※この作品はR-18です。

半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~   作:古弥須 凱

36 / 97
32話 愛の夢

 

【挿絵表示】

 

 

 

十二夜の夢は、いつものように静かに扉を開いた。

 

夢の中の恋人たちはすでに裸のまま抱き合い、互いの手足を優しく絡め合っていた。

 

ルシエルの黒髪がリーザの肩に落ち、リーザの金髪がルシエルの胸に広がっている。

 

言葉はない。

 

ただ、互いの体温と鼓動だけが、静かに響き合っている。

 

ルシエルは、リーザの背中に腕を回し、ゆっくりと息を吐いた。

 

「俺は……甘やかされることしか知らない。

 

魔界での身分におごって、周りが気を使い、ちやほやと機嫌を取ってくれるのが当たり前だった。

 

どんな過ちを犯しても、誰かが犠牲になって、俺のことを守ってくれた。

 

いつも周りが整えてくれた――お前を手に入れるための策略すらも」

 

声は低く、かすかに震えていた。

 

「だから、お前と二人で向き合い、現実をつきつけられて、正直に俺は……傷ついた。

 

魔界の公爵家に生まれ、様々な現実を見てきたつもりだった。

 

それでもまだ、甘ったるい理想に流されそうになっている自分がいる。

 

愚かな夢だとわかっているのに、お前を手に入れたいという気持ちが消えない」

 

リーザはルシエルの胸に顔を寄せ、静かに目を閉じた。

 

「そうね。わたしはたしかに現実主義者だわ。

 

王女として、人間として……わたしは短い命で生きて、普通の幸せを手に入れたい。

 

どんな現実を選んでも、そこに幸せを見出していくことが出来ると信じてるの。」

 

彼女はゆっくりと顔を上げ、ルシエルをまっすぐ見つめた。

 

「でも聞いて、ルシエル。もともと、わたしたちの絆は、夢の中だけのものだった。

 

本当は出会うはずがなかったはずなのに、十二夜の夢がわたしたちを繋いだ。

 

だからこそ……身分も、現実の苦しさも、すべて捨てて、今ここにいる時間を、大切にしたいの」

 

リーザは優しく微笑み、ルシエルの頰に指を添えた。

 

「わたしは、あなたを愛している。それは、夢の中だけの愛かもしれない。

 

でも、今この瞬間、わたしはあなたを愛している。あなたが好きよ、ルシエル」

 

どんな言葉よりも残酷だ、とルシエルは思った。

 

リーザは人間界で、自分は魔界で。

 

それぞれに許された現実を生きろとリーザは言う。

 

母から人間の血を引く自分であれば、魔界でのすべてを捨てて、リーザと共に人間界で生きることも出来るのではないかと思った。

 

しかし”半血(ハーフブラッド)”の自分は、あまりにも強大な魔力に生まれついていた。

 

彼のような異端の存在を、天界は決して許さないだろう。

 

八方ふさがり――それがリーザとルシエルが閉じ込められている、「愛の夢」の現実だった。

 

「他の男との子を産むのか」

 

ぽつりと口からそんな言葉が出た。まぁ、と窘めるような顔をして、リーザはルシエルの頭を抱き寄せた。

 

「そうね、子供は欲しいわ。男の子も、女の子も欲しい。家族いつも一緒にいて、子供たちを抱きしめて、幸せでいられると安心させてあげたいの」

 

ルシエルの肩がかすかに震える。決して、声は出さなかった。

 

「嫁ぐ国(さき)が決まったの――来月、故国(オルヴェス)を出るわ」

 

「もし……俺たちの間に、子供ができたら……どんな子になるんだろうな」

 

「……きっと、貴方の紫の瞳を受け継いで、わたしの金色の髪を持つ子になるわ。男の子でも女の子でも、貴方のように優しくて、強い子よ」

 

彼女の声は優しく、どこか遠い夢を見るように柔らかかった。

 

ルシエルはそっと、リーザの髪に指を絡めた。体が熱く高ぶっていくのがわかった。

 

ルシエルは震える手でリーザの腰を抱き寄せ、ゆっくりと体を重ねた。

 

「リーザ……俺は……」

 

言葉は途切れ、代わりに熱い吐息が漏れた。リーザは彼の背中に腕を回し、優しく受け入れる。

 

「いいのよ、ルシエル。あなたのしたいようにして」

 

ルシエルの唇がリーザの首筋に触れ、ゆっくりと舌を這わせる。

 

彼女の肌は熱く、柔らかく、甘い吐息が漏れるたび、ルシエルの興奮はさらに高まる。

 

リーザの豊満な胸が彼の固い胸板に押しつけられ、汗ばんだ肌が熱く溶け合うように密着した。

 

「リーザ……お前の体……こんなに熱い……」

 

ルシエルの声はかすれ、息が荒くなる。

 

すでに彼の陰茎は限界まで硬く膨張し、太く浮き出た血管が脈打ち、先端から透明な液が滴り落ちている。

 

頭の中を駆け巡る想像――他の男に嫁ぎ、子を産むリーザの姿。

 

その絶望的な嫉妬が黒い炎のように燃え上がり、ルシエルの欲情を獣のように煽る。

 

「他の男に……抱かれるお前を……想像しただけで…………熱くなる……」

 

リーザは目を閉じ、ルシエルの首に腕を回した。

 

彼女の細い指が彼の背中を優しくなぞるが、その優しさが逆にルシエルを苛立たせ、興奮を増幅させる。

 

リーザはそっと彼の耳元でささやいた。

 

「ルシエル… あなたの赤ちゃんを産みたいわ……本当よ……」

 

その言葉が引き金になった。

 

ルシエルは、リーザの脚を強引に大きく広げ、陰茎の先端を彼女の入り口に押し当てる。

 

すでに熱くぬるぬるとした蜜が溢れ、ルシエルの先端を優しく包み込む。

 

一気に腰を叩きつけ、ずぶずぶと肉が抉られるような音が響く。

 

リーザの内壁がきつく締めつけ、彼女の体が弓なりにしなり、甘い悲鳴が上がる。

 

「あぁぁっ……ルシエル……奥まで……一気に……入って……!熱い……貴方の……あっ……!」

 

ルシエルは獣のように腰を振り始め、激しい肉のぶつかり音が部屋に響く。

 

ルシエルはリーザの胸を強く揉みしだき、首筋に歯を立てて甘く噛む。

 

赤い痕が残るほど強く、リーザの肌を貪るように舐め回す。

 

彼女の体がびくびくと痙攣し、甘い悲鳴が上がるたび、ルシエルの興奮はさらに高まる。

 

「んぐっ……ルシエル……もっと……壊して……あぁっ……!貴方ので……膣奥(おく)を……抉って……!」

 

ルシエルはリーザの腰を両手で固定し、さらに深く、激しく突き上げる。

 

リーザの内壁が熱く脈打ち、蜜がルシエルの陰茎に絡みつき、ぬちゃぬちゃと粘つく音が響く。

 

ルシエルの汗がリーザの肌に滴り落ち、二人の体が熱く混じり合う。

 

想像がルシエルの脳を焼く――他の男に抱かれるリーザ、他の男の子を産むリーザ。

 

その絶望が欲情を煽り、ルシエルは獣のように咆哮する。

 

「リーザ……お前は……俺のものだ……誰にもわたさない――」

 

言葉は途切れ、ただ激しい律動だけが続く。

 

ルシエルの陰茎がリーザの奥を抉り、彼女の体がびくびくと痙攣する。

 

「リーザ……俺の子を産んでくれ……俺と結婚しよう……何もかも捨てて――」

 

リーザの脚がルシエルの腰に強く絡みつき、二人は溶け合うように動きを合わせる。

 

甘い吐息が重なり、蜜が絡み合い、ぬちゃぬちゃと甘くトロけた音が響く。

 

「あぁ……ルシエル……いっしょに……いく……!貴方の……熱い……注いで……!」

 

絶頂が近づき、リーザの体がびくびくと震える。

 

彼女はルシエルの耳元で彼の名を呼んだ。

 

「ルシエル…………!」

 

ルシエルは限界を迎え、リーザの奥深くに熱い精をどくどくと注ぎ込んだ。

 

大量の白濁が溢れ出し、リーザの内壁を満たし、彼女の体が震え、甘い蜜が混じり合ってシーツをさらに濡らす。

 

二人は汗にまみれ、互いの体を優しく抱きしめたまま、静かに息を弾ませていた。

 

もうすぐ、夢が閉じる。

 

リーザはやさしく恋人の髪を撫で、額をつけて寄り添った。

 

「あなたを愛してるわ、ルシエル。

 

 あなたは私の最愛のひとよ。……決して忘れないでね」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。