ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか? 作:わずみかん
笹原と鈴谷は今もバイブとローターを鳴らしながら、俺の目の前に立っている。
はだけたコートの下には卑猥な凹凸や腰のくびれがそのまま見えており、それを自ら曝け出すことでさらに興奮を覚えているようだった。
コートの裾を持つ手が震えている。見ると二人は既に快楽をこらえ切れずきゅっと股を内側に捻らせながら、びくびくと体を震わせていた。
「お、お前ら……」
あまりの事に気が動転する。だが自分の家の玄関先で女の子が二人も悶えていると言うのに、俺の精神がギリギリで正常値を保っているのは、俺もまた狂いだしているからだろうか。
「前田君……もう、私達我慢できないの……」
正直言って今すぐにでも扉を閉めて見なかったことにしたい。だがそうさせてくれないのは、他ならない俺の心境のせいだ。
見知った女子が二人も卑猥な恰好を晒しているのだ。普通なら視線だって逸らせない。気が付けばそれに引き込まれてしまう。だが扉を閉めない理由はそれだけではないのだ。
「……つうか、いきなり過ぎんだろ。なんなんだよいったい」
「その、最初はね。真昼ちゃんのお部屋で遊んでただけだったんだけど、その、真昼ちゃんと色々遊んでるうちに、二人でローターで当てっこしてたり、触り合ったり、そういう事になっちゃって……」
「ふふっ……ほんの冗談のつもりだったんですけど、笹原先輩、私にいじめられていっちゃったんですよぉ」
ろ、ローターで当てっこ……?
「じゃ、じゃあお前ら、まさか自分達で……?」
「んっ……はい。二人で遊んでいたら、もうすっかり体が火照ってしまって……だから、先輩のところに来たんです」
鈴谷はそう言うとまた口を快楽にきゅっと結ばせる。
つうかこいつらマジで何考えてるんだ? 女子二人でローター使って遊ぶとかそれ普通にアウトだろ……!
じゃあこいつら帰った後に本当に自分達で……? マジで変態の考えることはどいつもこいつも分からねえ。つうかそれが遊びの範疇に入るのかよ。
「それでね、一つずつローター入れ合って、ん、はぅ……どっちが先にいくかとか、そういう遊びをしてたんだけど……そしたらもぅ、色々と抑えきれなくなって、それで……」
「先輩ぃ……私達、すっかりできあがっちゃってます。もう先輩に何をされても私達、従順な雌犬ですよぉ……?」
そんな男子高校生が聞いたら卒倒しそうな事を、この二人は全裸露出姿で俺に言うのだ。
「ねえ、お願い……、私なんて、ここに来るまでもう何回もいっちゃったんだよ……?」
「こんな不躾でいやらしい雌犬ですけど、それでも先輩は私達のこと、調教してくれますか。いじめてくれますか、ねぇ先輩……」
笹原と鈴谷は顔をすっかり赤らめながら、潤んだ瞳でそう言った。
しかも笹原なんて足の間から今もズルズルと水滴が零れ落ちては筋を作っている。ローターの振動に既に耐えきれないのか、ときたまビクン! と体を痙攣させてはその液体はよりいっそう激しく零れ落ちる。
「…………」
ひとまず玄関先に出て、後ろ手で扉を閉めると俺はしばらく考えたように間を取った。
だが厳密には考えてなどいない。頭なんてこれっぽっちも動かなかった。ただ――。
「っ……」
俺は気が付くと、股間部をこれでもかと膨張させていた。
心臓の鼓動とリンクするようにして局部がドクン、ドクンと跳ねる。それは紛れもなく、俺の方がこいつらに興奮してしまっている証拠だった。
「俺は……」
こいつらとの事の発端はあの体質だ。だいたいこうなったのも、全てはあの体質を持っていながらにして、とんでもない約束をこいつらと交わしてしまったことだ。
だが俺の中にはもうあの体質はない。だからこいつらに付き合わなくても、発作は起こらない。つまり俺がこいつらに付き合ってやる理由はもう存在しないんだ。
だったらもう良いじゃないか。いっそのことここで突っ返したって、俺にはなんのデメリットもない。でも、そうしないのは何故だ?
もしかしたらこの状況を手放したくないのかもしれない。こいつらは外見こそ美少女だ。そんな女子が二人も俺に求めてくる。そんな状況は男子からすればまさに夢のようだろう。
だがいくら性欲や願望が叶っても、あるいは相手が美少女でも、それが面倒なことであるなら関わらない。俺はそういう人間だ。だったら、どうして。
……そうだ。そう言えば俺は、まだこの二人に体質が消滅したことを伝えていない。
どうして伝えなかったのだろう。それを言えばきっとこの二人は理解してくれるだろう。もう俺が笹原と鈴谷に付き合う必要が無いと。だからそうすれば俺はもうこの爛れた繋がりから解放されるんだ。
なのに、そうしなかったのはどうしてなんだ。
「……俺は」
そんなもの、分かり切ってる。
俺がそいつをしなかったのは、こいつらとの関係を自分から切るような事をしたくなかったからだ。
もう認めろよ。否、認めるしかない。
俺がこいつらと一緒に居るのも、こいつらに付き合うのも、あの体質が原因じゃない。
切っ掛けこそそうだったかもしれないが、けれどそれでも俺は、今では自分から笹原と鈴谷の二人と関わる事を選んだのだ。
『俺』にとってこいつらは初めての友人で、それから面倒なクラスメイトと後輩で、同じ部活の仲間で隣人で恩人で同類で……そしてこれまでの俺が知らなかった、それ以外の何かだから。
「……分かったよ。ただ俺の方も容赦はしないからな」
「そう言っていただけて嬉しいですぅ。では、私達も最後の準備をしないとですね」
そう言って鈴谷が取り出したのは二つの〝リード〟だ。
そして笹原と鈴谷は、今にも感じて絶頂しそうな体で、それぞれ取り出したリードの先の首輪を自分へと取り付ける。
「私達はもう先輩の雌犬です。どんな命令でも、どんなことでもします。だから先輩、私達のこと、どうか可愛がってください」
鈴谷はにこっと微笑みながらそう俺にリードを差し出した。
そいつを握ってしまえば、いよいよ調教が始まる。
俺の下半身はもうすっかり性欲に満たされている。興奮している。
それに気づいて、俺の方も自分に呆れかえった。やっぱ、なんだかんだ言っても俺だってこいつらに興奮しちまってんだよな。それも、俺は望んでいる。自らの手でこいつらを滅茶苦茶にして、犯して、危険に晒しながら愉悦に浸る。そういう暴力的な欲求はやっぱり確かに俺の中にあるんだ。
だがそいつには委ねない。俺がこのリードを握るのは、自らの欲望すらコントロールして、こいつらの調教者として最後まで〝演じ切る〟ためだ。
ははっ……。やっぱり俺には俺と言う人間が分からないぜ。
こんなのただ面倒なだけじゃないか。俺にはそいつをする理由もメリットもない。
ただそれでも――。
俺は今、はっきりと自分で決めたのだ。
いや、思えばずっと前から決めていた。
何もメリットが無くても、体質が無くなったとしても、ただそれでも俺は、こいつらに最後まで付き合ってやると。
そう自分の中で、自分の意志で、自分の言葉で決めたのだ。
もしかしたら先に一人ゲームをクリアした俺にはこいつらと関わる資格はないのかもしれない。こいつらがゴールを目指すその盤上に、もう俺のコマは無いのかもしれない。俺だけがこの青春のはみ出し者で、こいつらが葛藤を抱えていても、俺だけがそいつを共有してやれないかもしれない。
でも、たとえそうであったとしても、俺は二人から差し出されたリードを握りたいと思っている。
それがどんな形でも、どんな色でも、こうして目の前にあるものだけが今の俺が持てるたった一つの『青春』の形だから。
「……ああ。それじゃあそいつは握ってやるよ。だからしっかりついてこいよ、雌犬ども」
だから俺はそう答えて、二人へと小さく頷く。
「んっ、はぁ、あぅ、前田君、ううん、ご主人、様、はぅう……!」
笹原はまた顔を赤くして、俺がリードを握るとほぼ同時に腰をくねらせる。こいつらにとって、自分の首輪が誰かに持たれた瞬間こそ、自分が飼い犬に成り下がったと大きく実感できるのだ。
紛れもなく変態だ。自分が好きなようにされる雌犬だと自覚した時こそより快楽を覚えるなんて。
「先輩、先輩ぃ……素敵です、大好きです」
すると何かのたがが外れたように、鈴谷は俺に胸をこすり付けてくる。その仕草はまるで飼い犬が飼い主の足に自分の顔をこすり付けるような、そんな主従の証を示すかのようだった。
「……コートはここで脱げ。それからローターとバイブは振動を最大まで上げろ」
「は、はぃ、分かり、ました……」
「う、うん……」
俺がそう指示すると、二人はするするとコートを地面に落とし、そしてそれぞれ固定していたローターとバイブのスイッチをいじる。
「は、はぁああ、んっ、んんんんっ!!」
同時に振動音はより激しくなり、二人の中で暴れまわる。
そいつは内に入れられてようが外に着けられてようが関係なく、バイブの音をはっきりと周りに響かせていた。今のこいつらを襲う快楽の威力を辺りに伝えるように。
「ご、ごめんなさい、私、もう……!」
「ダメだ。イクのは俺の許しが出てからだ」
「そ、そんにゃ……、だって、もぅ……!」
「我慢しろ。俺の許可が出るまで絶頂は許さない」
「はぁ、ふぅ……!」
笹原も鈴谷も、それぞれ跳ね上がったローターの振動に悶絶する。今にも声を上げて絶頂に達しそうな二人を、俺はそう言って無理やり耐えさせた。
「ふぅ、ふぅ……!」
特にここまでに何度も達しているらしい笹原は、既にイキ癖がついているのか蕩けそうな形相で耐えている。口は固く結び、目元は死ぬほど辛そうだ。だが、それでも俺は二人に耐えさせる。
「もしお前らのどちらかでも許可なくいったら、そこで調教は終了だ。二人の事はその場に置いて帰る」
「そ、そんにゃ……」
「ふふっ、先輩らしい鬼畜さですね」
だがそれでも鈴谷の方はまだ余裕があるのか、ここでも笑みを覗かせた。
「なんだ、お前はまだ余裕そうだな」
「え、えぇ?」
「だったら……」
だから俺は鈴谷に近づいて。
「せ、先輩!?」
「黙ってろ。お前は俺の雌犬なんだろ?」
俺は鈴谷に目と鼻の先まで近づくと、徐に顎を手でぐっと掴み、その唇を欲望のままに奪い取った。
「ん、んんんっ!?」
目を見開く鈴谷だったが、俺はそのままもう片方の手で尻をそっと撫でる。
「ふんんんっ!?」
鈴谷の驚いたような吐息が口に入ってくる。だがそれでも俺は手つきを止めない。
尻を何度か撫でた後、次は腰のくびれ、背中とゆるやかに、ゆっくりと鈴谷の身体を愛撫していく。
「ふっ、んん……」
少しずつ鈴谷の身体から力が抜けていくのが分かる。キスを続けている間もじっとその顔を見つめていると、その目元からは次第に涙が浮かび始める。
そいつがいったいどういう感情に基づいて出てきたものなのかは分からないが、俺はお構いなしに手を鈴谷の身体の上で滑らせる。
「ん、んちゅ……」
だが今度は鈴谷の方から求めるように、俺の方にぐっと唇が押し付けてくる。
身体が火照って体温がすっかり上昇している。当然今でもその全身ではローターとバイブが稼働中だ。今の鈴谷は、性感帯という性感帯を攻め続けられているに等しい。
「んちゅ、はぁ、んふっ……!」
口を話すと、互いの混ざり合った唾液が糸を引く。
鈴谷はすっかり目を虚ろにさせ、さっきまであった余裕は見る欠片もない。
「せんぱい、せんぱい……」
「お前は俺の物なんだよな。鈴谷」
「ふぁ、ふぁい……」
「だったら、舐めろ」
そう言うと、俺は鈴谷に自らの舌を伸ばす。
「舐めろ、鈴谷」
「は、はい……先輩の、舐めます。雌犬として舐めさせていただきます……」
すると鈴谷はなんの躊躇もなく、発情した顔を近づけるとちゅっと唇で舌を抱きかかえるように吸い取った。
「んちゅ、はぁ、んちゅ、んんっ、んちゅ」
必死で自分の口に含ませた俺の舌をねぶりまわす鈴谷は、まるで獣だ。
人間としての理性を一切残さず、快楽と興奮で脳が焼け焦げた獣のようだった。
「んちゅ、ん、せんぱい、せんぱい……」
自分の忠誠を表すように、鈴谷は求めるように俺の舌を舐め続ける。
「そのままだ、そのままし続けろ」
俺はそれから背中を愛撫していた手で、そっと鈴谷の胸を揉む。
それも乳首にローターが装着されているので、下乳を搾るようにくいっと掴んだ。
「ん、んんんんっ!!」
「なんだ? もうおしまいか?」
「んちゅ、んんんっ……!」
鈴谷は俺の言いつけを守る様に、不意に襲い掛かった胸への感触にも耐え、そのまま舌舐めを続行する。
「ん、はぁ、んちゅ、ん、んんっ!」
ここまで来ればもはや人間ではない。
人としての尊厳など全て捨てて、雌犬としてただ主の指示に従い続ける。こいつはもう、立派に出来上がった下僕犬だ。
それから俺はローターを避けるように、胸の輪郭を指でなぞっていく。
自らの胸が侵されているにも関わらず、男の舌を舐め続ける鈴谷にはもう一切の自由は許されていない。絶頂すら許可が無ければできないこの状況で、それでも鈴谷は全身を攻められ続けながらただ主である俺に奉仕する。
「ん、はぁ、うぅっ……」
「頑張って、真昼ちゃん」
横では心配そうな目で笹原が見ている。だが、心配そうなのは顔だけで、その合間にも笹原はそっと自分の手で胸を優しく揉んだ。夥しく迫る快楽から必死に耐えている中で、それでも我慢できずに自慰を始めるのだ。口では気遣っていても、心中では自分の番を今か今かと恋焦がれてやがる。
「はぁ、ん、はぁ……」
「おいおいどうした? もうおしまいか」
「先輩、私、もぅ……」
「我慢の限界か? だがいいのか。ここでお前がいったら今日はお終いだぞ?」
「そ、それは……ん、んんっ!」
「分かったよ。じゃあ次で最後にしてやる」
それから俺の手はまた徐々に下へと下がっていく。そして鈴谷の下腹部を優しくさすると、そのさらに下、鈴谷の秘部へと到達する。
「にしてもどうしたんだこれ? まるでバイブを固定するパンツじゃないか」
そこには今もうるさくモーター音をさせながら暴れくねるバイブが突き刺さっている。そしてそのバイブを支えるように、下からベルトで止められているのだが、そのベルトにしても腰の部分で固定されていて、はたから見ればまるでパンツのようだ。
その陰唇の輪郭は卑猥に回転しながら動き回るバイブによって常に形を変え続けられている。それだけでもう中の具合が想像できてしまい、余計に俺の興奮をかりたたせた。
「先輩……? なにを」
「中をひっかきまわせないのなら、ここしかないよ、なっ!」
そして俺はバイブの上、クリトリスに指をあてると、思い切りつねり上げる。
「はっ、はひぃいいいい!?」
「ははは! どうしたどうしたよ?」
「あ、あが、はぁ、はぅうううう!!」
その瞬間、鈴谷の身体は大きく反り返る。
ここまで限界に抑えていた快楽は、言ってしまえば零れそうなほど水であふれかえった盆のようなものだ。そこにまた怒涛のような快楽が迫って来たのだから、鈴谷の狂いっぷりは想像に難くない。
「はっ、あが、ひゅ、ふぅ、ふぅ……」
口を丸くすぼめて、必死に呼吸を吸い込む鈴谷。その様子を見てこいつの余裕は完璧に消失したことを確信する。
「おいおい、まだ許可は出してないぜ? 言ったろ、許可なく絶頂したら今日はしまいだって」
「ま、前田君、でもこれじゃあ流石に」
「主人は俺だ。いいか、これからのお前らの行動には全て俺の許可が必要なんだよ。小便するのも、絶頂するのも、ゆくゆくは呼吸さえも俺の許可を求めるようになるんだ」
「そ、そんなの……」
分かっている。笹原の胸にあるのは、恐怖ではない。
完全にコントロールされる興奮。自分が誰かの手によって歪められ、辱められる快楽。
今の笹原の中で渦巻いている感情は、そういうものなのだ。
現に――。
「そんなの、私……もう、考えただけでダメになっちゃいそうだよ」
小さくも綻んだあの顔を見れば、一目瞭然だ。
「は、はぁ、はぁ……」
「お、よく耐えたな」
「先輩……流石は私が惚れた方ですぅ……ん、はぁ……」
鈴谷は寸前のところで呼吸を整えると、また体を安定させて俺へと向き直る。
「それじゃあ始めるぞ。もう、後戻りはなしだ」
そうして俺達のただれた夜と、乱れた青春が、また始まる。