ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか? 作:わずみかん
笹原は脱ぎ捨てられた服は床へ落とす。腰をきゅっとくねらせると、その背中のラインがしなやかに曲線を作った。そして膨らんだ二つの胸はその形を保ったままにつんと乳首をこちらへと向かせ、長い髪はピンクの乳輪や卑部を隠すこともなく、自然なままに爛漫と体の上を這う。その姿は女子特有の体つきで、そしてどこまでも扇情的なものだった。
「調教って……!? お前何言って……!!」
「調教は調教だよ。前田君」
「ろ、露出って……。それ、本当に意味分かって言ってるのかよ!」
「それくらい分かってるもん。前田君、私ね、何故だか分からないけど、もしも私を露出できるように調教してくれるなら、あなたじゃなきゃダメだって気がするんだ。だから、あなたにならされても良いって言うか……。その、ね?」
こいつ、正気か……?
「だ、だからってどうして服を脱ぐんだよ!! おかしいだろ!?」
「私、分かってるんだ。自分がおかしな性癖とか、フェチとか、そういうのが好きだって。普通の人とは違うって。でも、頭がおかしくなるくらいに好きなの。止めようとも思えないくらいに。だって、それも全部全部入れて私だと思うから」
だから、と笹原は俺の目を捉えながら続ける。
「私の好きな物も全部、前田君に理解して欲しくて、その、前田君も私に協力してくれることになったわけだし……」
笹原はそう言ってる最中も、どこか恥ずかしそうに体をむずむずとくねらせた。やっぱり羞恥心は感じているようだ。だがこいつは、もしかするとその羞恥心すらも快楽に変えてしまっているのか?
笹原の陰部からあふれ出た透明の液体が、足を伝って細く流れていく。
「だから、ね? 今から私の全部、見て欲しいな」
その笹原のを見た瞬間、さっき達したばかりだというのに、俺の竿はまた次第に膨張を始める。我ながら驚きだ。しかし笹原の裸体、それから羞恥に焦がれた表情は、それほど男の本能を強烈に刺激してくるものだった。
「……んぐっ」
俺はまた生唾を飲み込む。
「それじゃあ、いくね」
そう言うと笹原は片手で自分の胸を鷲掴みにし、そして下からぐいっと口元へとその乳房を近づける。
「ん、ちゅ、ん……っぱ」
笹原は自分で自分の乳首を口に含むと、ちゅぱ、っと音を立てて吸い取る。口に含まれていた唾液がびんびんにたった乳首の先から胸の下へと落ちて、そして床へと垂れていく。
「ん、ん……」
そして余ったもう片方の手で笹原は自分の卑部をすーと撫でると、それからクリトリスをぎゅっとつねった。
「私、ね。引きこもりなんだけど、それでも人に見られるのが好きみたい。だから、前田君に見られると凄く興奮するんだ」
笹原は頬を赤く染めながら、まるで華が咲いたような笑みをこちらに向けた。
やっぱり、分からない。どうして笹原みたいな奴が引きこもりなんだ。もしも状況がここまで日常から捻じ曲がったものじゃなければ、それがもしも、こいつの笑顔を見たのが教室でのちょっとしたワンシーンであったなら、俺も笹原に少しは別の感情を抱いたかもしれない。
「笹原、俺はお前がわからねえよ。お前みたいに美少女って言われる人種がどうして」
否、それは違う。自分で言っていて気が付いた。
人の持つ性癖に美少女だとか、そんなものは関係ない。例えモデルやアイドルだろうが、変態的な快楽がその人間の持つ本質なら、そいつは丸ごと全部本人が受け入れるしかないんだ。
俺はたとえ脅迫された上でのことだとしても、こいつに協力すると決めてしまった。だからこそ、俺の方もこの場で覚悟を決めなければいけないのだろう。そいつの心の奥底の、その本質を見るのであれば、必要な事だ。
思えば、笹原カンナと言うクラスメイトの引きこもりで、それも美少女で、おまけに露出性癖の持ち主で、だけど俺はこいつにほんの少し興味を持ち始めているのかもしれない。
こいつが可愛いから? 俺に裸体を晒してフェラまでしてきたから? 当たり前だ。ここまでのショッキングな出来事なんて、俺はきっと後生忘れることなんてできない。だけど、本当にそれだけか? それだけで俺は、こいつに協力する事を決めたのか。
「笹原……分かった、分かったよ。お前の全て、俺も見届けてやる。『約束』だ」
「ッ!! んんっ!!」
するとその言葉に返事をするように、笹原の陰部からぶしゅっ、と潮が噴出された。
「ありがとね、前田君」
まただ。またあの顔だ。まるで告白している女子みたいに青春的で、乙女ちっくな微笑み。どうしてこの場でそんなものが俺に向けられるのか、俺にはどうしても理解ができない。できないが、それを〝理解してもいいかな〟と思ってしまっていることも、また事実だった。
笹原カンナ。今日のつい今までこいつの存在なんて露ほどに気にかけなかった俺だが、それでもこいつの〝中〟までこうやって晒け出されちゃ、こっちも答えないわけにはいかない。
気が付くと、俺は左手を自分の性器の方へと伸ばしていた。
「っ、何を考えてるんだ俺は!!」
こいつを見ながらオナニーしようとした?
確かにこいつは可愛い。それもアイドルなんて目じゃないほどに。そいつが目の前で、今まで想像した事も無いような激しい自慰を見せ付けている。
欲情しているのか、俺は……?
「良いよ、前田君。私で気持ちよくなっても」
「ち、違う! 俺は……!」
「良いの。自分を抑える必要なんてない」
笹原はまるで自分に言い聞かせるようにそう言った。
クソ、堪らない。笹原の全てが、堪らない。
「笹原、俺は!!」
俺は何かのたがが外れたように自分の左手で竿を握る。そして上下へと腕をピストンさせて―。
『カンナぁ~? 前田君はどうしてるの?』
「「っ!?」」
俺と笹原はその声に同時に目を見開かせる。
ゆっくりと扉の方を見てみると、その向こう側から笹原のお姉さんの声と、それから数回こんこんと扉をノックする音が響いてきた。
『カンナ? 前田君、もう帰っちゃったかしら?』
「お、お姉ちゃん!?」
笹原は慌ててきょろきょろと首を振ると、足元に落ちていた毛布を咄嗟に拾い上げる。
「だ、大丈夫だよ! ちょ、ちょっと前田君に学校のこと教えてもらってただけだから!」
『そ~お? 前田君もごめんなさいね。今日は色々とお世話になっちゃって』
「だ、大丈夫ですよ! 俺も帰りに寄っただけですし!」
『ありがとう。そういって貰えると嬉しいわ。良かったら帰る前に、また紅茶、飲んでいってね』
そう言うと、どうやらお姉さんは階段を降りていったらしく、トントンという足音が遠のいていく。
「はぁ~……」
笹原は大きく息を吐くと、緊張した表情のまま、しばらく顔を俯いせた。
「少しビビったな……。けど、鍵はかかってたんだ。そこまで心配しなくても良かったんじゃないか?」
「……あの扉なんだけどね。中から出る時はロックがかけられるんだけど、外からは簡単に開けるの」
「……マジか」
「うん。だってそうじゃないと鍵、付けられないって出張する前にお父さんとお母さんが」
なるほどな。確かに万が一の事があった時に部屋に入れないと困るよな。家族としては娘のことは心配だろうし。にしてもだが、そもそも外からは開けられる鍵なんて意味あるのか?
「で、どうするんだ?」
「ごめんね、なんだか中途半端になっちゃって」
「仕方ないだろ。お姉さんもお前が心配で様子を見に来てくれたんだろうし」
俺はそこまで言うとズボンのチャックを閉めて、鞄を持ち上げる。その場の空気は一度リセットされたように、先ほどまでのいかがわしい雰囲気はどこかへ消え去っていた。
「あの、前田君!!」
「ん?」
「あ、あの、あ、明日も来てくれる……かな?」
「……はぁ。しょうがねえ。約束は、約束だからな」
「あ、ありがとう!」
すると笹原はまた満面の笑みを浮かべる。
「なら俺はもう帰るぞ」
「うん。また明日、ね」
笹原は、おそらく半年振り以上に、家族以外の誰かに手を振っているのだろう。その動きはどこかぎこちなくて、でも顔はどこまでも嬉しそうだった。
俺はその後にリビングに下りて、笹原のお姉さんの紅茶を一杯だけ味わうと、結局お姉さんとそのまま他愛の無い会話をして自宅への帰路に戻った。