半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
王宮の私室は、深夜の静寂に包まれ、ランプの灯りがゆらゆらと揺れている。
甘い香油の匂いが部屋に立ち込め、エドマンドが双子の”姪っ子たち”を連れて現れたときには、アレクシス王太子の息遣いはすでに荒く、普段の冷静な仮面はどこかへ消えていた。
双子の
それでも、その瞳には年齢には似合わない、潤むような艶かしさがあった。
双子はメイド服のブラウスの胸を押さえ、少し緊張したおずおずという雰囲気で、王太子の前に傅いた。
「こちらが姉の二コラ、そして妹のルルと申します」
アレクシス王太子は、はっきりとした情欲の炎に燃えて、ニコラとルル――双子の小間使いを見つめている。
「なかなかに愛らしい」
「恐縮です。お恥ずかしい話ながら、私の姪たちは、
エドマンドの静かな指示で、双子はおずおずとメイド服を脱ぎ、恥ずかしそうに白い裸身を晒した。
――ふわっと、部屋の中に甘い芳香が漂った。
妹
レジナルドは、思わず声を出しそうになるほど動揺した。
(――ソフィアのやつ、順番まちがえとるやんか)
レジナルドが双子らを置いて部屋から退出し、王太子と3人になった段階で、まず甘い催淫の霧で酔わせる――
事前の打ち合わせで、さんざん言い聞かせておいたはずだった。
(くそ、やりにくくなったわ――)
淫魔たちの魔力がもたらす肉体の変化が、王太子だけでなく、生身の男である自分にもそのまま作用してくるのがわかった。
くらくらと目の前が妖しくゆらめき、意識が薄れていく。
(あかん、まずいわ)
人間の男であれば、一時も持たずに魔性の肌に触れたくてたまらなくなる、魔の芳香だった。
アレクシス王太子を見やると、もう完全に淫魔の仔たちの催淫術にかかり、甘くすり寄る彼女たちを抱き寄せ――今まさに堕ちていこうとしている。
このままでは、参謀たるレジナルドの意識まで、艶かしい宴に取り込まれてしまう。
ここで我を忘れ、王太子と一緒になって愛欲の虜になってしまったら――この作戦すべてが台無しだ。
――そもそも、この
必死で頭を振って――体の心底から上り詰めようとする快楽への欲求に耐える。
(ここで失態を犯すわけにはいかん。――完全に自分を抑えるしかない)
荒くなる呼吸で白く曇りはじめた銀縁眼鏡を、震える手で外す。
そして、レジナルドは――王宮の召使エドマンド・グレイという存在に"完全に"憑依した。
エドマンドの
それでも彼は、ただの
*
リリアとソフィアは裸のまま、アレクシス王太子のまわりに絡みついていた。
肌が触れ合う湿った音と、王太子の荒い息遣いが、静寂を破る唯一の響きだ。
悪魔の
リリアは、アレクシス王太子の首筋に唇を這わせながら、ちらりと視線を上げた。
そこに眼鏡を外して立っているレジナルド――彼の
淡い灰色の瞳が、氷のように冷たく、感情の欠片すら宿していない。
(レジナルドさんが変……何だか、こわい――)
執務室で見せる、冷たくも礼を失しないルシエルの
プライベートで見せてくれる、人間らしく温かい、屋敷の
そのどちらでもない、姪むすめの肢体すら甘い餌として差し出す、冷酷な
(リリア、これはどうなってるの……?レジナルドさん、めちゃくちゃ怒ってるみたい)
思わず
(わからない……レジナルドさんは一度外に出て、また後で戻ってくるはずだけど――)
「何をしてる、ルル」
王太子の召使"エドマンド・グレイ"の声は、低く、静かで、一切の温度を感じさせなかった。
「早くひざまづいて、殿下に
その言葉に、双子はびくりと体を震わせた。
エドマンドの声は、氷の刃のように鋭く、命令として突き刺さる。
ソフィアは、殿下の膝からゆっくりと降り、リリアとともに、床にひざまずいた。
「さあ殿下、お選びくださいませ。まずはどちらの
強引に、親指を口のなかにねじ込まれ、
「わたしのお勧めは、このルルですね。
おなじ双子ですが、この子の方が少し舌が薄く、動きもなめらかです。持って生まれたものでしょう。
男根をしゃぶるために生まれてきたような子ですから」
ソフィアは戸惑いながら、レジナルドを見上げたが、"エドマンド伯父"が、そのまま冷たく見下ろす。
甘い芳香に酔わされた王太子は、ぼんやりと半分口を開いて、そのようにしろと動作で示した。
「
リリアが衣服をほどき、すでに固く屹立している王太子の
エドマンドは――ソフィアをその前に跪かせる。
ソフィアはできる限り大きく唇をひらき、リリアのみている前で、ゆっくりとそれを飲み込んでいく――。
王太子の口から、ああ……と深いため息がもれ、ソフィアは目を閉じたまま、すこしずつ前後に首を動かしていく。
甘く舐め上げ、蕩かすように軽くかじる――。
黙ってその様子を見下ろしていたエドマンドは、ソフィアの後頭部をつかむと、ぐっと強く喉奥まで押し込んだ。
「もっと奥で。――
リリアの真横で、ぐぅっとソフィアの呼吸音がつまる。
「もっと
(レジナルドさん、やめて!)
リリアの心の声が聞こえる。――いや、聞こえなかった。
二度、三度と、そのままソフィアの頭を残酷に押し込んでいく。
「
「まさにそうだ――これは魔性だぞ、エドマンド。お前の姪むすめは
「ではもう少し動かしましょう――殿下の高まりに合わせて」
ぬちゃぬちゃと唾液の泡立つ音。
思わずリリアは顔をそらす。
「いや、もう殿下は持ちますまい。夜は長うございますゆえ、まずはこのまま……ルルの
「ああっ……なんだこれは――まるでこの世のものとは――堪らない――」
「そうでしょうとも――ご存分に、
アレクシス王太子は、身も世もない声をあげて、ソフィアの口内にどくどくと大量の精を放つ。
冷酷無比な