「これ、性研ゼミでヤったところだ!」 恋の駆け引きから挿入まで、ドスケベ教育講座【性研ゼミ】で完全習得! キミ専用のオ○ホ先生と一緒に、最高の学校性活を手に入れよう! 作:ダザリアン
「お兄ちゃん歩くの遅っそーい! お先で~す♪」
「あぁ……うん。行ってらっしゃい美桜」
だいぶ前に出発した筈が、小走りの美桜に秒で追い抜かれる。そもそも美桜の方が足も速い。
そうでなくとも、今朝はどうしたってシャキッとしなかった。朝シャンのついでに抜こうか迷ったくらいだ。時間が無くて無理だったけど。
(セックス……しちゃったんだよなぁ)
学校でロクに女の子と会話もできない俺が、ミサキ先生みたいな美人さんで童貞を捨てられるなんて。今でも都合の良い妄想か夢なんじゃないかと。
鞄には一日分の教科書と並んで『性研ゼミ』の教材。つい持って来てしまった。
学校でテキストを進めるわけにもいかないのに。誰かにバレたらどうしよう。まぁ、鞄を引っ手繰って中身を覗くような友達など居ないのだが。
ボーっと歩いているうちに校舎へ到着。
自宅から一番近い学校だ。
山の上にある公立校より通学も楽だろうと、父さんが受験を勧めてくれた。
ただ、一年経っても馴染んだ気がしない。
「マジで? もうコクったの!?」
「むしろ今っしょ、今! まだ返事は貰ってないんだけどさ。彼氏作ったこと無いって言ってたから、お試しでもチャンスあるかなって」
「クッソぉ~。じゃあ俺も適当に声掛けちゃおっかな? あっ、○○ちゃんとかどうよ? 胸デカいしそーゆーの慣れてそうじゃね?」
「ばっか、セックスしたいだけだろ!」
「お前だって同じだろうがよ~!」
二人の男子が下駄箱で騒いでいる。
上履きの色を見るに美桜の同級生だ。信じられるか? 少し前までランドセル背負ってた年齢だぞ。
なんと言うべきか。俺の想像していた『私立』とは、雰囲気がまるで違ったのだ。
ガリ勉はむしろ少数派。勉強もプライベートも順調な垢抜けた奴ばっかりで肩身が狭い。
(ああもう、いつまで道を塞いで……おっ、落ち着け。俺はアイツらと違って、もう童貞じゃないんだ。先生とセックスしたんだから……!)
まだまだ子ども扱いされて然るべき俺たちの代。セックスを経験したことのある奴は極少数の筈だ。それだけで大きなアドバンテージになる。
の筈が、まるで余裕の無い自分。
下級生にすら『後から来る人の邪魔になるよ』と注意の一つもできない、情けない小心者のまま。
でも、そうだよなぁ。セックスの経験があるからって、それがコミュ力に直結するわけじゃないし。
ましてや同級生の女子なんて……。
(……あっ、山田さん!)
そんな時だった。
俺の後ろを素早く通過したのは、まさしく脳裏に浮かんでいたその人。赤み掛かった長髪を優雅に揺らし、靴を履き替え始める。
同じクラスなので下駄箱の位置も近いわけだ。二人っきりで並んでしまっている……困った。背が高いから顔を見ようとしても胸に視線が。
(ごめんミサキ先生。童貞貰ってくれて本当に嬉しいけど……やっぱり俺、山田さんが好きだ……ッ!)
ただ隣に立っているだけで、こんなにもドキドキしてしまう。これを恋と呼ばないのなら何という感情なのか、俺には説明できなかった。
容姿だけではない。クールな雰囲気だけど声も可愛いし、頭も良くて気遣いができる。小学校の頃は児童会の会長をやっていたからな。
面倒事もサボらずこなす真面目な子で、先生からの信頼も厚い優等生。偶に見せる無邪気な笑顔も素敵だ。進学後は滅多に見れていないが。
ど、どうしよう。
思い切って挨拶してみるか?
でも俺たち、最近はほとんど喋っていないんだぞ。そもそも小学校の頃から大した交遊も無いし、急に話し掛けて気味悪がられたら……ッ。
「おっす~! おはよう奏音!」
「痛って……ッ!」
そんな葛藤と静寂を打ち破ったのは、まったくお呼びでない第三者。クラスのイケメン陽キャ、水嶋だ。俺を退かすようズカズカ歩いて来た。
肩がぶつかってまぁまぁ痛かったのだが、水嶋は俺のことなど見えていないかのように振る舞う。そしてそのまま、山田さんに接近すると。
「んっ……おはよう水嶋くん」
「カラオケどう? 行けそうな感じ?」
「あぁ~……えっと、ごめん。その日なんだけど、お母さんがどうしても付き合って欲しい用事があるって、だから難しいかも」
「うわぁマジかぁ~! なら仕方ないか……お母さんとメチャクチャ仲良いって、前も言ってたもんな。買い物とか行くみたいな?」
「多分そうだと思う。ごめんね?」
「いや、全然良いって! また誘うからさ」
お、おいおいっ……当たり前のように二人並んで、そのまま教室へ向かってしまったぞ。あれじゃまるで、ただのカップルじゃないか!?
カラオケには参加しないみたいだけど……お母さんと仲が良い? そんな情報、ちっとも知らなかった。なんで水嶋の方が詳しいんだよ!
俺は昔から知り合いなのに。小学校からずっとずっとクラスメイトで、それなのに……ッ。
(……全然、話したこと無いや)
二人の背中が階段の奥へ消える。
そうだ。俺は山田さんのことを知らない。誰でも知っている、教室で見える彼女の姿しか知らない。
いつか仲良くなれると勝手に信じ込んで、何も行動して来なかったからだ。でも水嶋は違った。積極的に声を掛けて、もう関係を作った。
今の水嶋は俺より山田さんと仲が良い。これだけが事実……嫌だ、そんなのイヤだ。
受け入れられない。自分も山田さんと仲良くなりたい。付き合いたい、俺だけの彼女にしたい。
セックスだってしたいのに……ッ!
それから一日中、考えるのは山田さんと水嶋のことばっかり。授業にはまるで集中できず、二人の動向ばかり目で追っていた。
奴が山田さんに気があることは明らか。中休みになると仲間を連れてしょっちゅう絡みに行くし、お昼にも誘う。また断られていたけど。
二人きりの瞬間は朝だけ。
勝手に抜け出したりもしない。
どうやら付き合っているわけではないようだ。
顔もちょっとお疲れ気味だったし。
クラスのみんなは彼女のことを『いつもクールで理知的な人』とか思っているのだろうけど。山田さん、意外と表情に出るんだよな。
それこそ小学生の頃は結構な委員長タイプで、男子と対立することも何度かあった。語尾も強めで、素はツンツンした感情的な性格だ。
もしかして進学先でイメージチェンジをするために、口数を敢えて減らしているのかも。
笑顔が減ったのもそういう理由だったり?
「……えっ? あれ?」
今日何度目かのチャイムが鳴った。
教室には俺以外に誰も居ない。
まさか考え事をしている間に、授業もHRも全部終わった……? なんてこった。
今日一回もノートを取っていないじゃないか!
しかも誰も声を掛けてくれないし。
担任の先生すら気付いていないのかよ。
俺ってどんだけ存在感が無いんだ……泣きてえ。
(……あっ。いや、待てよ?)
早く帰ってミサキ先生に慰めて貰おう。復習という名の生ハメ中出しセックスで……なんて想像しながら席を立ったのだが、ふと思い出す。
そう言えばテキストを持って来ていた。
しかもミサキ先生の『性技』科だけではない。他の教科も一通り揃っている。今は教室に誰も居ないし、やっぱりここで進めちゃおっかな?
「えーっと、これは……『日常』か」
赤色のテキスト、日常科。
小学講座では国語のカラーだった。
当時『秀研ゼミ』で教えてくれた先生のキャラクターはみんな覚えている。国語の担当は三人いて、その中で女性は一人だけ。じゃあ……。
『やっほー♪ 久しぶりだねトモくん!
学校生活はどうかな?
えっ、上手く行っていない!?
なんてこったー!? こうなったらチカ先生の出番だ~! チカと一緒に勉強して、チカの領域にちかづいてみたまえ! な~んちゃって♪』
おおっ。やっぱり。
お喋りとスポーツ、お菓子が大好き。こげ茶のセミロングをお団子に巻いた、快活な可愛い先生だ。
ただ先生と言うより個人的には、ちょっとだけ年上のお姉さんって印象かも。背が低いから子どもと勘違いされがちという設定もある。
国語のテキストや付録の小雑誌では『小っちゃい言うなー! これでも先生なんだぞ~!』みたいにぷんすか怒るくだりが鉄板だった。
『4月のテーマ:挨拶
ステップ1 :おはようのおまじない!
気になるあの子とお喋りしたい! でも、どんなことを話せば良いのか、最初は分からないよね。
そんなときはコレ! 誰にでもできる簡単な挨拶が、キミとあの子に魔法を掛けちゃうよ!
さあ、まずは『おはよう』から始めようっ!』
という具合で、国語ではなく『日常』を教えてくれるらしい。まぁ似たようなものではあるかもしれないな。算数と性技よりは離れていない。
ただ……挨拶、か。
いや別に、俺だって『おはよう』くらいは言えるさ。山田さんの前だと死ぬほど緊張したり、話し掛けて良いのか分かんなくなっちゃうだけで。
単にテキストを進めるだけで、どうにかなるような問題ではないと思うのだが。
例えばミサキ先生の時みたいに……。
「――――呼ばれて飛び出て、ジャカジャカジャーン!! 国枝チカ、参上ぉぉおおっ!!」
「わああああぁぁああああっ!?」
ガラガラ、ビシャーンッ!
勢いよく開く教室の扉。
声がデカ過ぎて耳が痛いほどだ。
や、やっぱり現れた。
テキストに載っている姿と同じ。
正真正銘、本物のチカ先生……!