半血魔王のクロニクル ~黒き貴公子シリーズ総集編~ 作:古弥須 凱
クラレンスは黒い襟元を指でわずかに解き、彼女の若い主人となったルシエルの前にひざまずく——
「疼きが抑えられないときは、私が鎮めて差し上げます。一日に一度か、二度は」
ルシエルは体を震わせた。
「おれに、触れるな」
感情を持たない動作で、クラレンスは少年の前を手早くほどいた。
一気に引き下ろすと、すでに堅く張り詰めた陰茎がまろび出る。
冷たい瞳で、クラレンスが主人を見上げた。
「お可哀そうに……このように痛いほど、張り詰めていらっしゃる」
言葉ではそういうものの、少しも感情は込められていなかった。
まだ長さを残していた時の癖なのか、その必要もないのに、切り詰めた赤髪をかき上げる動作をした。
濡れた唇がひらき、赤い舌先がゆっくりと先端に触れる。
ぬるりとした熱い舌が、敏感なカリ首を丁寧に舐め上げ、蜜を絡め取るように円を描く。
「んあ……っ」
ルシエルは喉を詰まらせ、腰が勝手に震えた。
クラレンスは無表情のまま、唇で先端を包み込み、ゆっくりと喉奥まで飲み込んでいく。
熱い口腔が陰茎全体を覆い、舌が裏筋を這う。
じゅぷじゅぷとみだらな音とともにクラレンスの頭が前後に動き、女従者の赤毛が揺れる。
喉の奥まで深く飲み込まれ、締め付けるような圧迫感に、ルシエルは体を弓なりに反らした。
「やめ……ろっ……」
拒否の言葉とは裏腹に、腰が無意識に前後に動き、クラレンスの口内を犯すように突き入れる。
クラレンスは喉を鳴らし、舌を絡めて応じる。
先端を強く吸い上げ、舌先でカリを執拗に転がし、裏筋を平たく押しつぶすように舐め上げる。
唾液が溢れ、少年の張り詰めた陰茎の根元を濡らした。
ルシエルは歯を食いしばり、うめき声をあげることしかできない。
「クラレンス……たのむ……もう……やめてくれ」
クラレンスはゆっくりと口を離し、赤く腫れた唇から唾液の糸を引かせながら、冷たく見上げた。
「……
はげしく頭をふり、より一層、残酷に喉奥まで吸い上げられて、ルシエルは激しく喘いだ。
このように残酷に与えられる快楽を、もちろんルシエルは知らなかった。
ベアトリチェが、ルシエルの耳元で囁く。
「ルーク……クラレンスは一見冷たく思えるでしょうけれど、私と同じようにお前を愛してるわ。
彼女の唇と同じように、その心は本当は温かいの。
いま、お前が感じている温かさがそれよ」
ルシエルは震えながら、ベアトリチェを見た。
ベアトリチェは……少しも彼に対する態度を変えなかった。
やわらかな光、温かい慈愛の瞳。
「今はつらくても……お前は立派な公爵家の息子になれるわ……」
クラレンスの口技が、じゅるじゅると音をたてて、苛烈さを増していく。
さらに淫らな音を立てて、ルシエルの陰茎をしゃぶり立てていく。
恥辱と快楽とに喘ぎながら、少年はまだ、その責めに耐えようとした。
「我慢しなくていいのよ……ルーク。いつでも、お前の好きなだけ、クレランスのなかに出していいの」
ルシエルは唇を噛み、体を震わせた。
「姉上……いやだ……見ないで下さい……俺は……もう……」
ベアトリチェは微笑んだ。
「ルーク……これから、クラレンスがお前を、もっと大人にしてくれるわ」
ルシエルはただ震えるだけで、もう形にできる言葉そのものをなくしていた。
「コントロール出来るようになりなさい、全てを」
喉の奥から、短い息だけが、女のような喘ぎとなって漏れる。
クラレンスの赤い髪がさらに激しく前後に動き、生生しく唾液をすする音で部屋が満たされる。
ルシエルの睾丸がせり上がり、薄く肉の乗った腹筋が激しく上下する。
唇が開き、濡れた舌先が踊った。
「ああ……出そう……あねうえ……俺はもう……」
眉根を歪めて、——ただ、震えた。
「あッ……もう駄目……だめだ……許して……姉上もう、どうか……!」
「出していいのよ、ルーク。私の見ている前で、可愛い顔で……
女従者の舌が、さらに激しく男根をそそり立て、巧みに上下しながら刺激し続ける。
この凄まじい快楽に、もう抗えなかった。
「でる……ああッ駄目だ……出る……んああああ……出るッ……あねうえ……!!」
「いい子ね、ルーク。射精なさい。いっぱい出していいのよ……♡」
優しい、甘い声だった。
「ああ、ダメ——駄目だ!……吸うな、クラレンス……もうやめ………ああイくッ!おああッ……い……イくッイくッ……!」
その時にはもう、ルシエルは太ももを震わせながら、思うさま白濁の精を、クラレンスの口内に放っていた。
「んお゙お゙お゙ッ……」
この美しい女従者の唇にくわえられたまま、恥辱のなかで——最後の一滴まで脈打った。
美しい姉に、最後の瞬間までを視姦されながら……ルシエルは烈しく絶頂していた。
クラレンスの喉が鳴り、全てを飲み干されていく。
女従者の赤い唇で、舌で、全てを暴き出され、もはや何の抵抗も出来ずに——ただ、達していた。
何の意味があるのかもわからないまま、ただ俺は、俺は……と繰り返していた。
俺は、何だと言いたいのか——それすらも、ルシエルにはわからなかった。
「いい子ね、ルーク……もう、意地をはってはダメよ。
男の子はみんな、こうやっておちんちんを口で愛されるのが大好きなの。
クラレンスの、……彼女の忠義を素直にうけとめなさい」
異母弟の汗ばんだ前髪を、そっと手櫛で整えてやりながらベアトリチェが言った。
「学府も、屋敷での修練も、みなお前の将来のためなの。ひたすらに、励みなさい。
私もこの家門に生まれた娘として、そうしてきたわ。
お前をこの本邸に呼んだのは、そのためだわ」
ルシエルはもう何も言えず、涙にうるんだ紫の瞳を、ただ姉君に向けるだけだった。
「お前も私も、
それが、公爵家に生まれた者のさだめなの」
優しく弟の涙をふいてやり、ベアトリチェは艶然と微笑んだ。
「今夜はとても、気持ちよかったでしょう、ルーク。
これからは努力次第で……お前のおちんちんは、いつでもご褒美がもらえるわ」