半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
広大な儀式広場は、星のない闇に覆われていた。
赤い魔力の燭台がゆらゆらと無数に浮かび、人間界の寂れた古城を包む闇の中に、不吉な血のような光を降らせている。
司会者の甲高い声が響き渡る。
「眠れる美女・プリンセス・ルイーゼが、いよいよ祭壇に捧げられております!!
なんという白い肌! その美しさ! まさに清らかな処女そのもの、真珠のような気品!
彼女が今夜、サバトの供物として捧げられるのです!!」
数千の悪魔が広場を埋め尽くし、興奮と欲望が赤黒い熱波となって渦巻く。
巨大スクリーンにリーザの裸体が映し出され、歓声と口笛が爆発的に沸き起こった。
「そして、この特別な饗宴の我らが主をご紹介いたします!!……アスモデール殿下の登場です!!」
黒いローブを纏った、サタン帝王の嫡子たる、アスモデールが壇に上がる。
赤い瞳が冷たく輝き、唇に薄い笑みを浮かべていた。
会場がさらに大きな歓声に包まれる。
群衆にとって、それは上級悪魔であれば誰でもよかった。今すぐ目の前の生贄たる美女たちを欲望のままに犯し、引き裂く――その血塗られた司祭としての役割を、彼に求めていた。
アスモデールの後ろに、飼い犬である2匹の
黒く艶やかな光沢の毛に包まれた獣は、主人と同じ赤い目をギラギラと光らせ、獲物を求めてうろうろと歩き回った。
中央の黒い大理石生贄台に、リーザが横たえられている。
手足は鎖で固定され、金色の髪が乱れて顔にかかり、雪のように白い肌が完全に露わになっていた。
意識を失ったまま、浅い呼吸だけが胸を上下させる。
台の下段には、首に鎖を繋がれたもう2人の姫君がいた。
豊かな長い黒髪の貴族令嬢と、蜂蜜のような黄金の髪をした小国の姫君。
彼女たちもまた、花嫁狩りの獲物でありながら、かろうじて生命を繋いで会場まで運ばれてきた、いわば"幸運な"処女たちだった。
二人は裸で首鎖に繋がれ、怯えた瞳が観衆の視線に耐えきれず伏せられる。
だが、彼女たちの運命はすでに決まっていた。――生き残ったことが、決して幸運とは限らなかった。
2匹の
先端からは粘つく透明な液が糸を引き、犬の習性そのままに、後背位で姫君たちに覆い被さる。
黒髪の令嬢が「いやっ……来ないで……!」と泣き叫ぶが、
「いやああぁぁっ……! やめてえええ……!」
令嬢の体がびくんと跳ね上がり、鎖がじゃらじゃらと音を立てる。
陰茎の先端が子宮口を抉るように突き上げられ、膣壁が引き裂かれるような痛みに、令嬢の目から涙が溢れる。
肉体がぶつかる乾いた音が響き、令嬢の体が前後に激しく揺さぶられる。
蜜と鮮血が混じり合い、太ももを伝って地面にぽたぽたと落ちる。
「あっ……あっ……」
もっとも膣奥までを貫かれ、美しい少女たちは獣のやり方で抑えつけられ、服従させられ、躾けられていく――
「いやぁ……あっ……あっ……♡……こんな……」
すすり泣きの声が、やがて熱を帯びた雌の喘ぎへと変わっていく。
「あふっ……♡ああっ、奥ぅ♡……こんな奥までぇええ♡」
「いや……もう……へぐぅっ……♡あっ……♡もっとぉ♡」
「あっ……あっ……♡……壊れちゃう……奥までだめえ……♡」
蜜と白濁が太ももを伝い、鮮血と入り混じったピンクの液体となって地面にぽたぽたと滴り落ちる。
「あぁぁっ……!だめ……!
令嬢の体がびくびくと痙攣し、
どくどくと子宮口を直接叩くように脈打ち、令嬢の下腹が膨らむほどに満たされる。
「あ……あぁ……熱い……中が……ケモノの――
泣き声が完全に甘い喘ぎに変わる。
「もう……ダメ……私……雌になってる……♡」
もう一人も同様に、
「助けて……誰か……! あっ……あぁ……! だめ……奥まで……!」
「いやぁ……! 抜けない……! 動けない……!」
と叫びながら、
「あ……あぁ……熱い……私……もう……♡」
姫君たちは、地獄犬の陰茎に貫かれ、絶頂の波に飲み込まれていく。
「あぁっ……熱い……中がいっぱい……♡」
すでに人間の女としての心さえ失い、雌犬の喘ぎを漏らして涙を流していた。
*
アスモデールは冷たい笑みを浮かべながら、まずは祭壇のリーザをじっと見下ろした。
その顎を掴んで顔を上げさせる。
「う……」と、小さく姫君は呻いた。
気を失っているリーザの唇を、そっと親指でなぞり、ゆっくりと囁くように声を落とす。
「さぁ、はじめようか……美しい姫君」
リーザの白く薄い腹を、そっと撫でまわす。
可愛らしい縦型の臍から下、淡く色づいた割れ目の上……リーザの白い肌の下、薄くなめらかな脂肪に守られた子宮の位置を想像しながら確かめていた。
「なんと小さな、そして愛らしい器官だろうな。
美しき姫君よ、お前の小さな
まぁ、お前が俺のものを満足させられないのなら、子宮から首まで引き裂くのみだ。
せいぜい、奥まで咥え込んで俺を楽しませることだ」
残酷な睦言を、気を失っているサバトの花嫁に投げかけたアスモデールは、もう一度、芝居掛かった動作で観衆の方に向き直った。
絶叫、怒号、歓喜――彼らは生贄を犯せ、汚せと口々に叫び、もみくちゃになっている。まさに
アスモデールは、大衆の熱気を前にして、奇妙な冷静さを己に感じていた。
「姫君、お前はまだ、深く眠ったままでいい――。夜は長いからな」と低く囁く。
黒いローブを脱ぎ捨て、筋肉質な若々しい肉体を露わにする。
すでにアスモデールの陰茎は、腹を打つほどに長く、堂々とそそり立っている。
「我、サタン帝王の嫡子にして、色欲と契約の王、快楽を法とする君主たるアスモデールは、このサバトの主として、ここにある女、ルイーゼ・オルヴェスを、今宵の血塗られた花嫁とすることを、いまここに宣言する」
アスモデールの朗々とした低い声が響き、魔性の者たちは一斉に、しんと静まり返った。
リーザの脚をゆっくり開き、長くそそり立つ陰茎の先端を、まだ清らかさに渇いた秘部に押し当てる――。
リーザの意識のない体が、無意識に拒むようにこわばる。
眠りの深さを確かめるように、アスモデールは身をかがめ、リーザの顔のすぐ横に肘をついた。
アスモデールの白く散らかった、ばさばさと長い髪が、リーザの頬にかかる。
「ふん……確かに、お前は美しい。あの
リーザの顔に触れようと手を伸ばすと、彼の長い爪が彼女の柔肌をまるでカミソリが滑ったかのように傷つけた。
さっと赤く細い糸のように、リーザの頬を鮮血が流れた。
「お前がまず流すべき血は、ここからだよ、ルイーゼ姫」
自分の長い陰茎を握り、アスモデールはその大きな体で潰さんばかりに、一気に姫君に向かって体重をかけた。
「んんん……ぅ!」
リーザが、生々しく肉を割かれる苦痛に呻く。
アスモデールもまた、姫君の頑な貞操を証明する、あえかな肉の抵抗を感じながら、ゆっくりと根元まで沈めていく。
おお……と低く唸りながら、アスモデールは陰茎を深く、一気にリーザの中に押し込んだ。
深く――深く――彼女が守り抜いてきたものを全て蹂躙しながら、アスモデールは喉奥に快楽を詰まらせ、一気にその膣奥を突く。
ぷつん、糸と切れるように、リーザの内部から最後の抵抗が途切れたのを、アスモデールは感じた。
――破瓜の血が溢れ、アスモデールの陰茎の根本にまで赤く垂れ落ちた。
苦痛に呻く姫君は、頭を逸らし、白い首をわなわなと震わせている。
アスモデールは深く彼女の奥底に繋がっていることに満足しながら、その首筋に牙を立てた。
リーザの膣がきつく締め付け、アスモデールは低く呻く。
「ルイーゼ、お前は目覚めたとき、もう
冷たい石の生贄台にリーザの両手を押さえつけながら、アスモデールはさらに激しく、肉の快楽を存分に味わいながら陰茎を抜き差しする。
ぬちゅぬちゅと一定のリズムで、鮮血と愛液が泡立つ、みだらな音が響いた。
眠ったまま、大きく脚を押し開かれて、抵抗することのできないリーザはその膣奥までも、はげしく犯しつくされていた。
彼の逞しい肉体に押しつぶされながら、リーザの白い裸体は軋み、少しずつ潤みながら零れ落ちていく――
アスモデールは、リーザの膣が無意識に締め付けるたび、低く唸るような息を漏らしていた。
昏睡状態の体は、ただ本能だけが残り、処女の生粋の堅さが、彼の陰茎をきつく、きつく、抵抗するように締め上げる。
意識のない膣壁が、まるで拒絶するように、アスモデールの先端を押し返す。
「おお……いいぞ…たまらない…」
アスモデールは初めて、声にわずかな震えを帯びさせた。
アスモデールは、リーザの腰を強く掴み、さらに深く押し込もうとするが、ついに喉から低く、獣のような唸りが漏れた。
「さあ、ここからが本番だ姫君。今宵、お前のなかにどれだけ注ぎ続けてやろうか、俺はまだ考えている……。」
リーザの体が無意識に痙攣し、鎖がじゃらじゃらと音を立てる。
意識のない口から、
血と愛液に泡立つ姫君の花芯を嬲りながら、アスモデールは高ぶり続けていた。
彼の全身を貫くような強烈の熱の放射。
それはアスモデールの神経をすみずみまでを焼き苛むような快楽だった。
ついに彼の陰茎が、耐えきれず脈打つように膨張し、――どぷどぷどぷとリーザの奥深くに熱い魔精を大量に
「ぐっ……!」
夥しい汗にまみれたアスモデールは、リーザの体を抱きしめたまま、息を荒げた。
あれだけ放っていても、この姫君に対してまだ満たされない渇望が湧き上がってくる。
「……まだ……終わらん」と、アスモデールは、かすかに震える声で呟いた。
今手に入れたばかりの、このみだらな蜜壺を手放す気にはなれなかった。
「何時間か――何十時間か――俺はお前に注ぎ続ける。……せいぜい耐えることだ。お前の中を……わが血族の魔精でたっぷりと満たしてやる。
目覚めたとき、お前はまったく違う女に生まれ変わっていることを知るだろう」
突然――
ぶつん、ぶつんと……麻紐が自ら切れるときのような、乾いた音が連続して響いた。
リーザの手首を固定していた太い鎖が、一瞬で切断される。
鎖の断面は綺麗に溶けたように熱を持ち、赤熱した金属が地面に落ちてジュッと音を立てる。
アスモデールの動きが、ぴたりと止まる。
赤い瞳がわずかに見開く。
「……なんだと?」
次の瞬間。
空気が歪み、紫黒い魔力の奔流が爆発的に噴き出した。
瞬間転移の陣を切り裂いて、血潮にまみれたルシエルが、アスモデールのすぐ目の前に現れる。
彼の紫の瞳は燃えるように輝き、彼のすべてがレジナルドの血で赤く染まっていた。
瞬間転移の余波で周囲の空気が震え、観衆の歓声が一瞬で凍りつく。
アスモデールが口を開きかける。
「卿……いったい何の――」
ルシエルは、その言葉を最後まで言わせなかった。
紫黒い念波が、目に見えない衝撃波となって直撃する。
アスモデールの体が、一瞬で後方へ吹き飛ばされた。
壇の端まで転がり、地面に叩きつけられて土煙が上がる。
観衆の歓声が一瞬で静まり返り、代わりに驚愕のざわめきが広がる。
ルシエル公爵が突然現れ、身じろぎひとつせず、念波ひとつで帝王の嫡子を吹き飛ばした――。
ルシエルはリーザの鎖をすべて念波で切り裂き、彼女の体を抱き上げる。
リーザの白い肌に自分の血が滴り落ち、赤く染まった。
「アスモデール殿下……」
低い、抑えきれない怒りを帯びた声で、彼は告げた。
「この女は、私の所有物です。」
紫の瞳が、アスモデールを冷たく見据える
「この女を連れ帰るために参じました。
それが、私がこの場に現れた唯一の理由でございます」
ルシエルは憎悪に燃える眼で、帝王の嫡子を睨みつけた。
「この女を傷つける者を、私は許さない」
この先に待つすべての結果を、ただ自分自身として引き受けるしかないことがわかっていた。
そしてもう、ルシエルは心を決めていた。