※この作品はR-18です。

ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか?   作:わずみかん

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第27話

 妹は持ち前の運動神経で玄関へとジャンプし、ドアノブを掴むと全身のバネを伸ばすように体ごと扉を開け放つ。

 

 そのアクロバティックな動きに思わず翻弄されてしまった俺だが、直ぐに我に返って玄関の奥へと目をやった。

 

「せーんぱいっ!」

 

 すると、そこには嬉しそうににこっと笑みを作る鈴谷が立っている。服装も昨日と同じで、白のYシャツにネクタイ、茶色のスカート姿だ。ただしスカートの丈はかなり短く、少ししゃがめば誰でもその中の下着が覗けてしまいそうである。

 

「兄ちゃん……? 友達って」

「あぁあぁそいつだよそいつ。ほら、お前もさっさと中に入れよ」

 

 まさか妹にまで面会させるなんて予定外だったが……。しかししょうがない。後はこいつが厄介ごとを起こす前にさっさと俺の部屋にでも隔離してしまおう。

 

「あ、始めまして! 私、先輩の後輩してます鈴谷真昼と申しますー」

「え、えっと、ご丁寧にどうも……」

 

 綾子はさっきまでのテンションはどこへやったのやら、目を白黒させながら俺と鈴谷の顔へ交互に目をやる。

 

「兄ちゃん、聞いてた話と違うけど……」

「聞いてた話ってなんだよ。言ったろ、友達が来るって。けどまあ、確かに友達ってより後輩だったな。すまんすまん。そんじゃあ鈴谷、お前はさっさと階段上がれ」

「いやじゃなくて、私さ、兄ちゃんの知り合いだって言うからてっきりもっとむさ苦しいおっさんでも来るのかと思って」

「いやどうして俺の知り合いが自動的におっさんになるんだよ」

「うん、でもさ……。だって、兄ちゃんってどうせ同級生の友達とか居ないだろうし、もしも知り合いができるなら怪しい趣味の年上かなぁと思って」

 

 お前はいったい全体本当に兄をなんだと思ってるのか。

 と言うか、そんなむさ苦しいおっさんが来ると思っておきながらあそこまでテンションを上げれるお前もお前だと思うぞ。

 

「えっと、やっぱり本当に兄ちゃんの後輩さん?」

「そうですよぉ~。お兄さんには良くしてもらってます」

 

 そう言うと、鈴谷は綾子にも満面の笑みを見せる。こいつも何を考えてるか分からないから早く妹から引き剥がしたいところだ。まだ何もやらかしていない今のうちが花である。

 

「っつうわけだ。俺達はしばらく部屋に居るから」

「あ、うん……」

 

 と、一応の同意はするが、綾子はどこか釈然としない様子だ。

 

「あの、さ……。私、てっきり兄ちゃんには女の子の知り合いとか、そう言う青春とは縁遠い人だと思ってた。だって昨日もお風呂で女装―」

「はいそこまでぇえええ! それ以上は兄ちゃんのプライバシーに関わるからな!!」

 

 こいつは何を口走ろうとしてやがるんだ!!

 俺は慌てて綾子の口を手で塞ぐ。すると、今度は鈴谷がにんまりしながらこちらを見つめてくる。

 

「ん~? 先輩のジョ……がなんですか?」

 

 ほらな厄介な事になりかねない。

 

「あはは、なんでもないって。お前は先に階段上がってろよ。登って一番近いのが俺の部屋だから」

「え!? 先輩!! 私、先輩の部屋に入って良いんですか!!」

「…………」

 

 その驚愕と興奮で震える鈴谷を見て、俺はやっぱり不安になる。しかし、背に腹はかえられないよな。

 

「あぁ、先に行っててくれ」

「ひゃっほぉおおおい!!」

 

 そう奇声を発しながらノリノリで階段を上がっていく鈴谷を見送りながら、俺はゆっくりと妹の口から手を離す。

 

「あのな! そういう事は人前で言うなよ!!」

「だ、だってさぁ……。私も、なんて言うか、青春を送れない兄ちゃんに妹として少しは協力してあげようかなぁー、なんて思ってたのにさ。折角の夏休みに一人で寂しいのはつらいかなぁと思って、でも、兄ちゃん何時の間にかあんなに綺麗な人を家に誘ってるんだもん」

「いやいやつまり何が言いたいんだよ。それと俺の秘密をあいつに暴露するののどこに接点があるのかお兄ちゃんにもっと説明してくれ」

「……えっと、その前にそろそろおっぱい揉むの止めてくれない?」

「馬鹿言うな! 妹の胸を好き好んで触るお兄ちゃんなんか居る訳ないだろ!」

 

 これはそう、こいつの口を押さえる時に偶然たまたまもう片方の手が触れてしまっただけだ! そもそもお兄ちゃんである俺が妹にそんな軽蔑されそうな事を故意にする訳がない。

 

「……指でぐにゅぐにゅされてるんだけど」

「妹よ。お前、気付かないうちにまたカップ上がったな」

「兄ちゃん。そう言うのは普通、妹には言わないと思うんだけど」

「いやいやそうでもないぞ? 妹の発育管理はお兄ちゃんの義務みたいなものだからな。あれ、そう言えばなんの話ししてたっけ?」

「あれだよね。兄ちゃんって本当に馬鹿だよね」

「テストの点数ならこれでも中の上だぞ」

 

 まあたいして偏差値が高いわけでもないうちの学校でそれなのだから、それが馬鹿かどうかって言われるとやや疑問が残るところではあるが。

 

「もう良いよ。私、先に家出るから」

「おう、そうか。部活頑張れよ」

「……兄ちゃんの馬鹿」

 

 何故か最後にそう吐き捨てると、妹はリビングへと入って行ってしまった。

 

 まああいつもバレーボールで県代表に選ばれてるからな。試合前のこの時期にピリピリしてるのだろう。

 

「さて、それじゃあ残りの問題を片付けに行きますか」

 

 妹は置いといて、俺は再び階段を上がっていく。

 見ると、きっちり閉めていたはずの扉が少し空いていた。鈴谷も間違えずに俺の部屋に入ったようだ。

 

「おい、何してる?」

 

 俺が扉を開けて中に入ると、そこには床一面にぶちまけられた俺のエロ本が何故か使用したページを開いた状態で転がっている。

 

「はぁ、はぁ……、先輩、やっぱり私達、趣味が合いますね……」

 

 そこには床で開いた俺のエロ本を見ながら、Yシャツの中へ手を突っ込んでる鈴谷の姿があった。しかもなにやらもごもごと動かしてるし。

 それを見て、俺はやっぱりこいつを妹から遠ざけて良かったと確信する。

 

「あのな……。お前等には男の部屋に入った奴はもれなくエロ本を引っ張り出す決まりでもあるのか?」

 

 既視感で満載のその光景に、俺はやっぱりため息をつく。

 

「だって、見て下さいよ。こことかこことか!! まさに私の大好きなシチュエーションそのものじゃないですか!!」

 

 そう言って鈴谷が凝視するのは、SMジャンルの一冊にあるページで、ロープで雁字搦めにされたヒロインが拷問器具で痛めつけられながら犯されているというものだった。

 

 俺としてはそのシチュエーションはともかく絵柄が好みだったのだが、こいつ的には首を絞められたり膣やア〇ルを特殊な器具で拡張されたりしているヒロインに自分を当てはめているのだろう。本当に正真正銘のど変態だなと思う。

 

「それにしても先輩、意外と陵辱物とか調教ものが少ないんですね。私の家にある物で良ければお貸ししましょうか?」

「いらんわそんなもん。だいたい、俺はいたってノーマルだっての。少なくとも普段見てる物に関してはな」

「そうだったんですねー。あ、これとか良いじゃないですか! 今度はこう言うプレイをしましょう先輩!!」

「……お前、それ四肢切断獣姦モノだぞ……」

「良いじゃないですか良いじゃないですかぁ~!! 私、こう言う風に自分の事を完膚なきまでにぐちゃぐちゃにしてくれる人が好みなんですよぉ~」

 

 とか言ってるが、その好みの人間として俺に付きまとってるんだよな、こいつ……。

 

「つうか、そこにある物ってつい昨日に隠したはずなんだがな。それも見つからないように念入りに」

「先輩ぃ~。でもタンスの裏の壁の窪みの穴の中は流石に安直過ぎますよぉ~」

「そうか?」

「はい、私でも直ぐに見つけちゃいましたし」

 

 おかしいな。今度は匂いも漏れないようにビニール袋で包んであったんだが。

 

「何せ男の人の精液の匂いって、やっぱり愛用のオカズには移っちゃうものですし」

「おいその色々と語弊の有る言い方は止めろ。つうか、例えそうだとしてもどうしてお前に分かるんだよ!」

「ふふ、それはレディの秘密です。ひ・み・つ」

 

 そう言ってウィンクしながら人差し指を振る鈴谷が、どうしてだか凄く腹立つ。

 つうかこいつら揃いも揃って何か特殊な訓練でもしてるのかよ。

 

「……ゴホン。では、そろそろお話を始めましょうか。先輩も、今日はそれがメインでしょうから」

 

 そう言うと、今度はその場で正座して、鈴谷はこちらへと向き直る。

 

「あぁ、そうしてくれ。これ以上の無駄話は面倒だからな」

 

 俺も後ろ手でゆっくりと扉を閉め、鈴谷と視線を合わせた。

 

「笹原先輩の過去のトラウマと、どうして私がそれを知っているのかも含めて、お約束どおり、全てお話しします」

 

 俺は言葉を返さず、ただじっとその顔を見つめ続ける。

 これで俺はまた一つ、あいつに深入りする事になるのだろうか。

 

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