※この作品はR-18です。

半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~   作:古弥須 凱

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2話 母の墓所

ルシエルはリーザの手を取り、馬車の扉を開けた。

 

魔界の東の森を抜ける道中、馬車は魔力で静かに進み、揺れもほとんどない。

 

厚いカーテンを引くと、車内は柔らかな燭台の灯りだけが揺らめく小さな寝室となった。

 

座席に腰を下ろしたルシエルは、リーザを膝の上に座らせた。

 

新妻は、彼の胸元に安心して甘えていた。

 

「あなたは、すべての領地で私を抱くつもりなのね。……少しも休ませてくれないわ」

 

「昔は、家門(うち)の領地はもっと広かった。今はまだ難しいが、俺の代で取り戻したいと思ってる。いずれは俺たちの子に継がせたい。

 

まずは跡を継ぐ子を為さねばならない――だから、こうして頑張っている」

 

冷たい美貌のルシエルが、どこか真面目くさってそう言うのが滑稽で、リーザは笑った。

 

「頑張っているの……?あなたは少しも義務的に見えないわ」

 

新妻のからかいに、ルシエルも微笑んだ。

 

「俺か?もちろん、いつも沸き立っている。お前を見るだけで、とどまる事をしらない。俺は悪魔(ディアボロ)だ。――欲望の化身であり、お前の愛につながれた奴隷だ」

 

ルシエルは彼女の唇を優しく奪い、舌を絡めながら、今日何度目かもわからない熱い口づけを交わす。

 

彼女の長い金髪が肩に流れ、甘い香りが車内に満ちる。

 

ルシエルはリーザの頰に指を這わせ、紫の瞳を潤ませて囁いた。

 

「リーザ……馬車の揺れの中で、お前の唇を感じたい」

 

リーザは静かに目を伏せ、夫の胸に寄り添う。

 

ルシエルの手が、自分の衣を解いていく。

 

すでに堅くそそりたつ陰茎を露わに引き出し、新妻の視界に晒した。

 

「口で……たのむ」

 

ルシエルは彼女の頭を優しく押さえ、自分の陰茎を彼女の唇に近づけた。

 

先端がリーザの唇に触れると、彼女はゆっくりと口を開き、夫を受け入れる。

 

温かい口内が陰茎を包み込み、舌が優しく絡みつく。

 

ああ……とシエルは低く呻き、リーザの頭を優しく押さえながら腰を動かした。

 

ぬるぬるとした感触が神経を直撃し、リーザの喉が微かに震える。

 

彼女の吐息が熱く漏れ、口内で舌が陰茎を優しく転がす。

 

ルシエルは彼女の髪を撫でながら、ぐっと首をのけぞらせた。

 

魔力が一瞬乱れ、馬車の進路が少しだけがたついた。

 

「リーザ……もっと奥へ……俺をもっと飲み込んで……」

 

リーザは夫の動きに合わせて喉を鳴らし、微かな喘ぎを漏らす。

 

ルシエルは腰を速め、彼女の口内を優しく、しかし確実に突き上げる。

 

リーザの唇が陰茎を締めつけ、温かく濡れた上下の律動が甘く響く。

 

「リーザ……たのむ……もっと……根元まで……ああ――」

 

ルシエルの限界が近づく。

 

リーザの金髪を両手で優しく押さえ、そのまま合図も出さず、彼女の口内におびただしい白濁の精を放った。

 

「こぼさずに飲んでくれ……ぜんぶ……」

 

熱く脈打つ白濁の精がリーザの喉に絡みつき、彼女は微かに震えながら濃厚な匂いを飲み下す。

 

溢れた分が唇から滴り落ち、リーザの頰を伝う。

 

ルシエルは息を荒げ、満足げに微笑んだ。

 

「リーザ……お前の口の中も俺のものだ……」

 

リーザは静かに息を整え、夫の胸に寄り添った。

 

馬車の揺れが二人の体を優しく揺らす。

 

しかし、ルシエルの欲望はまだ収まらない。

 

彼はリーザを座席に押し倒し、彼女の白い脚を持ち上げた。

 

すでに熱く濡れた秘部に陰茎を押しあて、ゆっくりと沈めていく。

 

「ここは俺が一番気に入っている領地(とち)だ……ここで俺の子を宿してくれ……」

 

リーザの体がびくっと震え、内壁が優しく締めつける。

 

ルシエルは腰を進め、深く、深く、彼女の奥まで埋めていく。

 

リーザの吐息が甘く乱れ、体が彼に絡みつくように震える。

 

馬車の微かな揺れが、二人の動きに重なり、その愛交の摩擦を増幅させる。

 

「リーザ……お前の中、熱い……」

 

ルシエルは彼女を抱きしめ、優しく、しかし確実に腰を動かし始める。

 

リーザの体は夫の動きに合わせて揺れ、微かな喘ぎが漏れる。

 

内壁がルシエルの陰茎を甘く締めつけ、なめらかで熱い熱で包み込む。

 

彼は彼女の乳房を優しく揉み、乳首を指で転がす。

 

リーザの吐息が高くなり、体がびくっと震える。

 

絶頂が近づき、ルシエルはより強く妻を抱きしめた。

 

彼は我慢しなかった。

 

ただ、リーザの奥深くで全身を震わせ射精した。

 

大量の熱い白濁が思うままに放たれ、リーザの膣内を一気に満たす。

 

リーザの体が震え、内壁が精を絞り取るように収縮する。

 

白濁が溢れ、内腿を伝い、馬車のクッションに染みを作る。

 

ルシエルは彼女を抱きしめたまま息を荒げ、満足げに微笑んだ。

 

「……お前は俺のものだ……俺の精で満ちてる……」

 

リーザは微かに微笑み、夫の胸に寄り添った。

 

「あなたのものよ……ルシエル」

 

馬車は霧雨の中を進み、二人は甘い余韻に浸る。

 

次の停泊地に向かう道中も、馬車の揺れに合わせて、ルシエルはリーザを優しく、深く、満たし続けた。

 

 

*

 

 

ルシエルは馬車を止めた。

 

領地の東端、霧に包まれた小さな森の奥に、彼の母であるプロセルピナの墓所があった。

 

公爵領の中でもひっそりとした、美しいが忘れられた場所。

 

彼はこれまで一度も訪れたことがなかった。

 

リーザを馬車に残し、「少しだけだ。待っていてくれ」とだけ告げて、ルシエルは一人で霧の中を歩いた。

 

黒いマントが木々の間を滑り、足音だけが静かに響く。

 

墓所は小さな円形の石壇に囲まれ、中央に白い大理石の墓標が立っていた。

 

プロセルピナの名が、銀の文字で刻まれている。

 

周囲には淡い青の花が咲き乱れ、霧に濡れて光る。

 

残されたのは、「人間の姫だった」という事実の断片だけ。

 

ルシエルはマントの裾を払い、墓標に指を触れた。

 

墓標の前に立ち、静かに見下ろした。

 

「……母上」

 

声は低く、霧に溶けるように消えた。

 

紫の瞳が、墓標の文字をなぞるように動く。

 

彼は母の顔をまったく知らなかった。

 

プロセルピナはルシエルが生まれて間もなく亡くなり、ハデス公は息子に母の話をほとんどしなかった。

 

肖像画すら残されず、ただプロセルピナ姫を知る僅かな者たちだけが、ルシエルのその際立(きわだ)った美貌を「母譲りだ」と言った。

 

冷たい石の感触が、胸に虚しさを広げる。

 

「俺は……貴女が幸せだったのかわからない……

 

俺がリーザを幸せにできるのか考えたとき、ただ、母上のことを思い出すのです」

 

霧が濃くなり、視界を白く染める。

 

ルシエルは数分だけ立ち尽くし、何も言わず、何もせず、ただ眺めていた。

 

やがてゆっくりと踵を返し、霧の中を歩き出す。

 

馬車の灯りが遠くに見えた。

 

ルシエルはマントを翻し、彼女のもとに戻った。

 

リーザはただ静かに、彼を待っていた。

 

「待たせて悪かった」

 

リーザは静かに微笑み、夫の手を取った。

 

ルシエルは彼女を抱き寄せ、馬車に乗り込む。

 

霧が二人の背中を優しく包み、馬車は再び静かに進み始めた。

 

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