※この作品はR-18です。

「これ、性研ゼミでヤったところだ!」 恋の駆け引きから挿入まで、ドスケベ教育講座【性研ゼミ】で完全習得! キミ専用のオ○ホ先生と一緒に、最高の学校性活を手に入れよう!   作:ダザリアン

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第19話『恋は躊躇い、下心。赤シートの奥に隠された、山田奏音の秘密……』

 

 それから、れんれんが再び小包の中から現れて『弱点丸見え! ターゲット赤視シート&マル秘ノート』の使い方を詳しく教えてくれた。

 赤シートって略すと凄い怒られる。

 

「開発費が嵩むんで、ノートは使い切りっス。学校中の女子をオカズにしたい気持ちは山々っスけど、使い道には気を付けた方が良いっスね~♪」

「やらないってばそんなことッ!?」

 

 なんでも透視できるが、対象物はハッキリと記す必要がある。さっきみたいに名前だけ書くと、自動的に心の声だけが見える仕組みだそうだ。

 

 教室でおいそれと取り出すわけにはいかないな。俺が知りたいのはあくまでも山田さんに関すること……つまり、使うタイミングは。

 

 

「これ先に、昨日のお弁当箱。帰ってから食べたんだけど、すっごい美味しかったよ。卵焼きなんてメチャクチャ甘くてさ。ありがとね」

「んっ……ど、どういたしまして」

 

 四時間目が移動教室だったことも幸いし、水嶋の接触を上手いこと避け、再び屋上で落ち合うことができた。連日、二人きりの昼休みだ。

 

「ってことは、山田さんが?」

「うんっ。お母さんに教えて貰ってるの。えっと、嫌いなものとか入ってなかった?」

「大丈夫。あっという間に食べ切って惜しいくらいだったよ……で、やっぱり二個持ちなんだ?」

「ふぇっ? あ、うん。まぁねっ」

 

 膝をキュッと擦り寄せる山田さん。

 そして、もう一つのお弁当箱を。

 

「きっ……今日も食べる?」

「良いの? 山田さん足りなくない?」

「平気よ。昨日も言ったでしょ? 最近ちょっと控えてるから……それに望月くん、昔から腕とか細いし心配なの。小学校の時も、みんなに自分の冷凍みかん分けようとしたりさ……あたしも偶に貰っちゃってたけど。だから、そのお返しっ」

 

 思い出話を根拠に添え、強引に押し付けられる。

 そう。かなり強引だ。

 有無を言わさず膝の上に置かれた。

 

 食べないのなら、どうして二つ持って来ているのだろう。いくら記憶を掘り返しても、給食をおかわりしているシーンが思い出せない。

 なんなら『牛乳が苦手なのに、どうしてあんなに胸が……』とか不思議に思っていたくらい。

 昔から背が高く、誰よりも成長が早かった。

 

(……む、昔から?)

 

 俺の腕が細い?

 それ、いつから比較しての話?

 

 これも先生たちが指摘していた通り。山田さんは俺が思っている以上に、俺のことについて詳しい。なんなら、ちょっと怖いくらいに。

 

 都合の良い妄想だろうか。

 教室の片隅から、いつも彼女を眺めていたみたいに。山田さんも俺のことを、ずっと……。

 居ても立っても居られない。

 やはり確かめなければ。

 

「……あ。えっと、お水あげないと! このために鍵を借りているんだから、ジョウロとか使った跡が無いと、怪しまれちゃうわねっ!」

 

 僅かな沈黙を境に、山田さんはシュッとベンチから立ち上がる。目前のプランターへと駆け寄り、環境委員の仕事に取り組み出した。

 どうしたんだろう。わざわざお弁当を退かして、と言うか食べている途中で始めなくても。

 でも、これって……絶好のチャンスだ。

 

「水やり、手伝うよ?」

「ううんっ、平気! すぐに終わっちゃうから、望月くんは気にせず食べてて……! そっ、それにしても、今日はちょっと暑いわね」

 

 前屈みになってジョウロを傾ける。

 昨日の別れ際に続いて妙なテンションだが、水やりに夢中で暫くは振り返りそうにない。

 嗚呼、でも待って。

 山田さん、その恰好は不味いよ。

 

(だっ、駄目だ。目が離せない……ッ)

 

 下手に凝視すると興奮してしまうから、教室やこの屋上でも意識しないようにしているが……山田さん、結構スカートが短いんだよな。

 お行儀は良いから座る時や階段ではしっかりガードしているけど、だからって健康的な白い素足や、綺麗なヒップラインまでは隠せない。

 ヤバい、勃っちゃうかも……。

 

(……ごめんっ、山田さん!)

 

 心の中で土下座を噛ましつつ、手がバッチリ動いている。欲望には逆らえなかった。ノートの新しいページを開き、山田奏音、と一筆。

 

(スカート……パンツも書いてみるか? そしたら、あの前屈みの恰好のまま、山田さんの突き出したお尻が……嗚呼ヤバい指が震えるッ!?)

 

 まだ振り向く気配は無い。

 なのに、手が動かない。

 こんな言い方もなんだが、自分でも驚いてしまう。だって俺、三人の美人先生たちに迫られて、もう何度もセックスを経験しているのに。

 パンツどころか、おまんこだって間近で見まくって、触って、挿入れまくって……なのに今は、山田さん相手に死ぬほど躊躇している。

 

 或いは、逆。それだけ俺にとって山田さんが、特別な存在だっていう証明なのかも。前にチカ先生が語っていた『練習用』という台詞も身に染みる。

 

(だったら、猶更ここは……ッ!)

 

 そうだ。本来の目的を思い出せ。

 俺が望んでいたことはなんだ?

 

 山田さんと付き合いたい。

 彼氏に、特別な存在になりたい。

 そして……セックスがしたい。

 

 何のための性研ゼミだ。本気で彼女を手に入れたいのなら、パンツを見せて貰うことくらい、躊躇っている場合じゃない! 勇気を出せ!

 

「オッケー、これで終わり!」

「はぇッ!?」

「あっ、うそ……もしかして望月くん、あたしが終わるまで食べるの待ってた? ご、ごめんねっ?」

「いや、そういうわけじゃ……ッ」

 

 間に合わず。

 ジョウロを置き、駆け足で戻って来る。

 慌ててペンをポケットにしまい、尻でノートを踏みつけるのが精一杯だった。勿体なさ過ぎる。せっかくのお弁当を隠れ蓑にしてしまうなんて。

 

 これだから俺って奴は。

 あれだけ大袈裟に語っておいて、最後の最後で勇気が足りず行動へ移せない。性研ゼミと先生たちに何を学んだってんだ……この臆病者め!

 

 

『最悪……もうっ、あたしの馬鹿っ!』

 

 ところが。

 バレないうちに赤シートも胸ポケットへ隠そうと腕を上げた。本当に偶然。意図はしていなかった。

 

「……や、山田さん?」

「ごめんね待たせちゃって! ほらっ、もうすぐお昼休み終わっちゃうから……早く食べましょ?」

 

 せかせかと残りのお弁当に箸を伸ばす。

 小さいお口でお米をもきゅこきゅ咀嚼する姿は、なんだかハムスターみたいで実に愛らしい。

 

 のは、ともかく。

 その顔の横にある、変な吹き出し。

 

(そうだ……名前だけ書いたから)

 

 スカートやらパンツやら余計なことを考えてしまったせいだ。完全に忘れていた。

 特に会話も挟まず、結構なスピードでご飯を掻き込む山田さん。しかしその間も、顔の隣に『吹き出し』が度々現れては消えていく。

 

『なんで急に水やりなんて行っちゃうのよ、不自然過ぎ……! なにが細くて心配よ! ああもうっ、余計なこと言っちゃったぁ……っ』

 

 赤シートの効果は間違いない。

 吹き出しの中にハッキリと浮かび上がっている。陽射しが当たっていても視認性は抜群。

 流石、れんれんの作ったスーパーガジェット。

 

 なのに、何故だ。

 文字が妙にグラついて見える。

 

『冗談っぽく「あ〜ん」とか、できるチャンスだったのに……それどころか、変な気まで遣わせちゃって……最悪。ほんと可愛くない、あたし』

 

 山田、さん?

 

 心臓が早鐘のように打ち鳴らされる。

 なんだこれ……なんだこれは。

 

 あ~ん? それって、アレ?

 カップルがやるやつみたいな?

 

『ううんっ……日和っちゃダメ。望月くん、あたしがこんなにテンパってるなんて思ってもない筈なんだから……チャンスを生かさなきゃ!』

 

『前の放課後みたいに、ちょっと余裕のある感じで、意地悪なことも言ったり……勿論、嫌われないように気を付けて……笑顔も、忘れずに! あぁでもっ、変に引き攣ってたらどうしよう……!?』

 

 これ以上は読めない。

 せっかくの美味しい手作り弁当だというのに、いよいよロクに喉を通らなかった。

 何もかも、今の俺には呑み込めないのだ。

 

『もう……バレてるかな。全然食べないのにお弁当二個持ちって、絶対おかしいもんっ……本当のこと言ったら、流石に引いちゃうよね?』

 

 本当は気付いていたのかも。

 

 だって今日のおかず。

 俺の好きなものばかりで。

 

 

『ずっと前から……ここで一緒に食べたくって、勝手にお弁当まで作って来てるなんて。そんなこと知られたら、絶対に怖がられちゃう……ッ』

 

 カランッ。

 完全に力が抜け、もう片方の手で持っていた箸を落としてしまう。刹那、吹き出しもパッと消えた。

 山田さんは音に反応。こちらへ振り返る。

 

「望月くん?」

「……あぁ、いやっ、その!? ごめん箸!」

 

 大慌てで拾い始め、ひとまず難を逃れた。

 が、俺はもう限界で。

 

(これ以上は耐えられない……ッ!)

 

 知りたかった。

 だが知るべきではなかった。

 喜びと罪悪感で、脳が焼き切れる。

 

 それだけじゃない。

 本当に俺という人間は、とことん青春とか、スマートな振る舞いってやつと縁の無い男みたいだ。

 

 ――ちょっと引くくらい、勃起している。

 

 

「山田さん、オレッ、早退する!」

「へっ? そ、早退?」

「理由は聞かないで!」

 

 驚く山田さんへ振り返りもせず、俺は屋上を飛び出し階段を駆け下りた。荷物もすべて置いて行こう。先生に怒られたって知るものか。

 

 結局、お弁当にほとんど手を付けていない。

 彼女を悲しませてしまったかも。

 

 でも無理だ。

 一秒だって学校にはいられない。

 山田さんのことを考えたくない。

 

 じゃないと、すべてが終わる。

 気付いたら――押し倒してしまいそうで。 

 

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