※この作品はR-18です。

半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~   作:古弥須 凱

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45話 往復書簡

 

【挿絵表示】

 

 

 

――――――――――――

 

女公主殿下 ナイメリア様

 

 

謹慎中の身にありながら、かように書状を差し上げます段、何卒ご寛恕を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。

 

先般のサバトにて、殿下のご厚情により、リーザ姫が無事に保護されたこと、心より深く感謝申し上げます。

 

そのうえで、もし差し支えなきことがございましたなら、姫の御安否を、ただ一度、この目にて確認する機会をご高配いただくことは叶いませんでしょうか。

 

決して何かを求め、あるいは姫の身の上に関与せんとするものではございません。

 

ただその御無事を確かめ、以後は遠くより静かに見守ることをお許しいただければと存じます。

 

すべては殿下のご判断にお委ねいたします。

 

ご許しを賜る日が参りますまで、謹んでお待ち申し上げます。

 

ルシエル 公爵

 

謹白

 

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ルシエル公爵

 

 

お手紙、拝見いたしましたわ。

 

こんなに真剣なお手紙、久しぶりに受け取っちゃった♡

 

リーザちゃんのことが心配でたまらないのね、可愛いわ〜。

 

若いっていいわね~♡私も昔のことを思い出して、思わず膣キュンしちゃった♡

 

彼女のことは、私がちゃーんと預かっているので、心配しなくてOKよ♡

 

いまはね、彼女、少し疲れちゃってるのよ。

 

だから、もうちょっと見守ってあげたいのよね。

 

貴方の熱い想いは、ちゃーんと届いてるわ。

 

焦らなくても、きっと素敵な日が来るわよ〜♡

 

それまでお楽しみに~、ルシエル公爵♡

 

 

ナイメリア

 

――――――――――――

 

女公主殿下 ナイメリア様

 

 

これにて、十度目の書状を差し上げることとなります。

 

度重なるお願いにもかかわらず、毎度ご丁寧なお言葉を賜っておりますこと、心より御礼申し上げます。

 

しかしながら、私め、もはや書状のみにてリーザ姫の御無事を信じ続けることに、耐え難い思いを抱くに至りました。

 

どうか、殿下のご慈悲により、面会のお許しを賜れませんでしょうか。

 

たとえわずかな刻にて構いません。

 

姫の御顔を拝し、御声をお聞かせいただけるのであれば、それ以上の望みはございません。

 

すべては殿下のご判断にお委ねいたします。

 

ルシエル 公爵

 

謹白

 

――――――――――――

 

ルシエル公爵

 

 

あら、10通目ね……

 

貴方って顔に似合わず、本当にしつこいわ♡

 

でも、それだけ本気ってことかしら?

 

リーザちゃんには、まだ時間が必要なことがわかってて、それでも自分の気持ちを抑えきれないのね~。

 

やだもう~、がっついちゃって可愛い♡

 

若い殿方にありがちだけど、何でもおちんちんの勢いで考えるのは良くないわ~♡

 

とにかく今は、私がリーザちゃんを見守っているので、ご心配なく。

 

とゆーわけで、貴方の「見舞い」は、もう少しお預けにしておくわ。

 

貴方も思い詰めるより、なにか他のことで気持ちを発散してみたら?

 

また【天界の悦楽(ヘブンリープレジャー)】で踊り明かすとか♡

 

 

ナイメリア

 

――――――――――――

 

王妹殿下

ナイメリア女公主殿下 御前

 

謹慎の身にありながら、かような無礼なる書状を差し上げます段、何卒ご寛恕を賜りますよう、深く伏してお願い申し上げます。

 

これまで十度にわたり、リーザ姫の御安否を案じる書状を差し上げてまいりましたが、そのすべてにつき、殿下のご判断によりご辞退のお言葉を賜りましたこと、謹んで承知いたしております。

 

しかしながら、私め、もはや書状のみにて心を鎮めることが叶わず、このたびはあえて筆を改め、殿下御前にて直接お目通りを賜りたく、切にお願い申し上げる次第にございます。

 

願いはただ一つ。リーザ姫の御顔を拝し、御声をお聞きすること、それのみにございます。

 

ただ一度、その御無事を確かめ、その後は遠くより静かに見守ることをお許しいただければと存じます。

 

すべては殿下のご裁可に委ね、ご許しを賜る日まで、謹んでお待ち申し上げます。

 

万一、この願いが殿下のご不興に触れることがございましたなら、いかなる咎も甘んじてお受けする覚悟にございます。

 

ルシエル 公爵

 

謹白

 

――――――――――――

 

ルシエル様

 

お手紙を、いただきました。

 

ナイメリア殿下からお預かりしたものです。

 

あの夜のことは、まだ私の心に重く残っています。

 

あなたが助けに来てくださったことは、決して忘れていません。

 

本当にありがとう。

 

でも、今は……あなたに会いたくありません。

 

あなたが、あの夜に仰った「私の所有物だ」という言葉が、頭から離れません。

 

あなたとの十二夜の夢も途絶え、その意味についても考えています。

 

夢の中で交わした優しい時間も、今となっては、すべてが遠く感じられてしまいます。

 

私は、ずっと自由でありたかった。

 

それなのに、あなたはいつも、私を自分の所有物にしようとする。

 

それが、怖いのです。

 

あなたが深く愛してくださるほど、私はとても苦しくなります。

 

あの夜、あなたが血まみれで傷つき、それでも私を救おうと苦しんでいた姿。

 

あなたの悲しみに満ちた瞳を今でも忘れられません。

 

あなたが私を守れなかったこと。

 

そして私が……偽りの姿に犯され、あなたに見られながら体を震わせてしまったこと。

 

そのすべてが、私たちの間に横たわる傷です。

 

だから、あなたからの手紙を読むたびに、心はうれしさを感じ、でも同時にはり裂けそうになるのです。

 

このまま、もう二度と、あなたとはお会いしない方が良いと、思ってしまうこともあります。

 

もう少しだけ、一人で考える時間をください。

 

あなたのことを、いつも考えています。

 

ごめんなさい。

 

ルイーゼ

 

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