※この作品はR-18です。

「これ、性研ゼミでヤったところだ!」 恋の駆け引きから挿入まで、ドスケベ教育講座【性研ゼミ】で完全習得! キミ専用のオ○ホ先生と一緒に、最高の学校性活を手に入れよう!   作:ダザリアン

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第27話『初めてデートは映画館。油断厳禁・4月号総まとめテスト!』

 

「……よしっ」

 

 玄関先の全身鏡で最終チェック。

 軽く消臭スプレーを掛け、準備は整った。

 

 肌の調子も悪くない。むしろ目覚ましが鳴る前にスッキリ起きられた。メグル先生との朝ランが無い分、ちょっと違和感がある程度。

 

 忘れ物も心配無し。

 ただ、コ(・)レ(・)は本当に必要なのか。

 

(結局、確認テストで一回も使っていないんだよな……着け方もちょっと教えて貰っただけだし)

 

 一応は4月号の付録らしい。

 起きたら枕元に置いてあって、持って行けと言わんばかり。機会があるとは思えないが。

 そりゃまぁ究極の理想を言えば、山田さんの家へお邪魔して、そのまま……でも流石に高望みだ。付き合って即なんて彼女も引いちゃうだろうし。

 

 はあ、やっちまった。余計な考え事をしたせいで、せっかく収まっていた緊張が……ん?

 

「もう出掛けるの? 早いね」

「みっ、美桜?」

 

 階段からヌルっと降りて来た。取り出す寸前だったので、慌てて鞄にしまい平静を装う。

 昨日も母さんにお小遣いを懇願する姿を目撃されてしまったし、きっと茶化しに来たに違いない。

 

「……ホントに行くんだね。デート」

「お、おう。まぁな」

「ふぅ~ん……まぁ、頑張ってね」

 

 コーディネートをぐるりと一瞥し、ポツリ。

 冷やかす素振りも無く踵を返してしまった。

 あれ? それだけ? いつもの軽口は?

 

 と思ったら、また戻って来た。

 部屋へ何か取りに行ったらしい。

 

「はい。貸してあげる」

 

 綺麗に折り畳まれた三枚の千円札。ぷいっと視線を逸らしつつ、半ば無理やり押し付けて来る。

 

「絶対に返してね。利子つけて。言っとくけど応援とかじゃないから。女の子にジュースの一杯も奢れないとか、マジでダサいし……それだけっ!」

 

 バタバタと大きな足音を立て、慌ただしく二階へと駆け上がる。えっ、じゃあまさか、この為にわざわざ、日曜の早い時間に起きたのか?

 生意気な上に、俺にだけ反抗期の、あの妹が?

 

(……でも、そう言えばアイツ)

 

 赤シートで本音を覗いた時、俺のことを……。

 ここ最近の努力を、美桜なりに認めてくれている、ってことで良いのかな。良いんだよな?

 なら、有り難く受け取っておくとするか。

 

「ありがとな、美桜。行って来ます!」

 

 返事は無かったが、きっと聞こえた筈だ。

 帰ったら改めてお礼を言わなきゃ。

 

 思い掛けないエールに、脚も心も軽くなる。

 出掛けよう。一刻も早く彼女に逢いたい。この弾み切った気持ち、すべてぶつけなきゃ。

 

 

 待ち合わせは山田さん宅の玄関先。

 昂る鼓動をそっと掌で抑え、暫し待機。

 

 最寄り駅での合流を予定していたが、エミリー先生の助言を受け変更させて貰った。

 俺と山田さんの最寄り駅。つまり、多くのクラスメイトにとってもそれは同じ。知り合いに目撃されると、出鼻を挫かれてしまう可能性がある。

 それこそ、先日の件を根に持った水嶋。

 駅で待ち伏せして、しつこく着いて来たりなど。あらゆる事態を想定した結果、最初から一緒に行動するのがベストという結論へ至った。

 

(あっ……来るぞ!)

 

 とは言え、今は余計なお世話。

 楽しいことを考えよう。例えば今日の服装。

 他でもない俺とデートするため、あの山田さんが選んでくれたファッション……非常に気になる。

 

「――ごめん望月くんっ、ちょっと待たせちゃった……! 映画の時間、まだ間に合いそうっ!?」

 

 少し焦った声色で駆け寄る。

 胸元がいつもに増して弾みまくり。

 クッ。違う意味で出鼻を挫かれた。

 

「あぁっ、大丈夫。俺も来たばっかだから……ワンピース姿、初めて見たよ。似合ってるね!」

「そっ、そう? ありがとっ……」

 

 頬をほんのり染め、山田さんは頷く。

 淡い色合いのワンピース。肩に引っ掛けた薄手のカーディガンはシンプルだが清楚さ満点。

 真新しい白のパンプスもお洒落で可愛い。大きめの鞄には何が入っているのだろう。

 

 にしても、短い丈。

 普段の制服より太ももがハッキリ見えて心臓に悪い。そもそもの生地が薄いので、胸元も大胆に強調されている……ちょっと股間に来るコーデかも。

 

(おっ、落ち着け。教わった通りに……!)

 

 全体を把握したら、主観を交えて褒める。そこから話題を広げるのだ。メグル先生とチカ先生にコンビで叩き込まれた、お喋りの応用術。

 予習しておいて本当に良かった。少しでも油断したら『エロ過ぎてどこを見たらいいか分からない』なんて、ポロっと零れちゃいそう。

 

「山田さん背が高いしスタイルも良いから、こういう格好だとシルエットが綺麗に映って、凄く良いなって。前から持ってた私服なの?」

「ううん。昨日お母さんと一緒に買いに行って……ちょっと大胆過ぎかなって思ったけど、絶対にこれが良いって……本当に変じゃない?」

「すっごく可愛いよ。見惚れちゃった」

「~~~~っ……!」

 

 よしっ、言い切った。

 たぶん顔は真っ赤だけど、目を逸らさず伝えてみせたぞ。反対に山田さんは、膝まで真っ赤に染め俯いてしまう……先制パンチが決まった!

 

「じゃあ、行こっか。チケットはもう予約したから、後でQRコード送るね。忘れ物とか無い?」

「んっ……たぶん、大丈夫」

「オッケー。楽しみだね。映画とか、色々」

「ふぇっ……!?」

 

 わざと含みを持たせた言い方に、山田さんはますます激しく動揺する。慌てて後を着いて来る姿は、なんだか小動物みたいで可愛らしかった。

 そう、今はこれくらい強気で良い。

 

『少し日が空いたとは言え、先の一件を意識せずにはいられない筈でしょう。最初のアプローチにこそ力を入れ、トモヤ様が主導権を奪うのです』

『Good luck! 例のライバルを思い出す暇も無いくらい、積極的にリードするのよ。余裕たっぷりのエスコートで、最後まで圧倒しなさい!』

 

 恐らく彼女にはまだ、今回のデートに『水嶋から助けてくれたお礼』という認識が多少なりとも残っている。簡単には覆らないだろう。

 ならば、その感情も利用してみせる。

 難しいことは一つも無い。ずっと抱いて来た大切な想いを、ただ真っすぐ伝えるんだ。

 

「あっ、あの……! 望月くん!」

 

 そして、油断だけはしないように。

 先生たちの指導とアドバイスを持ってしても、デートに予想外のハプニングは付き物。何もかもテキスト通りには運ばない……今だって。

 

「あたしも……たっ、楽しみにしてた! 望月くんも、すっ、すっごく、似合ってる……っ!」

「……ありがとう。カッコいいかな?」

 

 視線がちっとも重ならない。

 返事も曖昧。会話は一旦そこで止まった。

 でもまぁ、良いや。

 おかげで喉が渇かずに済む。

 

 

 日曜の午前とあって、目的地までの電車内は酷く混み合っていた。しかしここでも、性研ゼミで学んだ知識と先生たちの協力が光る。

 

「良かった、なんとか座れたね」

「望月くんは?」

「俺は良いよ。最近鍛えてるからさ。ほらっ」

「……んふふっ。もう、転ばないでね?」

 

 普段なら乗らない最後尾の車両。

 前方は立つスペースすら無さそうだったが、こちらは驚くほど空いていて簡単に席を見つけられた。おかげで痴漢に狙われる心配も無い。

 

『二つ前の駅で快速が止まるんで、階段から遠いこの車両なら座れる可能性が高いっス。んでもって、トモヤ氏が前に立てばパンチラも阻止!』

 

 れんれんが導き出した最適な位置取り。彼女の顔の前に股間が来てしまうのと、ユメ先生が『デート』科の仕事を奪われ拗ねていた以外は完璧。

 

 観に行く映画の話題をはじめ、会話もなるべく途切れないように。緊張気味だった山田さんも、少しずつだが笑顔が増えて来た。順調だ。

 

 目的地のターミナル駅へ到着。

 長いエスカレーターがあり、ここでも後ろに立ちスカートを死守。しかし服装もさることながら、やはり美少女は人混みでも目立つ。

 

「ごめん。ちょっと近かったかも」

「ううんっ……平気よ、全然っ」

 

 すれ違いざまに大学生くらいの男二人が、彼女を見上げるよう覗いて来た。慌てて段を一つ登る……長髪からシャンプーの良い匂いが。

 最上階にある映画館のフロアへ。厳しい戦いだった。シアターに入るまで気が抜けない。

 さて、ここでも一つ作戦を。

 

『飲み物は別々でも、ポップコーンは大きめのサイズを一つ買って、シェアして食べるのが鉄則! 手と手が触れ合う大チャンスだよ!』

『座席は出口から一番近い場所にしましょう。お手洗いへ行きやすいですし、他のお客さんからも見つかりにくい筈……つまり、チカ!』

『だめだめっ!? イタズラは我慢だよ!』

 

 仲良し先生コンビのアドバイスは覿面だった。

 まだ公開開始から日が浅く、シアター内は大変な混み具合。なのに、隣の席が空いている。

 やがて照明が少し落ち、本編前の長い予告が始まった。既にだいぶ暗い。カップルはイチャつき放題だろうな。俺たちは違うけど。

 

「っ……ポップコーン、食べても良い?」

「勿論。俺の分も残してね」

「そんなに食べないわよっ……ばか」

 

 ここに来て口数が減り始める。その代わり、態度はかなり柔らかくなって来ていた。昔から知っている、少し気の強い素面の彼女だ。

 騒がしい空間で、暫し無言の二人。

 まるで教室での俺たちのよう。真剣な面持ちで授業を受ける彼女を、いつも横目に眺めていたな。

 

 どんなことを考えているのか、気になって仕方なかった。今はれんれん秘伝の赤シートで、その気になれば本音を覗き見れるけど……。

 

(……本当だ。手、当たりやすいな)

 

 席の間に置いたポップコーンが役立つ。

 お互い腕を動かそうとしない。

 

 もう片方の手を、そっとポケットから外した。

 赤シート、必要無かったかも。

 

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