ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか? 作:わずみかん
扉には鍵も掛けられておらず、と言うかそもそも鍵自体が無いのか、扉はそのまま無抵抗に開く。
「う!?」
その瞬間だった。
なんだこの臭いは。強烈な人間臭さだ。思春期の男子でもここまで酷い臭いは出さないぞ……。
部屋の中を見るとそれなりに広い造りになっている。俺の部屋と比べると三回りはデカい。ただし電気は付けられておらず、見るとあちこちに中がパンパンに詰まった大量のゴミ袋が転がっている。しかもそれでは収まりきらなかったのか、使用済みのティッシュやらカップ麺の空きガラやらが部屋のいたるところに無造作に放置されていた。
「臭いの正体はこれか? いやだけど……」
笹原とは一体どんな人物なんだ? この部屋、人間が生きて良い環境じゃねえぞ。
部屋の空気を換気していないのか、臭いは濃く篭ってるし、部屋中ゴミまみれだし、ゴミの下には雑誌が大量に落ちてるし、向こうのソファの上なんて……。
「……ん?」
そのソファの上。そこにはどう見ても女物の衣服が脱ぎ散らかされている。いや、それは良い。笹原は女子なんだから女子の服はあって当たり前だ。
しかしだ。そのソファの脇。そこになにやら
「笹原……?」
声を掛けてみたが、その丸まった影はなにやら小刻みに動いているようだ。そして俺の声が耳に入っていないのか、動きを止めようとする気配はない。
俺は恐る恐るそちらへ足を踏み込んでみる。
ムニュ。
「……? なんだ?」
すると何か布のようなものを踏んだ。下を見てみると、そこには白と水色の縞々のパンツが唐突に脱ぎ捨てられていた。
「―なっ!?」
パンツ。それもクラスメイトの。勿論そんな物を生で見たことなんてない。それどころか踏んだことなんて尚更ない。
その未知の経験に、俺は思わず足を振り上げてしまった。これは俺が触れて良いものではない。そうした男子高校生としての咄嗟の判断から、足を縞パンから切り離すという行為に出たのだが―。
「しま―ッ!」
咄嗟だったせいか、先の事まで気が回らなかった。
足を振り上げた俺はそのまま体のバランスを崩し、そしてあろう事か
「だぁ!?」
「きゃ!?」
俺は勢いをそのままに、謎の物体を押し倒すような形で倒れこんでしまう。
まず初めに触れたのは手触りの良い布の感触だ。毛布か何かだろうか。暗くて良く分からないが、その下には人間の体の輪郭が浮かび上がっている。
「な、どうなってるんだ……?」
一瞬、耳に柔らかな女子の声が聞こえてきたと思ったが、まさか。
「…………」
「…………え?」
言葉を漏らしたのは俺ではない。
いやむしろ、俺は言葉を漏らすことすらできなかった。
「……え、え?」
俺が押し倒した毛布の中から出てきたのは、長い黒髪の一人の女の子だった。
黒髪は辛うじて手入れがされているのか艶が残っていたが、まともにブラシを掛けていないのか寝癖であちこちに曲がりくねっている。
彼女の肌は暗闇の中でも分かる程に真っ白で、そして美しかった。誰が見ても柔らかで若々しい少女のものだと分かる。
その体付きにはまだ幼さが残っており、顔もいわゆる童顔ってやつだ。そいつの外見は高校生というよりも、やっぱり中学生といった方がしっくりくる。だが一方で、その胸元で揺れる乳房は華奢な体にしては確かに豊満で、少女の顔の下で大きく谷間を作っている。
そいつの外見はまず一目で美少女だと言い切れるレベルのものだ。少なくともそこらのアイドルなんかよりもよほど容姿端麗に見える。
しかしだ。今の俺にとって重要なのは、プリントを届けに来た相手が美少女だったことじゃない。
「お前……なにやってるんだ?」
「ひゃう⁉」
そいつの手元を見ると、何やらデカい漫画本が開かれている。
そしてそこには事もあろうに、一糸纏わぬヒロインのあられな姿がこれでもかというほど卑猥に描かれたいた。
あれはもしかしなくても……エロ本だろうな。
しかもよく見れば、そいつの周りにはそこら中に似たような本がそれも大量に散乱している。
「な……、なっ……?」
笹原は目を白黒とさせながら唖然としている。突然の事で理解が追いつかないのだろうが、しかしそれは俺にしても同じ事だった。
なぜなら笹原の指先には粘着質な液体がびっしりと付着しており、さらに全身が汗まみれだ。その有様を見れば、聞かずとも毛布なんか被って何をしていたのかは明白である。
「あ、ああ、あああ、あなたは……!?」
おどおどと戸惑う笹原だったが、その下半身。そちらに目をやると、笹原の両手が女性器をぱっくりと二つに開かせている。それぞれの人差し指でぷにっとした陰唇をこれでもかと吊り上げており、その恥丘はつるつるのままで陰毛すら生えていない。
「……俺はプリントを届けに来た前田だ。その……色々と言いたいことあるんだろうが、一つだけ言わせてくれ。これは不幸な事故ってやつだ」
「っ――!」
笹原にしても予想外の出来事だったのだろう。その手で自らの性器をおっぴろげたまま、体が固まってしまっている。そこにはまだピンク色の笹原の陰部が丸見えになっていた。
しかしそれだけではなく。
『ヴヴヴヴヴヴヴヴウ』
この振動音。さっきまでは聞こえなかったが、それは笹原の陰部の中からだ。
「い、いや……!」
笹原の膣の中に5本以上の線が入っている。そしてその線の先、辛うじて見えるピンク色の楕円形の物体が、今も休むことなくバイブレーションを続けていた。
「見ないでぇえええええ!!」
その時だ。
笹原の叫び声と共に、陰部から噴出した大量の液体が俺の顔へと降りかかる。
「い、イっちゃう、イックゥウウウウウウッ!!」
ブシャアアアアア!! と溢れる水しぶきと同時に、ニュルッといくつかのローターが膣のなかから飛び出してくる。
ぼと、っと音を立てて床に落下するピンクのローターは、笹原の体液でびっしょりと塗れている。そして床に敷かれたカーペットがその水分を吸い込み、黒い染みが次第に広がっていく。
「はぁ……、はぁ……」
笹原は呼吸を荒げている。見ると、膣の入り口はひくひくと
「……えっと」
そうだな。まずは状況を整理しよう。
俺は笹原の部屋に来たと思ったら、そこはとんでもない汚部屋で、しかたなく中へ入ったら笹原が盛大にローターオナニーしていた。
うん。そうだな。
「…………これ、プリントね。それじゃあ俺はこれで」
「待って!!」
きっとこれは、俺の生涯でも最上級の面倒事になる。
そう直感し、背を向けて部屋を後にしようとしたのだが、笹原に呼び止められビクン、と体が止まる。
「え、えっと、これは、どう言うことなの……?」
「あ、あぁ、えっと、確かにな。勝手に部屋に入ったのは悪かった。けどな、お前のお姉さんから許可はもらってたわけでな」
「……それで?」
パチン。と電気の明かりが付く。
見ると、笹原の手元にはリモコンらしきものが転がっていた。それで部屋の電気をつけたのだろう。ついでのその傍にはスマホも一緒になって転がっていて、画面に映っているのはこれもまた飛び切りに卑猥な制服JKのイラストだ。
『おほぉおおおお!! んん、お願い。もっと痛めつけて❤❤』
しかもスマホから漏れてるのはなんとも如何わしい女性の声である。もだえてるというか、喘いでるように聞こえる。
「えっと、ああ、あなたはどど、どうして私の部屋なんかに居るのかな……!?」
見ると、笹原の目からは涙が零れている。恥辱と興奮と、それから理解不能な焦りからか、その目は赤く充血していた。
にしても、やっぱり綺麗な肌だ。体形と言えば少し幼さが残ってるし、顔はいわゆる童顔でまるで中学生みたいだが、それでも出るところは出ている。さっきのお姉さんと見比べても劣らないほどの美少女だ。
「だから言ってるだろ、俺はお前にプリントを届けに来ただけだ」
「……ッ、そ、そんな堂々と言う普通!? この状況で!」
「悪かったよ。ここで見たことは忘れる。だからお前も忘れてくれ。じゃあな」
俺は冷静を装って、そのまま
頼む。神様。どうか俺を無事にここから出させてくれ。
「へ、へぇ……。そうなんだ。あなた、このまま外に出られると思ってるんだ?」
人生で初めての神頼みにも関わらず、その願いを断ち切るように後ろからは笹原の声が背中に突き刺さる。その声に俺の身体はまるで銃弾でも食らったかのようにビクッ!! と震えた。
「あなた、状況的に明らかに変質者さんだよね? 今から私が警察を呼ぶって言ったら、いったいどうするの?」
ヤバイ。ヤバイヤバイヤバイ!!
ついに恐れていた言葉が来てしまった。こうなってしまったらもう、ここからそれとなく出て行くなんて芸当はできない。
「だ、だからこれは事故だ! 悪気は無い!」
笹原の方を向くこともできないまま、俺は背中でそう弁明する。
「事故でもなんでもあなたは……、その、わ、私のオナニー見て、そ、それも目の前でイクところまで……!!」
ゼェハァと、笹原は肩で呼吸する。かなり混乱しているようだ。うむぅ、本当にこのままじゃマズいな……。
この状況、ラノベだったら「ひゃっほぉおおいラッキーな事にクラスメイトのオナニーに遭遇しちゃったぜぇえええ!!」と小踊りしながら喜ぶシチュエーションなのだろうが、生憎と俺は普通の男子高校生だ。理由もなく女子に好かれるスキルなんて持ち合わせてるわけもなく、ここからラブコメに発展するなんて期待は皆無である。つうか、仮にこれがラブコメのワンシーンだっとしても、俺の青春にそんな過激にも程があるイベントは求めてない。今の俺が欲しているのは安息と、それから目を閉じてぐっすり眠れるベッドの中だけだ。
だから、こうするしかない。
「……ゴクリッ」
俺は生唾を飲み込み、覚悟を決めてゆっくりと笹原へ向き直る。
今の俺が助かる方法。おそらくこれが唯一無二だろう。
「すぅー……」
目を閉じて、呼吸をすう。それから―。
「よく聞けよ笹原!! 俺はちゃんとノックをした!! それからお前の名前も呼んだし悪くなんてねぇ!! 悪いのは大音量でオナニーサポート音声なんて聞いてローターオナニーキメてるお前の方じゃねえか!!」
つまるところ俺が選択した唯一の解決方法。それは、開き直る事だった。
それはまさに最悪最低で悪魔のような所業である。だが俺はこの場から逃げる為なら最早なんだってやる。
「あっ、ん、んふぅ……ッ!!」
…………。
…………なんだ、今の?
俺はてっきり笹原から罵詈雑言が飛びかえってくるものだと身構えていた。だが、今のは。
「んん……、あぅ、んっ、んぅうううっ!!」
な、なんだこいつ?
どうして……俺に罵倒されて、悶絶なんてしてるんだ……!?
「……っ、だ、だいたいだな!! この部屋にしてもやべえんだよ!! お前日ごろからどんだけオナニーしてんだよ!? 匂うんだよ人間臭いんだよ!! 不登校の癖に普段からこんなことばっかやってんのかあぁああん!?」
「そ、そんな事……ないもん……んッ!!」
笹原の予想外の反応にやや怯えながらも、俺は言葉を続ける。
「それにな。俺が何しにここに来たと思ってやがる。お前のオナニー見物するためじゃねぇぞ? プリント届けに来てやったんだろうが。それを色々と言いやがって。こっちだってな! お前のマ〇コから出た潮おっかぶってんだ! さっさと帰って風呂入って寝てえんだよ!!」
「う、うぐぅ……!」
よし! なんだか分からないが咄嗟の苦し紛れだった開き直り戦法が効いてるみたいだぞ!
警察? 変質者? マジでごめんだクソ野郎! これから折角の夏休みだってのに犯罪者なんかにされてたまるか。
こうなったらこのままこいつに全責任を押し付けてここから出て行ってやる!
「……ん、はぁ……ごめん、なさい」
クチュクチュ。
「……ん?」
クチュクチュって……なんか今、水がかき出されてるような音が聞こえたけど……。
つうかこいつはどうして股間なんか押さえてるんだ? まあ、恥ずかしいから隠そうとしてるんだろうけど、それにしてもあそこまでぐっと力を要れて押さえつける必要ある?
いやいやそれは兎も角として! ついに俺の攻撃ならぬ口撃が功を奏したみたいだな。
笹原はぐすんとうなだれると、ついには謝罪の言葉まで吐いた。
「……分かったんならいいから、早く毛布被れよ。それじゃあな」
どうやら俺の思惑は上手く成功したらしい。
うな垂れる笹原の様子に若干の罪悪感が無いわけでもないが、こうするより他はなかっただろうし、仕方ない。俺にはこの窮地から脱出して家へ返ると言う究極の目的があるのだから。
それにしてもとんだ目に遭った。危うく俺の人生で最も有意義な夏休みという時間が台無しにされるところだ。
「んじゃ、ここに置いとくぞ」
俺は鞄から取り出したプリントをその場に置き、家に帰るため後ろの扉を開ける。
開ける。
「……あれ?」
ガシャ、ガシャ。
おかしい。扉のノブが下がらない。
見ると、そこに鍵のようなものはない。さっきは簡単に開いたのに、どうしてだ……?
「ねぇ、一つだけ良いかな?」
振り返ると、笹原の手にはさっきと同じリモコンが握られている。って、まさかこの扉、あのリモコンで遠隔操作できるのか…?
「あなた……女の子を飼ってみたいと思ったことはある……?