半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
ルシエルはリーザの手を取り、馬車の扉を開けた。
魔界の東の森を抜ける道中、馬車は魔力で静かに進み、揺れもほとんどない。
厚いカーテンを引くと、車内は柔らかな燭台の灯りだけが揺らめく小さな寝室となった。
座席に腰を下ろしたルシエルは、リーザを膝の上に座らせた。
新妻は、彼の胸元に安心して甘えていた。
「あなたは、すべての領地で私を抱くつもりなのね。……少しも休ませてくれないわ」
「昔は、
まずは跡を継ぐ子を為さねばならない――だから、こうして頑張っている」
冷たい美貌のルシエルが、どこか真面目くさってそう言うのが滑稽で、リーザは笑った。
「頑張っているの……?あなたは少しも義務的に見えないわ」
新妻のからかいに、ルシエルも微笑んだ。
「俺か?もちろん、いつも沸き立っている。お前を見るだけで、とどまる事をしらない。俺は
ルシエルは彼女の唇を優しく奪い、舌を絡めながら、今日何度目かもわからない熱い口づけを交わす。
彼女の長い金髪が肩に流れ、甘い香りが車内に満ちる。
ルシエルはリーザの頰に指を這わせ、紫の瞳を潤ませて囁いた。
「リーザ……馬車の揺れの中で、お前の唇を感じたい」
リーザは静かに目を伏せ、夫の胸に寄り添う。
ルシエルの手が、自分の衣を解いていく。
すでに堅くそそりたつ陰茎を露わに引き出し、新妻の視界に晒した。
「口で……たのむ」
ルシエルは彼女の頭を優しく押さえ、自分の陰茎を彼女の唇に近づけた。
先端がリーザの唇に触れると、彼女はゆっくりと口を開き、夫を受け入れる。
温かい口内が陰茎を包み込み、舌が優しく絡みつく。
ああ……とシエルは低く呻き、リーザの頭を優しく押さえながら腰を動かした。
ぬるぬるとした感触が神経を直撃し、リーザの喉が微かに震える。
彼女の吐息が熱く漏れ、口内で舌が陰茎を優しく転がす。
ルシエルは彼女の髪を撫でながら、ぐっと首をのけぞらせた。
魔力が一瞬乱れ、馬車の進路が少しだけがたついた。
「リーザ……もっと奥へ……俺をもっと飲み込んで……」
リーザは夫の動きに合わせて喉を鳴らし、微かな喘ぎを漏らす。
ルシエルは腰を速め、彼女の口内を優しく、しかし確実に突き上げる。
リーザの唇が陰茎を締めつけ、温かく濡れた上下の律動が甘く響く。
「リーザ……たのむ……もっと……根元まで……ああ――」
ルシエルの限界が近づく。
リーザの金髪を両手で優しく押さえ、そのまま合図も出さず、彼女の口内におびただしい白濁の精を放った。
「こぼさずに飲んでくれ……ぜんぶ……」
熱く脈打つ白濁の精がリーザの喉に絡みつき、彼女は微かに震えながら濃厚な匂いを飲み下す。
溢れた分が唇から滴り落ち、リーザの頰を伝う。
ルシエルは息を荒げ、満足げに微笑んだ。
「リーザ……お前の口の中も俺のものだ……」
リーザは静かに息を整え、夫の胸に寄り添った。
馬車の揺れが二人の体を優しく揺らす。
しかし、ルシエルの欲望はまだ収まらない。
彼はリーザを座席に押し倒し、彼女の白い脚を持ち上げた。
すでに熱く濡れた秘部に陰茎を押しあて、ゆっくりと沈めていく。
「ここは俺が一番気に入っている
リーザの体がびくっと震え、内壁が優しく締めつける。
ルシエルは腰を進め、深く、深く、彼女の奥まで埋めていく。
リーザの吐息が甘く乱れ、体が彼に絡みつくように震える。
馬車の微かな揺れが、二人の動きに重なり、その愛交の摩擦を増幅させる。
「リーザ……お前の中、熱い……」
ルシエルは彼女を抱きしめ、優しく、しかし確実に腰を動かし始める。
リーザの体は夫の動きに合わせて揺れ、微かな喘ぎが漏れる。
内壁がルシエルの陰茎を甘く締めつけ、なめらかで熱い熱で包み込む。
彼は彼女の乳房を優しく揉み、乳首を指で転がす。
リーザの吐息が高くなり、体がびくっと震える。
絶頂が近づき、ルシエルはより強く妻を抱きしめた。
彼は我慢しなかった。
ただ、リーザの奥深くで全身を震わせ射精した。
大量の熱い白濁が思うままに放たれ、リーザの膣内を一気に満たす。
リーザの体が震え、内壁が精を絞り取るように収縮する。
白濁が溢れ、内腿を伝い、馬車のクッションに染みを作る。
ルシエルは彼女を抱きしめたまま息を荒げ、満足げに微笑んだ。
「……お前は俺のものだ……俺の精で満ちてる……」
リーザは微かに微笑み、夫の胸に寄り添った。
「あなたのものよ……ルシエル」
馬車は霧雨の中を進み、二人は甘い余韻に浸る。
次の停泊地に向かう道中も、馬車の揺れに合わせて、ルシエルはリーザを優しく、深く、満たし続けた。
*
ルシエルは馬車を止めた。
領地の東端、霧に包まれた小さな森の奥に、彼の母であるプロセルピナの墓所があった。
公爵領の中でもひっそりとした、美しいが忘れられた場所。
彼はこれまで一度も訪れたことがなかった。
リーザを馬車に残し、「少しだけだ。待っていてくれ」とだけ告げて、ルシエルは一人で霧の中を歩いた。
黒いマントが木々の間を滑り、足音だけが静かに響く。
墓所は小さな円形の石壇に囲まれ、中央に白い大理石の墓標が立っていた。
プロセルピナの名が、銀の文字で刻まれている。
周囲には淡い青の花が咲き乱れ、霧に濡れて光る。
残されたのは、「人間の姫だった」という事実の断片だけ。
ルシエルはマントの裾を払い、墓標に指を触れた。
墓標の前に立ち、静かに見下ろした。
「……母上」
声は低く、霧に溶けるように消えた。
紫の瞳が、墓標の文字をなぞるように動く。
彼は母の顔をまったく知らなかった。
プロセルピナはルシエルが生まれて間もなく亡くなり、ハデス公は息子に母の話をほとんどしなかった。
肖像画すら残されず、ただプロセルピナ姫を知る僅かな者たちだけが、ルシエルのその
冷たい石の感触が、胸に虚しさを広げる。
「俺は……貴女が幸せだったのかわからない……
俺がリーザを幸せにできるのか考えたとき、ただ、母上のことを思い出すのです」
霧が濃くなり、視界を白く染める。
ルシエルは数分だけ立ち尽くし、何も言わず、何もせず、ただ眺めていた。
やがてゆっくりと踵を返し、霧の中を歩き出す。
馬車の灯りが遠くに見えた。
ルシエルはマントを翻し、彼女のもとに戻った。
リーザはただ静かに、彼を待っていた。
「待たせて悪かった」
リーザは静かに微笑み、夫の手を取った。
ルシエルは彼女を抱き寄せ、馬車に乗り込む。
霧が二人の背中を優しく包み、馬車は再び静かに進み始めた。