ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか? 作:わずみかん
しばらくして土埃を上げながら停車したバスに乗り込み、俺達は最後尾へ腰掛けた。
「もぅー、どうしてパンツ下に落しちゃうかな~」
「悪かったって、ついな」
「おかげで砂塗れになっちゃったし、今もパンツ穿けないままなんだよ?」
笹原は前の席の背もたれに手を組んで、ぷすっと頬を膨らませている。その手にはなおざりに白のパンツが握られているが、俺達の他には誰も乗客が居ないのでお構い無しだ。
「ワンピースの女の子にノーパンで帰れだなんて、なかなかの策士で鬼畜なんだね前田君は」
「だから悪かったって、ワザとじゃないんだ」
「じゃあ代わりに前田君のパンツちょうだい。それ穿いて帰るから」
「それって現役のJKとしては色々とどうなんだ……」
女子高生とは思えない発言に度肝を抜かれそうになるが、俺のパンツにしても穿き心地が良い状態とはとても思えないので笹原からの提案は丁重にお断りする。
「バスだと駅まで直ぐなんだね」
「まぁな。これが文明の利器ってやつだよ」
「バスくらいでおおげさだね前田君は」
「なんだよ、そんなに怒ってるのか?」
「そ、そんなんじゃないって言うか、なんと言うか……」
「?」
笹原はきゅっと内股を作りながら、そっぽを向いてしまう。
「前田君ってさ、その、段々上手くなってるっていうか」
「何が?」
「も、もう! それこそ女子高生に言わせないでよぉ!」
この鈍感系主人公ッ! なんて謎の罵声を浴びせながら笹原は俺の肩をぽかぽかと叩く。
「まだ感覚が残ってると言うか……、もう、何でもない」
「なんだか知らんがお前も難儀だな」
バスが来る前に、笹原の下腹部や太股へ垂れた精液や愛液については可能な限り手で拭き取ったが、それでも臭いの方はまだほんのりと残っている。今からあの二人になんといって誤魔化そうか思案しながら、俺達はバスで駅前へと戻っていく。
「あ、あの影ってそうじゃない?」
バスの窓から見える風景に随分と建物が増えてきて、気が付けば駅前の小さなバス停へと到着する。するとすぐ近くでは鈴谷が手を挙げてこちらに合図を送っていた。
「おかえりなさい~! 先輩~! 笹原先輩~!」
「ただいまぁー!」
すると笹原はバスから飛び降りて鈴谷へと抱きついた。まるで漫画の最終回みたいな光景だ。あいつらどんだけ仲良くなってんだよ。
「ん? スンスン……。ははぁん、さては笹原先輩、先輩とヤっちゃいました?」
「え、わ、わかっちゃう……?」
「はぃ。そりゃもう凄い匂いですし。お二人とも熱い初夜を迎えた新婚カップルみたいな匂いしてますよ。凄くエロエロです。なんなら匂いだけでご飯三杯いけちゃいます」
「例えがマニアック過ぎて分からん……。それと鈴谷は俺からちょっと離れろ。……はぁ、ったく」
笹原の頬に顔を押し当てて何度かすんすんと鼻を鳴らした後、次に俺へと近寄った鈴谷は自然な素振りで俺の脇に鼻を押し当てると「すーはーすーはー」と匂い始めやがったので、俺は手でぐいっと体から引き離す。
鈴谷にしても普通にしてれば本当にモデルでもしてそうなスタイルなのだが、今だけを切り取ればただの変態ギャルに他ならない。
「でもまぁ、このままってわけにはいかないよな。っと、そう言えば時宮先輩は?」
「時宮先輩なら少し先のお店でお買い物中です」
不幸中の幸いにも時宮先輩が居ない事に安堵しつつ、俺は周りに目配せする。どこか足だけでも洗える場所があると良いんだが。
「それならビーチの方に簡単なシャワー室がありましたよ」
「お前、本当相変わらずだよな」
「何言ってるんですかぁ。先輩の考えてることなら何でもお見通しなんですから!」
「そのスキルをもっと有効な事に使えないのか?」
「先輩の事を想う以上に大切な事なんてありませんよぉ! にひひっ!」
「重っ!!」
「重いだなんて、そんな事ありませんよぉ。それにもしもの時は、私の全てを先輩に捧げたって良いとすら思ってるんですから」
「何が『そんな事ありませんよ』だ。っていうかそれ余計に重くなってるから。重量オーバーだから」
そう言葉を返すが、鈴谷は相変わらず小悪魔的な笑みを浮かべて、ピンと海側の道を指差す。
「あちらの先にありますので、先輩方も身体を洗ってくると良いですよぉ。実は私と時宮先輩もお先に使わせてもらいましたし」
「そうか、サンキュな」
「いえいえ、それではごゆっくり~!」
すると鈴谷はぴょんぴょんと跳ねながらどこへとなく行ってしまう。あいつは野ウサギか何かか。
「そんじゃあ行くか。俺達もこのままってわけにも行かないしな」
「う、うん。そうだね」
何故かもじもじとさせている笹原に?マークを浮かべつつ、俺達は教えられた道を歩く。すると少し歩いたところで磯の匂いが漂ってきた。
「やっぱりここからだと海も近いんだな」
2時間ほどバス停で休憩した事もあり、ピークの時ほど疲労は感じない。それにあの地獄のようなルートを通った後だからか、なんだかあっと言う間に海まで到着してしまう。
「でもまあ、普通の海岸だよな」
石作りの防波堤の上から砂浜を眺めるが、どこにでもある普通の砂浜だ。波が押しては引いていき、ザザァと波の音が聞こえている。
こちらはある程度人が遊べるように整備されているようで、見ると海の家が有ったり、監視員さんが見張るための高い椅子が有ったりとそれなりにビーチらしい雰囲気だ。ただ人はと言うと、ちらほらと若いカップルや大学生らしい団体がワイワイと遊んでいるくらいで、さほど賑わいはない。
「あぁ、あれか」
防波堤からは鈴谷の言っていた簡易シャワー室のような物も見えた。
「にしても、こっちの砂浜にも人は来てるもんなんだな」
千葉の近くと言うといくつか海水浴場は有るが、この時期はどこも人で溢れている。むしろ適度に遊ぶのなら、こちらの方がむしろ過ごしやすいかもしれない。こういうのを隠れた穴場と言うのだろうか。
「ふぇっ、前田君、なんだか足元がすーすーするよ」
防波堤沿いにシャワー室へと歩いていると、笹原のワンピースが海風で何度も捲れ上げられそうになる。その度にスカートをなんとか手で押さえながら、笹原は涙目で後を付いてくる。
「パンツも洗えそうだしちょうど良かったな」
「洗うって、どうやって乾かすの?」
「この炎天下だし、穿いてればその内に乾くんじゃないか?」
「……やっぱり前田君ってデリカシーがないよ」
笹原はじと目で俺を睨みながら、パンツを強く握り締める。
男心には別に良いじゃないかと思うのだが、どうやらそれは女子的にはアウトらしい。
「次は替えの下着も持って来たほうが良さそうだな」
「た、確かに私が悪いのかもしれないけど……。でも、でもねっ!」
ほぼ全裸にローター付けて外を出歩いたり、青空のもとで青姦するのは良くて、ノーパンワンピースがダメな理由が良く分からなかったりする。けどその辺は笹原なりに妙に厳密な境界線があるようだ。
「ほら着いたぞ。どっちから洗うよ?」
シャワー室の前まで来るが、どうやら一人分しか設置はされていないらしい。
にしてもこのシャワー室、本当に簾で囲われてるだけでちょっとセキュリティに欠けると言うか、隙間から覗いたり、なんだったら簾を持ち上げてしまえば中が丸見えになってしまう。まぁ、田舎の海水浴場だし、あまり拘る必要もないのかもしれないけど。
「つっても、まあ笹原が先でいいぜ。俺も早く汗流したいから手短にな」
「へ?」
「ん?」
「これって一緒に使うんじゃないの?」
「は?」
ナニヲイッテルンダコイツハ。
「だって一つしかないし」
「あのな笹原。こういうのは普通男女別だ。それから一つしかない場合は交代で使うもんなんだよ」
俺は痛くなってきた頭を手で押さえながら、呆れ口調でそう話す。しかし笹原は本当に心の底から疑問だと首を小さく捻る。
「私は別に大丈夫だけど」
「……はぁ」
こいつに今更その辺の一般常識とかを説いてもキリが無いんだろうな、きっと。
つうかそんなんで普段はどうしてたんだよ。まさか体育とかの着替えもその場ですっぱだかになってたわけじゃないよな。
「……分かったよ」
俺は諦めるように簾を持ち上げて中へ入る。すると笹原もどこか楽しそうに背中に付いて