※この作品はR-18です。

ドMで引きこもりな私でも露出調教してくれますか?   作:わずみかん

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第78話

 結局その後、時宮先輩に綾子との事を聞いても

 

「前田くんって細かいこと気にしちゃう神経質なタイプだったのかな? 先輩あんまりそう言うの好きじゃないけど、でも前田くんがどうしても気になるなら教えて上げても良いよ。一生の約束10回分でどうだ!」

 

 なんて言われてはぐらかされてしまった。

 

 一生の約束と言うのはつまり『一生に一回の約束』の事だろうけれど、それが10回分と言うことは、つまり俺は後9回転生しないと時宮先輩からは聞き出せないと言うことだろうか。

 

 そんな異世界系の主人公でもなしに、何回も一生を使えるわけもなく、つまるところ俺は泣き寝入りするしかないという事らしい。

 

「そうだ。前田くん達は昨日あれからちゃんと帰れた?」

「ゲフッ!」

 

 昨日。と言われ、俺は否応なしに笹原と鈴谷の露出姿を思い出す。

 

「え、えぇもちろんですよ時宮先輩。笹原は疲れちゃったみたいで、鈴谷の家に泊まっていったみたいですけど」

 

 俺はつい気まずくなり顔を逸らしてしまう。だが時宮先輩はそんな俺を特に不審がることもなく、普段通りに笑う。

 

「そうなんだ。ごめんね、私だけ途中で分かれちゃって」

「いえ、用事なら仕方ないですし」

「実は私も最後まで前田くん達と帰りたかったんだけど、他の用事で行かなきゃいけないところがあって」

 

 先輩は手を合わせると「ごめんね、この通りだから」と律儀に腰を曲げる。綺麗に45度になってる辺り真面目な先輩らしい。

 

「そ、そんなせんぱ……」

 

 すると揺れる二つのお下げの間で、先輩の胸の谷間がちらりと見えてしまう。

 

 制服を窮屈そうに下から押し上げる膨らみはやっぱり驚異的な魅惑を放っていて、ぷにっと柔らかそうに垂れるところが目に入ってしまうと、触れてはいけないからこそ触れてみたい禁断の欲求が込み上げてくる。

 

「前田くん?」

 

 そんなふうに考えてしまうとつい前屈みになってしまい、俺はそれとなくカバンを前に提げる。

 

「べ、別に先輩が謝ることじゃないですから」

「本当に? 本当に許してくれる?」

 

 さらに時宮先輩はグイッと顔を近づけると、のぞき込むようにこちらに体を近づけてくる。

 

 胸の先端が体に当たりそうになる。後少し、後少し前に来れば、先輩の柔らかい感触が……。

 

「ほ、本当に大丈夫ですから!」

 

 だが女子高生からすれば規格外な先輩とは違い、一般的な、それもチキン寄りな男子高校生である俺は、その圧力に耐えきれず先輩の肩を掴むとぐっと押し離す。

 

「ねぇ、前田くん」

「はい?」

「今、私のおっぱい見てた?」

「見てまへん」

「あれ、どうして関西弁? 前田くんってもしかして関西の人?」

「実はそうなんやねん」

 

 生まれも育ちも千葉でついでに両親共に千葉育ちのサラブレッドだが、先輩のおっぱいに緊張し過ぎて噛んだとは言えず、しかも取り繕うために凄くエセっぽい関西弁まで使ってしまった。

 

「では関西人な前田くんにクイズです。関西弁でこれはどういう意味でしょう」

 

 すると先輩は頬を緩めて、俺の顔をしばらく見つめた後にこう言った。

 

『なぁなぁ、うちのことかいてくれへん?』

 

「なっ……!?」

 

 先輩の滑らかな関西弁に、俺は思わず胸をドキリとさせてしまう。普段は標準語がスタンダードな先輩が不意に話す関西弁は妙に色っぽいと言うか、早い話が普段とのギャップにあてられてしまい、つい胸がときめいてしまう。

 

「さぁ前田くんに分かるかしら?」

 

 先輩はチャーミングに指を立てながら、そう得意げに投げかけた。

 

「えっと、うち……は確か私って意味でしたよね? かくって事は普通に背中なんかを掻いて欲しいって事じゃないんですか?」

「ブブー。違います」

「あれ、なんだろう。分かりません」

「もうちょっと良く考えてみて。きっとスケベな前田くんなら分かるはずだよ」

「ブフッ!!」

「ふふ、どう? 先輩の胸をじっと見るからだよ?」

 

 先輩はメガネ越しに目を意地悪そうに細めてこちらを見る。

 

「そ、そのですね……」

 

 と言うか先輩って確か関西に住んでた事も有るんだよな。さっきの関西弁も自然だったし、なら絶対に俺が関西人じゃないって気づいてるよね。じゃあこれって最初から遊ばれてたんじゃ……。

 

「弁明も釈明の余地もないわよね。でもね、私だって別に見るなって言ってるわけじゃないのよ? 私がちゃんと前田くんに謝ろうとしてるのに、私のおっぱいばっかり見る前田くんもいけないんだから」

「す、すいません」

「ふふ、よろしい。今日は自分の知識をちょっとだけ見せびらかせて満足したので、許してあげます」

 

 やけに機嫌が良い先輩に平謝りすると、先輩は楽しそうに笑った。気になる答えについては後でもう一度先輩に聞いてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっはよー!」

「おはようございます先輩。先にいらしてたんですね」

 

 あれから部室に到着し、時宮先輩と二人で待っていると、30分ほどして笹原と鈴谷の二人が喧しく登場してきた。

 

「何してるの? 読書?」

「まあな。でも朝の優雅な時間もこれで終わりだ」

「あ、ひどいひどい! ため息はちょっとひどいよ前田君!」

 

 喫茶店で流れるようなジャズが似合いそうなまったりとした時間を満喫しているところに現れた二人は、そんな空気感をモノの見事に崩し去る。

 

「二人ともおはよう」

 

 時宮先輩も二人に挨拶を返すと、初っ端から笹原は高らかに声を上げる。

 

「それじゃあ今日も部活動を始めるよっ!」

 

 ハイテンションな笹原に怪訝そうな顔を向けていると、鈴谷がこちらにアイコンタクトを送ってきた。

 

『笹原先輩、昨日の夜も元気にわいわいやってたんですよ』

『お前等元気すぎるだろ。何やってたんだよ』

『学園調教モノの18禁アダルトアニメを一通り』

『いやホント何やってんの!?』

 

 どうやら笹原のハイテンションはまたもやアニメが要因らしい。しかも今度はエロアニメと来た。

 

「そう言えば今日は何をするの、笹原さん」

「今日はですね、早速次の活動内容を決めるための会議をしたいと思います」

「昨日の今日でもうか?」

「だって早くやらないと夏休み終わっちゃうもん」

「お前の場合は年中夏休みみたいなもんだったろ」

「そ、そんな事ないよ? 別に毎日部屋で変な事してたわけじゃないよ?」

 

 それではぐらかしてるつもりか知らないが、目は泳いでるし、盛大に墓穴掘ってるのはもはやどうしようもない。

 

「まぁまぁ。先輩もそれくらいにして。部活動も始まったばかりですし、最初はこれくらい活発でも良いと私は思いますよ」

「真昼ちゃん~!」

「よしよし。鬼畜な先輩が少し言い過ぎてしまいましたね」

 

 義理とは言え妹の胸に泣きつく笹原の図が何とも情けない。

 

「それじゃあ次の活動場所を決めましょうか。えっと、確か前に使った地図があったわね」

 

 時宮先輩は前回に笹原がやたらとでかく円を描いた活動範囲マップを取り出す。

 笹原も鈴谷から一度手を離すと、それぞれが各々の椅子に座り、マップへと目をやった。

 

「まずは誰か希望のある人は居るかな」

 

 先輩がキュポンとマジックペンの蓋を外し、ホワイトボードの前に立つ。

 

「海と山には行きましたし、次は街中の方でしょうか」

「そいつは無理なんじゃね? ほらそこの問題児の事を考えると」

「むっ。別に大丈夫だもん。電車も乗れたし」

「千葉の南部はともかく、他の路線はそれなりに混雑するぞ?」

 

 この活動は笹原のトラウマを治すリハビリも兼ねているとは言え、あまりに無謀な事は避けたい。何より男に触れると超高確率で吐き出す人間がそのリハビリ対象だ。行くにしても、まずは前回みたいに人気の少ないところか、人と接する機会の少ない場所でないといけない。

 

「普通に千葉公園とかで良いんじゃね?」

「近すぎるよ!」

「お前な。万が一の時に介抱する方の事も考えろっての」

 

 と、笹原の方をジロリと睨むと、次いで時宮先輩が心配そうな視線を笹原に向ける。

 

「笹原さん、もしかしてどこかお体の具合が悪かったりするのかしら」

「あ、いえあのっ!」

「こいつあんまり体力が無いので、無理はさせたくないんですよ」

 

 トラウマの事について触れられ、きゅっと肩を萎ませる笹原をフォローするように、俺はそう先輩に答える。

 

「そう……。昨日も歩いてる時に体調が悪そうだったから心配ね」

「まぁでも大丈夫ですよ。そこまで重症ってわけでもないので」

「そうなの? でもあまり無理はしないようにね」

 

 時宮先輩は笹原を労るようにそう言うが、笹原は「あ、アリガト、ゴザイマス」と眼が点になっている。

 

 でもそうだよな。笹原にしてもあまりトラウマについて別の人には知られたくはないだろうし、今はまだ笹原の事情についてはそう説明しておくしかなさそうだ。

 

「それじゃあ出来るだけ近くで、でも普段は行かないところにしましょうか」

 

 時宮先輩は早速意見の中間を取る案を提案する。やっぱりこういうところは流石だなぁと感心してしまう。これだけ早くその場の人間が納得できる着地点を見つけるのは、それなりに場数とセンスの要る技だ。

 

 トントン。

 

 会議も議題が本題に入ったところだったが、今度は部室の扉がノックされる。

 

『ちょっと良いか』

 

 聞こえたのはゴリマッチョこと担任の朝倉先生の声だ。

 

「はい?」

 

 何の用事だろう? そう思いながらも返事をすると、がらがらと扉が開く。

 

「失礼する」

「って、御影先生?」

 

 するとそこに立っていたのは朝倉先生ともう一人、昨日ゲーセンで会った御影先生の姿があった。

 

「ちょうど全員揃ってるな」

「えっと、朝倉先生。どうして御影先生が?」

「実は御影先生には色々と相談させてもらってたんだ。俺ももっとお前等の面倒を見てやりたいが、サッカー部の顧問であまり時間が取れなくてな。そこでこの度は御影先生に副顧問をお願いする事になった」

「まあそう言う事だ。よろしく頼む」

 

 御影先生は小さくお辞儀をすると、俺達の顔を順番に見渡す。

 

「うむ。そこが空いているのか」

 

 そう言うと、時宮先輩の隣のデスクチェアに腰掛け、昨日のように足を色っぽくクロスさせる。

 

「その副顧問と言うのは、朝倉先生の代理と言うことですか?」

「いや、代理と言うよりは実質的な顧問に近いな!」

「つまり安請け合いしたはいいが、時間が取れなくて御影先生に丸投げしたと」

「おいおい前田。考えてる事が口から漏れてるぞ! まったくもってその通りだがな」

「漏れたんじゃなくて嫌味で言ったんですけど」

「そう言うな。俺だって生徒の自主性は重んじてやりたい。そう思ったからこそ引き受けたんだぞ? まぁ結果として御影先生にお願いする事になった点には些かの責任はあるが、御影先生が快諾してくれたんだ。とやかく言うな」

 

 ゴリマッチョは豪快にがははと笑うと、力業にも程がある理屈で俺からの嫌味をねじ伏せる。そう言われるとその通りだからぐぅの音も出ないが、それがまかり通る社会は決して大人とは言えない。

 

「その埋め合わせと言えばなんだが、お前等に良いモノをやろう」

 

 すると朝倉先生は無骨にジャージのポケットをまさぐると、ぐちゃぐちゃに折れ曲がったチケットを5枚取り出した。

 

「昨日、県のサッカー部でエキシビジョンマッチがあってな。練習試合とは言え高校サッカーにしては珍しく賞品が出るんだ。そこでうちの部がめでたく1位を取ったんで、こいつはその賞品ってわけだ」

 

 時宮先輩がゴリマッチョからチケットを受け取ると、それを一枚ずつ順番に回していく。

 

「スーパービーチ・サンシャインプール……?」

「千葉モノレールで7駅ほどのところにある屋内プールの招待券だ。結構広いらしくて、特にお前等みたいな若者に人気らしいぞ」

「それで、こいつをどうして俺達に?」

「賞品とは言ってもたったの五枚しか渡されなかったからな。サッカー部で分けるにも足りんし、お前等にやろうと思ってな」

 

 つまりサッカー部の取った賞品の招待券をそのまま俺達に横流ししたと……。それって顧問としては色々どうなんだろうか。

 なんて考えて、普段の仕返しも込めて嫌味の一つでも言ってやろうと思ったところだったが

 

「わぁー」

 

 見ると笹原の目が輝いている。そりゃもうサンシャインの如く煌びやかだ。

 

「本当に良いんですかぁ?」

「まあな。サッカーは11人でやるスポーツだと言うのに、まったく運営には困ったものだ」

 

 とか言ってる当の本人は全く困ってなさそうなんだけど。

 

「御影先生の歓迎会も踏まえて全員で行ってこい。ってわけで、お前等も部活頑張れよ」

 

 ゴリマッチョはそれだけ言うと、ピシャリと扉を締めて廊下を歩いていった。

 

 実はあの教師、ああ見えてはなんだかんだと面倒見は良いらしく、生徒からの信頼は結構なものだったりする。俗に言う良い先生ってやつだろうか。俺に対する便利屋的な扱いを除けば。

 

 これも顧問として少しは手をかけてやろうとした結果なのか、それとも招待券をていよく処理したかっただけなのか。ともかくとして、こうして俺達の手には都合よくプールの招待券が手渡される。

 

「御影先生もわざわざ副顧問ありがとうございます」

「何、元生徒会長の君が居るのならそれほど問題は無いだろうしな。それに正直言って夏場は誰も来なくて暇……皆健康で私の役目はそれほど無いからな」

 

 今聞いたような気がする問題発言はそれとなく流すとして、副顧問が御影先生というのはありがたいかもしれない。

 

「あの時以来だな。体調はどうだ」

「あ、はい! だいじょうぶです」

「うむ、そうか」

 

 御影先生は笹原を見てそう言うと、足を組み替えてから腕を組む。

 

 そのポーズといい、何より腕の上に乗る胸はやっぱり煽情的だが、笹原程ではないにせよ体が未発達っぽいせいで妙なアンバランス感がある。だがそれが逆に良いと言う男子が少なからず居るからこそ、校内で密かに作られている『彼女にしたい女子ランキング』で、女子ではなく保険医であるにも関わらず常に上位に居るのだろう。

 

「先輩ぃ! プールですよぉ!」

 

 笹原と同じく鈴谷も気分上々にチケットを掲げる。そしてそのチケットを眺めながら、むにっと肩をこちらにすり寄せてくる。

 

「先輩ぃ? 私の水着姿とかぁ、想像しちゃってますぅ?」

「お前ってホントそう言う話題に飽きないよな」

「だって先輩と一緒にプールですよプール!」

「そ、そうだ。私も水着用意しないと!」

 

 やっぱりと言うか必然と言うか、どうやら次の活動場所は屋内プールで決定らしい。

『屋外活動研究部』なのに『屋内』プールに行くというのは矛盾してるようにも見えるが、そんな細かいことはどうやら場の誰も気に留めていないらしい。俺以外は。

 

「という話の流れになってますけど、御影先生はいかがでしょうか」

「問題ない。ただ私はあくまでも付き添いだ。楽しむのは君たち学生でやってくれれば良い」

「じゃあそう言うことでー……っ!」

 

 すくっと部長椅子から立ち上がると、笹原はシャキン! とでも効果音が付きそうな変なポーズを作り、そして声高らかに宣言する。

 

「これにて本日の会議、終了!」

 

 どうやらまた別のアニメの影響を受けたらしい事は間違いなさそうである。

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