「これ、性研ゼミでヤったところだ!」 恋の駆け引きから挿入まで、ドスケベ教育講座【性研ゼミ】で完全習得! キミ専用のオ○ホ先生と一緒に、最高の学校性活を手に入れよう! 作:ダザリアン
分からない箇所はすぐに復習。
帰宅後メグル先生を呼び出し、筋トレの傍ら屋上での出来事を聞いて貰った。体力測定で疲れてはいたけど、こういう時こそサボらないように。
お弁当はまだ食べられていない。
単に空腹を満たすのは勿体なさ過ぎる。
「この手の相談はチカがうってつけでは?」
「そうなんだけどっ、チカ先生に話したら『それもうトモくんのこと好きじゃんっ!』とか、揶揄って来そうだからさ。余計に混乱しそうで!」
「ほう?」
「客観的な意見、って言うのかな。そういうのも必要かもって……ねえッ、だから重いんだってば!」
「こら。女性に向かって禁句だぞ」
「重いものは重いんだよッ!?」
プランクに励む俺の背中に鎮座し、自由気ままに漫画を読み耽っている。聞く相手やっぱり間違えたかも。せめてミサキ先生にしておけば。
黒のショーパン越しに伝わる、大きなお尻がムチッと広がるような感覚はこそばゆくも気持ち良い。
気持ち良いけど、それはともかく。
「まぁ確かに、言わんとすることは分からなくもない。自称・幼馴染か。アオハルだねぇ」
「マジでテキスト閉じるよ……ッ」
「はいはい、真面目にやるさ。つまり彼女はキミが思っていた以上に、二人の思い出を大切に、重要に捉えている。という可能性だろう?」
やはり先生もそういう結論か。
納得いかないんだよな。
だって、俺と山田さんって。
「進学後はほぼ会話ゼロ。小学生の頃もクラスは同じだがグループが違い、特に高学年では絡みがほとんど無かった。他人と言って差し支えない」
「そうなんだよっ……なのに」
「あれほどご執心なキミでさえ覚えていない、幼少期の思い出がスラスラ出て来る。記憶力が良いだけで片付けられるのか、とな?」
仰る通り。
それこそ、もしかして俺に気があるんじゃないかって。本当にそうなら嬉しいどころの話じゃないけど、だとしても理由が分からなかった。
勘違いだけはしたくないのだ。
性研ゼミと先生たちに助けられて、知識と経験を積んで、ようやく今の関係性。勝手な思い込みで暴走するのは……流石にちょっと怖い。
「明確な根拠が欲しいんだろう? 我が儘な男だ。彼女に対し積極的な行動を取って来れなかった負い目で、正しく物事を見れていない」
「どっ、どういうこと?」
「なら正しく知れば良いだけさ。第三者に聞かされた見解ではなく、キミ自身の力でね。さて、そろそろコイツの出番と思っていた」
背中からヒョイっと飛び降りると、メグル先生は部屋の片隅に置かれている4月号の小包へ腕を伸ばした。その内から一冊を手に取る。
あぁ、その本は確か。
「まだ読んでいないだろう?」
「うん。すっかり忘れてたよ」
「可哀想に。箱の中でミイラになっているぞ」
「ミイラ……?」
先生たちのおかしな日常を描いた漫画や、ちょっとした学校生活の裏技なんかが載っている、本家・秀研ゼミでもお馴染みの情報誌だ。
それこそ秀研ゼミの受講生は、テキストの到着よりこっちの方が楽しみな奴も多いのでは。俺も当時は愛読していた。普通に面白いし。
ただ、今は『性研ゼミ』である。
当然その内容は。
「うわぁっ……すっげえコレ」
「今月の特集は『初体験の年齢とシチュエーション調査』か。低俗なグラビア雑誌みたいだね」
「それを言っちゃおしまいでは?」
性的な話題ばかり。
このページなんて凄い。『女子に人気の下着の色ランキング』だって。しかもなんか、どの写真もアングルが……まさか盗撮じゃないよな?
「漫画を読んでごらん。42ページだ」
あった、これだ。
性研ゼミ編集室のおかしな日常。
春の大特集編……っと!?
「――っブはぁぁああああっ!」
「箱の中から人がッ!?」
小包から、スポンッ! と誰か現れた。どう考えても人間の収まるサイズ感じゃないだろうに。
勢い余ってクローゼットへ激突。
掛かっていた服がその人に全部落ちる。
「えっと……れんれん、だよね?」
ボコッと顔を出す小柄な女性。
絵面が一生ギャグ漫画なんだって。
「その通~りッ! ジブンこそ、性研ゼミのお楽しみ小雑誌『Sexual Vision』編集長にして、稀代の天才発明家! 名を
渾身のダブルピースが決まった。
そしてまた服の山に埋もれ帰る。
どうしよう。ちょっと着いていけない。
鷲見れん。あだ名はれんれん。
小4~6年講座まで共通して小雑誌に登場するため、なんなら教科ごとの先生より知名度は高い。変な喋り口調とテンションで印象に残るし。
特徴はショートボブの燃えるような赤髪。そして、常に外そうとしないグルグルの変なメガネだ。本人はチャームポイントと言い張りがち。
ゲームが趣味で特技はプログラミング。毎月ゼミに同封されている様々な付録やガジェットも、れんれんが一からすべて開発しているとか。
「事情は聞いているっス。例の雌……山田奏音の秘められし本音を、もっと詳しく知りたいとな! とっておきのアイテムがあるっスよ!」
雌って。言い方。
服の山から脱出し、今度は小包の中をガサゴソと漁り出した。いったい何を始めると言うのか。
「じゃじゃーん! コレっス!」
「……赤シート?」
「のんっ、のん、のん。ただの赤シートじゃあないっスよ~! 名付けて『弱点丸見え! ターゲット赤視シート&マル秘ノート』っス!」
取り出すは変哲のないペンと小ノート。
そして、英単語などを暗記するために使う、ありふれた勉強グッズだった。
全部こちらへ放り投げると、ベッドにぴょこんと飛び乗り、れんれんはドヤ顔で仁王立ち。
スニーカー履いたままじゃん。脱いでよ。
「説明が足りないぞ。この4月号の付録『弱点丸見え! ターゲット赤視シート&マル秘ノート』には、どんな機能が備わっているんだい?」
律儀に名称を全部言うメグル先生。
やめてよ急に販促DMみたいなノリ。
「ぬっふっふ、聞いて驚くなかれ。トモヤ氏、ノートを開くっス! そして……じゃあ、こうやって書くっスよ。『メグル先生のショートパンツ』」
「えぇっ? ま、まぁ良いけど」
専用のペンで一筆……で?
「さあ、ターゲット赤視シートを翳して!」
「ど、どこに?」
「メグル氏に決まってるじゃないっスか!」
なんだそりゃ。
悪戯にしても悪趣味……んんッ?
「えっ、先生、いつの間に!?」
「別に脱いでいないが?」
「いやでもっ、パンツが……ッ!」
履いていた動きやすい丈の黒ショーパンが、完全に消えていた。現れたのは、惚れ惚れするほど肉感的な太もも。そして、水色の下着。
慌てて赤シートを先生から外す……あれ、ちゃんと着ている? でも翳したら、またパンツが見える!
「これが『ターゲット赤視シート』のチカラっス! ノートに書いたターゲットの遮蔽物を透過、隠された中身がぜ~んぶ丸見え!」
「犯罪じゃんッ!?」
「透けるのは衣類だけにあらず! その気になれば骨の形まで見透かせるっス。あと、本音とか?」
「ほっ、本音?」
れんれんは勝ち誇ったよう不敵に笑う。
その時だ。ドアがノックされる。
「お兄ちゃーんさっきから煩いんだけど~!」
美桜の声。いつの間に帰ったんだ。
ってヤバい。まだ先生たちが部屋に!
「おっと、緊急事態っス!? 総員、退避ーッ!」
れんれんの号令と共に、二人は脱兎の如く小包へ向かってダイブ。シュンッ、と眩い光が弾けたと思えば、揃って姿を消してしまう。
中に吸い込まれたってこと?
えぇっ……マジでどういう仕組みなんだ。
「ねぇ~宿題の邪魔なんだけど~」
「美桜ッ……あぁごめん。えっと、英語の音読をしてたんだよ。声に出した方が覚えやすいかなって」
「うわ。先生みたいなこと言うじゃん」
直後、ドアが開く。
不審げな顔で部屋を覗き込む美桜。
苦しい言い訳だが、危うく乗り切った。
「そうだお兄ちゃん、ついでに漫画テキトーに貸りても良い? 学校に持って行って回し読みするの流行っててさ……なにコソコソ書いてるの?」
「いやっ、別に、なんでも?」
慌ててペンを置き、ノートを隠す。
隙をついて記したのは『望月美桜』の文字。
出来心ってわけじゃないが、れんれんの言っていたことが気になってしまった。これで赤シートを翳せば、美桜の本音が見える……のか?
「なんかおススメとかある?」
「じゃあ、一番上の段のやつとか」
「ふぅ~ん。えっ、なんか肌色多くない? こんなん持ってったらヘンタイ扱いされるじゃんヤだ!」
背を向けて本棚を漁る美桜。
今のうちに赤シートを……えっ?
『ん~どうしよっかな~。本当はお兄ちゃんの漫画だってバレないようにしなきゃ……まだお兄ちゃんがいるって、誰にも言ってないし』
(ふっ、吹き出し!?)
美桜の顔の横に、それこそ漫画みたいな吹き出しがくっ付いている。赤シートを翳すと、それが消える……なにも喋っていないのに!
『姫乃にはバレてるのかな~? 美桜に兄妹がいたらイケメンなんだろうなーとか言って来たし……まっ、否定はしないけど。へへっ♪』
……ま、マジで? 美桜?
俺のこと、そんな風に思ってるの?
「じゃあこれにするっ。お邪魔しました~」
「あぁ……うん。お友達によろしく」
「なにそれ。よろしくしないっての!」
部屋を後にする美桜。
間違いない。美桜は『友達に兄の存在を明かしたくない』し、そんなこと俺が知る由もないと思っている。最後の返事が動かぬ証拠だ。
と、とんでもないアイテムを手に入れてしまった。これを使えば山田さんの『本音』も、すべて透き通せる。いや、それどころか……。