半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
十二夜の夢は、いつものように静かに扉を開いた。
夢の中の恋人たちはすでに裸のまま抱き合い、互いの手足を優しく絡め合っていた。
ルシエルの黒髪がリーザの肩に落ち、リーザの金髪がルシエルの胸に広がっている。
言葉はない。
ただ、互いの体温と鼓動だけが、静かに響き合っている。
ルシエルは、リーザの背中に腕を回し、ゆっくりと息を吐いた。
「俺は……甘やかされることしか知らない。
魔界での身分におごって、周りが気を使い、ちやほやと機嫌を取ってくれるのが当たり前だった。
どんな過ちを犯しても、誰かが犠牲になって、俺のことを守ってくれた。
いつも周りが整えてくれた――お前を手に入れるための策略すらも」
声は低く、かすかに震えていた。
「だから、お前と二人で向き合い、現実をつきつけられて、正直に俺は……傷ついた。
魔界の公爵家に生まれ、様々な現実を見てきたつもりだった。
それでもまだ、甘ったるい理想に流されそうになっている自分がいる。
愚かな夢だとわかっているのに、お前を手に入れたいという気持ちが消えない」
リーザはルシエルの胸に顔を寄せ、静かに目を閉じた。
「そうね。わたしはたしかに現実主義者だわ。
王女として、人間として……わたしは短い命で生きて、普通の幸せを手に入れたい。
どんな現実を選んでも、そこに幸せを見出していくことが出来ると信じてるの。」
彼女はゆっくりと顔を上げ、ルシエルをまっすぐ見つめた。
「でも聞いて、ルシエル。もともと、わたしたちの絆は、夢の中だけのものだった。
本当は出会うはずがなかったはずなのに、十二夜の夢がわたしたちを繋いだ。
だからこそ……身分も、現実の苦しさも、すべて捨てて、今ここにいる時間を、大切にしたいの」
リーザは優しく微笑み、ルシエルの頰に指を添えた。
「わたしは、あなたを愛している。それは、夢の中だけの愛かもしれない。
でも、今この瞬間、わたしはあなたを愛している。あなたが好きよ、ルシエル」
どんな言葉よりも残酷だ、とルシエルは思った。
リーザは人間界で、自分は魔界で。
それぞれに許された現実を生きろとリーザは言う。
母から人間の血を引く自分であれば、魔界でのすべてを捨てて、リーザと共に人間界で生きることも出来るのではないかと思った。
しかし”
彼のような異端の存在を、天界は決して許さないだろう。
八方ふさがり――それがリーザとルシエルが閉じ込められている、「愛の夢」の現実だった。
「他の男との子を産むのか」
ぽつりと口からそんな言葉が出た。まぁ、と窘めるような顔をして、リーザはルシエルの頭を抱き寄せた。
「そうね、子供は欲しいわ。男の子も、女の子も欲しい。家族いつも一緒にいて、子供たちを抱きしめて、幸せでいられると安心させてあげたいの」
ルシエルの肩がかすかに震える。決して、声は出さなかった。
「嫁ぐ
「もし……俺たちの間に、子供ができたら……どんな子になるんだろうな」
「……きっと、貴方の紫の瞳を受け継いで、わたしの金色の髪を持つ子になるわ。男の子でも女の子でも、貴方のように優しくて、強い子よ」
彼女の声は優しく、どこか遠い夢を見るように柔らかかった。
ルシエルはそっと、リーザの髪に指を絡めた。体が熱く高ぶっていくのがわかった。
ルシエルは震える手でリーザの腰を抱き寄せ、ゆっくりと体を重ねた。
「リーザ……俺は……」
言葉は途切れ、代わりに熱い吐息が漏れた。リーザは彼の背中に腕を回し、優しく受け入れる。
「いいのよ、ルシエル。あなたのしたいようにして」
ルシエルの唇がリーザの首筋に触れ、ゆっくりと舌を這わせる。
彼女の肌は熱く、柔らかく、甘い吐息が漏れるたび、ルシエルの興奮はさらに高まる。
リーザの豊満な胸が彼の固い胸板に押しつけられ、汗ばんだ肌が熱く溶け合うように密着した。
「リーザ……お前の体……こんなに熱い……」
ルシエルの声はかすれ、息が荒くなる。
すでに彼の陰茎は限界まで硬く膨張し、太く浮き出た血管が脈打ち、先端から透明な液が滴り落ちている。
頭の中を駆け巡る想像――他の男に嫁ぎ、子を産むリーザの姿。
その絶望的な嫉妬が黒い炎のように燃え上がり、ルシエルの欲情を獣のように煽る。
「他の男に……抱かれるお前を……想像しただけで…………熱くなる……」
リーザは目を閉じ、ルシエルの首に腕を回した。
彼女の細い指が彼の背中を優しくなぞるが、その優しさが逆にルシエルを苛立たせ、興奮を増幅させる。
リーザはそっと彼の耳元でささやいた。
「ルシエル… あなたの赤ちゃんを産みたいわ……本当よ……」
その言葉が引き金になった。
ルシエルは、リーザの脚を強引に大きく広げ、陰茎の先端を彼女の入り口に押し当てる。
すでに熱くぬるぬるとした蜜が溢れ、ルシエルの先端を優しく包み込む。
一気に腰を叩きつけ、ずぶずぶと肉が抉られるような音が響く。
リーザの内壁がきつく締めつけ、彼女の体が弓なりにしなり、甘い悲鳴が上がる。
「あぁぁっ……ルシエル……奥まで……一気に……入って……!熱い……貴方の……あっ……!」
ルシエルは獣のように腰を振り始め、激しい肉のぶつかり音が部屋に響く。
ルシエルはリーザの胸を強く揉みしだき、首筋に歯を立てて甘く噛む。
赤い痕が残るほど強く、リーザの肌を貪るように舐め回す。
彼女の体がびくびくと痙攣し、甘い悲鳴が上がるたび、ルシエルの興奮はさらに高まる。
「んぐっ……ルシエル……もっと……壊して……あぁっ……!貴方ので……
ルシエルはリーザの腰を両手で固定し、さらに深く、激しく突き上げる。
リーザの内壁が熱く脈打ち、蜜がルシエルの陰茎に絡みつき、ぬちゃぬちゃと粘つく音が響く。
ルシエルの汗がリーザの肌に滴り落ち、二人の体が熱く混じり合う。
想像がルシエルの脳を焼く――他の男に抱かれるリーザ、他の男の子を産むリーザ。
その絶望が欲情を煽り、ルシエルは獣のように咆哮する。
「リーザ……お前は……俺のものだ……誰にもわたさない――」
言葉は途切れ、ただ激しい律動だけが続く。
ルシエルの陰茎がリーザの奥を抉り、彼女の体がびくびくと痙攣する。
「リーザ……俺の子を産んでくれ……俺と結婚しよう……何もかも捨てて――」
リーザの脚がルシエルの腰に強く絡みつき、二人は溶け合うように動きを合わせる。
甘い吐息が重なり、蜜が絡み合い、ぬちゃぬちゃと甘くトロけた音が響く。
「あぁ……ルシエル……いっしょに……いく……!貴方の……熱い……注いで……!」
絶頂が近づき、リーザの体がびくびくと震える。
彼女はルシエルの耳元で彼の名を呼んだ。
「ルシエル…………!」
ルシエルは限界を迎え、リーザの奥深くに熱い精をどくどくと注ぎ込んだ。
大量の白濁が溢れ出し、リーザの内壁を満たし、彼女の体が震え、甘い蜜が混じり合ってシーツをさらに濡らす。
二人は汗にまみれ、互いの体を優しく抱きしめたまま、静かに息を弾ませていた。
もうすぐ、夢が閉じる。
リーザはやさしく恋人の髪を撫で、額をつけて寄り添った。
「あなたを愛してるわ、ルシエル。
あなたは私の最愛のひとよ。……決して忘れないでね」