※この作品はR-18です。

半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~   作:古弥須 凱

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15話 不義密通 下

今日は、ルシエルが先にアトリウムに来ていた。

 

王宮の外れ、皇嗣イフの遊び場である森のその場所で、静かにリーザを待っている。

 

イフの悪夢の中。

 

息子セオドアを、遊び相手として引き渡した対価として、ルシエル辺境伯は、王妃リーザとの密会の時間を与えられていた。

 

イフは……表面上、セオドアをいじめる素振りを見せなかった。

 

「俺たちは、今日はもっと遠くまで遊びに行こう。――遅くなるかも知れない。ルシエル卿、それでかまわないだろうか?」

 

毎回、ルシエルに確認を取る。

 

かまわないだろうか?、と。

 

今日のセオドアは、いつものように彼に縋りつかなかった。

 

紫の瞳で父親を見つめ、静かに諦めたように言った。

 

「父上。……殿下のお供をしてまいります」

 

イフは、ちらっとセオドアを横目でみて、ルシエルの了承を待った。

 

「殿下、……どうぞ、セオドアをお連れ下さい」

 

誇り高い魔王であるはずのルシエルが、イフに従属し、頭を下げる。

 

現実世界がどうあれ、イフの夢の世界の中ではこうだ。

 

アスモデールの妻を盗む、哀れな間男となったルシエルは、父としての矜持を売り渡す。

 

一時の快楽、不義密通の甘い蜜のために……。

 

ルシエルが、息子セオドアを差し出す恥辱の感情を、イフは思うさま存分に味わっていた。

 

ルシエルは、我が子よりも目先の愛(・)欲(・)を選んだ、恥知らずのクズ男だ。

 

やつの息子は、まがいものだ……愛される価値のない子なのだ。

 

あの生意気な弟である胎児に、その役割を投影して、イフの心は満ち足りていた。

 

さあ、今日はどうやってセオドアと"遊んで"やろうか。

 

――時間はたっぷりある。彼らにも、俺たちにも。

 

「ありがとう、辺境伯」

 

イフは形式的に言った。

 

「きっと楽しい一日になる」

 

 

*

 

 

噛みつき合うような激しい接吻から、彼らの情交は始まった。

 

ルシエルはリーザを抱き上げ、勢いのまま植物台に載せる。

 

黒いドレスはすでに乱れ、裾が膝までまくり上がっている。

 

リーザの背中が植物台の縁に当たり、いくつかの鉢植えがわずかに揺れた。

 

ルシエルは無言で彼女の膝を広げ、自分の体を重ねた。

 

「まって……まだ……」

 

リーザが口を離したが、そのまま、ルシエルにまた塞がれる。

 

見つめ合ったまま、正常位の姿勢で体重をかけ、ゆっくりと自身を沈めていく。

 

リーザの肢体がびくりと跳ね、くぐもった喘ぎが漏れる。

 

「んっ……あ……」

 

彼は彼女の耳元に唇を寄せ、低く、抑揚のない声で囁く。

 

「お前は俺のものだ……」

 

言葉の響きは静かだが、その腰使いは執拗だった。

 

リーザの内部が、無意識に締まる。

 

ルシエルはさらに奥まで押し進める。

 

「あ……うぅっ……!」

 

彼女の奥をゆっくりと、しかし容赦なく突き上げながら、耳元で繰り返す。

 

「永遠に俺のものだ……」

 

彼の紫の瞳が、リーザの涙に濡れた瞳を捉える。

 

ルシエルの与える痛みが、徐々に彼女の熱に溶けていく。

 

「もっと痛くして、ルシエル。もっと……わたしの中に突き挿(い)れて……あなたが欲しい」

 

愛する男の耳元で、リーザが短く、言った。

 

王妃の囁きは、誰にも聞かせたくないほど熱く、みだらだった。

 

ルシエルの指が彼女の腰を強く掴み、密着させたまま、腰を深く押しつけた。

 

甘く蕩けた肉壁が、すでに彼を強く締めつけ、その熱が根元まで伝わってくる。

 

「……そんな言葉を、どこで覚えてきたんだ、リーザ」

 

ルシエルは冷たく、黒い嫉妬心を隠さなかった。

 

耳朶を噛んだ。

 

ゆっくりと腰を引き、ほとんど抜けかけたところで、また残酷に沈める。

 

一度の動きで、リーザの喉から甘い悲鳴が零れる。

 

「あっ……!」

 

「アスモデールに抱かれて……奴に向けるのとおなじ言葉で、俺に精をねだるのか……リーザ……答えろ」

 

彼の声は静かだが、底に潜む屈辱と愛情が混じり合っていた。

 

「やめて……ルシエル、もう……」

 

さらに激しく突き上げられて、短く喘いだ。

 

「奴のことを言われて、お前がいっそう、俺を締め付けている……たまらない、気が狂いそうだ」

 

腰を短く、激しく打ちつける。

 

「俺の敵に抱かれて、お前のからだは変わった。淫らに俺を搾りとろうと、こんなに締め付けてくる……。

お前はもう、俺の腕に抱かれ、可愛らしく声を上げて泣いていた、俺のリーザではなくなった。

だがお前の蜜壺(ここ)は……前より、ずっと……気持ちいい……とろけそうだ」

 

男としての屈辱と、リーザの成熟した肉体の与える快楽の両方が彼を苛んでいた。

 

彼は魔王であり、肉欲を司る悪魔(ディアボロ)だった。

 

リーザの心と肉体(からだ)を支配し、どこまでも執拗に彼女を求めた。

 

現実でも夢の世界でも、激しく彼女に執着し、犯し、奪いつくす。

 

それが、ルシエルという男のありのままの姿だった。

 

「こんなに、いやらしい肉体(カラダ)になるまで、あいつに与え尽くしたんだな。

 アスモデールに夜ごと抱かれて、快楽におぼれていたのか。

……リーザ、答えろ。……俺を裏切っていたのか」

 

ルシエルの腰の動きがなお一層はげしく、苛烈に膣内を責め立てる。

 

「お前のことばかり考えていた……お前の肌を思い出して、夜毎、自分の手で慰んだ。

……俺が孤独に苦しんでいるのを知っていたはずだ。

それなのにお前は、アスモデールの与える快楽に酔い、俺との愛など忘れて、みだらに絶頂(い)っていた。

そうだろう、リーザ。黙っていてもわかる、お前の肉体(カラダ)がそうだと言っている。」

 

リーザは応えず、両手でルシエルの背中に爪を立て、強く抱きついた。

 

「アスモデールは……お前に何をさせた?どんな格好で、奴を受け入れた……?

秘門(うしろ)も調教(しこ)まれたのか?

教えてくれ、やつと同じことをしたい。……奴の痕跡すべてを、俺の精で塗り替えてやる」

 

内部が収縮し、彼をさらに深く引き込む。

 

「リーザ、お前は俺を愛している……それなのに、奴に堕とされたのか。

……淫らに腰を振って、奴の子を孕んだ……俺ではなく……奴の子を」

 

むごい言葉を浴びせながら、激しく求める。

 

「……ああ……すごくいい……もっと……

もっと私をいじめて……

私を責めて、ルシエル……。

すごく……硬くて……熱い……」

 

涙をこぼしながら、リーザもはげしく腰を使った。

 

「あなたを裏切ったわ。

あれから、すべての夜で……あなたを裏切った……。

あの男に抱かれ、調教しつくされて……私は堕ちたの……。

 

アスモデールは寝室に……彼のお気に入りの小姓を呼び込んだ。

少年たちに囲まれて、彼らの若い欲望の視線に晒されながら……アスモデールは私を犯した……。

 

そして夫は……小姓たちに私の肉体を弄ばせたわ。

何人も……かわるがわる……。彼らは私の胸を吸い立て、舌であそこを舐めまわした。

 

二人ずつ、私の唇と、あそこに肉棒を突き入れて激しく動かした。

わたしの肉体を使った競技(ゲーム)をするように、射精するときは、少年たちは声をあげていた。

 

はじめは抗ったわ……。でももう、私はどうにもできなかった……。

ああ……ルシエル、すごく感じる……もっと突いて……!」

 

ルシエルは息を呑み、腰の動きを一瞬止めて、冷たく問い返す。

 

「小姓たちに……?

奴の子ネズミどもに、王妃のお前が体を許したのか?

どんなふうに、犯されたんだ……?

全て言え、リーザ。

俺の女が、そんなガキどもにいいように輪姦(まわ)されたなんて……とても耐えられない」

 

リーザの体がびくりと震え、内壁が彼を強く締めつける。喘ぎを交えながら、言葉を続ける。

 

「ええ……奴の命令で、毎晩のように……。

アスモデールを、口と膣内(あそこ)とで満足させたあとは、小姓たちが交代で、私を犯したわ。

 

争うように熱いものを交互に押し込んで……お尻までなんども使われて……。

どんなに痛みを感じても、絶頂(い)くまで赦してもらえなかった。

 

私は夫が、じぶんのお気に入りの小姓に投げ与えた性玩具(おもちゃ)よ。

 

……彼らの若い欲望にもみくちゃにされ、強引に喉奥まで犯されて、苦い精液を飲まされ続けたわ。

 

待ちきれない子たちは、私の身体に精液を掛けてくるの。

白く、べっとりと汚されて……小姓たちの匂いにむせかえりそうだった。

 

もうあふれるほど白濁を垂らしている膣口(あそこ)に、彼らはケダモノの仔のように次々と突き入れてくる。

 

心でどんなに拒んでも、休むことを許されずに犯し尽くされた。

 

彼らは……そこを……"エロまんこ"と呼んだわ。わたしにも、そう口に出すことを要求した。

 

王妃であるわたしを……そう呼んで嘲って……代わる代わるに射精した。

私は王妃なのに、そんなみだらな姿を晒して……。

 

小姓たちの若くて逞しい肉棒(もの)に貫かれながら、心の中ではあなたの名前を呼んでいたわ。

……でも、体は正直で……何度も絶頂(い)かされてしまったわ。

何度も、何度もよ。

 

正直にいうわ、あなたのことを忘れそうになるほどの……絶頂だった。

ルシエル、これで満足した……?

私はもう、あなたの知っているリーザじゃないわ。

 

あなたに愛される、資格を失ったの。

さぁ、私を責めて……もう取り返しがつかない……私はもう堕ちきった女よ」

 

ルシエルは嫉妬の炎に焼かれながら、腰を激しく打ちつけ、耳元で囁く。

 

「奴の小姓どもに……お前がなぶられ、汚されたと……想像しただけで、頭がおかしくなりそうだ。

ここは、俺だけの蜜壺だ……

あいつらの”エロまんこ”ではない……」

 

むごい言葉を浴びせながら、激しく求める。

 

「だが、それでこそ俺が取り戻す価値がある。お前の心もからだも、すべて俺のものだ。

お前の体に残る、奴らの臭いを、俺の魔精で完全に消してやる……」

 

「……ルシエル、私を許して……

いえ、許さないで。

もっと責めて、私の体をあなただけのものに戻して……」

 

頰を伝う涙を、ルシエルは舌でゆっくりと舐め取った。

 

こんなに苛烈に言葉を尽くしても尚、心から愛する女性(ひと)を責め足りなかった。

 

「俺は……俺は、お前を愛しつづけてきた。それなのに、お前は……」

 

「私が堕ちたのは……あなたが、私を救えなかったからよ」

 

リーザは、震える声で、しかしはっきりとそう言った。

 

「あのサバトの夜に、あなたに救ってほしかった。……あなたに初めてを捧げたかったわ、ルシエル。

あなたを、愛していたから」

 

二人は、見つめ合った。

 

「そうだな……俺はお前を救えなかった」

 

同じ傷を抱えた恋人たちは、互いを傷つけ、その傷からしたたる血を舐め、なお激しく求めあった。

 

「俺も、同じ地獄に堕ちたい……いっそふたりで、もっと堕ちよう……」

 

瞳を閉じ、舌を激しく絡ませる。

 

ルシエルは腰を速め、しかし乱暴にはせず、確実に最奥を突く。

 

植物台が軋み、吐息と湿った音だけがアトリウムに響く。

 

「リーザ……お前は俺の妻だ。永遠に、俺のものだ……」

 

呪文のように繰り返す。

 

リーザの瞳が潤み、新たな涙が零れる。

 

「……ええ……永遠に……あなたのものよ、ルシエル」

 

小さく頷き、首に腕を回して引き寄せる。

 

唇が重なり、舌が絡む。

 

噛みつくような、貪るようなキス。

 

「俺の子を孕め、リーザ。俺の精で、お前の子宮をいっぱいにしてやる……」

 

ルシエルは腰を沈めたまま、耳元で囁く。

 

リーザの体が激しく震え、内壁が彼を絞り上げる。

 

「……産みたい……あなたの子供を授けて……」

 

声は、ほとんど泣き声に変わっていた。

 

ルシエルは抱きしめたまま、動きを止めず、ゆっくり高みへ導く。

 

「そうだ……お前は俺のものだ。誰にも渡さない……」

 

からだが、溶け合うように密着する。

 

アトリウムの湿った空気の中で、禁断の蜜が溢れ始める。

 

ルシエルは低く息を吐き、首筋に唇を這わせ、最後に確信を込めて囁いた。

 

「ああ……俺の精で……おまえを満たしてやる……リーザ……」

 

その言葉が、リーザの心を縛り、体を震わせた。

 

ルシエルは彼女を抱きしめたまま、激しく、執拗に繰り返し腰を動かし続ける。

 

「お前は俺の妻だ……永遠に俺のものだ……」

 

植物台がギシギシと悲鳴を上げ、土がこぼれ続ける。

 

リーザの指が台の縁を掴み、はげしく前後に揺さぶられる。

 

乳房が波打ち、汗が滴る。

 

「あっ……あっ……してっ…ルシエル…奥(なか)に出して…!」

 

ルシエルは息を止めて、腰をさらに深く沈め、彼女の奥を激しく突き上げる。

 

「射精(だ)す……このまま……」

 

低く抑えた声からは信じられないほどに、彼の腰使いは激しく滅茶苦茶になるまでリーザを押し開き、膣奥をえぐり抜いた。

 

「ああっ……お願い……いく……いくわ…!!」

 

鉢植えの一つが傾き、土と花が床にこぼれ落ちた。

 

リーザの体が弓なりに反り、はげしい絶頂が訪れる。

 

「リーザ……受けてくれ、膣奥(ここ)に注ぐ……すべて受け入れろ……」

 

彼女の膝がガクガクと震え、激しく痙攣する。

 

「だめっ……ルシエル……私いく……」

 

その唇から小さな舌がおどり、最後に鋭く長く喘ぎが漏れた。

 

ルシエルが低く吼え、彼女の腰に己を押しつけて震えた。

 

「ああ……射精(で)る、俺ももう、でる」

 

くはぁっと喉に溜まった空気を、みな吐き出した。

何も、考えられなくなった。

 

「残酷だが……あいつらが正しかった。

お前の"エロまんこ"は……最高だ」

 

思わず、言葉に出た。

低く抑えた声からは信じられないほどに、彼の腰使いは激しく乱れていく。

 

ルシエルの堕ちた、凄まじい快楽の地獄に、リーザもためらわず身を投じてくれた。

 二人は、欲望でかたく結びつき、ひとつに溶け合った。

 

リーザの内壁が最後の抵抗のように強く収縮し、彼の先端を締め上げた。

 

「出して……ルシエル……」

 

リーザの声が、とぎれとぎれに……しかし、はっきりと聞こえた。

 

「わたしの……堕ちた膣内(エロまんこ)に……出して……!!」

 

ルシエルの理性の最後の糸が切れ、欲望がすべてを塗りつぶした。

 

彼女の髪を掴んで引き寄せ、すべてをぐちゃぐちゃに壊すつもりで、激しくえぐり抜いた。

 

「ああ……いくっ……!……」

 

リーザの体がびくびくと痙攣し、膝がガクガクと震えた。

 

内壁が彼の脈動に合わせて収縮を繰り返し、最後の一滴まで絞り取るように締め付ける。

 

全身を震わせて、リーザがか細く絶叫した。

 

「――――――――――!!」

 

こらえきれずに、熱くほとばしる大量の白濁を、リーザの膣奥(なか)に放った。

 

何にも代えられない、圧倒的な快楽。

ルシエルが放つ魔精が、どくどくと注がれ続ける。

 

一撃ごとに子宮口を叩き、溢れ出るほどの魔精が、彼女の内側を満たしていく。

 

リーザの声は小さく、しかし震えながら漏れた。

 

「あ……あ……こんなに一杯……奥まで……」

 

白濁が溢れ、結合部から太ももを伝って滴り落ち、植物台の縁を濡らした。

 

ルシエルは、ああ……と低く吼え、彼女の腰に己を押しつけたまま震えた。

 

そして達した後も、短く声を漏らしながら、そのまま何度も執拗に腰を突き上げた。

 

最後の一滴まで、彼の精液をしごき出し、リーザの中に放った。

 

脈打つたびに、まだ快楽の残滓がルシエルを甘く満たした。

 

すべてが、出尽くした。

 

彼はリーザを手に入れるまでずっと、ひたすら渇き、苦しんできた。

 

しかし、いま彼女のなかに全てを放ち尽くして――そして満ち足りていた。

 

ゆっくりと腰を引くと、抜けた瞬間にリーザの膣口がひくひくと震え、飲みこぼした精液がとろとろと溢れ出した。

 

ルシエルは力尽き、彼の愛する女性(ひと)の上に身重く、体を預けた。

 

リーザはルシエルの重みを全身で受け止めながら、少し息を詰まらせた。

 

男の肉体(からだ)が、重たかった。……でも、この温もりが、愛おしかった。

 

ただ、静かな情愛だけが残った。

 

二人は植物台の上で、息を荒げながら、ただ寄り添う。

 

「我を失った……だが、俺は満ち足りた。こんな快楽を得たのは、生まれて初めてだ」

 

ルシエルは、彼女の胸に甘えるように頭をもたせかけた。

 

「死んでもいい、という言葉の意味を知った」

 

リーザが微笑む。

 

「そうね、私も死ぬほど……心の底からのよろこびを、感じたわ」

 

つかの間の愛と、密通が露見したその時の破滅を見据えて、彼女はルシエルに寄り添ってくれていた。

 

彼の恋人であり、妻であるリーザの手を取った。

 

その指先に接吻(くちづ)けて、静かに言った。

 

「俺は、これから眠る……もし、もう目覚めなければ、お前と子と、一緒に死ぬことになるだろう。

だが……俺は必ず生きて戻る」

 

「ルシエル、何を言ってるの……?」

 

瞳の中から、ゆっくりと紫の光が薄れていく。

 

「お前にはすまないが、俺はこれからイフを、殺す。

……お前を、この夢から救い出す」

 

「まって……!」

 

ごとん、と音を立てて、リーザの胸からルシエルの頭が落ちた。

 

彼の名を呼ぶ、リーザの声を聞きながら、ルシエルは完全に意識を失っていった。

 

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