半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
ルシエルは自室の窓辺に佇み、夜の闇を静かに見つめていた。
部屋の灯りはやや落とし気味に、蝋燭の炎がゆらゆらと揺れている。
扉が控えめに叩かれる。
その薄い腰回りにぶら下げた、屋敷の鍵束を優雅に鳴らしながら、
彼女は一礼し、穏やかな声で報告を始めた。
「ルシエル様。本日、新たにメイドを二人雇い入れました。
双子たちの補充として、どちらも若く働き者の娘たちです。
明日から使用人棟で教育を始めます」
ルシエルは黙って聞き、短く頷くだけだった。
「それでは、失礼いたします」
アルマは部屋を出ようとした。その背中に、ルシエルが低く呼び止める。
「ミス・アルマ」
アルマは振り返った。
「いいえ、ルシエル様」
優しく、きっぱり断る。
「俺はまだ、何も言っていない、ミス・アルマ」
アルマは静かに微笑み、穏やかに答えた。
「ルシエル様のお考えが、アルマにはわかりますわ。お断りいたします」
ルシエルは息を詰めた。
「そんなつもりではなかった」
アルマは優しく頭を下げ、部屋を出る。
「おやすみなさいませ」
ルシエルは小さく、答えた。
「おやすみ、ミス・アルマ」
扉が閉まる音が響いた。
アルマは使用人棟の自室に戻り、小さなランプの灯りで繕い物の続きに取り掛かった。
指先で丁寧に布地を整えながら、細かく針を動かしていく。
突然、頭の中に声が響いた。念話だ。
ルシエルの声だった。
(ミス・アルマ。石鹸が見当たらない)
アルマは針を止め、静かに答えた。
「そんなはずはありませんわ。レジナルドが常にきちんと、ご用意しているはずです」
(彼はいない……ナイメリア様のもとへ使いに出している)
「では従僕のブランに声をかけますわ」
(ブランはもう下がっている。……持ってきてくれ、ミス・アルマ)
アルマは息をついた。
「
(裁縫が終わったら、何をする?ミス・アルマ)
「わたしもお風呂に入ります。使用人用の小さなバスタブに浸かって……体をすみずみまで拭きますわ」
(その光景を見てみたい。……お前の
アルマは針を布に刺したまま、静かに諭すように返した。
「わたしは、お小さいころの貴方様を、なんとかお風呂に入れたことを思い出しますわ。
泣いてわがままばかり仰って、私やアルフレッド様を困らせて」
(……俺はそう言われるほど、悪い子ではなかったはずだが)
「ええ、聞き分けの良い子だったことにいたしましょう。
ルシエル様の目の前にある、白くて四角い物体が石鹸です。
それを使って、きれいに体を洗って、静かにおやすみなさいませ」
念話が途絶えた。
アルマは繕い物を終え、ランプを落とし、部屋を出た。
使用人用の浴室へ向かい、小さなバスタブに湯を張る。湯気が立ち上る中、アルマはゆっくり服を脱いだ。
豊満な乳房は重みでわずかに垂れながらも、熟れた弾力を保ち、湯の熱で桜色に染まっていた。
オレンジがかった乳輪は乳首を優しく包み、湯に濡れて艶やかに光る。
腰からヒップの曲線は、女神のような豊満さと柔らかな肉感を湛えていた。
長い髪を解き、湯に沈めると、髪がたゆたうように広がり、胸の谷間に泡が浮かぶ。
湯に浸かり、目を閉じたアルマは静かにため息をついた。肩まで浸かり、熱い湯が体を包む。
静寂の中、再び念話が響く。
(ミス・アルマ。俺が眠るまで、そばにいてくれないか)
アルマは目を閉じたまま答えた。
「若いメイドが沢山おりますわ、ルシエル様。皆、よろこんで
(今夜はお前といたい、ミス・アルマ)
アルマはゆっくり目を開け、湯の中で髪を梳きながら穏やかに、しかしきっぱりと言った。
「ルシエル坊ちゃま、わたしはお父君であるハデス公のご寝所にもよばれていましたの。
それをご存じの上で、私をお召しになりたいの?」
(それは、知らなかった……。だが、いま余計に
「……いずれにしても、あまりアルマを困らせないでください。
私は
(この屋敷で誰も、俺に意見する者はいない。来てほしい、ミス・アルマ)
アルマは湯の中で体を起こした。水滴が豊かな胸を伝い、湯面に落ちる。
静かに、優しく答えた。
「わたしはただの使用人ですわ、ルシエル様。お召しのとおり、伺います」
(……ありがとう、ミス・アルマ)
念話が途絶えた。
アルマは湯から上がり、濡れた体をタオルで丁寧に拭いた。
豊満な胸を優しく包み込み、ヒップの丸みを拭きながら、寝間着を羽織る。
部屋を出て、ルシエルの私室へと向かった。
*
ルシエルは風呂上りのローブをまとったまま、ベッドの端に腰を下ろしていた。
濡れた黒髪が首筋に張りつき、湯の熱がまだ肌に残る。
部屋の蝋燭は一本だけが灯り、柔らかな橙色の光が彼の横顔を照らしていた。
扉が静かに開き、美しい黒髪を簡単に束ねた、ミス・アルマが入ってきた。
足音も立てずに近づき、ルシエルの前に静かに立った。
「石鹸はございましたか?」
「ああ、昨日と同じところにあった」
ルシエルは短く答え、ゆっくりと顔を上げた。
紫の瞳が、アルマを捉える。
その視線のなかに、言葉にできない渇望が宿っていた。
二人は無言で近づき、唇を重ねた。
最初は優しく、探るように。やがて深く、糸を引いて濃厚に絡み合う。
ルシエルの手がアルマの背中に回り、彼女を引き寄せる。
アルマは抵抗せず、ルシエルの首に腕を回して応えた。
キスを解くと、ルシエルはかすれた声で呟いた。
「お前とこうするのは久しぶりだ。ミス・アルマ」
アルマは静かに微笑み、ルシエルの頰を優しく撫でた。
「本当にお辛いときにだけ、お声がかかりますわ、ルシエル様。
アルマはそれを理解しています」
ルシエルは瞳を閉じ、アルマの胸に顔をうずめた。
彼女の熟れた体温と、柔らかな胸の感触に、静かに身を委ねる。
「俺は、双子たちを殺してしまった」
アルマはルシエルの髪を優しく撫でながら、穏やかに答えた。
「でも、レジナルドは生かされました。奇跡ですわ、本当に危ない状況でした」
ルシエルは目を閉じたまま、声を震わせた。
「休んでいろと言ったのに、ナイメリア様のもとへ使いに出て行った」
アルマはルシエルの肩を抱き寄せ、背中をゆっくりと撫でた。
「まだ体の穴が塞がったばかりなのに、レジナルドは忠義にも程があります。
でもルシエル様のお気持ちを考えれば、自分が行かなければと思ったのでしょう。
皆、ルシエル様のお力になりたいのです」
ルシエルはアルマの胸に顔を押しつけ、息を吐いた。
「……俺には、誰かを守ることが出来ないのかもしれない。
姉上も、双子たちも……みんな俺のために命を落とした。
サバトの夜も、俺はリーザを守れず、彼女が傷つけられるのを、ただ惨めに這いつくばって見ていた。
あの時の俺は、
あまりにも無力で……彼女にとって、俺はまったく無価値な存在にしか思えない。
……彼女は、今は俺に会いたくないと手紙でよこした。
俺はただ会いたいと手紙を書くが……もう"夢の中"ですら会えなくなった。
彼女に会う資格が、本当に俺にあるのか、それすらもうわからなくなってきた……」
アルマは優しくルシエルの顎を上げ、その紫色に潤む瞳を覗き込んだ。
「何事も、時が来るのをただ待つしかない……そういう時期がありますわ。
いまは、ルシエル坊ちゃまの辛いお気持ちを、アルマがみな受け止めます」
寝間着の紐を解き、豊かな胸を露わにする。
蝋燭の光に照らされ、乳房は重みでわずかに揺れ、乳輪はほんのり色づいていた。
アルマはルシエルのローブを剥ぎ取り、彼の上にそっと跨がった。
その熟れた秘部が、ルシエルの硬く張り詰めたものを優しく受け入れ、ゆっくりと腰を沈める。
彼女は腰をゆっくりと前後に揺らし、ぬるぬるとした柔らかな襞でルシエルを包み込む。
ルシエルは、アルマの腰に手を置き、そっと支えるように触れる。
「……アルマ……」
ルシエルは、彼女の熟れた媚肉の締め上げに酔い、震える声で呟いた。
アルマは優しく彼の髪を撫で、腰をゆっくりと動かし始める。
アルマの白い尻肉が波打ち、豊かな胸が激しく揺れる。
彼女はルシエルの胸に手を置き、体を預けるように前傾した。
乳房がルシエルの胸に押しつけられ、柔肉が波打つ。
「ルシエル坊ちゃま……もっと……奥まで……」
ミス・アルマは、ルシエルの肉体が求めているものをすべて与えてくれた。
ルシエルが自分で感じているよりも、ずっと早く高まり、ほとばしりそうになる。
「アルマっ………もう……!」
「いいのよ……坊ちゃま……わたしのなかに全部出して……」
ルシエルは耐えきれず、アルマの腰を優しく引き寄せ、静かに、しかし深く、その膣奥に熱を注いだ。
アルマは全身を震わせ、ルシエルの首に腕を回して抱きしめる。
「いい子……たくさん
彼女はゆっくりと体を起こし、ルシエルの上に跨り直す。
熟れた秘部から白濁が滴り落ち、ルシエルの腹に落ちる。
アルマの優しい唇が、彼の体のあらゆるところを吸い、舐め、甘く啜った。
「坊ちゃま……まだ……こんなに硬い……」
アルマはゆっくりと、ふたたび腰を動かし始めた。
朝が来るまで、ルシエルはアルマの胸に顔をうずめ、一時の渇きを癒すために、何度も彼女のなかに身を委ねた。