※この作品はR-18です。

ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか?   作:わずみかん

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このエピソードは二章と三章の間のお話です!
短い番外編になりますがお楽しみいただけますと幸いです。


幕間番外編
健全男女のデートな一日 鈴谷真昼の場合①


 朝目が覚めると、やはりと言うか案の定と言うか、顔の横の枕元ではスマホがピココンと音を鳴らしていた。

 

「またかよ。今度はどんな要件だ?」

 

 そいつは止まる気配もないままに着信音を鳴らし続ける。俺のスマホは滅多な事では音が鳴らないし、だからなのか人を焦らせるようなそのメロディはあまり心地よくはない。もっとも折角の安眠を妨害されたのだからそう思って然るべきなのだが。

 

「はい、もしもし」

 

 着信先なんて確認するまでもなく、俺はスマホを手に取ると返事をする。どうせ相手は分かってる。このパターンはあいつしか居ない。

 

 引きこもりであり変態でありかつ世間一般では美少女とも謳われるであろうドMな露出狂少女。名前は笹原カンナと言う。俺のクラスメイトであり、考えられない事に露出調教の相手でもある。

 

 朝っぱらから……とは言っても時刻は既に10時を過ぎてるわけだが、しかし電話をよこした相手は人の貴重な睡眠時間を邪魔してまで聞かせたい話があるらしい。

 

『はろはろ~! 先輩ですか?』

 

 なんて思っていた矢先。

 

 そいつの声を聴いた瞬間、気が付けば俺はスマホの通話を切っていた。条件反射に、思考よりもまず指先が動いた。

 

「さーて、二度寝にでもふけるか」

「もぉ、酷いじゃないですか先輩ぃ」

 

 俺はそれから目を閉じて再びベッドで横になる。けどおかしいな。切ったはずのスマホからまだ鈴谷の声が聞こえやがる。

 

「せーんぱいっ! 今日はお暇ですかぁ?」

「ちっ、これだから最近のスマホってやつは。多機能ばかりで直ぐ不具合だのトラブルだのを起こしやがる」

 

 なんならいっそのことガラケーの頃に戻して欲しいくらいだ。もっとも今では骨とう品扱いされているらしいが、俺としてはあのスリムかつ機能美に溢れるフォルムは惹かれるものがある。それに学校に入学した頃やクラス替えの時にある『ねぇ、良かったらライン交換しようよ』イベントに対して『あ、俺ガラケーだから』と言う素晴らしい返答が用意できる。もはやその為だけに存在すると言っても過言ではない。

 

「ねぇ、ねぇ、せんぱい~?」

 

 しかしだ。

 ふと目を開けると、そこには俺の顔を覗き込む鈴谷の顔が有った。

 

「おかしいな。俺のスマホっていつの間にVRにも対応したわけ?」

「VRではなくれっきとしたリアルですよぉ先輩」

 

 そいつは何食わぬ顔をしてさも当然かのように、俺の部屋に私服姿で現れた。

 

 窓の方を見てみると、そこには風に揺られてひらひらと舞うカーテン。つまりは何者かによって開けられた形跡がある。

 

「なあ。住居侵入罪って知ってるか?」

「先輩のことが大好き過ぎて会いに来ちゃいました罪、なら知ってますぅ~!」

 

 なんて言いながら、鈴谷はなんの悪びれも無い純度100%の笑顔を見せる。

 

 なんだよその頭がメルヘンで砂糖菓子みたいな罪状は。今どきちゃ〇とかりぼ〇のキャラでもそんなこと言わねえよ。

 

「っていうか何人ん家に入って来てんだよお前……」

「窓が有ったのでつい!」

 

 なんて、ラブコメでいうところの『扉が開いてたからつい覗いちゃった☆』みたいな言い訳をするわけだが、しかし良く考えなくとも家に窓が作られていたくらいで部屋に入られてたまるか。

 

「いやその『つい』はまったく共感できないからな。そもそも勝手に入った時点でアウトだっつの」

「それが先輩の家でも?」

「いや俺の家は公園か何かかよ。近隣の住人だろうが小学生のガキンチョだろうが俺の部屋は絶対不可侵だ」

「そうなんですかぁ? それじゃあ~あぁ、私は特別ってことで!」

「生憎と俺は男女平等主義者でかつ博愛主義者だよ。つうかその前にどうやって入ったんだよ、寝る前はちゃんと窓の鍵かけたぞ俺」

「そこはほら、ノリと勢いで?」

「そんな抽象的なもんで窓が開いてたまるか」

 

 どうやら今回も鈴谷お得意の謎技術で強引にこじ開けられたらしい。こいつの無駄な行動力とか器用さとかは、もっと他に生かすべき場所があるような気がしてならない。

 

 しかし世間様がこの鈴谷真昼にどう言おうが当の本人はまるでお構いなしだ。そういった持ち前のバイタリティを全て変態的な行為に容赦も情けも迷いも無くつぎ込んでしまえるからこそ、この目の前の女子高生は鈴谷真昼たり得るのである。

 

「先輩、デート行きましょう」

「はぁ、デート?」

 

 そう言うと鈴谷はにんまりと嬉しそうに笑いながらウィンクする。

 

 見ると服装にしてもそれとなく大人しめと言うか、普段の鈴谷からすれば随分と控えめなものだ。

 

 肩出しの黒のブラウスに、下はワイン色のロングスカート。露出度も極端に多くなければ大人びた雰囲気さえ感じさせる。

 

「先輩はどうせ今日もお暇なんですよね?」

「その言い方をされると事実でも認めたくなくなるな」

「ね、ね。良いじゃないですかぁ。今日は私に付き合ってくださいっ!」

 

 当たり前のように人の部屋に侵入した事はとっくに流されてしまい、話題は次へと移り変わってしまったようだ。

 

 やっぱりこいつらと話していると常識ってものがいかに尊いか思い知らされると言うか、平穏な日常の素晴らしさを身をもって痛感する。

 

「で、どうして唐突にそんな話になったんだ?」

 

 俺は相変わらず込み上げてくる疲労感を吐き出すようにはぁ、とため息をついてから、寝起きで濁ったままの瞳を鈴谷へと向けた。

 

「それはですね。駅前に新しい大人のオモチャのショップが出来たからと言いますかぁ」 

「そうか。悪いが常識のじの字も知らないような奴と外出するようなマゾヒズムは俺には無いんだ」

「ちょ、流石に嘘です冗談ですぅ! ほ、ほら、あの辺りに新しいラーメン屋さんが出来たので先輩と行きたいなぁ~なんてっ!」

「いや明らかに口元引きつってんじゃんお前。絶対本気で行く気だっただろ」

「そ、そんなわけないじゃないですかぁ~。私はまったく微塵も全然、お店で買ったバイブやらローターやらをその場で先輩に試して欲しいなぁとか、更衣室でエッチなコスプレ衣装に着替えさせられたまま公然羞恥プレイに連れ出されたりしないかなぁとか、そんなふうには全然これっぽっちも思ってませんでしたよ!」

 

 やたらと饒舌になって口走るところを見るに、どうやら俺が釘を刺すまでは本気だったようである。

 

「社会ではそれをデートとは呼ばねえっつうの。少なくとも高校生の男女が営む範囲ではな」

「じゃ、じゃあ先輩はどこだったら一緒に行ってくれるんですかぁ?」

「そうだな。自宅の中から出ない範囲でなら構わないぞ。付け加えて言うなら不法侵入者が半径5km圏内に居ない事も追加で」

 

 とまあ、こちらもそんな具合に冗談でも何でもなく本気で言葉を返すのだが、しかし鈴谷は手に持った鞄をブンブンと振り回しながら再び興奮した声音で口走る。

 

「先輩ったらまたそう言って私を虐めて楽しむんですからぁ! そんなこと言われちゃったら私、もう一生先輩の下僕兼人間全裸椅子として先輩のお部屋の家具になるしかないじゃないですかぁ」

「悪い、やっぱ外出るわ」

 

 この頭のネジが数本かそこら外れた程度では到底たどりつけないような発想にあっさり到達してしまえる辺り、鈴谷はおそらく俺の考えている女子高生とは似て非なる生物なのだろう。

 

「えぇ~? 私はこのまま先輩の部屋に家具として置かれても何も問題有りませんけどぉ? あ、なんなら服とか没収しますか? 直ぐに脱いじゃいますけど」

「いや問題なら大有りだしそんなもん要らねえってのこの変態娘」

 

 変態野郎、と言いかけた寸前のところで娘へと修正する。まさか人生でこんな言葉を使う羽目になるとは思わなかった。

 

「きゃぅん、先輩ったら、はぁ、やっぱり私を虐めて楽しんでるんですねぇ!」

 

 そう言って顔を赤く火照らせ始めた鈴谷を見て、やはり俺は観念した。

 

「はぁ……。分かったよ。今日だけだからな? 着替えるから外出て待ってろ」

「私は別に先輩のお着替えを拝見するのに何の問題もありませんけどぉ!」

「いやだから俺が問題大有りなんだよ! いいからさっさと出て行け!」

「やんっ」

 

 そう言って窓の外へと鈴谷を追い払い速攻で鍵を閉める。やっぱり確認してみても鍵にはなんの異変も無い。マジでどうやって入ったんだあいつ。

 

「それじゃあ玄関で待ってますからね~!」

 

 二階から転げ落ちても何事も無かったかのように軒下へ着地するところまで踏まえて、やっぱりあいつの肉体的な能力はもっと他に生かされるべきところがあると思えてならない。

 

「ったく、どうして俺がこんな朝から外なんて出にゃならないんだ」

 

 真夏の真っただ中、外に出れば灼熱の日光が溢れんばかりに降り注いでいる。

 

 そんなアスファルト道路を歩くところを想像しただけでもう汗が滲み出てきそうだ。あぁ、やっぱりエアコンの効いた部屋から一歩も外に出たくねえ。

 

「つっても、あいつには今回の件では世話になっちまったからな。今日はその詫びのつもりで付き合ってやるしかないか」

 

 それはつい先日、時宮先輩の目論見で俺のトラウマが解消されてしまったとある事件についての事だ。

 

 時宮先輩の目論見通り、俺の身体からあの体質は消滅した。わけなのだが、しかし鈴谷にはその一連の騒動に少なからずして巻き込んでしまった。

 

 頬についた怪我はわずか一日で絆創膏が取れて何事も無かったかのようになっているが、それでも俺が鈴谷に付き合う道理が有るとすればそんなところだ。 

 

 そんなわけで俺は着替えを終えて手短に仕度を済ませると、そのまま玄関を出て家にまで押し掛けた鈴谷との唐突なデートへと出かける事になった。

ここでじゃじゃーんと人気キャラ投票です!好きなヒロインは誰ですか?

  • 笹原カンナ
  • 鈴谷真昼
  • 時宮穂乃花
  • 御影先生
  • マドカさん
  • 前田
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