半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
悪魔の接吻――
それこそが
ソフィアは自分のコウモリの翅から漂う甘い芳香で人間を酔わせ、すばやく間合いを詰めて唇に触れる。
最初は強引になる必要はない。
まだ催淫の霧が効いているうちならば。
「……! や……め……!」
リーザが息の合間に抵抗しようとするのを、ソフィアは甘くつつくようなキスで塞ぐ。
その唇は温かく湿っていて、熟れた果実のようにリーザの唇を優しく押し開いた。
閉じようとした唇の隙間を、ソフィアの舌先がするりと割り入り、ぬるぬるとした甘い唾液が絡みつく。
少しずつ、ちろちろと舌を動かしながら、リーザ姫の唇を味わっていく。
(ほら、もう意識がぼんやりしてきたでしょ♡ あとは悦楽の世界へようこそ♡)
「……ンン――」
徐々に力が抜けていく。
「ソフィア、本当にすごい……!」
同じ淫魔の姉妹であるリリアが、手際の良さに感心した声を上げる。
(もーお、リリア!ボケっとしてないで、リーザ姫の後ろに回って体を支えてっ!あと数秒で足から力が抜けて倒れるわ。夢の中とは言え、怪我なんてさせられないでしょっ)
濃厚なキスで唇がふさがっているソフィアは、念話で
「ご、ごめんなさい!」
がくがくと意識を失いかけた姫君が倒れ込むのを、双子は支えてそっと
「力が抜けちゃってる…そっと寝かせてあげようか?」
長い接吻を終え、口周りの唾液を舐め取りながら、ソフィアがてきぱきと指示を出す。
「バカね~座らせておかないとあの方によく見えないじゃない!もー、役たたずなんだから、リリアは後ろから姫君の体を支えてて!」
「わ、わかった!」
(ルシエルさま、こんな感じでよろしいでしょうか――♡)
木陰に潜む彼女らの
(上首尾だ、いや上首尾すぎるほどだ、ソフィア。お前に頼って正解だった)
決して、音を立てぬよう唇を固く結んでいた。
それでも、吐息が白く細く漏れるたび、冷たい夜気に溶ける前に熱を帯びているのがわかる。
また昂っている――。
興奮を抑えきれないのに、冷静を装うルシエルの念話には答えず、ソフィアは
「…あ…ぅ……」
リーザの意識が戻り始めていた。
しかし視界は霞み、頭の中は濃い霧で満たされている。
「さーて、もう
指示待ちのリリアは、不安そうにこちらを見つめるだけで、ここからはソフィアの
その瞳には甘い残酷さが宿っていた。
「じゃ、リーザ姫……ごめんね♡もう 時間がないから、そのドレスは脱いじゃおっか♡」
「……い……いや……」
ソフィアの舌に触れた瞬間から、姫君に残された抵抗の力はほとんどなかった。
体が勝手に熱くなり、胸の先がぴんと尖り、秘部が疼いて潤み始める。
「嫌だよね~♡ごめんね~」
言葉は優しくとも、ソフィアの指は白いドレスに掛かり、両手で生地を強く掴む。
霧に濡れた薄絹がビッと音を立てて抵抗するも、一気に引き裂かれた。
ビリビリッ……!
鋭い音とともに薄絹地が左右に弾け飛び、リーザの白くふっくらとした胸が露わになる。
破れたドレスの残骸が肩から滑り落ち、腰までずり下がり、姫の裸体を一気に現した。
微かに上下する胸を、冷たい夜霧が優しく撫でる。
ソフィアは甘く微笑み、意識を取り戻そうと首を振る健気な姫君に、再び催淫の
(ルシエルさま~、じゃあ――姫君のえっちな身体検査ぁ、始めていきまっす♡)
(――続けろ)
「どーせ、もぅおちんちん硬くなってるくせに、ルシエルさまったらクールなんだからぁ~♡……じゃあ、リクエストどおり、この高貴なリーザちゃんのきれいな
ソフィアは楽しげに声を弾ませる。
「まずは、この白いお肌♡……お腹までとっても柔らかくて…触るとふわっと沈む……抱きしめたらクッションみたいに気持ちよさそ……♡正常位で腰をぱんぱんって打ちつけたら、毎回ふわふわって気持ちいい反動が返ってくる感じかも♡」
ソフィアの細い指が、姫君の平らな腹を優しく撫で下ろし、へその下でゆっくり円を描く。
「白くて、すっべすべのお腹をするする~って撫でてみまーす。思わず『ここらへんが子宮かな?』って想像しちゃって、
次に、リリアが指示通り後ろからリーザの胸を下から持ち上げる。
「そして、悪魔も人間も、オトコはみんな大好きな――おっぱぁい♡」
「ほらぁ……重みはあるのに形が崩れない、リーザちゃんおっぱいの完璧な
ソフィアは主人の嗜好を熟知している。
ルシエルがいる方向からの、その視界を遮らない角度を保ちながら、淡いピンクの乳首を優しく摘まんだ。
「そして、可憐なピンクの乳首♡ ちっちゃめだけど、もうぷっくり尖ってて、かなり敏感なんだぁ~。キスの時から、ぴこんって反応しちゃってて可愛すぎ!まだ誰の口にも吸われたことなさそ~? ……って、もしかしてどっかの悪い男の子に吸われちゃってましたっけ?♡」
左の乳首をあむっと口に含み、ちゅうちゅう……と音を立てて甘く吸い上げる。
舌先でねっとり転がし、頂を軽く甘噛みしながら、唾液をたっぷり絡ませて濡らしていく。
「……あっ!…や、…やめ……て……」
リーザの体がびくんと震え、胸が甘く波打つ。
甘い電流が全身を駆け巡り、意識もうろうとしながらも体をよじろうとするが、指先が震えるだけだ。
(いや……こんな……体が……なんで……!)
媚薬が神経を甘く溶かし、抵抗の意思だけが残っているのに、体はふわふわと浮くように軽くなり、リリアに寄りかかる姿勢になってしまう。
「えーっと、ルシエルさま、反応薄いんですけどぉ~? ちゃんとわたしの
(――――――――ああ)
ルシエルの返事は短く、息が混じったように掠れていた。
「て、沈黙ながっ!じゃあ~お待ちかねの
ソフィアはリーザの脚を優しく押し広げ、ふっくらとした
「あ~……姫君の高貴なお股まる出し……こんなの、あり得ないくらいエッチでしょぉ♡」
月光に照らされた蜜で濡れた花芯が、艶やかに光る。
「……いやっ……嫌ぁ――!!」
あ、まだ声が出るんだ。と、ソフィアは少し意外そうに目を細める。すごい意思のちから。
普通の女なら、もう声も出せなくなっているはずなのに。
横から秘丘をそっと撫で、じっくり見せつけるように指を左右に動かし、固く尖った蕾を晒す。
「リーザちゃんのお豆、めちゃ可愛い♡ もうぷっくりピンクに膨らんで……触るとびくびく震えて……
ここをこう、ねっとり擦ってあげると……ほら、すごい反応♡ ぴくんぴくんって……けっこうオマセさん? お姫さま、こっそり机のカドとかで押し付け
姫君は顔を背け、小さな涙を浮かべている。
「恥ずかしがっちゃって可愛すぎ~♡ オトコからしたら、こんな
ソフィアは予告もなく細い中指を、姫君の秘部に差し込んでいく。
「……あ――っ――!」
「んー♡姫様のここ、すっごくキツいですね~。私の指、けっこう細いのに……催淫効果でトロトロにしてあるから入るけどぉ♡ これは
あ……あ……と小さくうめくリーザ。
ソフィアの掌に、透明な滴がぽたぽたと零れ落ちる。
「外側はふっくらクッションみたいに柔らかくて、内側は熱くてぬるぬる♡
締まりがもう……入れた瞬間きゅうっと締めつけてきて……奥までずっぽり飲み込まれたら、抜きたくなくなっちゃうタイプ♡
ほっそい腰を掴んで、ぐいぐい根元から押し込んで――
「いや…ぁ…許して……」
「もうくちゅくちゅ音してますよ~、姫さま。もっとかき回して欲しいンでしょお~♡ 声、出ちゃってるもん」
「……ちが……ますっ――」
指が小さな
淫魔らしい本性を瞳に宿して、ソフィアが残酷に微笑んだ。
(ルシエルさま、もうお姫さま出来上がりですけど……やっぱりご自分でお味見、されます?♡)
木陰からの返事は、完全に途絶えていた。
ただ、静寂の中で響く、熱く乱れた鼓動だけが、答えの代わりだった。