※この作品はR-18です。

「これ、性研ゼミでヤったところだ!」 恋の駆け引きから挿入まで、ドスケベ教育講座【性研ゼミ】で完全習得! キミ専用のオ○ホ先生と一緒に、最高の学校性活を手に入れよう!   作:ダザリアン

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第25話『抜かりない予習→復習でアクシデントも解決! 初デートの約束、甘い夕焼け』

 

「望月くんっ……!」

 

 れんれんに背中を押され、俊敏に彼女の元へと駆け寄る。名前で呼んだのは、勿論わざと。

 けん制になるかは分からなかったが。

 

「はっ? んだよ急に、誰お前?」

「さっきはごめんね奏音、急に帰っちゃって。実は、ペットに餌をやり忘れちゃってさ。今から先生に謝りに行くんだけど、一緒に来てくれる?」

「おいッ、無視してんじゃ……!」

 

 水嶋の腕が伸びる。

 突き飛ばすつもりだ。

 

 なんてことない。俺は『予習』をした。

 まだ身体も感覚を覚えている。

 避けられるどころか。

 

「なっ!?」

「……お前こそ、奏音と何してるんだよ」

「テメッ、は、離せって!?」

 

 手首をガッチリと捕獲。

 離すわけない。更に力を込める。

 まさか抵抗されるとは思っていなかったのか、苦痛に顔を歪める水嶋。瞳には激しい怒りも垣間見えるが、絶対に目は逸らしてやらない。

 

 ビビったりするもんか。

 見下ろしたって無駄だ……。

 

「ッ!? 痛ってえなクソがッ!」

 

 先に目を逸らし、腕を振り払ったのは水嶋だった。ふらふらと頼りない足取りで後退すると、懲りずに俺たちを睨んで来る……ダサい。

 

「んだよ、そういうことかよ……! 奏音お前、マジで男を見る目ねえんだなッ!? 失望したわ!」

 

 おぉ。捨て台詞。

 現実でも言う人いるんだ。

 と、ツッコミができるくらいには冷静な自分。

 どこかへ走り去る水嶋を、驚くほど冷めた目で眺めている。手鏡で確認するまでもない。

 

 姿が消える。もう大丈夫だな。

 今日のところは、だけど。

 

 流石にやり過ぎか? 余計な因縁を作ってしまったし……帰ったらチカ先生とエミリー先生のお説教かもな。甘んじて受け入れよう。

 

「ペットは嘘ね。飼ってないし。先生に怒られるのは本当になっちゃうかもだけど……大丈夫? 怪我とかしてな、って、や、山田さんっ?」

 

 途端、校舎裏に響く泣き声。

 シャツの胸元を濡らす冷たい涙。

 どんな言葉を掛けたら良いか分からず、ただ受け止めるばかり。彼女の震えが収まったのは、数分近くが経ってからのことだった。

 

 

「それで、教室でみんなに囃し立てられて、断れるような雰囲気じゃなくて……ごめんなさい望月くん。あたしが最初にハッキリしなかったから」

「俺は大丈夫だって。ねっ?」

「だって、危ない目に遭わせちゃった……っ」

 

 鞄を両手に引っ提げ、山田さんは苦しそうに俯く。帰宅する準備は済んでいたので、そのまま家へ送り届ける道中なのだが……また立ち止まる。

 

 連日お昼に揃って教室から姿を消したのが災いしてか、水嶋も勘づいてしまったようだ。

 そして放課後、行動に出た。

 クラスメイトたちの前で『大事な話がある』と大声で啖呵を切り注目を集め、逃げられない環境を巧みに作り出したらしい。浅い悪知恵を。

 

「取りあえず歩こうよ。家ってもう近い?」

「あの車のとこ……ごめん」

 

 未だ続くあたしが悪い、いやそんなことの押し問答。ここは俺が折れた方が良さそうだな。ええと、あれは『日常』科の……どのステップだっけ。

 

「分かった。じゃあ、山田さんが悪い」

「……ふぇっ?」

「で、俺も割と危ない目に遭った。まぁ、あのまま喧嘩になったって、絶対に負けたりしなかったけどね。意外とチカラ弱かったし」

 

 終わりの見えない『ごめんなさい』と消えない罪悪感。このループから抜け出すには、少し違う角度から切り込んでみるのが良いらしい。

 例えば、こんな風に。

 

「だからさ。謝る代わりに、俺のお願い一つ聞いて欲しいんだ。それでチャラってことにしない?」

「おっ、お願い?」

「ゴールデンウィーク……いや、もう週末だし日曜でも良い。二人で出掛けようよ。駅ビルで買い物したり、あと映画とかさ。観たいのある?」

 

 よしっ。ほぼ詰まらずに言えた。

 自然な流れでデートに誘えたぞ!

 

「映画……? あっ、じゃあ、こないだ始まった、探偵アニメの最新作とか……毎年観てるからっ」

「オッケー。それで決まりね」

 

 困惑しつつも山田さんは了承。

 これこそが狙いだった。馬鹿正直な『デートをしたい』や『○日って空いてる?』と言った、ふわっとした誘い方は成功率を下げてしまう。

 

 具体的な提案をすることで、相手側の退路を自然と断つことができる。先に『デート』科のテキストを斜め読みしておいて助かった……ん?

 

「山田さん?」

「……ねえ、ホントに?」

「えっ?」

 

 少し進んだ先でまたも立ち止まる。

 振り返った彼女の顔は。 

 

「本当に、良いの? 望月くん無理してないっ? だって、あたしとそんな……でっ、デートみたいなことして、つまんなくないの……っ!?」

 

 目元はまだ赤く腫れていた。

 頬も同じくらいの色味。

 だが、先ほどとは意味合いが違う。

 

 つまらなくないか、だって?

 参った。なんて答えにくい質問。

 こんなのテキストに載っていない。

 

 だって『楽しみで仕方ない』以外に、答えがあるのか? でもそんなことを言ったら、いよいよ俺の気持ちをすべて打ち明けるような……。

 

「……な、泣いてるの?」

「だって、だってぇ……っ!」

 

 止まらない。水嶋を追い払った時よりも、ずっと派手に泣きじゃくっている。彼女のこうも弱弱しい姿、もしかしなくても初めて見た。

 慌ててハンカチを取り出し……持たせても使いそうにない。俺が拭こう。こんな形で頬に触れる日が来るなんて、思ってもみなかったな。

 

「つまんないとか、あり得ないよ。言っとくけど俺、山田さんとこうやって歩いているだけで、心臓バクバクなんだよ? 嬉し過ぎて」

「っ……そう、なの?」

「本当だって! 俺の人生で嬉しかった経験トップスリーは、山田さんが幼馴染だって言ってくれたあの日と、お弁当くれたことなんだから」

「……もう一つ、は?」

「今。山田さんとデートの約束をした」

「あっ……!?」

 

 目を見開き、スっと俺の傍から離れてしまう。

 以前までなら『やり過ぎた、失敗した』と自己嫌悪にでも陥りそうな瞬間だったが。

 

 もう何一つ隠したくない。

 耳まで真っ赤に腫らして、本当に可愛らしい。背が高くて大人っぽいから余計にそう思う。つい口が軽くなって、余計なことを言いそうだ。

 

 俺を『りんごくん』って呼んでた?

 なら君はりんごちゃんだ……なんて。

 

「奏音」

「ふっ、ふぁい!?」

「連絡先、知りたいな。日曜のために」

「う、うんっ! 教えますっ!」

 

 驚くほど自然に呼べた下の名前。

 何故か敬語で返される。でも可愛い。

 またも知らない山田さん。

 

「スマホ、家から戻るついでに持って来ちゃったんだ。学校は持ち込み禁止だから、中々交換する機会とか無いよね……っと。家ここだっけ?」

「ま、待ってて。すぐ取って来る……っ!」

 

 自宅の扉へ吸い込まれて行くようだ。

 一旦だが、ようやく肩の荷を下ろせる。

 

 声は上擦っていなかっただろうか。

 変にニヤケていないか?

 いや、良いや。それで良い。

 

 ありのままの自分。少しだけ成長し始めた、今の自信を持った俺で、堂々と日曜を迎えたい。ドキドキもワクワクも、すべて抱えたまま。

 

 本当に楽しみだ。

 俺の知らない、知らなかった彼女と。

 また出逢うことができる――。

 

*

 

「スマホ渡しといて正解だったっスね」

「助かったよ。ありがとう、れんれん」

「いやいや~。お礼は最新のゲームか、日曜に撮って来るあの子とのハメ撮りで良いっスよ!」

「ツッコまないからね」

 

 連絡先を交換した俺たち。ひとまず今日のところは解散し、日曜のデートへ備えることとなった。

 

 あのまま告白したって構わないくらいの雰囲気ではあったけど……まだ水嶋の件も尾を引いているし、慎重に行った方が良いかなと。

 

「はい、私もそう思い……う、うぅっ……!」

「ミーちゃぁぁぁぁああ~~ん!」

「僅か数週間で、ここまで進展するなんて……トモヤくん、本当によく頑張りましたね……っ!」

 

 熱い抱擁を交わすミサキ先生とチカ先生。

 ベッドに湖が完成する勢いだ。流石、編集部で一番の仲良しコンビ。仄かに漂う百合の息吹。

 

 事の顛末を先生たちにも聞いて欲しくて、初めて全員を一度に呼び出した。れんれんはもう居て、勝手にゲームで遊んでいたけど。

 

「あの鉄仮面のミサキが、こうも感情を露わにするとは……虫とお化けの他に、彼の笑顔が弱点とプロフィールに書き足すべきかもな」

「まあっ。ご存じないのですか? トモヤ様と目合われる際は、それはもう大きな……」

「スケベなのは知っている。仮にも『性技』科だからね。まぁでもユメほどじゃないか」

「んふふっ♪ お互いさまでは?」

「消すなハイライトを。怖いってば」

 

 こちらは軽口を叩き合うメグル先生とユメ先生。

 なんでも小中高が一緒の腐れ縁とか。

 喧嘩するほど仲がってやつだ。まぁ分かりやすく理論派とロマン派だからな……さて、話を戻そう。

 

「というわけで、日曜は山田さんとデートすることになった。良い雰囲気を作って……最後に、告白するつもりだ。みんなの力を借りたい」

 

 真剣に耳を傾けてくれる五人。

 れんれんはゲームをしているが。

 

「ただ、一筋縄ではいかないと思う。初めてのリアルなデートだし。もしかしたら邪魔も入るかもしれない。そうだよね、エミリー先生」

「That’s true! 対策を練らないといけないわネ……! 明日は忙しくなるわよ、ダーリン。丸一日掛けて、徹底的に準備を進めましょう!」

 

 ハツラツな声が部屋中へ響く。

 続けてみんなも拳を掲げ、それぞれの健闘を誓い合うのであった。さあ、ここからは総まとめだ。

 

 初デート、そして告白。

 必ず成功させてみせる!

 

 

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