※この作品はR-18です。

ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか?   作:わずみかん

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第72話

「そんじゃあ出るぞ」

 

 便座から立ち上がり、二人を個室から出す。実は一番心配な難所だったが、幸いにトイレで誰かと鉢合わせることはなかった。

 

 先に歩かせた二人はおそるおそると男子トイレからホームへと出ていく。その後ろ姿を追う形で俺も個室から出る。

 

「う、はぁ……!」

「ふ、んふぅ……」

 

 押し殺そうとしても我慢できない喘ぎ声が二人から漏れる。歩く姿もどこかぎこちない。

 

 しかしやっぱり見ると凄い格好だ。自分でやっておいてなんだが、ここまで常識外れだと目の錯覚か幻でも見てるような浮世離れ感がある。

 

 鈴谷は後ろから見るとショーパンからはみ出したパンツとケツの割れ目がはみ出していて、その上にほんのり下に突き出た股間部はクネクネと怪しく動いている。一般人が見ても不審に思うし、わかる人間には一目で鈴谷が何を装着して歩いているのか気付いてしまう。

 

 正面からでは見えないが、さらにそれに加えて胸では4つのローターが常に動き、刺激を続ける。鈴谷の動きがぎこちないのも、その刺激が邪魔をしているからだ。

 

 笹原の方はぱっとすれば妙なところはないが、こちらはバイブの音がほぼダイレクトに外に漏れているおかげで少し近づけば笹原の赤面の理由がわかってしまう。しかも肛門に入れられたローターも稼働を続けており、その振動が膣にまで響いているのか、笹原の下の割れ目からは絶えず水分が漏れ出ている。そのため歩いた道を示すように、その後ろには水滴がぽつぽつと続いていた。

 

「せ、先輩、人が……」

 

 ホームには当然だが次の列車を待つ乗客がぽつぽつと残っている。人数にすれば十人にも満たないが、二人からすれば気にしないわけにはいかないだろう。

 

「構わずに階段まで歩けよ」

「分かり、ました」

「う、うん」

 

 鈴谷がそう返事をすると、笹原も前を向き直す。

 

「先輩、これってかなり際どいですよね」

 

 なぜか嬉しそうな顔をしながら、先に鈴谷がショートパンツを手で押さえてのそのそと歩き始める。

 

「っていうか私のこれ、後ろなんてほぼ見えちゃってるんですけど」

「でもそれくらいがちょうど良いんだろ? お前の場合」

「ふふっ、むしろ物足りないくらいですぅ……!」

 

 とは言いつつも、時々苦しそうな顔を見せて膝を震わせるこいつは正真正銘の変態だと思う。

 

 さて、これからどうしたもんか……。おそらくただの露出プレイじゃ満足できない二人だ。それなりに危険は冒す羽目になるだろうけど……。

 

 俺はひとまず二人に真っすぐ歩くように指示した後、ちらちらと周りを見渡す。どうやらこちらだけでなく、反対側のホームにも人が居るようだ。

 

『…………』

 

 しかもその内の一人、スーツ姿のサラリーマンの男がスマホを手に持ちながらこちらをちらちらと見ている。やっぱりと言うか当然だが、そりゃ気づかれるよな。

 

 駅のホームなんて遮蔽物が無い上に、ほとんどの人が立ち止まって列車を待っているため、こういう人気の薄い駅では実は歩いているだけでもそれなりに目立ってしまう。

 

「ほら、早速二人に見物人だぜ」

「え……? ど、どこ?」

「こら、あまりきょろきょろするなって。余計に不審がられるだろ」

 

 笹原は咄嗟に辺りに首を振るが、俺がそう言うと肩をきゅっと小さく丸めて顔を伏せる。

 

「先輩、私達はこれからどうなるんでしょう」

「さぁな。ただもしも誰かに呼び止められたら、その時が人生の終わりだ」

 

 何度か露出プレイを経験して理解したのは、一番ヤバいのは誰かに見られることではなく、声をかけられてしまうことである。

 

 それがどういう意図にせよ、こちらの行動に介入しようとした時点で、俺達単独での露出は困難になるからだ。二人の恰好的に逃げられるわけもないから、結局はそこでジエンドとなる。

 

「ん、はぁ……! 先輩、何言ってるんですか、もしそうなっても、私が先輩を一生養ってあげますよ。それこそ水商売でも何でもしてっ!」

「お前の場合は本当にしそうだからな……。別に良いよ。そうなったら全ての責任は笹原に取ってもらうから」

「身売りはやだよ!?」

 

 すると笹原はドキッっと顔を引きつらせてこちらに振り向く。

 

「分かったって。だからほら、もうすぐ階段だぜ?」

 

 何気ない会話に聞こえるが、渦中の俺にはわかる。それが極度の緊張を少しでも解す為の気休めだって事は。

 

「…………」

 

 まずはホームに居た一人の横を過ぎる。こちらも先ほどと同じサラリーマンだ。いくつものバイブ音が響くなか、その背中を三人で通っていく。

 

 心臓が高鳴る。もしも振り向かれたら、声をかけられたら、手を掴まれたら――。どうすれば良いのだろう。そんな得体の知れない高揚感と恐怖が心拍数を押し上げていく。

 

「……ふぁ」

 

 だがそいつは結局振り返ることもなく、ただ終始スマホに目を向けていた。もしかしたら気付いていても、見て見ぬふりをしているだけかもしれない。俺でもそうする。

 

「バレなかったね」

 

 笹原が小さな声で言った。

 

「気づかない振りをしてただけかも……ですよ」

「だな」

 

 俺は鈴谷の言葉に同意する。

 すると言ってる傍からもう一人、階段に行く途中に人とすれ違う。

 

「…………」

 

 今度は大学生くらいの男だ。しかも俺達の方を向いている。こちらもスマホを見ているが、今度は間違いなく視界に入るだろう。

 

 重い緊張のせいか、ゆっくり、ゆっくりと時が流れているような感覚の中、俺達はそいつの前を通り過ぎる。

 

「……っえ」

「っ!!」

 

 だが、そいつはふっと顔を上げると、笹原と鈴谷をギョッとした顔で凝視した。

 

「あ、あの……?」

 

 二人も思わずその大学生の方を見る。完璧に視線が合う。笹原のバイブ音も、鈴谷のノーブラの胸も、それからはみ出たケツ穴も、全てが彼の視界に入る。

 

「あ、あはは。ごめんなさい、こんな格好見せてしまって……。でも、ご主人様の命令だから、しょうがないんです」

「……っ」

 

 すると鈴谷が彼に向けて笑顔でそう話しかけた。

 

「でも……私達、こういうの凄く好きで、だからお兄さんに見られても、私達ってむしろ興奮しちゃうんです」

「そっ……」

 

 だが、そこまで言うと相手の方はその瞬間踵を返し、駅の反対側へと歩いて行ってしまう。

 

「ふふ、やっぱり人に見られてこその野外露出ですよねぇ」

「す、凄いね。私、男の人だったから何もできなかったよ」

 

 いやそれが普通だから。と内心思いつつ、俺は一人ふっと胸を撫でおろした。

 今の俺達を包んでいるのは、人目につく野外で露出しているという危機感と、そこから来る高揚感だ。緊張は全て快楽へと変わり、破滅へ近づけば近づくほど、脳が解けるような愉悦に体が浸っていく。俺達が味わっているのは、そんな麻薬のような、危なっかしさだ。

 

 そいつをいつの間にか理解できてしまう自分が居る。だが同時に、俺にはそいつを心の底から享受する素質も兼ね備わってはいないと悟った。

 

 やっぱりこいつらって普通じゃないんだな、とか、そんな今さら過ぎる感想が頭をよぎらなかったわけじゃない。ただそれでも言わせてもらえれば、こいつらは本当にこの状況を楽しめてしまっている事に、俺は一人疎外感を感じてしまう。 

 

「階段だな。ほら、さっさと行くぞ」

「…………うん」

 

 階段の手前に到着し、俺は二人を先に登らせる。

 

「この角度だと、先輩には私達のあられもないところまで全部見せたい放題ですね」

 

 階段を登り始めると、鈴谷はぽっと照れ笑いしながらこちらをちらっと見る。

 

「え、う、嘘!?」

「あぁ、その通りだよ。でも隠したりすんなよ? 隠したら罰だからな」

「……前田君って本当にスケベさんだね」

「ちげぇっての。俺じゃなくて隠したらお前らの露出プレイにならないだろうが」

 

 つうかそっちは気にすんのかよ……。

 二人が階段を上り始めると、俺も後から続いていく。階段に人気は無く、だが上から誰かが降りてこない保証もない。

 

「なんだかすーすーするよ……。それと……ん、お尻も、変だし……」

 

 上を見上げると、鈴谷の言った通り二人の背中が下の角度からくっきり見える。

 笹原のワンピースの下は、トイレで取り付けられたバイブの線が太もものリモコンに垂れており、ノーパン姿の尻と、マンコに刺さって中を抉り続けるバイブがちらっと見える。

 

「……先輩、私の方も、どうですか?」

 

 すると次に鈴谷がショートパンツをくいっと指で下げる。ただでさえほぼ見えてしまっていた尻がまるっきり露出してしまっていて、その奥にはピンクのバイブすら露になっている。

 

「はぁ、うっ……んふぅ……。笹原先輩が可愛いのはわかりますけどぉ……。折角なので、私の方ももっと見てくださいよぉ?」

「分かったから、前見て歩かないと躓くぞ」

 

 そんな二人の姿をついチラチラ見てしまいながら、俺は階段を登っていく。

 

「はぁ、ん……。階段、思ってたよりずっと、その……お尻が擦れて凄い……う、ふぅ!」

 

 登り終えると直ぐに笹原がぐっとしゃがみ込む。足を伝う体液の量が急に増え、足元で小さな水溜まりを作る。

 

「ごめん……また、イっちゃった」

 

 笹原はへたりと座り込んだまま、呆けた顔で口をあんぐりと開ける。その情けない表情だけで、こいつが絶頂に達したと分かる。

 

「ご、ごめんね……。あまり、足手まといにはなりたく無いんだけど」

「大丈夫ですよ。私の方もそろそろ限界……っ、ですし」

「あんまり駅を汚すなよお前ら」

 

 とは言え、こればっかりは仕方がないんだけどな……。なにせ元々露出プレイってのが反社会的行為なわけで……。

 なんて言い訳を考えていると、二人がこちらに目を合わせる。

 

「次はどうするの……?」

「あ、あぁ。取り合えず駅から出るぞ。つっても、二つ出口があるのか。じゃあ……」

 

 駅の改札には当然だが人の往来がある。あまりここに居て騒ぎになっても厄介だしな。

 木更津駅には西口と東口があるらしい。つってもこの辺ってあまり来ないからどっちに行けばいいか分からんな……。

 

「東口に行こう。まずは改札を通らないとな」

 

 ほぼ勘でしかないが、行く方向を決めると二人を連れて改札の方へと向かう。

 さて、ここからが第二の難所だ。

 

 

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