ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか? 作:わずみかん
『違う』
ふと、そんな感情が俺の脳裏に過ぎる。
俺は今、〝何をしようと〟している?
笹原を連中から遠ざけて、何事もないように切り抜けようとしている?
違う。そうじゃないだろ。
俺がしなければならないのは、これまでのような平坦で灰色な時間を作ることじゃない。自分だけがただ満足して、このまま難なく終わらせるために、ただ笹原の身を案じることじゃないんだ。それじゃあまるで一人よがりにしかならない。
俺が笹原とした約束はなんだった? それは笹原に、野外露出プレイをさせる事だ。
こいつはそれが自分一人では難しいと分かっていたから、俺に頼んだんじゃないか。それなのに、肝心の俺がここで日和ってどうする。
俺がこれからやらなければいけないこと。それは、あいつ等を利用して笹原の野外露出をさらに深いものにしてやることだ。笹原が好きでたまらないっていう露出プレイを、最後まで貫かせてやることなんだ。
「ねえ、前田君」
俺の顔から意図を汲み取ったのか、笹原が耳元で囁く。
「私ね、きっと前田君にとても迷惑かけてるんだと思う。前田君はもしかしたら、前田君の特別な体質のせいでしょうがなく私に付き合ってくれてるのかもしれない……。でもね、前田君は凄いなって私は思うんだよ? 私なんかに最後まで協力しようとしてくれてるんだもん。私なんてただ自分の過去と向き合えなくて、家に引きこもっちゃっただけのどうしようもなく臆病で弱い人間だから。けどね、前田君、そんな私でも――」
それから笹原は、ぎゅっと俺の手を強く握った。
「そんな私でも、露出調教してくれますか?」
――。
一瞬、俺は返事もできずに戸惑ってしまう。やっぱりこいつに面食らってばかりだ。
その時の笹原は、やっぱり昨日の夜、あの電柱の明りの元で俺に向けた時のような、温かみがあって柔らかで、それでいて全てを抱き込むような、そんな顔をしていた。
それは、本来なら起こりえないはずの笑顔だ。これから俺が笹原にしようとしているのは、笹原自身をもしかすればぐちゃぐちゃに破壊してしまいかねない行為だっていうのに、笹原はそれに怯える素振りすら見せずに、ただ全てを受け入れた上で俺に感謝している。
だから、もう余計な事は考えない。
俺の中にある衝動をさらけ出せ。押さえつけるのではなく、否定するのでもなく、ただ飲み込まれるのでもなく……。笹原を破壊したいと言う衝動を、めちゃくちゃにしたいと言う衝動を、全身を汚染したいと言う衝動を、俺の意思で身に纏え。
俺には笹原の『今』が懸かっているのだから。
笹原の呼吸がさらに早くなる。その心臓の音がはっきりと聞こえる。
「うっ……おぇ!!」
笹原の顔が徐々に青ざめる。男達との距離は十数メートルくらいだろうか。これだけ距離があっても例の恐怖症の発作が出てくるのか。
笹原は手に口を当てるが、吐き出されそうになった胃液をゴクリと飲み、呼吸を整えるように深く呼吸をつく。
だがその苦しそうな表情とは裏腹に、股の方はガクガクと震えていて、絶えずオーガズムに達しているのかぽたぽたと股間から液体が零れ落ちる。それも分泌液の量が次第に増えていると示すように、水粒は大きくなり、その落下ペースを速めていく。
「前田君、私……っ」
「難儀だな。俺も、笹原も」
俺は体を笹原から離し、その手を引く。すると笹原もシャッターから剥がれる様にふらっと体を俺の身へ寄せた。
俺がやろうとしていることは、笹原を社会的に破滅させかねない行為だ。それでも、止まる訳にはいかない。
『あの辺からじゃね?』
『でもなんも見えねぇぞ』
『……おい、あれ!! 誰か居んぞ!』
男達のほうもついに俺達に気が付いたようだ。
暗がりの中とは言え、一度目に付いてしまえばその存在ははっきりと浮き彫りになる。
『あいつらなにやってんだ……!?』
『おい、あの子ローターつけてんぞ!!』
三人組の内の一人が俺達に向けて指をさす。その顔はまるで信じられないといったふうに驚愕していた。
会話内容からもっとふてぶてしい態度に出ると思っていたが、流石に笹原の姿には驚かされているらしい。
「いくぞ、笹原」
俺はもう片方の手も笹原の背中へと回す。
そして、それから〝笹原の唇に強引に自分の唇を重ねた〟。
「ん、んんんんんっ!!」
笹原は思わぬ俺の行動に、ただ目をぎゅっと閉じて息を乱す。しかし出る先を失った息は、そのまま俺の口内へと流れ込む。
『おいおいマジかよ!!』
そしてずっと笹原と繋いでいた方の手を離して、そのまま陰核をそっと撫でた。
「んふぅううううううっ!?」
ぶしゃあああ!! と今度は勢い良く潮と愛液が吹き出る。
『お前らなにやってんだ!?』
男達は足を止めて俺達を凝視する。無理もない。俺だったら一目散に逃げ帰っているところだ。
「……見て分からないか? こいつを調教してるんだ」
『ちょ、はぁ!?』
『おいおい、AVの撮影かなにかか?』
男達の言葉にはあまり構わず、俺はさらに指先を笹原の膣穴へと忍ばせる。
二本の指を奥へと押し込むが、既に十分濡れているおかげかにゅるっと温かい肉壷へ俺の指は根本まで吸い込まれる。
「んふぅううう、んんんんんん!!」
笹原が体をよじり身もだえするが、再び口を重ね合わせて喘ぎ声を強引に押さえ込む。
そして指をぱかっと開いて、二本のそれぞれの指先で笹原の膣内をさらっとかすめさせながら愛撫した。
「んふぅうう、んんっ!! んふぅうううううううう!!」
また笹原は腰をぐっと前に突き出しながら、絶頂と同時に愛液を噴射する。
「なに言ってんだ。AVじゃない。俺はこいつに野外露出を教え込んでる最中だ」
『ま、これってマジかよ……。すげぇ、初めてみたぜ』
『俺もだ。っつうか、これってお前の趣味なわけ?』
「いいや。こいつの趣味だが? なぁ、そうだろ」
俺はくぽっと指を膣から引き抜くと、そのまま笹原の背中をトンと押し出す。
アーケードの天井に取り付けられた照明の明りの下に、笹原の姿が照らし出される。その姿はすでにびっしょりになったワンピースが体に張り付き、胸の形から腰つきのラインまでくっきりと出ていた。
「ほら、あいつらに言ってみろよ。自分はこんなとこで露出して感じてる変態女ですってな。その絶頂マ〇コを見せがらちゃんと白状してみろ」
「はぁ、ん……」
まだ絶頂の余韻が残っているのか、足取りも口取りもおぼつかない笹原だったが、ゆっくりと顔を上げて男達を見ると、そのまま自分の両手をマ〇コへと伸ばす。
「は、はい……そうです……。私は、知らない人にドスケベな格好を見せて絶頂する変態マゾ豚奴隷です」
恍惚とした表情でにやけたままに、足を大きく開いて蟹股のポーズをすると、笹原は自ら手で陰茎を開きくぱぁっと男達にピンクの膣肉を見せる。
『あ……え、』
『やべえって、どんだけエロいんだよ』
『俺、立ってきたかも』
その姿を三人とも食い入るように見つめる。それに呼応するように、笹原もまた目を細めた。
「ほら、折角お前の情けない怠けきった裸を見てくれてるんだ。もっとやることがあるだろ?」
「は、はい……。ん、ぐっ……私の、情けないオナニーを、どうか見て下さい」
笹原は一度ぐっと唾を飲み込んでから、今度は片手でくぱぁと開いたマ〇コに自分の手を突っ込む。
「あ、ふぁ……あぁ」
『ぐちゅぐちゅ』と混ぜるように中をかき混ぜると、今度は上下に手を出し入れする。すると空気が入り込んだときに『ぐっぽぐっぽ』と音を立て、膣がいかに無防備かを強調させる。
『た、たまんねぇな』
『俺、今までで一番興奮してるかも』
『おい、あんたはこんなところ見られて平気なのか?』
「別に。それどころかこのマゾ豚ならさっきからマン汁垂れ流して喜んでる」
見ると笹原は舌をたらんと垂らし、目は焦点を合わせないまま惚け面になっていた。
ここまで崩れきった顔は俺も見たことが無い。まるで人が尊厳を失ったかのような顔だ。
「どうだ? 男に見られて興奮するか?」
「興奮しまずぅうう、はぁああ、もう、もうダメですぅう」
笹原はまるで獣のように膣を弄ぶ。それから蟹股にした腰をガッと振って、男達に向けて白濁とした分泌液を飛ばす。
その髪は振り乱されながら笹原の汗やオナ汁を吸い込み、ぐてぐてに濡れていた。
「よし、そろそろイケ。イキながらお前の自慰に時間を潰された俺達に謝罪しろ!!」
「ごめんなさい!! 私の、ダメなドM奴隷のお仕置きにつき合わせてごめんなさいっ!! 私はどうしようもない露出狂の変態奴隷です!! あ、もう、ダメ!! いく、イクイクイクっ!! いっちゃう、いくぅうううううぅううう!!!!」
笹原は雄たけびを上げながら何度目かわからない絶頂を迎えると、同時に膣内に植え込んでいたピンクローターをぽんっ!!ぽんっ!! といくつも吐き出す。
「ふぁ、ふぁ……ん……」
ぐてっと力の抜けた笹原の体はそのまま地面へと崩れ落ち、ぴくんと体を痙攣させながら虚ろな目を俺へと向ける。
「へ、へへ……こんなに気持ち良いの、初めてかも……」
『くっそエロいな。お前の彼女か?』
「いや、彼女じゃない」
『じゃあセフレ?』
「別に?」
『……なんなんだよじゃあ』
男達は俺と笹原を交互に見比べる。確かに俺達の関係について聞かれたらなんと言うべきか困ってしまう。
「ほら、まだ終わってないだろ?」
俺は憔悴しきった笹原に近づくと、その手を掴んで無理やり立ち上がらせる。
ふらふらな体は俺が肩を抑えていないと立ち続けることすら困難だ。だが、俺はそんな笹原の胸を手で触り、男達に見せ付けるように指で輪郭をなぞると、そのまま掌で揉みしだく。
「あ、ん、ダメ……、これ以上感じちゃったら、壊れちゃうよぉ……」
「壊れる? お前なら本望だろ。なにせ人に弄られて喜ぶマゾ豚なんだからな」
「あ、ん、ふぅん……」
流石に反応は悪いが、俺が乳首を摘むとビクンと全身が揺らいだ。
「ほら、しっかりと顔を覚えてもらわないとな。お前のイクところも全部見てもらった恩人だぜ?」
俺は笹原の髪を掴み、後ろへと引っ張る。そうする事で無理やり顔を上げさせられた笹原は、虚ろな目のまま男達を眺めた。
「そ……だね……。私、胸はあまり自慢じゃないけど、だけどそれなりには大きいと思うから……だから、しっかり目に焼き付けてください。帰ってから、私のこんな姿でよければ、オナニーのオカズにしてください」
『うほぉおおお!!』
男の一人が溜まらず笹原へ足を踏み出す。
それにつられて、他の二人もより近くで見ようと、俺達に向けて足を踏み出した。
「ん、げぇええ、んっ!!」
だが、連中が近づくにつれて笹原はゲップを繰り返す。吐き気を必死に堪えているのだ。
その顔も明りの下なら尚の事はっきりと青ざめている。今の笹原には、これが限界か。
「……流石にここまでだ、笹原」
「ん、はぁ、はぁ……うぷっ!」
俺は笹原の背中を押して道の脇へと介抱する。
「悪いが俺達は他に行くところがあるんだ。お前らは先に行ってくれ」
『あん? んなもん通じるかよ』
『あそこまでやったんだぜ? 最後までさせてくれなきゃな』
「…………」
さて、どうするか。
こいつらの顔、すっかり目付きまで尖らせてる。
まあ柄の悪そうな奴等だし、このままはい終わりです帰ってくださいって言って帰るわけ無いよな……。
「……しゃあない」
得意分野ではないが、やるしかないか。
『お? やんのかおい』
『ちょうど良い。こいつ殴って後は後ろの子と俺達だけで続きでもしようぜ』
『それ良いな!! あったま良い』
「勝手な事をベラベラと」
クソ、想像以上にマズイかもしれないな。
だが露出プレイだなんて破滅的な行為をする以上、この手の騒動は避けては通れない。つまりは、いつかは必ず通るハメにはる道だ。
だったら、今ここでなんとかするしかない。
『おら怪我したくなけりゃとっととそこどけや!! 女だけ置いてよお!!』
『三人相手に勝てるとかマジで思ってるわけ?』
「……まあ、やるしかないか」
後ろでシャッターを背に座らせた笹原を横目に見る。あれだけ派手にやったせいか、笹原はかなり衰弱してると言うか、もう体に力すら入らない様子だ。
おまけに男性恐怖症の症状も悪化しているのか、口からはたらりと涎が糸を引いている。
俺も運動神経が悪いわけじゃない。やるかやられるかなら、やるしか……!
『おいゴラァ!! なに黙ってんだよこのクソむぅううごがぁああ!!』
男が俺に何かを言いかけたところで―。
その巨体と言ってもいい男の体が、宙を舞った。
「……は」
『なんじゃぼごぉおおお!!』
二人目、それから三人目も次の内には白目を剥いたかと思うと、口から泡を出して気絶する。ドサッと体重通りの重い音を響かせながら、男達は地面へと倒れこんだ。
「先輩ぃ~。わりと危ないところだったんじゃないですか?」
「鈴谷、おま」
そこに立っていたのは、男達の鼻血を返り血のように浴びた鈴谷の姿だった。
「お前どうしたんだよ!?」
「ふぇ? だって先輩が危ない時には出てくる算段だったじゃないですか」
「いや助けるったって……」
俺の目に焼きついているのは、まるで戦闘民族のような鈴谷の身のこなしだった。
まず一人目の背後に音もなく忍び寄った鈴谷は、そのまま足の踵を軸に体を回転させ、脳天につきさすように回し蹴りを打ちかます。
そして他の二人が鈴谷を視線に捉えるよりも早く、体を地面すれすれまで伏せて下から二人目の顎を拳で突き上げた。
三人目に至っては相手が振り向いてきたと同時に手の平を鼻先に押し当て、全身の運動エネルギーをそこに集中させるように腰を入れて押し込む。すると最後の男も衝撃波でも浴びたように後ろへ仰け反ると、鼻から洒落にならない出血をしながら気を失って背中から地面へと倒れた。
「いやお前ホント、何者なんだよ……」
「私? 私ですか? そりゃ勿論先輩の雌奴隷ですよ! あ、雌豚肉便器とかの他が良かったです?」
僅か二秒にも満たない間に築かれた男達の死体(になってないか心配にすら思う)の山を見て、俺は戦慄する。
「それにしても、さっきの先輩には私、すっごいぞくぞくしちゃいました……」
「ったく、いったいどこに居たんだよ」
「普通にあそこですけど?」
そう言って鈴谷が指差したのは、ちょうど笹原が座る反対側の店だった。
「ここの商店街、道の中央はそれなりにライトで照らされてるんですけど、端のお店の前辺りは暗くて案外気付かれないんですよね。先輩達もそれを利用して露出プレイに興じるものかと思ってましたけれど、私もまだまだ修行不足でした!」
「んな感心はせんでいい」
あまり深くは突っ込まない。突っ込まないが、あれだけの戦闘能力を身に付けてるって、本当に何者なんだよこいつは……。
「よっと、おい笹原、気分はどうだ?」
「だ、大丈夫……かも」
あれだけのことがあったにも関わらず、笹原は何も気付いていない様子だ。こりゃかなり重症かもな……。
「先輩。私も手伝いますから、早く笹原先輩を公園まで運びましょう。あそこならベンチも有りますし、笹原先輩を横にさせてあげられます」
「そうだな。よし」
俺は鈴谷の手を借りながら、笹原を商店街から移動させる。
その際、ふと後ろを振り返ってみた。あの三人組、いくら襲ってきたとは言っても今回ばかりはどちらかといえば被害者かもな。
「なむ」
俺は申し訳程度に片手で拝むと、その場を去った。