけるつもりだ」

 

源太夫は今の状況に対する自分自身の理解を千秋に話す。

 

「先ほどの様子から見て、他の上忍二家、藤林と服部が勝手な判断で独自の動きをはじめかねない、と見ている。そうなる前に」

 

源太夫は、そこで言葉を切ると

 

「タツマキ殿に、今晩の江戸で起こった異変を伝え、一刻も早い江戸到着を促す必要がある。途中の現地で何事か問題が起きていようとも、だ!」

 

と、言葉を続け、そこで我が娘の顔をじっと見つめる。

 

千秋は直ぐに理解し、そして頷く。

 

「私に飛脚として行ってくれ、ということですね」

 

「そうだ」

 

源太夫は苦虫を噛み潰したような顔で言った。

 

「共有財産である鳩は使えない。そんなことをすれば藤林や服部にも分かってしまうし、それであるなら両家も黙っていないだろう。といって、迂闊な者に、このようなことを頼む気にもなれん」

 

我が娘、千秋は女子でありながら健脚であり、長い距離を走るのを苦にしない。

 

勿論、それは忍術の一つとして身につけた彼女自身の血の滲むような努力の賜物であるということを、父である源太夫は十分に理解している。

 

「ここにタツマキへの手紙を準備した」

 

源太夫は懐にあった書状を千秋に手渡す。

 

先ほど、伊賀組屋敷で、皆が帰ったのを見計らい書いたものである。

 

「これをお前に届けてもらいたい。なりふり構わぬ話だが、今、我々はタツマキ殿と同行しているハヤテ殿の力を必要としている。藤林や服部が先走って大きな失敗をする前に」

 

そうなったとき、藤林や服部が『成功』する可能性など、源太夫は欠片も思っていなかった。

 

「ハヤテ殿の力を我らが必要としていることを伝え、一刻も早い江戸到着を望むことを伝えてほしいのだ」

 

千秋はキッパリ答えた。

 

「父上、ご安心ください!、私、千秋今より出発し、早急に『お役目』を果たして参ります」

 

「うむ、途中に血車党が待ち受けている可能性もある。命を懸けた『お役目』だが、頼む!」

 

本当は我が娘に、こんな危ないことをさせたくはないのだ!

 

だが、千秋はすぐに出立の準備をはじめた。

 

「父上、千秋は必ずタツマキ殿のところへ行き、父上の『思い』をタツマキ殿、そしてハヤテ殿に伝えてまいります!」

 

千秋は決意の言葉を口にした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

血車党の偽番所に囚われていた人たちは、タツマキたちの誘導により、偽番所の爆破に巻き込まれることもなく、無事に避難することが出来た。

 

そして紅葉は、血車党に囚われていた父と無事に再会することも出来たのだった。

 

「おとっつぁーん!」

 

「もーみじー!」

 

泣きながら、父の佐吉に抱きつく紅葉。

 

それを見て、それまで紅葉と行動を共にしてきたツムジと千恵も安堵する。

 

「紅葉ちゃん、よかったね」

 

と千恵に声をかけるツムジ。

 

「ええ。でも紅葉ちゃんと佐吉さん、これからどうするのかしら?」

 

と千恵は気にかける。

 

 

何しろ、血車党の偽番所に囚われていた人たちが一斉に解放されたとは言うものの‥‥

 

 

馬入の渡船場は、血車党の偽番所の爆破に巻き込まれ、当分の間は使用できそうにない。

 

つまり東海道は相模川を境に分断されてしまったことになる。

 

「どうしたものだろうか?」

 

人々の声。

 

だが、ここから一里ほど北に行ったところに『田村の渡し』という中原街道、大山道を往還するための、別な渡船場があり、そこから川向かいの高座郡一之宮まで渡船で渡ることが出来るということをタツマキが説明し、それを聞いた人々は一斉にそちらへ向かおうとする。

 

一之宮から南に一里くだれば再び東海道にも出られるのだ。

 

が、馬入の渡船を使うはずだった人たちがそのまま、その田村の渡しまで押し寄せることになり

 

しかも、ここで血車党に囚われていた人たちも、元はといえば対岸に渡ろうとしていた人たちである。

 

一斉に対岸に向かうということになると、これは大変な人数となり、渡し船で一回に渡れる人も数が限られていることを考えると‥‥

 

大人数を先導して『田村の渡し』まで向かって歩き続けながらも、タツマキたちは悩んでいた。

 

一応はハヤテの方で、ハヤブサオーの跳躍力で相模川を超えることは出来ないものだろうかとも考えたが、残念ながら相模川の、この辺りの川幅は約3町(400メートル)以上もある。

 

ハヤブサオーの一回の跳躍で超えるには川幅がありすぎた。

 

川を強引に渡るにしても、箇所によっては水深があり、いずれにしてもハヤブサオーで無理に渡るのは困難をともなう。

 

そもそもハヤテ一人で対岸に渡るのでは意味はなく、ハヤブサオーに千恵を乗せ、一緒に行くことを前提に考えると、やはり無理だと結論づけるしかない。

 

そしてハヤテは、いつの間にか千恵の『転移の術』を当てにしてしまっている自分に気づき、自己嫌悪も感じていたのだ。

 

いずれにしても

 

結局は渡し船に頼らざるを得ないのである。

 

「千恵殿、また江戸へ行くのが遅くなってしまいますな‥‥」

 

大人数を先導しながら、タツマキが一緒に歩き続ける千恵にすまなそうにいう。

 

他ならぬ『田村の渡し』に人々を誘導したのは自分であるだけに‥‥

 

「いえ、私は別に‥‥」

 

正直なところ、今の千恵にとってはハヤテやタツマキ、カスミ、そしてツムジたちと『一緒に旅をしていられるということだけで幸せ』という気持ちがあるのは確かである。

 

江戸に着いたあと、自分はどうなるんだろう?

 

そうした不安も、全くないと言ったら嘘にはなるのだ。

 

千恵はハヤテ、タツマキ一家に対する個人的な信頼とは別に

 

徳川家を頂点とする『御公儀』なるものについてまで、未だ信頼感を持っているわけでもなかった。

 

勿論、それは今は口には出さないが。

 

一里の道を歩き続け、夕方も近くなった時

 

大人数の一行の前に立ちふさがった者たちがいる。

 

「カカアァ!、カカアァ!」

 

甲高いカラスの鳴き声を思わせる、強烈な声。

 

白いカラスの頭部に、飛行のための翼と鋭い爪を持つ、血車党の化身忍者、人喰いカラス。

 

そして六人の再生化身忍者たち

 

毒ウツボ、卍カマイタチ、死人ふくろう、トゲナマズ、ゲジゲジ魔、毒蛇くノ一がズラリと並び

 

血車党の下忍たちも二十人ほどはいる。

 

「貴様ら、ここから先は一歩も通さんぞ!」

 

人喰いカラスが叫んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それを見たハヤテは変身するため、すぐに両手をクロスさせ、右手を上に挙げた。

 

「吹けよ、嵐!、嵐!、あ、ら、し!!」

 

言いながらハヤテは右手をおろして、再度両手をクロスさせる、そして抜刀の姿勢を取ると、背中の刀の鍔をカチッと鳴らした。

 

ハヤテは、愛刀「速風」のその時の特殊な振動により、脳神経が異常活動を始め、体の細胞配列を変えて「変身忍者嵐」に変身するのだ。

 

たちまちハヤテの周囲が大量の羽毛に囲まれたかと思うと、次の瞬間には「荒鷲の変身忍者である嵐」が、その場に出現していた。

 

千恵も両手をクロスさせ

 

「変身!」

 

と叫ぶと、両手を大きく上に回し、再びクロスさせる。

 

次の瞬間、千恵の姿は光輝き、触覚に、青い複眼、長い黄金色の髪、模様の入った翼を持つ『蛾の変身忍者』の姿となった。

 

荒鷲の姿の『変身忍者嵐』と、蛾の姿をした『変身忍者千恵』。

 

その姿を見て、先に馬入の渡船場近くの血車党の偽番所で二人を見ていなかった人たちからは

 

「あのお二人は?」

 

という声が上がる。

 

ざわつく人々。

 

だが、ここで真っ先に紅葉が大声をあげた。

 

「大丈夫、あのお兄さん、お姉さんは『私たちの味方』です!」

 

紅葉に先を越されてしまったが、タツマキも

 

「皆さん、ご案じめさるな!、今から二人の『変身忍者』が、きゃつらを退治してくれますぞ!」

 

と声を張り上げる。

 

「皆さん、落ち着いてください!」

 

とカスミ。

 

「ここは私たちが守ります。皆さんは不用意に動かないでください」

 

ツムジも

 

「おいらたちを信じて!」

 

と大声をあげる。

 

そして嵐が

 

「タツマキ、カスミ、ツムジ!、皆さんを頼む」

 

と三人に声をかけると、今度は『変身忍者千恵』の方を振り向き

 

「千恵さん、多勢に無勢だが、頼む!」

 

と言った。

 

千恵は頷くと

 

「嵐さん、任せてください!」

 

と力強く言い切った。

 

それを見た人喰いカラスが

 

「裏切者の出来損ない二人が何を抜かすか、かかれい!!」

 

と再生化身忍者たち、下忍たちに号令する。

 

こうして田村の渡し近くの川岸で夕刻の『大決戦』が火蓋を切ったのだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「下忍たちは伊賀忍三人と、その後ろにいる連中を襲え!、化身忍者たちは俺と一緒に『出来損ないの裏切者』二人を片付けるのだ!」

 

人喰いカラスが指示をする。

 

「クエェー!」

 

二十人からの下忍たちが一斉に抜刀し、タツマキ、カスミ、ツムジが守る数十人の人たちに向かって襲いかかる。

 

直ちにタツマキ、カスミ、ツムジが応戦するものの、何といっても多勢に無勢。

 

だが、ここに援軍が駆けつけた。

 

現地を預かる天領代官の河野兵衛、そして、その率いる十人以上の役人たち、そして、伊賀くノ一の黒い忍び装束を纏った女性である。

 

その女性は、タツマキ、カスミ、ツムジのいずれにとっても見覚えのある顔だった。

 

カスミが思わず叫ぶ。

 

「千秋ちゃん!!」

 

伊賀忍者上忍三家のうち、百地家の長女である千秋である。

 

「カスミちゃん、話は後で!」

 

千秋は大きな声で、カスミに対して返事をする。

 

そして

 

「当地の治安を乱す不届きものども、この河野兵衛が成敗いたすぞ!」

 

と馬上の代官、河野兵衛が叫んだ。

 

「河野殿、忝ない!」

 

まずはタツマキは血車党下忍たちと斬り合いながら、駆けつけた河野代官に返事をすると

 

「されど、今は、ここにいる皆様の安全が何よりの大事!、まずは皆様を誘導し、その安全を確保してくだされ!」

 

と大声で河野代官に頼む。

 

タツマキの本音としては、千秋だけならまだしものこと

 

代官とその手勢に、下手に血車党との闘いに加わってもらっても、逆に足手まといになりかねない。

 

そのくらいなら、むしろ『良民の保護』という、本来、代官、そして役人の得意分野でお願いしたい

 

というところである、

 

河野代官も頭は切れる。

 

「タツマキ殿、承知した!」

 

と大声で返事をすると

 

「皆のもの、この河野が安全な場所へ案内する。直ちに続くがよい!」

 

と言い、早速役人たちに指示をし、数十人からいる人々を誘導する。

 

そうはさせじと襲いかかろうとする血車党の下忍たちも、タツマキ、カスミ、ツムジの連係プレーに阻まれる。

 

千秋も

 

「タツマキさん、千秋も行きます!」

 

と言い、剣を抜き、そのまま血車党下忍たちとの闘いに加わる。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

とりあえず、ここまで案内してきた人たちの安全が確保されたことで安堵した嵐は抜刀する。

 

「行くぞ!」

 

言うなり嵐は速風を縦横無尽にブンブンと振り回し

 

「嵐、旋風斬り!」

 

と叫ぶと、そのまま大きく跳躍し、たちまちのうちに死人ふくろうと毒ウツボを『旋風落とし』で叩き斬る。

 

死人ふくろうと毒ウツボはその場に倒れ、そのまま、その体はグズクズと崩れていき、ボロボロになっていったと思うと、やがて塵となっていった。

 

「カカアァ!、おのれい!、ならば、この人喰いカラスの攻撃、受けてみよ!」

 

人喰いカラスはそう言うと、そのまま、その翼を広げて、いったん飛び上がると

 

「血車忍法、にわかめくら!」

 

と絶叫し、そのまま、その鋭い嘴(くちばし)を下に向け、千恵の目を抉り取ろうと、一直線に向かって急降下してくる。

 

「千恵さん、危ない!」

 

思わず叫ぶ嵐。

 

だが千恵はすぐさま、自らの翼を広げて舞い上がる。

 

そして飛びかかる人喰いカラスの攻撃をひらりっ、と見事にかわした。

 

空振りのまま着地する人喰いカラス。

 

「お、おのれ!」

 

再び人喰いカラスは飛び上がる。

 

「待て、人喰いカラス、私が相手だ!」

 

と、千恵のことを案じた嵐が人喰いカラスに向けて斬りかかろうとするが

 

千恵が上空から、嵐を制止しようと叫んだ。

 

「嵐さん、こいつは前回の戦いで『女である私に恥をかかされた』ことで、今度こそ私との決着をつけたがっています。ならば、こちらもそれに応えてあげましょう!」

 

並々ならぬ千恵の決意を聞き、嵐も

 

「わかった!、他の化身忍者たちは私に任せろ!」

 

と返事をする。

 

その嵐に卍カマイタチ、毒蛇くノ一が飛びかかる。

 

「毒蛇、分身!」

 

毒蛇くノ一はそう叫ぶと、たちまち分身して四体となり、そして嵐に襲いかかった。

 

卍カマイタチも、卍型の鎌を構えて、やはり嵐に襲いかかる。

 

だが、所詮はどちらも嵐の敵ではない。

 

「秘剣影うつし!」

 

言わずと知れた嵐の必殺技。

 

愛刀、速風の刀身に敵の影を映し、間合いをはかって敵に光を浴びせ、タイミングを狂わせて斬る技である。

 

そして、相手が分身の術を使おうが、速風に、その姿は一つしか映らない。

 

『秘剣影うつし』の前に分身の術は通用しないのだ。

 

「とおっ!」

 

嵐は大きく飛び上がると、そのまま毒蛇くノ一と、卍カマイタチを同時に斬る。

 

毒蛇くノ一、卍カマイタチは倒れると、やはり、その体はグズクズと崩れていき、ボロボロになっていったと思うと、やがて塵となっていった。

 

「残るは二人!」

 

嵐は目の前のトゲナマズとゲジゲジ魔をきっと、見据えた。

 

一方、人喰いカラスの嘴攻撃に対する千恵である。

 

「死ねえぇっ!、『出来損ないの裏切者』め!」

 

再び嘴を向けて千恵に向かってくる人喰いカラス。

 

だが千恵は冷静だった。

 

「千恵の忍法、乱れ髪呪縛!」

 

その言葉とともに『変身忍者千恵』の黄金色に輝く髪の毛が、まるで生き物であるかのように逆立ったかと思うと、それは大きく伸び上がり、そして、今、まさに自分に飛びかかろうとしていた人喰いカラスに向かって、その黄金色の髪が、わさわさと襲いかかっていく。

 

「うわあっ!」

 

その髪によって、人喰いカラスはがんじがらめにからめとられた。

 

「我が母上より直伝の忍法、受けてみよ!」

 

千恵が叫ぶ。

 

そして、その髪をぶうんっ、と振り上げると、その髪の毛にきつく縛られた人喰いカラスの体を地面に向けて、思いっきり叩きつける!

 

「カカアァ!、カカアァ!」

 

人喰いカラスはやっとのことで立ち上がったものの、上空から地上に向けて思いっきり叩きつけられたダメージは大きく、その動きもヨロヨロとしている。

 

「人喰いカラス、悪いけど、お命ちょうだいします!」

 

千恵はそう宣言すると、今度は自分が上空から剣を構え、そのまま地上にいる人喰いカラスに向かっていく。

 

その千恵の素早い動作に、もはや人喰いカラスはなす術もなかった。

 

「カカアァッ!!」

 

千恵に斬られ、悲鳴をあげ、その場に倒れる人喰いカラス。

 

千恵がその場から離れると、ほどなく人喰いカラスは自爆した。

 

千恵の勝利である。

 

 

ほぼ、同時に

 

「嵐、旋風斬り」

 

速風を縦横無尽に振り回す嵐が飛び上がると

 

「嵐、旋風落とし!」

 

そのままトゲナマズとゲジゲジ魔を叩き斬る。

 

トゲナマズとゲジゲジ魔はその場に倒れ、その体はグズクズと崩れていき、ボロボロになっていったと思うと、やがて塵となっていった。

 

人喰いカラス、そして再生化身忍者たちは、すべて変身忍者嵐と変身忍者千恵により討ち果たされたのだ。

 

そしてタツマキ、カスミ、ツムジ、そして途中から参戦の千秋により、血車党の下忍たちも討ち果たされた。

 

この場で立ちふさがった血車党の一味は、ここに壊滅したのである。

 

が、ここで、ちょうど日没となってしまった。

 

いずれにしても、もはや今晩はここで宿泊する以外の術はなさそうだ。

 

田村の渡しにある渡船場の方は、代官の河野兵衛の手配もあり、明日には早速再開できそうだが、大人数が渡し船を今か今かと待っている状態。

 

さて、向こう岸の一之宮に渡れるのはいつのことになるのか?

 

だが、まずは、なんの予告もなく、突然現れた

 

代官の河野兵衛と、江戸にいるはずの千秋

 

その話を聞いてみる必要がありそうだった。

 

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