※この作品はR-18です。

変幻装姫の受難 ~中年男に堕とされる変身ヒロイン~   作:依渓 進太郎

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 この作品には以下の要素が含まれます。

・浴衣 ・女体射的 ・野外露出 ・深夜散歩 ・首輪 ・目隠し ・透明ディルド

・乳首リング ・青姦 ・放尿 ・疑似脱糞


第3話

 デートと称して卑劣な辱めを強要されたシャインミラージュこと東堂院(とうどういん) 紗姫(さき)。彼の知人が営むという温泉施設での調教を終えて家に帰ってから丸一日が経過し、これから夕食を食べようかとしていたところで携帯に一通の着信が入る。

 相手は当然、黒田(くろだ) 剛造(ごうぞう)であった。

 

 「……………………」

 

 その画面を見たまま固まる少女。それもそのはず、あの男から呼び出されてされる事と言えば必ず碌(ろく)でもないことに決まっており、避けられるのであれば避けたいに決まっている。だがここで呼び出しに応じなけかったが故に起こる未来など、それこそ何よりも避けたい事態である。

 

 「…………、もしもし」

 

 腹を括(くく)り、大きく深呼吸をした彼女は通話ボタンを押して応じた。そうして彼から要求されたのはまたしても彼女の理解を超えるものだった。

 

 「これから夏祭りに行くぞ。浴衣を着て、俺の指示した場所に来い」

 

 それだけ伝えた後、一方的に通話が切られた。

 脈絡も無く唐突に告げられた内容を理解するよりも先に、剛造からメールが届く。開いたそれには簡潔に住所のみが記されており、そこは彼女の家から二駅程離れた町を指していた。

 

 (今度はいったい、何を企んでいるんですの)

 

 まるで学生のような誘い文句で呼び出す、ぶっきらぼうな態度は不器用な男子高校生とも思える。これが本当に普通の高校生相手であれば素敵な恋の一つでも始まりそうなものではあるが、現実の相手は醜い中年男性で彼女を辱める事に対して一切の妥協をしない。あらゆるコネと金の力を総動員して異様な調教を仕掛けてくるに違いない。

 

 (……それにしても浴衣で、だなんて。着付けをしている時間は……無さそうですわね)

 

 何度か来たことのある浴衣が仕舞われているクローゼットに視線を向けるものの、あの男がそれを着ている時間まで考慮しているとは思えない。どれだけ素早く済ませようとしても最低ニ十分以上は要し、それだけ相手の機嫌が損なわれてしまうだけである。ならば――。

 

 (この力は、こんなことの為にあるわけではありませんが……。いえ、それよりもすぐに支度しませんと)

 

 深い溜息を吐きながら彼女はリビングにいる両親へ「急に友人から夏祭りへ誘われた」と説明しつつ、指定された場所へ向けて家を飛び出した。着替えは後で行えるのだから今の服装はどうでも良かったのだ。

 

 ***

 

 「ほう、随分と早かったではないか。俺を待たせた罰を考えていたが、無駄になってしまったな」

 

 「…………そう言うと思っていましたわ。だから急いだのですから」

 

 剛造が紗姫へ連絡を入れてから十分足らず、指定した場所に金髪ツインテールの少女が辿り着いた。その姿は落ち着いた色味の浴衣であり、一切の着崩れもしていない状態。

 これは変幻装姫シャインミラージュとしての能力であり、神聖なエナジーによって出来ているコスチュームは自在に変化させることが可能なのだ。それにより、複雑な衣装や着替えに手間のかかる服装なども本人のイメージ次第で着せ替え人形の如く、まさしく変幻自在となる。

 相手からの罰を防ぐために急ぐ必要があったとは言え、悪と戦う為の力をこのような形で使用してしまったことに深い後ろめたさを抱きつつ、シャインミラージュは男の近くへゆっくりと歩み寄る。

 

 「上出来だ。俺の浮気妻としての自覚が芽生えてきたんじゃないのか?」

 

 「……そんなはずが無いでしょうに。そう思いたければ、勝手に思い込んでいればいいですわ」

 

 下手に否定すれば自身の立場が危うくなることは理解しているものの、何も反論しないのは肯定しているように思った紗姫はほぼ無意識的に言葉を返す。が、小声で呟いた所為(せい)か彼の耳に届く事は無かったようだ。

 表情一つ変える素振りも見せずに剛造が口を開く。

 

 「まあこんな所で長々と立ち話をしているつもりは無くてな。さっさと行くか」

 

 「…………」

 

 自身の言葉に無反応を示す彼女から視線を外し、剛造はスタスタと祭りの会場へと歩き出した。それに続いて紗姫も歩みを進め、現在地からでも見える灯りのある方へと向かう。

 

 二人が合流してから五分後、都会の喧騒(けんそう)から少し外れてひっそりとした場所。

 夏祭りと言うには少しばかりスケール感の小さい催し物が行われている広場で、剛造と紗姫は歩みを止めた。

 

 (…………、ここで本当に夏祭りをするんですの? どうにも妙な雰囲気ですわね……)

 

 確かに装飾は夏祭りらしさを感じる提灯(ちょうちん)や暖簾(のれん)が掛けてあり、屋台もポツリポツリとではあるものの用意されている。だがしかし、一部の屋台には店番すら不在のものもあり客と呼べるような人も目測で数えられる程度しかいない。本当に祭りが開催されているのであれば、もう少しくらい賑(にぎ)わっていてもおかしくないはずである。

 それはまるで、一部の限られた人しか呼ばれずに行われている突発的な行事であるかのように。

 

 (剛造繋がりの人間が主な客層なのでしょうけど、全員が全員そういう人間とも限らないはず。だとすれば一般客も交えてこのような催事(さいじ)を何の目的で……)

 

 彼の目的と言えばシャインミラージュへの凌辱(りょうじょく)に間違い無いのだろうが、わざわざ他人に干渉され得る形で行う意図が理解出来ないのだ。そしてそれが何よりも不気味に感じる要因となっていた。

 現状の謎を考察していたその時、二人の存在に気づいた男が駆け寄り声をかけてくる。法被(はっぴ)を身に付け、紅白の鉢巻きをしているその姿はこの祭りの関係者のようにも見えた。

 

 「どうもどうも、お待ちしておりましたよ黒田様。……この女性が"例(・)の(・)景(・)品(・)"で間違いございませんか?」

 

 「ああ、間違い無い。早速(さっそく)だが始めてくれ」

 

 「承知いたしました。…………ではこちらへ」

 

 (わたくしが、景品……?)

 

 何事か分からず困惑したままの紗姫を無視し、二人は誰もいない屋台の一つへと向かって歩き始めた。

 剛造に連れられて露店の中に入れられた彼女へ法被を着た男が説明を行う。

 

 「あなたには『射的ゲーム』に挑戦して頂きます。この台に拘束された状態で二時間ほど、射的の景品としてあなたはコルク銃で撃たれますので絶頂しないように耐えて下さい。もしも絶頂したと判定されますと、その場でお客様にサービスを提供することとなりますので宜しくお願い致します」

 

 「……それは、どういうことですの?」

 

 一切の状況が呑み込めない彼女に剛造は初めて詳細を口にした。

 

 「ここは俺が少しばかり世話になっている地区でな、年々参加者が目減りしているこの祭りへ個人的に資金を提供して協賛している。今回は知人のツテを借りて一部の富裕層を招待し、お前を景品とした屋台で楽しませつつ金を使わせる。その金がこの地域の資金になるからな、ここでお前は客を出来る限り長く楽しませれば良いだけだ」

 

 「そのような手段は非効率的でしょう。お祭りを開くなら、もっと普通の人が来れる内容にするべきですわ」

 

 「普通の内容にしていて客が少なくなったからこうしているんだ。少ない予算で多くの利益を求めようとするなら、富裕層をターゲットにしてニッチな需要を満たす内容にした方が良い。それにお前を餌にした内容にしておけば、SNSを通じて馬鹿な若造共を釣り上げることも期待できるからな」

 

 「……簡潔に言えば身体目的、ということですのね」

 

 「分かっていると思うが拒否権は無い。目的を理解したならさっさとそこに座れ」

 

 「…………。分かりましたわ」

 

 知りたいことが知れた以上、彼女に問答の意味は無い。剛造が指示するままに、台座へと腰を下ろす。そして羞恥心を押し殺しながら両脚を開いて股を晒し、拘束具で両手首と足首をしっかりと固定される。最後は見たことも無いキャラクターのお面を安全用のフェイスガード代わりに装着されて準備が整えられた。

 それを確認した男が暗幕を開いて客を呼び込み始める。すると自然に景品であるシャインミラージュの姿が目に留まり、一人二人と男性客が露店の前にぞろぞろ現れた。

 

 「へぇ~、射的かぁ。一回千円でこの女を撃って良いのか?」

 

 「はい。一回分で三発のコルク弾をお渡ししますので、彼女が絶頂するように上手く狙ってあげて下さい。彼女が絶頂すれば景品として、彼女とのアナルセックスを一回だけお楽しみ頂けますよ」

 

 (こんなふざけた商売に加担してしまうなんて、正義のヒロインとしてあるまじき行為ですのに……)

 

 自分自身を売り物にされ、異常なレートで開催される露店。完全なる違法行為ではあるもののこの場にそれを告発する者など存在せず、唯一の被害者であるシャインミラージュ自身も正体を人質に取られているため警察に相談することも出来ない。

 無力感とそれに伴う悔しさから下唇を噛む変幻ヒロインを前に、眼前で男達は取り引きを交わしていく。

 

 「成程な、そいつは面白そうだ。まずは俺にやらせて貰うぜ」

 

 「ありがとうございます。……では千円ちょうど頂きましたので、こちらをご使用ください」

 

 一枚の紙幣と引き換えに玩具の銃を受け取った客の一人が拘束されて動けない少女を前に向き直り、その銃口を突き付けて狙いを定めた。右手の人差し指を引き金に掛け、出来る限り標的との距離を縮めようと台から身を乗り出している。

 どこを狙おうとしているのかなど見れば分かる上に、コルク銃の威力はたかが知れている。当然何らかの改造を施されている可能性は否定できないものの、剛造の『予算が無い』という発言から客側が有利になるような事の為に予算をつぎ込んだりしないだろう。

 そもそもとして神聖なエナジーで全身を護られている彼女の肉体に、そのような玩具(オモチャ)が利くはずない。

 ――そう思っていた。

 

 「――んひいぃぃいぃぃぃっっ!?」

 

 客の向ける銃口から放たれた黒い塊を視認した直後、豊満なGカップ爆乳へ直撃した小さな衝撃が全身を駆け巡ったのだ。とても玩具のそれとは思えない威力であり、更には神聖なエナジーによる加護をも貫いて激感を齎(もたら)す。

 

 (まさか、本当に……改造を…………っっ。それも、闇のエナジーを使う……なんてぇ)

 

 じんじんと疼く乳房の快感に悶絶しながら、彼女は剛造の思惑に内心狼狽(うろた)える。

 少ないと語る予算を客が有利になる方向へ費やすこともそうだが、何よりもコルク銃の中身には闇のエナジーの塊が使用されている。どれだけ残されていたのかは不明だが、限りあるはずのそれをこのような催し物で使ってしまうのは予想だにしていない事態だった。

 コルク銃の改造までであればそう大した問題では無かっただろうが、シャインミラージュの肉体を保護する力を蝕(むしば)む対のエネルギーが使用されているとなれば話は別。

 

 「おいおい、たった一発ですげぇ喘いでるじゃねぇか。これならもう一発で絶頂(イカ)せられそうだな」

 

 そう言いながらニヤケ顔でコルク銃に弾を詰め、再び構える男性客。その銃口は先程と同じく双丘。そして今度はその頂点へと狙いを定めていた。

 

 (あ、あんな物を次は乳首に……? そんなの、耐えられるはずがありませんわ……っ)

 

 露店の照明に照らされる鈍色の銃口が突き付けられ、彼女の心臓が早鐘を打つ。もしもあの威力で闇のエナジー体が敏感な先端突起に直撃しようものなら、それによって与えられる肉悦は先程の比にならないだろう。

 心の中で許しを請おうとする彼女を嘲笑(あざわら)うかのように、男がゆっくりと引き金を引いた。

 

 「ひぅっ…………、……?」

 

 もう駄目だと諦めかけた瞬間、確かにコルク弾は発射された。が、その威力は変わらずとも少し触れたように感じた程度で終わる。張りのある柔らかな乳鞠と衝突した無害な弾丸はあらぬ方向へと弾き返され、地面に転がり落ちた。

 ただのコルク弾であるそれは、よく見ると全体が黒く塗り上げられている。先程のコルク弾と見比べてみても注視していなければ違いに気づけない程、それは敢えて闇のエナジーで作製した弾に模していたのだ。

 

 (どういうことですの? ……まさか、わざと弾の種類を変えて…………)

 

 何故そんな工夫を凝らしているのか。何故わざわざ二種類の弾を用意しているのか。何故そのような仕組みを採用しているのか。そもそもとして「予算が少ない」と言ったのが嘘だったのか。

 あまりに多くの謎が頭を過り、彼女の思考は混乱し始めていた。だが、そんな事を知る由もない男性客は口角を吊り上げてゲームを続行する。

 

 「おっと、乳首はあんまり感じねぇのか? だったらこっちはどうだ」

 

 客はシャインミラージュの反応を見て、最後の一発を打ち込む先を変える。そこは彼女の秘部――陰核であった。

 股を大きく開いた姿勢で固定されている為、衣装は激しく着崩れて白いショーツが丸見えになっている。そしてその布越しにある小さな突起が僅かに膨らみ自己主張していた。それもまた敏感な性感帯の一つ。

 ピクピクと震えるその小さな小さな標的に目掛け、客は三発目の引き金を引いた。

 

 「ひぐぅぅっっ…………、はぁっ……ぁぁ…………」

 

 そうして放たれた黒い塊は正確に小さく膨らむ急所へと命中した。その衝撃でビクンと彼女が反応を示し、痺れるような快感が全身を駆け巡ったを感じた。

 だが、またしても使用されたのは普通のコルク弾。神聖なエナジーに護られているシャインミラージュの身体は受けた衝撃の大半を軽減し、触れた感触がする程度にまで弱められていた。それは優しい愛撫(あいぶ)と何ら変わらない。

 

 「チッ、流石に三発じゃ無理があったか」

 

 「次は俺にやらせろよ」

 「先に俺が並んでたんだぜ。お前は後だよ」

 「いいからさっさと順番を回せ、こっちは待ってるんだ」

 

 一人目の挑戦が終わったところで次々に男達が千円札を片手に自身の挑戦権を求め始めた。暴徒化しそうな勢いの客を宥(なだ)めながら、店番の男は落ち着いて処理をしていく。

 

 「慌てないで下さい。まだまだ始まったばかりですので、落ち着いて下さい。焦らなくても銃は用意しますので、少々お待ちくださいませ」

 

 そうして二挺(ちょう)目、三挺目のコルク銃も用意し、紙幣を突き付ける男達に弾とセットで手渡していった。

 玩具の銃を手にした男達はまさしく子どものように高揚しながらコルク弾を銃口に詰め、その先を動けない少女の肉体へと向ける。

 

 「よぅし、やってやるぜ」

 「俺が絶頂させてやるんだ」

 

 三人の男が台から身を乗り出し、それぞれが思い思いの場所に狙いを付ける。大体は乳首か陰核、或いは腋や角度によって僅かに見える菊門等々。狙う場所も違えば発射するタイミングもバラバラ。

 

 「んっっ、ひぅっっ…………くふっっ、んぁあっっ……あふっ…………」

 

 ――いつかあの弾が来るかもしれない。――

 そう考えると全てのコルク弾に警戒をし、その悉(ことごと)くが杞憂に終わるを繰り返す。この瞬間的に募る不安感が即座に解消され、その事に安堵(あんど)する間も無く次の不安感が突き付けられる銃口から放たれる。それはまるで終わりの見えないロシアンルーレットのようで、彼女は強制的に謎のギャンブルへと参加させられている感覚に陥っていた。

 だが、それこそが剛造の狙いなのだった。

 彼女が今感じているのは、ギャンブル中毒者たちが好む『ヒリつき』のようなものであり、それは一種の興奮剤。胸中を支配するドキドキ感が性的興奮と結びつき、闇のエナジーが直撃した時の快感を爆増させる燃料の役割を担うのだ。

 

 「ふあぁっっ、あぐっ、んっくぅ……ひゃぅっっ、んはぁっ…………っっ、ぃうっっ」

 (まだ、ですの…………っっ? もう何発、喰らって……)

 

 普通のコルク弾が撃ち続けられて蓄積する微弱な快感は、どれだけ積み重なっても絶頂には届かない。そして最初に受けた衝撃とどうしても比べてしまい、無意識的にその激感を求めるように心が揺れ動く。

 身体に射出されるコルク弾の数が十を超え、二十を超え。交代していく客の人数が三人、四人、そして五人。その度に刻まれていく刺激は弱く、時間と共に積み重なっていくだけで爆発することが無い。

 

 そんな余興が暫(しばら)く続き、紗姫の心中には『欲求不満』の四文字が渦巻き始めていた。

 

 「なんか最初に反応したかと思ったら、喘いでるだけだな」

 「もしかして演技か? まさか最初から無理ゲー?」

 「撃ってるだけでも楽しいけど……なんか興醒めだなぁ」

 

 『射的』の露店が開業してから数十分程度が経ち、気が付けば発射されたコルク弾の数も三桁を超えた。にも拘らず景品である少女は小さく喘ぐだけでとても絶頂しそうな雰囲気は無い。

 そうすると流石に客も段々と猜疑心(さいぎしん)を抱き、騙されているのではと怪しむ声が上がって来る。

 

 (ぅぅぅっ……、乳首が……クリトリスが……切なくて仕方無いですのぉっ…………)

 

 弱々しい刺激で敏感な箇所を責められ続けたシャインミラージュの精神も限界を迎え、生殺しの現状に耐えきれなくなり始める。これが何の変哲もない玩具の銃であれば何発でも耐えられたかもしれないが、中途半端に威力だけ増強されておいてコルク弾では絶頂しそうで出来ないのが強靭な精神に楔(くさび)を打ち込んでくるのだ。

 客と景品。その両方の様子を観察していた剛造がインカムで露店の店主に指示を出す。

 

 「もう少し稼ぎたかったが、そろそろアレを使え。適当に一発だけ混ぜろ」

 

 「……承知しました」

 

 あともう数分で折り返しとなる一時間が経過しようかというタイミングで、コルク弾に闇のエナジー体を混ぜるように命令が下された。そしてそれを受けた店主は客へと提供するコルク弾の袋の中に、それらとは別の袋から取り出した黒い塊を一つだけ混入させる。

 

 「安心して下さい。皆様が放った弾は全て彼女の快感を高めております。今までは彼女も羞恥心から我慢しておりましたが、絶頂してしまうのも時間の問題であります」

 

 「本当かよ、なんか嘘くせぇな」

 「そういう演技させてるだけなんだろ」

 「金返せよクソったれ」

 「どうせケツ穴使わせるっていうのも嘘なんだろ、詐欺師が」

 

 「お約束は必ず守ります。彼女が絶頂した暁には、噓偽り無く彼女とのアナルセックスをお楽しみいただけます。さぁさ、挑戦される方はおられませんか?」

 

 言葉巧みに民衆を煽(あお)ろうとする店主だが、多くの客が疑いの眼差しを向けて誰も紙幣を差し出そうとはしなくなっていた。流石に焦らせすぎたのか、性欲よりも保守的な思考が上回り周囲の様子を窺(うかが)い合っている。

 暫しの沈黙が続いた後、渋々といった表情で店主に千円札を押し付ける男が現れた。

 

 「もう結構つぎ込んだしな、今更退いたって勿体無ぇわ」

 

 「ありがとうございます。では、こちらをどうぞ」

 

 「はいはい」

 

 半ば自棄(やけ)になっている様子でコルク銃を受け取ったその男は、先程までと同様に台から身を乗り出して銃口をシャインミラージュに突き付ける。

 

 (あぁ、もう我慢できませんのぉ…………。乳首もクリトリスも、疼き過ぎて辛いんですの…………)

 

 絶妙に刺激され続けた彼女の身体は限界以上に昂ぶり、両手の拘束が無ければ今すぐにでも性感帯を自らの手で扱(しご)き倒してしまいそうな程、思考が肉欲で埋め尽くされていた。もう正義感や道徳心などはとうに消え失せ、雌としての本能を満たしたい欲求に駆り立てられている。

 そんな彼女がお面越しに羨望(せんぼう)の眼差しで見つめる玩具の銃口。その空洞から黒い塊が飛び出したかと思った瞬間、直線状で震える乳首に衝撃が伝わる。

 

 「んっ……くぅぅぅ…………」

 (ああ、また"外れ"ですのぉ…………)

 

 しかしその刺激はあまりにも弱く、絶頂寸前の状態のまま解消されることが無かった。またしても絶頂出来なかった彼女には安堵ではなく無念が募(つの)り、更に肉欲が高まるのを感じる。

 

 「はぁ…………、くそっ……」

 

 残念そうにするのはコルク銃を構える男性客も同じであり、舌打ちをしつつ次の弾を銃口に詰めて構え直す。

 そして狙いは変えずに豊満バストの先端に銃口を向けた。出来る限り同じ場所に狙いを付け、焦りや怒りからか激しくなる手のブレを落ち着けながら息を整える。

 ゆっくりと引き金に掛ける指へと力を籠め、数瞬の後に黒い塊を細い筒から射出する。

 

 「ひぅっっ……、はぁ…………ぁぁ……」

 (もう絶頂したいですのぉっっ…………、これ以上はもう耐えられませんわ……)

 

 「まぁ、やっぱり駄目だろうな」

 

 放たれたコルク弾は寸分の違いも無く鋭敏な先端突起へと直撃する。が、しかし普通のコルク弾ではやはり威力が足らない。

 微妙な威力の衝撃を浴びせられ続けた二つの小さな膨らみは薄い浴衣の生地を僅かに押し上げ、ぷっくりと自己主張をしている。見れば分かる為に弱点を狙うのは容易だが、剛造の画策(かくさく)した仕組みに阻まれてはどうしようもない。

 残り一発となった男性客の顔色には諦観が滲(にじ)み出ており、何かを憐れむようにも見えるその瞳は少しでも期待をしていた過去の自分自身に向けられている。

 

 「はぁ…………、もうどうでもいいか」

 

 溜め息を吐き、やる気の無さそうに銃を構え直す。だが完全には諦めきれないのだろうか、一縷(いちる)の望みに縋(すが)るように銃口は敏感な箇所である乳首を一点狙いしていた。

 そして彼と対峙するシャインミラージュもまた諦観を抱きつつあった。

 

 (絶頂できないまま、二時間を過ごさせる。……これが剛造の狙いだったわけですわね…………、わたくしが性的快楽を自ら求めるように仕向けて、責め苦を与え続ける……。その為にこんな仕組みを取り入れたのでしょうね)

 

 そこで漸(ようや)く彼女は剛造の思惑を推察することが出来た。極限の飢餓状態でこそ冴える感覚が、全てのピースを嵌め合わせて一つの答えに導いたのだ。

 ――だが、彼女のはじき出した答えには間違いがある。

 もう闇のエナジーで作製した弾は飛ばされないと確信めいた思考が深く根を張った。

 

 「…………、はぁ……っ」

 

 眼前の男が深く息を吐き出し、そして最後の一発を放つべく人差し指が引き金を引く。世界がスローモーションになったかのような錯覚を受け、シャインミラージュは自身の乳房へと飛んでくる黒い塊に視線を注目させる。

 ――どうせただのコルク弾に違いない。――

 そう思い込んでいた刹那、視界に映る黒い塊へ対し違和感のようなものを覚えた。

 正義のヒロインとして悪と戦ってきた中で鍛えられた動体視力が、高速で動く小さな固体の僅かな変化を本能的に見逃さなかったのだ。

 

 (……、これ……何か違――)

 

 だがその直後、痛い程に勃起した右乳首へと射出されたコルク弾が衝突する。その瞬間に只ならぬ衝撃が意識も出来ない程の短い時間の中で全身に広がり、蓄積された肉欲を瞬く間に爆発させていった。

 

 「――~~~~~~~~っっっっ!!」

 

 まさに数百発分のコルク弾が同じ瞬間、同じ場所へ一斉に撃ち込まれたかのような感覚。積み重なった微弱な快感の山が一瞬の内に噴火し、身体の奥から四肢の先まで激しく駆け巡ったのだ。

 焦らされに焦らされ続け、油断していた所に突き刺さる悦楽の嵐が襲い掛かる。意識が飛びそうな激感が迸り、顎(あご)を突き上げながら大きく仰け反る秘部から噴水の如き勢いで潮が撒(ま)き散らされた。

 

 「うわっ、凄ぇ潮吹きだ」

 「滅茶苦茶に絶頂してやがる」

 「これは演技じゃねぇだろ。AV女優も裸足で逃げ出すぜ、こんなの」

 

 「おめでとうございます。大当たりでございます」

 

 「え…………、あ……ありがとう…………?」

 

 何が起こったのか理解出来ていないらしい男性客はコルク銃を握り締めたまま固まってしまっている。だが、次第に自身が彼女を絶頂させられたのだと認識し、その喜びが表情として露わになっていく。

 

 「あ、ありがとうございますっ」

 

 「では、どうぞこちらへ」

 

 そう言って店主は露店の裏側へ男性客を案内し、シャインミラージュの背後に立たせる。

 

 「~~っっ、~~っ……、ひぅぅ……はぁっ、……はぁっ、……はぁっ…………」

 

 男の前では大股を開いたまま荒げた呼吸を整えようとしている美少女の姿があった。うず高く積み重ねられた快楽の因子が引き起こした絶頂の津波はそう易々と引くものでは無く、一分以上が経過しても全身の痙攣が治まらないようだ。

 だがそんな彼女の状態へは気にも留めず、店主が両足首の拘束を解いて台座の板を外していく。そして彼女が腰かけている台座が無くなり、シャインミラージュは両手首を固定されて吊るされる状態になった。

 

 「え、と……。これ本当にハメて良いんですか?」

 

 「勿論構いませんよ。ちなみにお面を外す事と女性器に挿入する事、それと身体に傷をつける行為以外は禁止しておりませんので、お客様の好きなようにアナルセックスをお楽しみいただけます」

 

 「分かりました。……では、失礼して…………」

 

 店主からの注意点を聞いた男はズボンのチャックを下ろし、勃起する肉棒を露出させた。逞(たくま)しく怒張するそれはピクピクと震えており、これから少女の蜜壺へと挿入できるという僥倖(ぎょうこう)に打ち震えているかのよう。

 背後からメリハリのあるヒップを掴み、男は大量の愛液で汚された下着をずり下ろすとヒクヒクと収縮を繰り返す菊門に己がイチモツの先端をあてがう。そして思い切り腰を打ち込み、何度も異物を受け入れてきた排泄孔に勢いよく男根を挿入した。

 

 「おひいぃぃいぃぃぃいぃぃぃっっっっ!」

 

 「うおっ、凄ぇ締まるっ。何だよこの圧迫感っ……名器そのものだよ、これっ」

 

 腸壁を押し拡げて侵入する肉の塊が、その凹凸で鋭敏に開発された肉襞(ひだ)を擦り上げていく快感。もう何度となく味わわされた悦楽ではあるものの、絶頂直後で全身の感度が壊れるくらいに高められている状態なのだ。たとえ一般的なサイズ感の肉棒だとしても、チンポであることに変わりは無い。彼女の肉欲を高め、満たすには充分であった。

 一度奥まで突き入れられた男性器がズルズルと体外へ引き抜かれ、また滑るように根本まで肉穴へ突き立てる。

 

 「おほおぉぉっっ、ひぐっっ、んおおぉぉぉっっ! ひゃぐうぅぅぅっっ! ケツ穴、奥に響いて……ぇへぇぇっっ! こんなの……っっ、壊れてしまいますのおぉぉっっ!!」

 (怪人や、黒田のものより小さいはずですのに……っっ。どうしてこんなに感じてしまいますのおぉっ)

 

 身体が僅かに浮いた状態で吊るされ、全体重の大半が尻穴を穿つ肉棒によって支えられている体勢。だからこそより深くまで屈強な男根が侵入し、その感覚を鮮明に意識してしまうのだろう。だが、それだけではない。

 

 「はぁはぁっ、正直に言えばマンコの方が使いてぇけど……うっ。アナルがこんなに名器だとは思わなかった、これなら毎日でもハメたいよ、畜生っ」

 

 「んほおぉぉぉっっ、おぐっ! ひあぁぁっっ、ケツ穴ぁっ……こすれすぎて、馬鹿になっちゃいまひゅうぅぅっっ!」

 

 「それに突く度にデカパイが揺れて、くそっ。最高のオナホ過ぎるだろっっ」

 

 「くほおぉぉぉぉっっ、おっぱいぃぃっ……そんな乱暴に――ぃひいぃぃぃぃっっ! 乳首らめぇぇっっ、それだけでイクっ……絶頂されちゃいまひゅうぅぅぅっっ!」

 

 激しくイチモツを突き込み、その衝撃で柔らかい尻肉が楕円形にひしゃげる。その度に大きく上下へ揺らされるシャインミラージュのGカップ爆乳が悩ましく揺れ、触ってもいないのに自然と浴衣がはだけて下着に包まれた肉鞠が露わになる。黒い布で半分以上を覆われた両胸の果実は屋台の照明でライトアップされ、異性を虜(とりこ)にし得る魅力を解き放っていた。

 そんな煽情的なダンスを見せつけられて何もしない男がいるだろうか。唾を飲み、無意識的に手を伸ばしてしまうのが摂理と言っても過言ではないだろう。

 腰を掴んでいた男性客の両手は彼女の脇腹を上り、跳ね暴れる乳肉へと伸びていく。そして重量感のある豊かなバストを覆い隠しているブラジャーを乱雑にずらし、ピンと勃ち上がる桃色突起を露わにさせると容赦なく鷲掴みにした。

 

 「あぁやべぇ……、何だよこの柔らかさ。簡単に指が沈んでいくのに、乳首はコリコリしてて……。こんなの味わっちまったらもうオナニーなんて出来ねぇよっっ」

 

 思うがままに乳肉を捏(こ)ね上げ、引っ張り、そしてガチガチに勃起している両乳首を抓(つね)り回す。その揉み心地に感動している客は幸福感と共に、それを今だけしか楽しめない不満や怒りを募らせる。

 方やシャインミラージュは尻穴を擦り上げられながら乳頭を乱雑に刺激され、浅い絶頂を繰り返す。コルク銃で弄ばれ続けた敏感な器官へ送られる一方的な愛撫は、しかし彼女の欲求を確実に満たしていた。積み重ねられた快楽の不発弾が連鎖するように爆発し、抑圧されていた悦楽が彼女の心も体も染め上げていく。

 そうするとイチモツを深く咥え込む排泄孔が強く収縮し、まるで精液を搾り取ろうとするかのようにうねりながら肉棒へと密着する。

 

 「うあぁぁっっ、キツいっ。こんなに締め付けられたら……無理だ、出るっ。射精するっっ!」

 

 「ぃひいぃぃぃぃっっ! ケツ穴で、チンポぉぉ……もっと大きくなっへぇぇ……ひぐうぅぅぅぅっっ! おっぱいぃ、ちくびいぃぃっっ……、気持ちよひゅぎまひゅのおぉぉぉっっ! ずっと絶頂(イっ)てまひゅぅぅっっ」

 

 乳首や排泄孔を刺激される度に、肛門はきつく強く締め上げる。腸壁が熱く包み込むように密着してくる度に、高まる射精感を堪えようと乳揉みや抽挿に熱が入る。お互いの行動がお互いの性感帯を責め立てる構図。

 あまりにも男の欲望に対して魅力的過ぎるポテンシャルを有したシャインミラージュの身体と反応は、一般的な彼には刺激が強すぎる。挿入してからまだ数分と経過していないにも拘らず、彼の煮え滾(たぎ)る欲望は出口を求めて溢れかえりそうであった。

 

 「あぁぁぁっっ、もう駄目だっっ! 射精(で)るっっ、射精(で)るぅぅっっっっっっ!!」

 

 「ぃぎいぃぃっっ! 中はらめぇっっ、絶対ぃ……らめれひゅうぅぅっっっっ! にゅっ、抜いてくらひゃいぃっっ! ケツ穴に射精(だ)されたらぁっ……っっ、あたま……馬鹿になってしまいまひゅのぉぉぉっっ!」

 

 「知るかっ、そんなのっっ。俺もとっくに馬鹿になってんだよ、お前もイキ狂って馬鹿になれよぉっっ!」

 

 「ひょんなぁあぁぁっっ……、おほおぉぉぉっっっっ! らめっ……、らめらめぇぇぇっっ――」

 

 精神を保とうと必死に外出しを懇願(こんがん)する正義のヒロイン。だが、ここにいる人間でそんな要望を聞き入れようとする者など一人としている訳も無い。

 男はラストスパートをかけて一心不乱に腰を振り、それこそ腰痛になりそうな程に少女の尻肉へと打ち付ける。握り潰しそうな程に両乳を掴み上げ、相手の身体を固定したまま肉杭を穿(うが)ち続ける。

 そして我慢の限界を悟った彼は、今までで最も力強くイチモツを捩じ込んだ直後に欲望を解き放つ。

 

 「射精(で)るっ……ぅあぁぁぁぁっっっっ!」

 

 「――おほおぉぉぉぉぉっっっっ! でてるっっ、ザーメンでてるうぅぅぅっっっっ! イグうゥゥぅぅぅぅっっっっ!」

 

 その瞬間に狭い肉穴空間を灼熱(しゃくねつ)の白濁汁が駆け抜け、迸(ほとばし)る快楽が二人の全身を駆け巡った。

 ドクンドクンと脈打つイチモツが子種汁を吐き出し、腸襞に絡みつきながら逆流していく。

 

 「獣みてぇな声出して喘いでるぞ、羨ましいな」

 「クッソぉ、こんな事なら先に千円出してりゃ良かった」

 「次こそは俺がチンコをぶち込んでやる」

 

 彼女の痴態に興奮する者。自身の行動を悔やむ者。次の挑戦権に期待する者。

 観衆はそれぞれに自身の気持ちを言葉にし、そして彼女を抱く熱意を改めて強める。

 

 (あぁぁっ……、こんなに人が見ている前でわたくしは…………っっ。恥ずかしい、はずですのにぃぃ……)

 

 そんな衆目を集めている状況下で絶頂した変幻ヒロイン。だが抱く羞恥心は僅かばかりであり、寧ろ充足感や多幸感の方が色濃く胸中に渦巻いている。

 人々の前で犯された事は幾度となくあり、ダーククライムとの最終決戦前には今のように守るべき市民から侵された事さえある彼女。だが、今感じているのはその時よりも強い被虐的な興奮であり、絶頂の余韻で思考が朦朧(もうろう)としている中でも鮮明に感じられる程には強烈だった。

 

 「ふぅぅ…………。名残惜しいが、ルールは守らねぇとだからな」

 

 「ひぅっっ……、お゛お゛ぉ゛っっっ!」

 

 シャインミラージュとの行為に満足した彼はぴっちりと咥(くわ)え込んで離そうとしない菊門から、ゆっくりとイチモツを引き抜いてじゅぽんっと音を立たせる。ぽっかりと開いた排泄孔だがすぐに閉じていき、白濁の粘液を垂らしながらも瞬く間に挿入前と変わらない状態へと戻った。

 激しいアナルセックスを終えて息を整えている彼女を前に、男達は一斉に紙幣を財布から取り出して露店の店主に突き出していく。

 

 「次は俺だぁっっ。俺にもやらせろぉっ」

 「馬鹿言ってんじゃねぇよタコ野郎っ! 俺の方が先だろうがっっ」

 「何万でも出すから俺に銃を渡せぇっ」

 

 「慌てないで下さい、慌てないで下さいっ。まだ時間はありますので、少々お待ち下さいませ」

 

 興奮状態にある客たちを宥めつつ、店主は裏方に回るとサービスを受けた客を店の前に帰すと一度外した台座を戻していく。そして再び彼女をそこに座らせると両足首を先程までと同じ様に拘束具で固定した。

 姿勢は一切変わっていないものの、衣服は完全に着崩れて局部も先端突起も露出したまま、更に肛門からは今なお注入されたばかりの子種汁が溢れ出している。サービスセックスを経た彼女の容姿はより煽情的で、下品に男達の欲望を加速させる。

 

 「……お待たせ致しました。どうぞ挑戦したい方は前にお越しくださいませ」

 

 その言葉を聞いた瞬間、男達は我先にと群がって行く。それらを対処する店主だが、その耳に装着しているインカムから主催者の指示が下されていた。

 

 「次はもう少し引っ張れるだろう。"アレ"はまだ混ぜるなよ」

 

 「…………承知致しました」

 

 剛造はこの状況を待っていた。

 眼前で成功した者を見た観客たちは、もうちょっとやそっとでは退こうとしない。尻込みをしたが故に失敗した経験が脳裏にこびり付いて離れず、一縷の望みに縋りついてしまう。「もしかしたら自分も当てられるかもしれない」と思えば、もう前へ進む以外の選択肢を見ようとしないだろう。

 これも剛造が想い描いたシナリオ通りであった。

 

 

 そうして剛造の狙いは完璧に的中し、遂には時間切れギリギリまで当たりが出ずとも男達は疑いもせずに千円札を支払い続けた。恐らくこのまま二時間経過させることも可能だろうが、それでは面白くないとも彼は考えた。

 第一の目的である集金は充分に果たせたと言えるものの、第二の目的であるシャインミラージュの調教はまだ果たせたとは言い切れない。もう一度だけ一般客との行為を経験させて、雌としての自覚を確固たるものにしたいのだ。

 

 「よし、次で最後だ。"アレ"を幾つか混ぜて、確実に当たりを出させろ」

 

 その命令が下され、店主は密かに闇のエナジー体を一握りしてコルク弾の袋に放り込む。それはこの屋台で唯一、景品を得られる条件であり、男達には知る由も無い自分達の希望そのものであった。

 これを撃ち込まなければ絶対に少女は絶頂しない、そういう仕組みになっている。

 

 「はぁ…………はぁ…………はぁ…………はぁ…………」

 (また、この責め苦を……。いけない事ですのに…………身体が、絶頂を求めてしまいますのぉ……)

 

 アナルセックスのサービスを提供してから、ほぼ一時間近く。再びシャインミラージュは焦らしを強要され、動けない状態で微弱な刺激が与えられ続けていた。半裸に剥き出された後のコルク弾は確かに先程までよりも強い快感を齎すが、それでも絶頂の波が引いた後ではまるで物足りない。

 既に全身へ放たれたコルク弾の数は四桁近くにまで上り、その全てが柔肌を隈なく刺激した。

 

 (直接触れて、気持ちいいぃ…………。でも、こんなのでは絶頂できませんわ……。…………っ、いえ……そもそも絶頂しないように耐えなくては…………、ですが……っっ)

 

 一度欲望が解放されたことで、本来の目的を思い出した彼女。だが、それは分かっていても快楽に味を占めた身体は意思に反して浅ましい欲望を求めてしまう。

 そのつもりが無くとも自身に向けて射出されるコルク弾に注視してしまい、それが何の変哲も無い物だと理解した瞬間に心が落胆してしまう。正義のヒロインとしての矜持(きょうじ)はまだ保ち続けているつもりだが、彼女の天秤(てんびん)は確実に理性よりも本能の方へと傾き始めていた。

 コルク弾の雨に晒され続けた剥き出しの両乳首と陰核は赤く腫れあがり、燃えるような快感と疼きに震えているようである。そっと触れられただけでも絶頂できそうな程に蓄積した悦楽は、しかしどれだけコルク弾で撃たれようとも一向に解放される気配さえ無いのだ。

 

 (あと……、どれだけこうしていればいいんですの……? もう時間感覚も、曖昧(あいまい)になって…………頭、おかしくなってしまいそうですの……)

 

 懸命に耐えようと心を強く保つシャインミラージュ。だが、経過した時間がどの程度か見当すらつけられず、まるでゴールの見えないマラソンをさせられているかのよう。ひたすらに快楽の渦へ呑み込まれ、掻き回されながらも終わりは見えない。

 

 「もうどれだけ注ぎこんだか分からねぇんだ。さっさと絶頂けよ、クソ雌が」

 「お前が絶頂しねぇと俺は見てるだけなんだぞ、早く楽になれよ」

 「演技でもいいから潮吹いてアクメすりゃいいんだ。簡単な話だろうが」

 

 後に退けなくなった客たちの苛立ちは景品であるシャインミラージュへ向けられ、罵倒(ばとう)という形で明瞭(めいりょう)に表れる。

 彼らの身勝手な欲望は彼女の心を傷つけ、人としての尊厳すら踏み躙(にじ)っていく。知らないから仕方ないとは言え、とても悪から世界を救った正義のヒロインに対して吐き出して良い言葉も、平然と振るわれていく。

 

 「はぁっ……はぁっ……はぁっ…………、ひぐっ、ふぁっあっ、ひゃぐぅっっ……」

 

 一向に絶頂する気配を見せない彼女に焦りを抱き始めた男達は段々と狙いも雑になっていき、手早く撃ち切ってとにかく挑戦回数を増やす方針へと変わっていく。

 紙幣を湯水の如く財布から出してはコルク銃を受け取り、正確性を棄てて連続で三発撃ち終える。撃ち終えたら列の最後に回って前の客が景品を掴み取らないように祈りながら、次の順番を待つ。

 

 (もう…………限界ですのぉっ……。いっそ、本当に演技でも絶頂した振りをすれば…………)

 

 その身に撃ち込まれたコルク弾の数は数えきれず、一度解放された所為か肥大化した肉欲が彼女にプライドをも捨て去る選択を脳裏へちらつかせ始める。

 適当に叫ぶような嬌声をあげ、痙攣した演技をしてしまう。そうすればこの催し物は二度目のアナルセックスと共に終わりを迎える筈だろう。

 しかし、それは快楽に屈したと認めているも同義であり、正義のヒロインとしても一人の人間としても剛造の調教に敗北してしまうことになる。そんなこと、許されるわけがない。

 

 (っ、いえ……敗けませんわ。決して、あのような男に敗けるなど…………っ。わたくしは……ダーククライムを打ち倒した正義のヒロイン、……シャインミラージュですのよっ。この程度の快楽に屈伏するわけには…………っっ)

 

 お決まりとも言える文言で自身を激励(げきれい)し、必死に鼓舞する変幻ヒロイン。

 乳肉を、内腿を、腋下を、雛尖(ひなさき)を、桃色突起を、何度も何度もコルク弾で射撃される。その度に歯を食いしばり、湧き上がっては解消されない激感の疼きに耐えてみせる。並みの人間とは思えない精神力は、やはり悪の組織に打ち勝った経験が何よりも強く支えているのだろう。

 だがしかし、それも無敵というわけではない。彼女の意識は自身の内側で昂り続けている肉欲への衝動を抑えることに集中しており、外界からの刺激に対してはほぼほぼノーマーク状態。どれだけ撃ち込まれても絶頂に達せない普通のコルク弾相手ならばそれで拮抗していたのだが、闇のエナジーによって作成された弾を撃ち込まれれば最後。神聖なエナジーによる加護を貫いて凄(すさ)まじい刺激に襲われることとなる。

 そしてその瞬間は唐突に訪れた。

 

 「――~~~~~~~~っっっっ!!」

 

 正面で構えていた男性客の銃口から放たれたコルク弾。それが闇のエナジーで作製されたものであり、勃起している陰核を見事に弾いたのだ。

 それと同時に彼女の中で精神力と快楽との均衡が崩れ、大きく仰け反りながら声にならない悲鳴をあげて潮を吹く。まるで落雷に打たれたかのような衝撃に襲われ、正義のヒロインは呆気なく絶頂へと導かれてしまった。

 

 「よっしゃああぁぁぁぁっっ! やったぞ、俺が当てたんだっ! 今の見てたよなぁっっ!」

 

 「勿論ですとも、おめでとうございます! ささ、こちらへどうぞ」

 

 まさにゲーム終了の数分前、一人の男性客が当たりの弾を引き当ててシャインミラージュを絶頂させた。

 それと同時に激しい落胆の声とブーイングの嵐が湧き上がるが、激しい快楽の波に見舞われた彼女の耳には届かない。闇のエナジーの弾による不意打ち同然のクリトリス射撃は彼女の意識を吹き飛ばし、全身の感覚が失われたような心地にさえなってしまうほど。

 

 「…………おひいぃぃぃぃぃぃっっ!?」

 

 白目を向いて気絶してしまったシャインミラージュの視界は、尻穴へイチモツを挿入された衝撃で嬌声と共に蘇った。気が付けば一人目の時と同様に両手首だけで吊し上げられている状態にあり、排泄孔に侵入する肉棒へ体重の大半が預けられている。

 ギチギチと無意識に陰茎を締め上げる腸壁は、返ってその逞しさと熱を鮮明に感じさせて絶頂直後の彼女の肉体を興奮で昂らせる。

 

 「うおぉぉっっ、何だこれっ! すっげぇ熱くて、柔らかくて、滅茶苦茶締め上げて来やがるっ。こんなチンポケースになる為に生まれてきたような身体、一回だけしか味わえねぇのかよ」

 

 「おっ、おほおぉ゛ぉ゛ぉっ……ケツ穴ぁ、ゴリゴリほじられてぇ……あひいぃぃぃぃっっ!」

 

 「おっぱいもデカくで柔らけぇ。指が簡単に沈んでいくのに、弾力があって揉み心地最高だぜ」

 

 「ひあぁぁっっ、そんなぁ……おっぱひぃぃ、もみくちゃにされると……んおぉぉっっ! 乳首ぃっっ、引っ張らないでぇぇぇっっ!」

 

 「こっちはコリコリした感触で面白ぇなぁ、おい。しかも何だぁ? デカ乳揉まれて更にチンポを締め付けてくるじゃねぇか。生まれついてのマゾ体質だぞ、こいつ」

 

 「おほぉぉっ、ほごおぉぉぉっっ、ケツ穴ピストンっ……らめぇぇっっ! おっぱい揉みながらなんてぇっ、耐えられませんのぉぉっっ、んひいぃぃぃっっ」

 

 魅惑のヒップに腰を打ち付けられる度に弾む二つの肉鞠はやはり注目の的となり、背後から伸びてきた両手で弄ばれる。感触を楽しむように形を歪まされ、桃色突起は指で摘ままれて交互に引っ張られた。ただでさえ触れられるだけでも過敏に感じてしまう乳頭を、加減もせずに刺激されればそれだけでも軽い絶頂を味わわされてしまう。

 

 「これで母乳の一つでも出りゃあ百点満点なんだが、まぁこうして楽しめるだけでもラッキーだよなぁ。おらっ、もっと喘いで俺を興奮させろっ」

 

 「くひいぃぃぃぃっっ! おっぱいぃ、握りつぶされてへぇえぇっっ、こんなっっ……ぃひいぃぃぃっっ! 乱暴なことをされてますのにぃぃっっ、からだっっ……気持ちいいのが止まりませんのおぉぉぉっっ! おほおぉぉぉぉっっっっ!!」

 

 「いいぞ、いい声だ! その調子でよがり狂っちまえっ」

 

 出るはずの無いミルクを搾り出そうとしているかのような手つきで彼女の乳肉を掴み、交互に力を加えながらも排泄孔へ突き入れている肉棒の抽挿はペースを落とさない。

 蜜壺と菊門から漏れ出る分泌液が太股を伝って滴り落ち、砂の大地に染みを作り拡げていく。

 

 「はひいぃぃぃぃぃっっ! こんなチンポぉっっ、何でもないはずですのにいぃぃっ、いひいぃぃぃぃぃっっ! ケツ穴の奥ぅぅっ、ズンズンって突かれると……おほおぉぉぉっっ! 声っ、抑えられませんのぉぉぉっっ」

 

 「抑える必要なんか無ぇんだよ、馬鹿女がっ。俺を楽しませる為だけにただいい声で鳴きゃいいんだよっ、オラッオラッ」

 

 「おごお゛ぉ゛ぉ゛ぉっっ! ケツ穴、抉れてぇぇっっ……ぇぐっっ、削れてしまいますぅ゛ぅ゛ぅっっ!」

 

 男の腰振りが上下だけでなく斜めにも動き始め、側面をゴシゴシを擦られる感覚が全身を駆け巡る。腸壁の肉襞を削ぎ落していくかのような突き込みは、気が狂いそうになるほど気持ち良い。

 

 「この名器、とんでもねぇ逸材だっ! もう射精(だ)してしまいそうだぜぇ」

 

 「うひいぃぃぃぃっっ、らめぇぇっ、らめれふのおぉぉぉっっ! 中に出されたらぁぁっっ、あひぃぃっっ! 戻ってこれなくなりまひゅううぅぅぅぅぅっっ!」

 

 「そのつもりだよマゾオナホがっ、そのままぶっ飛んじまえッッ」

 

 ラストスパートをかけ、段々と速まる男の抽挿。これまでの男達と同様に射精が近い合図である。

 グニグニと乳房を揉みしだきながら身体が浮き上がる程に激しく腰を振り上げ、柔らかいシャインミラージュの尻肉が楕円形に叩き潰されては何度も波打つ。一掻きする毎に結合部の隙間から漏れ出す粘液が糸を引き、繰り返し掻き混ぜられて泡立つ。

 元々乱暴だった男の腰振りが更に乱雑なものになっていき、激しい衝撃が全身を走り抜けていく。

 

 「オラァ、ケツマンコに一発ぶち込むぞぉっっ! しっかり締め上げて一滴たりとも溢すなぁっ」

 

 「らめらめらめぇぇぇっっっっ! ぬいっっ……ぃひいぃぃぃぃっっ、……抜いてくらひゃいいぃぃぃ! いやぁぁっっっ」

 

 「今さら嫌がってんじゃねぇ! いいからザーメン受け止めやがれぇぇぇっっ!」

 

 とにかく力強く腰を打ち付け、射精体勢に入る男。

 そんな彼にシャインミラージュは髪も振り乱して拒絶し、どうにかイチモツが抜けるように藻掻く。これ以上の尻穴射精を受け入れてしまえば人として戻れなくなりそうな、そんな気がしてならなかったのだ。

 しかし現実は非情である。

 

 「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃっっ!」

 

 彼女の抵抗に気づいた男は両乳首を指で押し潰しながら力の限りに引き伸ばし、強制的に彼女から抵抗する力を奪い去る。そしてそのままイチモツを根元まで排泄孔に捩じ込み、燃え滾る欲望を思い切り解き放った。

 

 「――んほおおおぉぉぉっっ!! でてりゅっっ、ケツ穴にザーメンっ、でてまひゅのおぉぉぉっお゛ぉ゛ぉ゛ぉぉっっ!! いひいぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃぃぃっっっっ!」

 

 ビュクビュクと直腸を打ち付けるように吐き出される濃厚な白濁液。この二時間ずっと我慢していたのだろうか、途轍(とてつ)もない熱と粘度を有するそれは固形のようにも感じられ、腸襞の凹凸に隈なく絡みついてくる。

 数秒の射精を終え、男がイチモツを引き抜いた後。少し経ってからドロドロの子種汁が尻穴から漏れ出してきた。

 

 「はひっ……はひっ……はひっ……っ、ひぃぃ…………ひぃぃ……、っっ……、はぁぁ…………」

 

 短くとも激しい行為が終わりを告げ、正義のヒロインはダランと脱力してしまう。闇のエナジーによって浸食されてしまった身体は、早漏一般人二人からの一方的な性行為だけでも疲労困憊となってしまうほどに弱体化していたようだ。

 乱れた呼吸を整えようと大きく肩を上下に揺らしている。そんな姿を最後に、彼女の姿は屋台の暗幕によって隠されて観衆の視界から消されてしまう。

 

 「ちっ、金を大量に使っただけで終わっちまったぜ」

 「見てるだけでも楽しめたが、やっぱり俺もぶち込みてぇなぁ」

 

 そんな彼女を前に景品獲得の機会を得られなかった男達が口々に不満を漏らす。それもそのはずで、十数人の客しかいないこの的屋で二時間近くもの間、千円札をハイペースに支払い続けたのにも拘(かかわ)らず自分達は他の客が性行為をしているところをただ見ているだけで終わってしまったのだ。割に合うはずがない。

 そしてそれを見越していたかのように射的の店主は客へ案内をする。

 

 「残念ですが『射的ゲーム』はこれにて終了となります。また来年のご参加を、心よりお待ちしております」

 

 まだまだブーイングの声は止まないが、それでもまだ来年以降のチャンスに期待を寄せる僅かな人々は不満を飲み込む。

 その一方。屋台の裏側で両手首の拘束を外されたシャインミラージュは、人気の無い雑木林まで運ばれていた。

 

 「正義のヒロイン様ともあろう方が、どうやらもうお疲れの様子だな。だがまだ終わりじゃないぞ」

 

 「はぁ……、はぁ……、はぁ……、……っ、黒田……剛造…………」

 

 チカチカと明滅する彼女の視界に映るのは、この祭りの主催者でもある中年男だった。彼は汗と汚液で汚れた彼女の全身を拭きつつ、変幻装姫としての能力で作られた浴衣を強引に剥ぎ取っていく。

 

 「寧ろお前にとってはこれからが本番のようなものだ。もういい加減に一匹の雌だと理解した方が楽だぞ」

 

 「…………、ふざけた事を……。わたくしは、絶対に……あなたの思い通りになど……なりませんわ」

 

 不敵な笑みを浮かべる剛造が投げかける甘言。それは正義のヒロインとしても、一人の人間としても、手放せるはずもない尊厳が貶(けな)される言葉。到底許せるものではないし、認めるわけにもいかない。

 男の手によって一糸纏(まと)わぬ姿となった頃にはかなり呼吸も落ち着き、意識もはっきりとしてきた。強く鋭い視線で射抜きながらシャインミラージュ――東堂院 紗姫は抵抗の意を示す。

 

 「ふん、俺は忠告したからな。覚悟しておくといい」

 

 そう言って彼が紙袋から物を取り出す。目隠しや首輪とリード、そして見慣れぬ道具が複数。

 その中から最初に男は首輪を手にし、彼女の首へと巻き付けた。力に訴えられる程の体力が回復していない彼女はただ黙ってされるがままに、愛玩動物の象徴とも言えるそれを受け入れざるを得ない。

 

 「やはりよく似合っているぞ。浮気妻も良いが、ペットとしても家に招きたいくらいだな」

 

 「……最低、ですわ…………」

 

 「褒めてやっているというのに、お前はまだ素直にならんようだな。……だが、もしかするとそんな態度でいられるのも今日が最後になるかもしれんがな」

 

 「…………。それはどういう……、きゃっ!?」

 

 意味深な言葉を紡ぐ男に真意を訊(たず)ねようとしたシャインミラージュ。だが、その声は遮られると剛造の手によって四つん這いの姿勢を強要される。そして眼前に突き付けられたのは透明な物体。硝子のような外観ではあるものの、よく見れば少し動かすだけで揺れる柔軟性を有しているようだった。

 

 「こいつは特注のディルドでな、これをお前の女性器に捩(ね)じ込む」

 

 「なっ! そんなことしたら……」

 

 「あぁ、お前のマンコが奥までよく見えるようになるな。だがそれが目的なわけだ」

 

 「お待ちなさいっ、それだけは――ひぐぅぅぅぅっっ!!」

 

 剛造の発想に驚き拒絶する彼女だが、当然聞き入れてもらえるはずも無く。愛液でびしょ濡れの淫裂へ異物がゆっくりと挿入されていき、ミチミチと狭い蜜壺が強引に押し広げられていくのを感じる。

 その透明感でわからなかった事だが、このディルドは太さもかなりの物であった。裂けてしまいそうな痛覚と共に広がる快感は意識せざるを得ず、それを彼女の陰唇は最奥までしっかりと咥えきった。

 

 「はぁぁっ、はぁぁっ、はぁぁっ、はぁぁっ……」

 

 「ほら、これで奥までよく見えるようになったぞ。自分でも確認するといい」

 

 「ひっ、いやぁぁぁ。こんなの、恥ずかしすぎますわぁ……」

 

 両手と両膝で体重を支える姿勢から剛造に抱え上げられ、自身の秘部が視界に映る。綺麗な肉の色が鮮明に目視でき、しっかりと注視すればうねる襞の動きまで判別できてしまう。

 そんな光景を凝視できるわけもなく、すぐに目を逸らして両手で視界を覆う少女。

 

 「このくらいで音を上げていては先が思いやられるぞ。ほら、こんなのも付けてやる」

 

 「これ以上に何を……、ぃぎぃぃっ! 痛いっ、痛いですのおぉっっ」

 

 醜悪な贅肉に背中を預けている体勢のシャインミラージュ。自ら何も見えないようにした直後、右の乳頭から走る激痛に声をあげて思わず確認してしまう。

 すると目に映ったのは小さなベルの付いたリングで、右胸の先端突起を鋭く挟み込んでいる。血が出ていないことからピアスではないのだろうが、それでも万力で締め付けられているような痛覚がジンジンと伝わってくる。

 

 「そら、反対側にも着けてやろう」

 

 「いっ、いりませんわそんなも――ぃぎいいぃぃぃっっ!!」

 

 満足に拒否する暇も無く、左の乳首にも同様のリングが装着されて鋭い痛みが襲った。たぷたぷと乳肉が揺れる度に小さな鈴がチリンチリンと音を立て、視覚だけでなく聴覚でも柔肉の振動を伝えるようになった。

 

 「良い恰好になったじゃないか。とても人前に出られるものではないな」

 

 「はっ……はっ……はっ……、はひっ……ひぃぃ……。……っ、こんな格好……で、何をさせる…………つもりですの?」

 

 「なに、そう難しいことではない。ただ家に帰るだけだ、散歩しながらな」

 

 「…………本当、に……最低…………、ですわね……」

 

 「おっと忘れていた。これも着けてやらねばな」

 

 「っっ!?」

 

 わざとらしい剛造の声と共に、シャインミラージュの視界が暗黒に包まれる。どうやら目隠しをされたらしく、お面の上から何か布のようなものを巻き付けられている感触がした。

 こうして視界を遮られれば、嫌でも先程の自身の秘部が脳裏にチラついて離れない。

 

 「さあ準備は出来た、もう少しすれば祭りが終わるからな。お前の為に人がいなくなってから帰るとしよう」

 

 (恩着せがましい男ですわね……。ここからいなくなっても道路には人がいるでしょうに、こんな丸出しで……なんて……。~~~っっ、考えただけでも恥ずかしくて……っ)

 

 いつの間にか首輪と繋げられたリードを引っ張られ、彼女は抑えきれない羞恥心に悶(もだ)え苦しむ。だが、剛造を待たせれば相応の罰が返って来るのは今までにも経験済みだ。時間をかけて良い事など一つも無い。

 

 「……、~~~~~~っっ!?」

 

 プルプルと震える両脚で立ち上がり、男の後ろを付いて行こうとする全裸のヒロイン。だが唐突に尻肉を思い切り叩かれ、再びその場にへたり込んでしまった。

 

 「いつ立って歩けと言ったんだ? お前は四つん這いで歩け。勿論、マンコがよく見えるように股を開いてな」

 

 「くっ、ぅぅぅ…………」

 

 声はどうにか我慢できたものの、ヒリヒリと痛む臀部(でんぶ)が意識に靄をかける。大したことのない成人男性からの平手打ちだが、全身を走り抜ける痛みは想像以上のダメージ。それは痛いだけでなく、気持ち良さからくる痺れも拍車をかけていた。

 痛覚と快楽に悶える彼女の首が引っ張られ、鈍い身体を動かして男に付いて行く。

 

 ***

 

 祭りは終わり、日付が変わる頃。手早く屋台のテントも片付けられ、会場には誰一人として残ってはいなかった。

 誰もいなくなった広場を剛造の前で先導するように、全裸姿に淫らな装飾品で飾られた痴女ヒロインが手と脚で歩き行く。腕や脚を動かす度に全身が小さく揺れ、その振動で敏感な先端突起に装着されたベルがチリンチリンと音色を奏でる。

 真夜中とは言え夏日であるため、服が無くとも肌寒さは感じない。寧ろ自身の容姿を知っているが故に覚える羞恥心で全身は火照り、まるで昼間と変わらない体感温度。

 

 「しかし道路へ出るまでは暇だな。客が残っている内に散歩を始めれば良かったかもしれんな」

 

 「…………」

 

 「だがそうすると折角射的で景品を獲得できた奴が損になる。もしもそれが理由で来年のカモが減ることにでも繋がれば、俺としても本意ではないからな」

 

 「…………」

 

 「少しは何か喋ったらどうだ? お前が無反応だと俺がつまらんのだ」

 

 「……それなら、こんな事はもう止めにすればよいでしょう。早くわたくしを解放しなさい」

 

 「ふん。ちょっとは従順になったかと思えばすぐ反抗的になる。ダーククライムと戦っていた時もそうだったが、よくもあれだけ無様な姿を晒しておいて強気でいられるものだな」

 

 「当然ですわ。わたくしは決して、あなた達のような悪には負けませんもの。いずれあなたに正義の罰を下しますわ」

 

 「大層な理想を抱くのは結構だが、もう少し現実を理解した方が良いぞ。正体を知られ、弱体化までされたお前が俺の支配から逃れることなど絶対に不可能だ。まさか未だにそんな事も理解出来ていないわけではあるまい」

 

 「…………」

 (いつか隙を見せるまで、わたくしは耐えればよいのですわ。耐えていれば、きっとあの時のように逆転するチャンスが掴めるはずですの)

 

 彼女はダーククライムや黒田親子から受けていた調教の日々を想起しつつ、最終的にはその地獄を脱した自分自身の姿に一縷の希望を見出していた。

 そう、諦めずに抗い続けた末に悪の組織を打破することが出来たのだ。一寸先も見えない闇の中、彼女は――変幻装姫シャインミラージュは挫けそうな心を奮い立たせて勝利をもぎ取った。たとえ今現在の自分に対抗する術が無くとも、心で敗けなければ未来のどこかで希望がある。そう信じているのだ。

 

 「誰も観客がいないのは寂しいが、退屈しのぎにはなるだろうな。少し止まれ、ここらで夕食を取らせてやろう」

 

 (……どうせ真面な物ではないのでしょう。何を出されても、取り敢えず食べれば良いだけですわ)

 

 命令通りに歩みを止めると、背後にいた男の気配が近づき目隠しとお面を外した。恐らくは何かを見せ、その上で自ら食べさせる選択を取らせる算段なのだろう。そしてその何かは、シャインミラージュが拒みそうな物で且つ尊厳を踏み躙るような物。

 そう推察していた彼女の前に置かれた物はペット用の餌(えさ)皿。

 

 「ペットらしくドッグフードでも喰わせたいところだが、お前はあくまでも俺の浮気妻だからな」

 

 そう言って餌皿に入れたのは調理済みの素麺(そうめん)だった。茹でてから大分時間が経っているのだろう、カチカチで食べやすそうな外観ではないもののまだ食すのに抵抗は無い。だが、彼がこの程度で済ませるはずも無いのは火を見るよりも明らかである。

 

 (……っっ! やはり、そうしますわよね)

 

 彼が次に取り出したのは水筒であり、徐に中身を干からびた素麺に流しかけていく。

 生臭い白濁色の粘液が、ドロリドロリと同じ白色を穢してゆく光景はグロテスクと言っても差し支えないだろう。彼女の鼻孔を襲うその臭いは何度も嗅いだことのある不快な体液。

 餌皿から溢れそうな程に大量の粘液を投入し終えると彼は菜箸のような物でグチャグチャと掻き混ぜ、彼女の前に差し出す。

 

 「さあ、遠慮せずに食べると良い。……当然だが手を使うことは許さんからな」

 

 「…………」

 

 とてもではないが食欲の起きるものではない。が、もたもたしていればどのような手段を用いてでも強引に食べさせようとしてくる事だけは間違いない。それならばいっそのこと、自分のペースでこの辱めを終わらせる方が何百倍とマシである。

 シャインミラージュはゆっくりと悍(おぞ)ましい物体に顔を近づけ、少しずつ口内に運んでいく。

 

 「じゅるうぅぅっ、ぐぶっ……じゅずずずっっ。ぉぇっ……んぐっ、ぢゅぞぞぞぞっっ」

 

 「おお、随分と美味そうに食べるじゃないか。変態ヒロイン様にとっては御馳走だろう」

 

 「ぐむっ、ぁぐ……あぐ……、ぐじゅるるるっ……。こんな……もの、……美味しいわけがないでしょう……じゅずずっ」

 

 「まぁそうだろうな、それは本物のザーメンではない。ダーククライムの拠点にあった人口精液というもので、以前お前の下着を漬けていた物の残り汁だ。ほんのりお前自身の匂いもするんじゃないか?」

 

 「……そんなの、わかるはず……ないでしょう。ただの、汚らわしい……液体ですわ……」

 

 妙に生温かい疑似子種汁が口粘膜の隅々を汚染し、外からだけでなく喉の方からも立ち上る雄の臭いに頭がくらくらする感覚に襲われる。吐き出したい気持ちはあるが、不思議と吐き気は感じられずにそのまま飲み込めてしまう。それはまるで――、

 

 (まるでわたくしが、こんな物を欲しているかのようで……。いえ、そんなはずがありませんわ!)

 

 そう思いかけた自分自身を否定し、我武者羅(がむしゃら)に餌皿の中身を減らしていくシャインミラージュ。既に顔の下半分は白濁汁によって汚れ、整った顔立ちを台無しにしていた。それも自らの意思で行われたことだと考えれば滑稽(こっけい)極まりない。

 

 「ぐじゅっ、じゅるるるっっ、じゅぞぞぞぞっっ……」

 

 「ほう……思いの外、熱心に食べ進めているようだな。だが飲み物がそろそろ欲しい頃合いだろう? しっかりと用意してあるからな、今飲ませてやろう」

 

 餌皿の底が見え始めた時、剛造はそう言って袋から何かを取り出すと彼女に見せる。それはラムネであり、昔ながらのビー玉で栓がされてある瓶タイプのものだった。しかし気になるのはビー玉が透明ではなく、僅かに黒ずんでいるところ。

 

 「…………そんなもの、いりませんわ。早く仕舞いなさいっ」

 

 明らかに普通ではない気配を察知したシャインミラージュが焦った口調で命ずる。しかし、彼女に命令できる権限も無ければ拒否権さえ最初から存在しない。不敵な笑みを浮かべて中年男が栓を抜いたかと思った次の瞬間、容赦なく彼女の肛門へ突き入れた。

 

 「――んほおぉぉぉぉっっ!?」

 

 シュワシュワとした炭酸の刺激が腸壁に染みわたり、言い様の無い快感が全身を駆け巡った。

 その衝撃で仰け反る身体が無理矢理に抑えつけられて、排泄孔へと突き入れられた瓶が傾けられる。

 

 (ケツマンコぉぉっっ! 痛くて苦しいぃっ、ですのに……ぃひいぃぃっっ!)

 

 コポコポと音を立てながら流し込まれる液体は奥へ奥へと侵入し、肉襞を満遍なく刺すように刺激して回る。それは明らかな苦痛であり、彼女は精液で盛り付けられた餌皿へ顔面を押し付けながら悶えている。

 だがそんな行為の中でも彼女の身体は快楽を見出しており、痛みや苦しみと混じって伝わる別の熱を確かに感じ取っていた。

 

 「こうすれば飯を食いながらでも飲み物を飲めるぞ。ほら、さっさと完食したらどうなんだ」

 

 「無理ぃぃっっ、そんなのっ無理、ですのおぉぉっっっっ! お尻がぁっ、燃えるように熱くてぇぇっっ! ひぐうぅぅぅ、耐えられなひいぃぃぃっっ」

 

 「まったく、根性の無い奴だ。ほら、もうラムネは空になっているぞ」

 

 そう言って、剛造は尻を突き上げた姿勢のまま動けないでいるシャインミラージュの尻穴から瓶を引き抜いて彼女に見せつける。彼の言うように僅か十数秒の内に瓶の中身は空っぽになっており、強い炭酸飲料は全て変幻ヒロインの腸内に流し込まれたのだ。しかし瓶の中にはビー玉が入っているはずなのだが、男が手にしている瓶にはそれらしい物が見当たらない。

 尤も、苦痛と快楽に喘ぐ彼女には気づけるはずも無いことだった。

 

 (うぅ、お腹の中……シュワシュワしたラムネがいっぱいでぇ、……く、苦しいですのぉ)

 

 一刻も早く腸内を満たす液体を排出したい衝動に駆られる彼女。だが、人としての尊厳を守るためにはそのような事をこんな場所で出来るはずもない。

 未知の刺激に暫く耐え忍び、ある程度まで感覚に慣れたところでシャインミラージュは再び穢(けが)れた餌を口に運んでいく。

 

 「じゅずずっ、ぐぢゅぢゅっ……んぐっ、ぷぁぁっっ。……はぁ、……はぁ、……終わり、ましたわ」

 

 残り少ない餌を一気に頬張(ほおば)って片付け、彼女は空になった皿を男に見せつける。多少無理して嚥下(えんげ)したからか小さく曖気を吐き出し、その生臭さが鼻孔を突き抜けた。

 

 「よしよし。腹ごしらえも済んだなら、さっさと出るぞ」

 

 彼女が精液素麺を完食した様子を確認し、中年男はそう言って彼女へ再びお面と目隠しを装着する。生臭い疑似白濁汁で汚れた美顔を拭いてもらうことは当然無く、狭い空間の中で不快ながらも性的興奮を催す臭いが充満した。

 

 (顔を見られないのは好都合、ですが……。ぅぅ、この臭いを嗅いでいると身体が疼いて、熱くなって……)

 

 呼吸の度に肺を満たす子種臭は嗅ぐだけで身体の芯から熱を生じさせ、肉棒を求める雌の本能が呼び覚まされる。胸中に湧き上がる不快感とは別で、ムラムラする欲望もまた確かに抱き始めている。

 出来る事ならば自慰行為ででもその欲望を解消したいところだが、人通りの少ない時間帯とは言え誰が歩いて来るかも分からない往来では彼女のプライドが許さない。それに背後の男が待ってくれるはずもないのだからそもそも不可能な話。

 欲求不満になりつつも男から急かされる前に彼女はゆっくりと歩み始めた。

 

 

 祭りの会場を後にして恥辱の散歩を始めたシャインミラージュと、そんな彼女を率いる中年男。

 まだ十数分しか経過していないのだが、既に彼女の歩みはかなり鈍くなっていた。その理由はやはり肛門から流し入れられた炭酸飲料であり、歩く度にその振動で鋭い刺激が腸内でシェイクされる感覚は慣れることの無い苦痛。

 更に言えばその液体が漏れ出てしまわないように括約筋へ意識を集中させている為、手足を動かそうとする方へ割り振れる意識のリソースが劇的に削減されているのだ。そんな状態でまともに歩けるはずもない。

 

 「どうした、進む脚が遅いぞ。そんな様子では日が昇ってしまうではないか」

 

 「う、うるさいですわ……。わかって、いますから……、静かにしていなさい……っ」

 

 「分かっているならさっさと歩いたらどうなんだ? 早く家に帰らなければ、その分だけお前の浅ましい姿を行き交う人々に見られるんだからな」

 

 「くっ、ぅぅ…………」

 

 まさに牛歩と形容するのが相応しい程のゆったりとしたペース。祭りの会場に向かう時よりも倍以上の時間をかけて集合場所にまでは戻って来られたが、現在位置から彼女の家まではシャインミラージュの全速力で十分近くはかかる距離。今の状態では何時間かけることになるのか見当も付かない。

 

 「全く、強情な奴だ。ほら、俺も協力してやるから腹の中身を出してしまえ。そうすればもう少しは速く歩けるだろう」

 

 「っっ! お、おやめなさいっっ! こんな場所でそのようなっ――ひぐうぅっっ!」

 

 剛造の提案に意義を唱えようとした口は、臀部から走る痛みで遮られてしまった。中年男の頑丈な革靴が彼女の柔らかい尻肉を蹴り上げ、歩く振動とは別の衝撃で炭酸飲料を揺らされる。

 

 「早く出してしまった方がお前の為だろう。さっさとここでぶち撒けてしまえ」

 

 「くひぃぃっっ、やっ、やめっっ、んひぃっいぃぃぃっっ! お尻っ、蹴られてはぁっ、はぐぅぅっっ! もっ、漏れてしまいますのおぉっっ」

 

 「だから漏らせと言っているだろうが、物分かりの悪いペットだな。ほらっ、ほらっ」

 

 「らめっっ、絶対にひいぃぃぃっっ! 出来ませんわっ、そんなことぉぉっっ」

 

 過去にダーククライムから受けた調教がフラッシュバックされ、嫌な快感と共に全身が火照り始める。彼らからの調教の痕跡は消えているものの、このような状況下で強要された排泄の快楽は記憶に残っている。もしあの解放感を味わってしまえば、またあの頃の自分に逆戻りしてしまうことになるだろう。

 

 (耐えるっっ、ここは絶対に……耐えませんとぉぉっっ!)

 

 そんな彼女の根性からか、排泄孔から注入された物が溢れ出そうな気配は一向にしない。どれだけ尻肉を蹴られようとも腸内を刺激する液体は狭い体内に留まり続けている。

 だがそれはこの苦痛快楽地獄に終わりがないことを意味していた。この地獄から解放されたければどこかで排泄する他無く、途中でトイレ休憩でも入れて貰えればそれは叶うだろう。しかしそのような甘えを背後の男が許すはずもないのだから、結局はゴールするまで続くということ。彼女の歩みを妨げる障害を撤廃させるにはゴールをするしかないのだ。

 

 「いつまで意地を張るつもりだ。…………歩けないくらいなら、さっさと楽になれ」

 

 剛造に指摘されて彼女はハッと気づく。その激感を堪えるがあまり、歩く手足に全く力が入っていなかった。頭の中ではしっかりと前に進んでいるつもりだったが、その実両手足はまるで動かせていない。

 それに気付いて歩みを進めようと手足を前に動かす、がしかし。数歩進んだところで無意識的に止まってしまう。

 

 (そんなぁっ、お腹を意識すると手足が動かないぃ。早くっ終わらせないといけませんのにっ、いひいぃぃっっ)

 

 歩みが止まっている事に気が付いては数歩進み、また止まる。そして暫く腹部の感覚を耐えた後に歩みを再開し、気が付けば止まってしまう。脂汗が滲み出し、このままでは終わらないことを改めて認識したシャインミラージュ。

 

 (もう、無理ですわっっ。これならば、いっそ……誰も見ていない内に、出してしまえばっ……)

 

 現状のまま続けていては、人々に見られ得る時間帯で決壊してしまう恐れがある上に我慢した分だけ解放された快感も強まってしまう。そうなっては最後、本当に取り返しのつかないところまで堕ちてしまいかねない。であれば、まだ深夜の人通りが少ない時間帯に排出してしまった方がダメージは少なく済むだろう。

 我慢の限界が来るよりも早く、苦渋の決断を迫られた変幻ヒロインはその場に留まって括約筋に意識を向ける。羞恥極まりないことだが、より最悪の事態を避ける為には仕方の無いことだった。

 

 「ふっ、うぅぅぅっっ…………」

 

 憎き男の前ではあるが、シャインミラージュは力んで今尚も自身を責め立てている液体を排出しようとした。

 だが、ここで彼女にも気づくことが出来た。――何かが肛門付近で栓をしていることに。

 

 (どうしてっ!? 何かがっ、詰まっててっ……)

 

 「そんなに震えてどうしたんだ? ここでぶち撒けたいんだろう、早く出すといい」

 

 嘲笑しているような声色で言い放つ剛造の声。真面目に聞き入れる余裕は無いが、それでも自然と耳に入ってくる。

 そこで彼女はふと男が見せてきたラムネの瓶を思い出した。そこには本来ならばあるはずの物が無かったように思え、それが何だったかを逡巡(しゅんじゅん)した後に理解する。

 

 (ま、さかっ……。あのビー玉が、わたくしの……お尻、に……? でも、それだけで…………)

 

 しかしよくよく考えてみればあの小さな球形が入っているからといって、排出しようとしている腸内の蠕動(ぜんどう)から完全に液体を塞ぐことは出来ないだろう。ただし、それが普通のビー玉であれば、だが。

 

 「もうそろそろ気づいただろう? 自分のケツ穴に何を入れられたのかをな」

 

 「くっ、ぅうぅぅっ……。あの……ビー玉、が……何か…………」

 

 「ほう、よく見ていたじゃないか……その通りだ。あれは特別性の道具でな、お前の肛門で栓をしている。取って欲しければ俺がその気になるよう、お得意の"おねだり"をして貰おうか」

 

 「そ、んなぁ……ひぐうぅぅっっ! あっ、あぁぁっっ…………っ」

 (この男にそんな事、懇願できるわけが……っ。あぁっ、でも……お腹が、グルグルして……苦し過ぎますのぉ)

 

 このような下賤な中年男に媚び諂って路上で排泄行為を晒すなど、彼女のプライドが許せるはずも無い。が、しかし腹部の違和感は既に限界を迎えており抑えられない欲求が渦巻いては出口を求めていた。

 理性と欲望。尊厳と解放。相反する感情によって生まれる葛藤は、着実に彼女の精神を蝕んでいく。――はずだった。

 

 (っっ……、いえ。寧ろこれはチャンスですわ……、要はこの苦痛に耐え続ければいいだけの話)

 

 この状況下で彼女は先程までと真逆の発想に辿り着いていた。確かに耐え難い羞恥的な欲望に苦しめられているものの、これに慣れてしまいさえすれば少なくとも漏れる心配は無い。どれだけ排泄したくともそれを妙な異物が堰(せ)き止めてくれている。ならば後は自分自身の忍耐力次第であり、精神が折れなければ辱めを回避しつつ尊厳も守られるのだ。

 そう考えた彼女の意思は固く、剛造の言葉を無視してゆっくりと歩き出す。

 その振動で腸内を揺れ動く炭酸飲料が齎す強烈な刺激はやはり耐え難いものではあるが、自ら奮い立たせた強靭な精神で湧き上がる弱気を力強く踏みつけていく。

 

 「ふっ、ぅっ…………ひぅっ……、はぁっ…………はぁっ…………ぁぁっ……」

 

 「何だ? ここで漏らしてしまわないのか? 後で要らん恥をかいてしまう前に、ここで楽になってしまった方が身の為じゃないのか」

 

 「ひぐっ…………ぅぅ……。余計な…………お世話、ですわ……っっ。この、程度の……苦痛に耐えられなくて……、正義は守れませんの…………おひぃっっ!」

 

 「弱気になったかと思えば意地を張って、強がったかと思えば簡単に屈して。お前は本当によく分からん奴だ」

 

 自身の思い通りにならなかった事が癪に障ったのか、男はつまらなそうな表情でシャインミラージュの尻肉を引っ叩いた。閑静な夜道に甲高い破裂音が響き、同時に艶めかしい嬌声が奏でられる。

 

 「だが、くくくっ。そう言う事ならもう少し楽しませて貰うだけだ、精々抗ってみせることだな」

 

 ――どうせそう長くは持たないだろう。

 そう高を括る剛造は不敵な笑みを浮かべ、これから彼女が晒すであろう痴態を想像して気持ちは昂っていた。

 

 

 

 草木も寝静まる夜の道路。僅かな風に揺れる樹々の音に混ざる、小さく甲高い鈴の音色。その発生源である黄金色のベルは、釣鐘状に垂れ下がっている豊満な乳鞠の先端。お面で覆い隠している顔面以外は全てを曝(さら)け出している四つん這いの女性が歩を進める度、それらはチリンチリンと微かな音色を奏でていた。

 

 「はぁ…………はぁっ…………、ふぅっっ……ぅぅ…………、はぁっ……はぁっ……っ」

 

 シャインミラージュが肛門からラムネを注入されて散歩を再開してから既に二時間以上が経過し、漸く大通りの方まで戻って来ることが出来た。かなり長い時間をかけて淫らな散歩を続けているが、しかし意外にもあれから彼女はここへ至るまでで一度も歩を止めた事は無かった。

 その大きな要因としては、奇しくも肛門付近で留まっているビー玉にあった。それが腸内の炭酸飲料を完璧に堰き止めていると知ってから、意識の全てを歩く事だけに集中させることが出来たのだ。更に言えば長い時間が経過していく中で、腸壁を刺激するラムネの感覚にも慣れていったことも大きかった。

 

 「…………」

 

 時間も時間であり彼女の痴態を見る者は剛造唯一人で、彼女の羞恥心を煽るという目的を果たせていない。ただの深夜徘徊(はいかい)をしているだけの事態。

 これには剛造も完全に興を削がれ、退屈の一言に尽きていた。当然、ここまでで何度も彼女の臀部を叩いたり蹴ったりして妨害を加えてきたが、それでも変幻ヒロインの意思は強く折れる気配すら見せなかった。

 決して表に出さないものの内心では僅かながら焦燥が芽生え始める。そんな時――、

 

 「…………でさぁ、それがマジ笑えてよぉ」

 「うっそだろ。そんな事あるかよ」

 

 視界の端に映ったコンビニから出て来る賑やかな連中。遠目から見て分かる情報量には限りがあるが、言葉遣いや声のトーンからして高校生から大学生くらいの青年が数人。更に頭髪の色や服装、何よりこんな時間帯に出歩いている事からして彼の息子と同類である、不良の分類。

 ちょうどいい観客が出来た、と彼は安堵しつつ内心でほくそ笑む。

 

 「おい、少し止まれ」

 

 「はぁっ……、はぁっ……、…………? な、なんですの…………?」

 

 停止の命令を下されて立ち止まるシャインミラージュ。彼女にも青年たちの声は聞こえているだろうが、それとこの命令の意図を結び付けられていなかった。

 お面の下で困惑する彼女へ剛造は口を開く。

 

 「お前のデカ尻を見せびらかされて、そろそろ俺の我慢も限界なんだ。ここで一発抜け」

 

 「っ!? こ、こんな場所でですの? せめて誰もいないところへ――きゃあっ」

 

 「誰が誰に指図しているつもりだ? お前に拒否権など最初から与えていないだろうが」

 

 そう言って彼は手早くイチモツを取り出すと、首輪を引いて彼女の顔を自分の方に向けさせる。首の締まる感覚から本能的に引っ張られる方へと向き直るシャインミラージュ。

 そして彼女のお面を後頭部の方に回し、長く美しい髪を掴み上げた。

 

 「くっ……。わ、分かりましたわ。…………はぁっ、ぁっ…………ぁぁむ」

 

 下手に抗って騒ぎになることを恐れてか、変幻ヒロインは抵抗する事を諦めて彼の命令に従う。四つん這いの姿勢から膝立ちをすると、見えない視界の中で両腕だけを頼りに剛造の肉棒を探し出す。そして大きく口を開けて、雄々しく屹立(きつりつ)している男根を深くまで咥え込んだ。

 なるべく全身が揺れないように気を付けるが、僅かな振動でも両胸の先端に取り付けられた鈴が小さな音を響かせる。その音で遠くから気配を感じる人たちにバレないよう祈りつつ、口腔での奉仕を始めた。

 

 「んっ、じゅるっ……れるれろ…………。ふぅっ、んむっ……ちゅるっ…………ぐぷっ、ぢゅぷっ」

 

 出来る限り音を立てまいと、緩やかな動きで大きく扱き上げるシャインミラージュの唇。歯が当たらないよう細心の注意を払いつつ喉奥まで受け入れ、頬を窄(すぼ)ませながら引き抜いて肉棒へ唾液を塗り込む。心の底から不本意なことではあるが、とにかくこの行為を一刻でも早く終わらせたい彼女は中年男に叩き込まれたイチモツの扱い方を思い出して実行する。

 少しずつ近づいている気配を感じる複数の足音と話し声。車道を挟んだ向こう側に彼らはいるのだが、自分達の会話に熱中しているらしく、今のところ気づかれている様子は無い。

 

 (早くっ、早く終わらせませんと……っ。こんな姿、誰にも見られるわけには…………)

 

 だが、いつ気づかれても可笑(おか)しくはない状況であることに変わりは無い。慢心できるような要素は一つも無く、今すぐにでもこの恥辱を終わりにしなければリスクが高まり続ける一方である。

 大きく動き過ぎると腹部の刺激が強まってしまう為、なるべく首から上だけを動かす様に心掛ける彼女。更に空いている左手で男の陰嚢を優しく揉みしだき、あまり激しく動かせない顔の代わりに右手が涎で汚れる男根を扱く。手首のスナップだけで擦ってはいるが、どうしてもその揺れは腕を通して胸に伝わり鈴が鳴る。

 

 「じゅずっ……じゅるっ……、ちゅぷっ、ぐぢゅぅっっ…………。じゅっぷ、ぢゅずずっ…………」

 

 そしてイチモツを刺激する際にどうしても立ててしまう淫靡な啜(すす)り音。夜間に聞こえるはずのない異質なそれらの音は最小限に抑えていて、そしてかなりの距離がある為に今はまだ聞こえていない状態。これがもし聞こえ得る範囲内にまで彼らが近づいて来れば、流石に誤魔化しようもない。

 だからこそ手早く剛造の欲望を処理しようと全力を尽くす変幻ヒロイン。少しずつ大きくなっている足音と笑い声は彼女に焦りを与えてしまうのに充分な要因となっていた。

 

 「くちゅっ……ぢゅぷっ、じゅずずっ…………じゅりゅっ……。んぐっ、ぷぁぁっ…………はぁ、はぁ、…………は、早くぅ……れろれろっ、ちゅっ……ぐぷぷぷっ」

 

 頬を紅潮させながら懸命にイチモツへ熱心な奉仕を行う彼女。その本心は一刻も早く男を射精に導いて安全な場所に隠れる事にあるが、傍(はた)から見れば彼女の行動は野外にも拘らず自ら雄の汁を求めている雌のようにしか映らない。どう見ても痴女――いや変質者のそれでしかないのだ。

 

 「じゅりゅりゅっ――んぐっっ!? お゛っ、ごぼぉっ」

 

 いち早く男を絶頂に導かんと勢いよく肉棒を咥え込んだその瞬間、力加減を誤ってしまったのか誤嚥(ごえん)して嘔吐(えず)く女性の声が響いた。そしてその声は若者たちの耳にも届いてしまったらしい。

 

 「…………ん? っ、おいっ。アレ見ろよ」

 

 談笑を中断して一人の青年が剛造たちの方を指さし、それにつられて他の青年たちも彼女の口淫奉仕を目撃した。否、正確にはガードレールで頭は見えない為、それ以外の容姿を認識したと言うべきだろう。

 少ない街灯で仄かに照らされている彼女はどう見ても服を着用しておらず、それでいて男の腰あたりに顔があるであろう姿勢を取っている。性に多感な青年たちには彼女が何をしているのか理解するのに、それだけで充分だった。

 より近くで鑑賞しようと足早に近づく彼らの気配。シャインミラージュの心臓が跳ね上がる。

 

 「んぐぅっっ!? んむっ、んうぅぅぅっっ!」

 

 「いいから続けろ」

 

 咄嗟(とっさ)に口を離そうとした彼女は、しかし側頭部を中年男にがっしりと掴まれて引き戻された。そして低く唸(うな)るような声で命令され、死にたい程の羞恥を覚えながらも口腔奉仕を続行するしかなかった。

 やがて青年たちは剛造の背後、凡そ五メートルくらいの位置に移動して彼女の行為をまじまじと見ていた。

 

 「うわ、おっぱいでけぇ。しかも何か着けてる、…………ベル?」

 「すっげぇエロいな、おっさん羨ましい」

 「こんな所でチンポ咥えてるとか、マジのビッチだぜ」

 

 彼らの手にはスマホが構えられており、そのレンズはしっかりと全裸の女性へと向けられている。そんな彼らに振り向き、剛造は鋭い目つきで釘をさす。

 

 「おい餓鬼ども、これは俺の所有物で商品だからな。見るのは自由だが、撮ることも触ることも許可しない」

 

 「わ、分かったよ」

 「明日のヌキネタに使わせて貰うだけですって」

 「ちぇっ。ずりぃな……」

 

 「分かっているならそれで良い。……まぁ、コイツに触らなければシコるのは自由だがな」

 

 彼の威圧に気圧(けお)される者、笑って誤魔化す者、高圧的な物言いに不服そうな者。

 反応は様々だが股座(またぐら)に顔を埋めさせられている少女の容貌から、剛造のことを暴力団か何かだと勘違いしているようで彼の命令には従うらしい。

 そんな若者たちの反応に対して特に気にするでもなく、彼は自身の足下で肉竿を咥える少女の方へと向き直る。

 

 「ほら、さっきまでのやる気はどうした。観客が来たくらいで怯むな」

 

 「ぐぶうぅぅっっ! ぢゅりゅりゅっ、じゅずっ……じゅるるるっっ」

 

 頭を鷲掴みにされ、乱暴にイチモツを喉奥まで捩じ込んでくる。このままでは窒息してしまう、と彼女は自ら激しく首を振り始めて肉棒への奉仕を再開した。カリ首で掻き回されて口の端から泡立つ唾液が溢れ出し、顎を伝ってボタボタと地面に染みを作り上げていく。

 そして首の動きに合わせて上体を激しく揺らしているため、重力で垂れさがるGカップ爆乳が悩ましく揺れながら取り付けられた鈴がチリンチリンと旋律を奏でる。

 

 「いいぞ、その調子だ」

 

 「んぐっ、じゅぞぞぞっ……ぢゅるっ……、じゅぷぷぷっっ……。ぐちゅっ、ぐっちゅ……んっ、ぶはぁぁっっ……はぁっ……はぁっ……、ぁぐっっ! ぐぷっ、ぢゅずずずっっ……」

 

 顔も知らない一般人に見られながら、というこの状況にシャインミラージュの羞恥は極限まで高まり、どうしようもない興奮を煮え滾らせていた。その熱は秘部を疼かせて、溢れんばかりの愛液を透明なディルドから滴らせている。

 アングル的に見下ろしている剛造からは視認できないが、遠目から視姦している青年たちの視界にはばっちりと淫らな水溜まりが捉えられていた。

 

 「うわぁ、めっちゃシコい」

 「俺もチンポ咥えさせてぇ……。クソっ」

 「どうせ尻は空いてるんだろ、使わせろよ……」

 

 その光景をただ見学しているだけで、惨(みじ)めに自慰するしかない青年たちのフラストレーションは高まっていく一方。だが、そんな事は剛造からすれば知った事では無い。仮に手を出そうものなら持てる権力を活用して社会的に捻(ひね)り潰すだけである。

 

 「もう少しだ。ほら、本気を出せ」

 

 「ふぐぅぅぅっっ! ぐぽっ、じゅぷっ、じゅぽっじゅぽっ、ぐぢゅっ……じゅずずずずずっっ」

 

 パシパシと頭を叩かれ、悔しさと怒りを覚えながらも彼女はより激しく首を動かしてイチモツを扱く。

 太く逞しい肉の杭を口一杯に頬張り、強い雄の臭いを肺一杯に吸い込み、醜い下腹部の贅肉(ぜいにく)へ額を力一杯ぶつけながら、ラストスパートをかけてフェラチオに取り組む。何度も敏感な喉奥を突き込まれて先程食べさせられた素麺が逆流しそうになるが、なんとか強烈な吐き気を抑えて一心不乱に肉棒を口粘膜で擦り上げた。

 

 「じゅぞぞぞっ、んぐっ……ぐぢゅっじゅずっっ、ぢゅりゅりゅりゅっ。ぢゅぷっちゅぷっ、じゅろろっ」

 

 「素晴らしい口マンコだ、褒美をくれてやる。射精(だ)すぞ、口を開けろ」

 

 そう言うと剛造は思い切り彼女の頭を遠ざけ、強く吸い付こうとする唇から勢いよく肉棒を引き抜く。そして両手で彼女の頭を固定したまま白濁汁をぶち撒けた。

 鼻に、額に、唇に――。目隠しされている整った顔を目掛けて生臭い粘液を打ち付ける。

 その時間は数秒程の出来事だったが、シャインミラージュの顔はドロッとした精液によって白く汚されてしまった。

 

 「はぁっ…………はぁっ…………はぁっ…………、んっ……れろっ」

 

 だらしなく開いた口から垂れる舌に射精したばかりの亀頭を乗せられ、尿道に残った僅かな子種汁がぴゅっぴゅっと吐き出される。だが、今日はそれで終わらなかったのだ。

 

 「っっ!? ひゃっ――んぐぅぅっっ! んぶっっ、おごおぉぉっっ」

 

 再び捩じ込まれる雄竿。そしてその直後、彼女の喉を鈴口から吐き出される液体が打ち付けていく。

 精液よりも抵抗無く流れ込み、精液とは異なった悪臭を放つそれは小便以外に無かった。中年男の排泄液を無理矢理飲まされながらも、その圧倒的な背徳感と屈伏感に身体の奥から言い様の無い情欲が湧き上がる。

 彼女の口内から聞こえるジョボジョボという音は、ただそれだけで彼女が何をされているのか充分に理解させた。

 

 「うわっ、おっさんのションベン飲まされてる」

 「汚ぇ。……しかも悦んでるわ」

 「流石にこれは引くわ。マジの肉便器じゃん」

 

 その様子を見ていた青年たちは明らかな不快感を露わにしており、彼らの胸中に嫌悪の色が混じり出す。侮蔑(ぶべつ)的な視線は痛い程にシャインミラージュへと向けられているが、視界を封じられている上に被虐的な快感で蕩かされている彼女には察知する術が無かった。

 

 「ふぅ……、すっきりした。だがこれではペットと言うよりも便器に近いな」

 

 一頻(ひとしき)りの排尿を終えて漸く口腔を解放された変態ヒロイン。荒く呼吸を繰り返す度に精液と小水の悪臭が鼻孔を刺激し、その臭いだけでも軽く絶頂を覚えてしまう程。

 

 「熱心にフェラ奉仕をしてくれてご苦労なことだが、まだまだ収まりそうにない。今度はそのデカ乳を使って奉仕しろ」

 

 「……はぁっ、……はぁっ、……はぁっ、……。わ、分かり……ましたわ…………っ」

 

 一連の凌辱で心身ともに疲弊しきっているシャインミラージュだが、まだ休息の時は与えられない。姿が見えない状況下ながらも眼前にいるはずの剛造が地面に腰を下ろしていくのを手で確認し、彼の股座を自身の豊満なバストで覆い隠す。

 

 「はぁ……はぁ……っ、……れろぉぉ……んっ、ぅぅっ……」

 

 仰向けに寝転がる中年男の下腹部へと双丘を押し付け、手探りで握り締めたイチモツを強く挟み込む。火照(ほて)る肌すら溶かしてしまいそうな熱を谷間から感じ、彼女は更に感情が昂るのを嫌でも自覚してしまう。

 慣れた所作で男根を挟む肉の隙間へ唾液を垂らし、滑りを良くしてから逞しく屹立しているそれへゆっくりと肌を擦り合わせていく。そうすると先端突起に装着された金色が揺れ、軽やかな音色が夜の静寂を打ち消して旋律を奏でる。

 

 (こんな、ただおっぱいで擦っているだけなのに……段々と変な気持ちに、なって……。一般の方々に見られているから、ですの…………?)

 

 過去にも幾度となく要求されてきたその行為。だが、それは殆どが他人の視線が無い空間でのこと。今の彼女は事情も知らない一般人の前でこのような痴態を繰り広げており、更に言えば視界も封じられている為に彼らがどのような表情をしているのかさえも知りようが無い。知りようの無い事はどうしても想像が働いてしまう。

 ――蔑(さげす)むような視線なのか。欲情した視線なのか。それとも全くの無関心なのか。

 実際がどうであれ、彼女の思考は自らを被虐的な快感が湧き上がる方へと無意識的に進んで行ってしまうのだ。

 

 「すげぇ柔らかそうだな」

 「両手が沈み込んでやがるぜ」

 「なんか、ベルの音もエロく感じてくるな」

 

 「んちゅっ、れるれおっ……、じゅるっちゅるっ……ちゅぷっ……ちろちろ、れろぉ……んっ、ぷぁっ……」

 

 各々が好きな立ち位置からシャインミラージュを見て回り、眼前の光景を脳に焼き付けながらも欲望が溢れる若者たち。そんな彼らの前で変幻ヒロインは悩ましく形を歪ませる乳鞠で剛造のイチモツを包み込み、谷間から飛び出している亀頭を舌で舐め回す。

 

 (先程出したばかりなのに、まだこんなにガチガチで……臭いも凄いですわ……。先っぽから溢れる汁が苦くて、臭くて……でも嫌になれなくて…………。不味いだけ、なはずですのに…………)

 

 「クククッ。そんなに腰を振りながらチンポを咥えて、俺のがそんなにも気に入っているのか」

 

 「っっ! ち、違っ…………そんなことはっ……」

 

 一心不乱にイチモツへの奉仕を続ける彼女だが、忌むべき相手からの言葉で我に返る。どうやらパイズリフェラをしている最中に彼女の腰が動いていたらしく、その仕草はまさしく肉棒をしゃぶって悦んでいるよう。

 その事に気づいた彼女は咄嗟に否定の言葉を発そうとするが時すでに遅い。その様子をしっかりと目撃していた若者たちから見れば、それは疑いようの無い事実。

 

 「マジかよ。とんだ淫魔じゃねぇか」

 「エロ過ぎんだろコイツ」

 「雌犬とかって言うレベルじゃねぇな、発情期の獣でもこうはならんだろ」

 

 口々に発せられる侮蔑の数々。その事実を否定しようと咄嗟に首を上げる彼女だが、直後には剛造の手によって股座へ顔面を抑えつけられ、紡ごうとした言葉を遮るように唇を男根で塞がれた。

 

 「んぐっ! じゅぶっ、ぢゅぷっ、んっんぅぅぅっっ……ぐじゅっ、じゅぼっ、じゅるぼっ」

 

 無理矢理に捩じ込まれる頑強な肉の棒が口腔内を凌辱して回り、トロリとした粘液が口粘膜を全体的に染め上げていく。そんな屈辱(くつじょく)的な状況にさえ、変態ヒロインは耐え難い快感を覚えて秘部を更に濡らしていく。

 股下から垂れる愛液が染みを広げ続け、その大きさは遂に見下ろす彼らの目に留まってしまう程にまで成長していた。

 

 「うわっ凄ぇマン汁だ、道に水溜まりを作ってやがる」

 「何か変な匂いしてるなって思ってたんだが……。どんだけ発情してんだよ」

 「……しかもコイツ、透明なオモチャを突っ込んでて中身が丸見えだぞ」

 

 そうして彼らは初めて彼女の秘部に視線が集中した。そう、ガラスのような透明度を誇るディルドを挿入している彼女の女性器に。膣壁は肉襞の一つ一つまで観察でき、その奥にある子宮口さえアングルによっては見えてしまう程に押し広げられている。

 

 (あぁ、わたくしのアソコ……じっくり見られてしまって……っっ。見えないのに、いやらしい視線を痛いくらいに感じてしまいますわ……)

 

 一人の発言が引き金となり彼らの意識は瞬く間に彼女の陰部へと集中する。目隠しの影響で実際には見えていないものの、流石に彼らのその視線ばかりは意識せずとも感じ取ってしまう。それによる羞恥の波は限界突破し、見悶えるような熱を身体の奥から湧き上がってきて更に分泌する愛液の量を増していく。

 それと同時に肛門も収縮を頻繁に繰り返して、まるで彼女の心理的動揺を表現しているかのよう。

 

 「ケツ穴も呼吸してるみてぇにヒクヒクしてるぞ」

 「おいおい、まだマン汁が溢れてやがる」

 「もしかして見られてる事に興奮してるのか? とんだマゾ雌だな、おい」

 

 「ひっ、ひがっ――んむうぅぅっ! じゅちゅっ、じゅりゅううっっっっ」

 

 「誰が手と口を止めて良いと言った? そんなことではいつまで経っても終わらんぞ」

 

 あまりの恥ずかしさから否定の言葉を発そうとするも、やはりそれを剛造は許さない。顔を上げようとした彼女を即座に妨げ、その美顔を豊満な乳肉へと強く押し付ける。

 

 「いつもいつも、お前は本当に学習をしない。いい加減に学ぶということを覚えて欲しいものだな」

 

 「ひぅっっ、んひっ、ぃひいぃぃっっ」

 

 詰る言葉と同時に空いている剛造の左手が彼女の乳首を何度も指で弾く。完全に勃起してフルフルと震える小さな突起をデコピンの要領で、ピシッピシッと強く刺激する。本来であればただ痛いだけであるなずの刺激も、軽快な音色と共鳴するように全身がビクンビクンと打ち震えて快楽を刻まれていく。

 乱暴に頭を股座へ抑えつけられ、敏感な先端突起を指で弾かれ、透明な玩具を秘部へと挿入したままで全裸の状態。見る者の情欲を掻き立てる蠱惑的なその容姿も、想像するだけで自分自身さえ言い様の無い疼きが激しく湧き上がってくるよう。

 

 「そら、もうすぐで射精(で)るぞ。もっと本腰入れて奉仕しろ」

 

 「は……はひっ。……ぁむっ、ぐぢゅっ、じゅずずっ……れるっちゅるっ、ちゅずずずずっ」

 

 潤滑油代わりに吐き出す唾液が両胸とイチモツの隙間へ溜まり、動かす度に卑猥な水音が響く。男の射精を導くようにもっと激しく、もっと力強く圧迫しながら乳肌で擦り合わせる。剛造を喜ばせる為の奉仕行為で、彼女自身も段々と帯びる熱が加速していく。

 

 「ぴちゃっ、ちゅるっぢゅるるっ……ちゅぶぶぶっ。んっ……んぐっ、ぢゅずずっ……ぢゅりゅりゅっ」

 

 品の欠片も無い音を立てつつ雄槍にしゃぶりつき、鈴口から溢れ出る汁を啜り上げる。その臭いは少しずつ濃度を増して、彼がもうすぐで達する事を知らせているようだった。それを察した変幻ヒロインが更に激しく乳を弾ませて扱き上げる。

 金髪の美少女が下腹部に覆い被さり、目隠しをしている状態で一所懸命に己のイチモツを奉仕してくれる。もしもその相手が自分だったならばというシチュエーションで妄想しながら、彼らもまた熱心に自らの肉棒を空いている片手で刺激する。

 

 「んひぃぃぃっっ! ひっ、ひくびぃぃっっ」

 

 そんな彼らへのサービスか、単なる気まぐれか。剛造は眼前で暴れ踊る小さな金色を摘まみ引っ張り上げた。振動で鳴り響いていた音が止み、代わりに与える激感でイチモツを咥えたまま悶える少女の声が木霊(こだま)する。

 しかし手を止めることは許されず、シャインミラージュは軽く絶頂してしまいそうな快楽にその身を焦がされながらも懸命に中年男の肉棒を扱き続ける。

 

 「そのままもっと強く抑えつけろ、射精すぞ」

 

 「んぐぅっっ……。んっ……んぅぅぅっっ!」

 

 剛造がそう宣言するのとほぼ同時。頬張った亀頭がビクビクッと震えて一段と濃厚なフェロモンを放った直後、先程と変わらない勢いで子種汁が今度は喉を打ち付ける。粘っこく火傷しそうな程の熱を持つ白濁液が、粘膜に絡まりながら次へ次へと流れ込んでくる。

 その様子を見ていた若者たちもまた、自分達の限界に達していく。

 

 「で、射精(で)るっ」

 「もう無理だ。ぶっかけてやる」

 

 イチモツを片手に彼らも精を吐き出し、無防備に曝け出されている変幻ヒロインの背中へと振りかける。剛造の逆鱗に触れる事が脳裏にチラついたものの、しかしもう我慢のしようが無かったのだ。

 髪、背中、尻――彼女の白く美しい肌と金髪が濁った粘液で汚され、内側からも外側からも欲望の熱で穢されていく。

 

 「っく、ごくっ……ごきゅっ…………」

 

 背中から感じる不快な温度にさえ快感を覚えつつ、シャインミラージュは溢れ出す濁流を受け止める。気を抜けば口の端から零(こぼ)れ出してしまいそうになる精液を、ゆっくりと喉を鳴らしながら胃袋へと送っていく。

 やがて全てを飲み干し、頭部を抑えつけていた剛造の手が離れるのを感じた。

 

 「んぅっ、ぷあぁぁっっ。っ、はぁっ…………、はぁっ…………、はぁっ…………、っげふっ」

 

 息苦しさから漸く解放された彼女は、精液臭い息を荒々しく吐き出しつつ新鮮な酸素を肺へ取り込む。まるで体内が精液で塗り固められたかのように、息を吸っても吐いても変わらぬ臭いがこびりついている。だがそれすら寧ろ快感の種であり、一呼吸ごとに意識に靄(もや)がかかる感覚に陥り、全身が火照りだす。

 慣れ始めていた精液の味で恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべる変態ヒロイン。しかし、その顔は一瞬にして苦痛に歪(ゆが)み始めた。

 

 「――っっ!? あっ、ぐぅっっ…………な、んですの……っっ。急に、おなか……が、ぃぐうっっ」

 

 「ふんっ、だからさっさと漏らしておけと言ってやったのに。俺の言う事が聞けんからそうなるのだ」

 

 「何が、起こっ……て、あぐぅっっ…………っっ。はぁっ……、はぁっ……」

 

 「え? ど、どうしたんすかっ」

 「腹痛か。取り敢えず救急車呼ぶ?」

 「こんな格好で救急車は人生終わるだろ。どうせ冷えただけだからトイレでも行けばいいだろ」

 

 突如として腹部を押さえ、蹲(うずくま)る少女。その様子を見ていた若者たちも性的興奮どころではなく、心配と不安が頭の中を埋め尽くす。

 

 「心配する必要は無い。コイツはそういう"性癖"だからな」

 

 しかしそんな彼らを剛造は不敵に笑いながら宥める。

 その足元でシャインミラージュは腹部から走る強烈な痛みに悶え、突き刺してくるような刺激に耐えていた。自身に何が起こったのかを考えようとするも、その度に激痛で集中力が妨げられて纏まらない。だが、そんな中でも気づける事が一つだけあった。

 

 (そ、そう言えば…………いつの間にか、ラムネの感覚が無くなってて……。その代わりに、何かが……腸内、に……)

 

 すっかりその感覚に慣れてしまっただけだと思っていたのだが、それにしては何も感じなくなっていたのは異変でしかなかっただろう。炭酸に刺激される腸壁の快感は気が付けば完全に消え失せていて、だからこそ剛造のイチモツへ奉仕することに集中できていたのだ。

 注入されていた炭酸飲料の感覚は消え、その代わりに何か大きな固体が大腸へへばりついている違和感が激痛となって彼女を責め立てていた。

 

 「ふっ、ぅぐうぅぅっっ……、こ……んな……、ひぎいぃぃっっ! う、動いてぇ…………っっ!?」

 (まさか、こんな所で……!? い、嫌ですわっ。それだけは、避けなくては…………いひいぃぃっっ)

 

 自身に起きた異変の原因は分からない。だが、これから起きる事には最悪の予想が出来てしまい戦慄(せんりつ)する。既に経験している事ではあるが、それでもこれ以上に尊厳を傷つけられるような事などあってはならない。

 

 「ご、剛造様ぁっっ。わたくしを……っっ、早く……お手洗い、に……ぃぎいぃぃっっ! げ、限界れすのぉぉっっ」

 

 恥も外聞も捨てた必死の懇願。このような悪党に媚び諂(へつら)うなど正義のヒロインとしての矜持は丸つぶれだが、それでもこのまま訪れようとしている最悪の事態だけは避けるべきだった。

 しかし、そんな彼女の要求をこの男が通すはずも無かった。

 

 「行きたければ行くと良い。ほれ、すぐ近くにコンビニがあるぞ。……尤(もっと)も、そんな恰好で入れるのなら、だがな」

 

 「そ、んなぁっっ…………ひぎいぃぃっっ! もう、らめぇっっ……ひっ、ぃぐううぅぅぅぅっっ!」

 

 じわりじわりと出口を求めるソレを押し留めようと堪(こら)えるが、快楽で力の入らない現状ではほんの僅かな時間稼ぎにすらならなかった。排泄孔から少しずつ何かが押し出されていき、そして次の瞬間には決壊してしまった。

 下品な音を立てながら肛門から透明な物体がズルズルと漏れ出し、腸襞を擦り上げていく汚物の感触によって止められない快感が湧き上がる。

 

 「見ないれぇぇっっ、見ちゃだめですのおぉぉぉっっっっ! ひぎぃっっ、イグぅぅぅぅっっ」

 

 散々に責め立てられ、調教の的とされてきた排泄孔。それは既に、彼女にとって女性器と遜色(そんしょく)ない性的快楽を貪る器官へと作り変えられており、特にこのような状況下で行われる下品な行為は「太くて長い玩具をケツ穴から引き抜かれる」快感として脳が錯覚してしまう。

 とても人前でしてはならない姿を晒しながら、彼女は全身をガクガクと震わせて盛大に潮を吹き散らかす。舗装(ほそう)されたアスファルトを黒く変色させていく液体は、先程までよりも濃厚な発情臭を漂わせていた。

 そんな変幻ヒロインの痴態を前に剛造はどこか嬉しそうな声色で小さく呟く。

 

 「クククッ。まさに、無様そのものじゃないか。正義のヒロインが聞いて呆れる」

 

 誰とも分からない若者たちの前で晒す乙女の脱糞。――否、実際には闇のエナジーによって固化された特殊な炭酸飲料。だがそれをどう判断するかは見る者の価値観が全て。

 少なくとも彼らの目には、「野外で排泄姿を晒しながら絶頂する痴女のような何か」としか映らなかったようだ。

 

 「うわ、流石に引くわ。離れようぜ」

 「人前でクソ漏らしながらイクとか終わってらぁ」

 「完全に萎えたわ。見た目だけだなコイツ」

 

 これが彼女の本性なのだと理解した瞬間、彼らは興奮も冷め切り足早にその場から立ち去っていく。その間際に吐き捨てられた言葉の数々が彼女の心に深く突き刺さり、なけなしの尊厳すら喪失してしまったような心地になる。

 身も心も傷つけられたシャインミラージュが感じるのは、やはり快楽しか無かった。

 

 「ひぐっ、ぁっ……あひぃぃぃっっ。人前で、漏らして……感じちゃってますのぉぉっ…………」

 

 次々にひり出される無色の異物。それによって齎される快感が全身から筋力を弛緩(しかん)させ、歩道に黄金色の水溜まりを広げ始めていく。人々を護る正義のヒロインとして以上に、このような有り様は人としてあってはならない痴態の極み。

 

 「クククッ、良い様だなシャインミラージュ。おい、出す物出してスッキリしたなら散歩の続きだ。家に帰るまではその恰好を止めさせるつもりは無いからな」

 

 「…………はい。承知、しましたわ…………」

 

 漏らした異物は放置したままに再びお面を被らされ、四つん這いで歩き始める変幻ヒロインと剛造。

 彼女の行為が表に出回ることは恐らく無いだろうが、それでも彼女自身の心に落とされた影は昏(くら)く濃い。悪へと向ける敵意や怒気も完全に弱まり、自身が正義を名乗ることに対する懐疑心(かいぎしん)が芽生えては成長していく。

 ――いくら強要されている事とは言え、限度があるだろう。もしかすると、これが自分の本当の姿なのかもしれない。――

 一度芽生えてしまった自分自身への不信感は明確な楔となり、彼女の強靭な精神をも蝕み始める。

 

 それから道中で幾度となく肛門を犯された変幻ヒロインは、最終的に日が昇る午前五時頃にダーククライム拠点跡地へ辿り着くこととなった。だが人前で最悪の痴態を晒した以降の記憶は曖昧であり、それだけ抉られた心の傷痕が深かったことを意味していた。

 

 

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