※この作品はR-18です。

異世界転生を阻止されたので現代で復讐を果たします。   作:六本線

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あらすじ
担任の猿渡先生が「事なかれ主義の塊&婚約者のために問題ゼロを目指す男」だと判明し、グリッジはニコニコしながら次の作戦を開始。ユウマは巻き込まれる形で、なぜかオモイと一緒にショッピングモールへ行くことに。

証拠データの受け取りついでに、グリッジの指示で“女の子の服”まで買わされ、ユウマはまさかのワンピース姿に。オモイは「私のせいでユウマが女装に目覚めた…?」と勝手に罪悪感を抱き、顔を真っ赤にして大混乱。


第十一話:第三の復讐の準備へ

 猿渡キョウゴ。佐藤ユウマのクラスの担任である。年齢はかなり若く24歳……中肉中背のどこにでもいるような男だ。病的なまでに事なかれ主義でユウマがイジメを受けているのを見ても黙認していたし、ユウマが相談しに行ったときは『男なんだからそれぐらい我慢しなさい』とか『そういった経験は誰にでもあることだから』とユウマひとりに無理を強いる形を取っていた。

 

『いやぁ、申し訳ございません。1日ユウマ様のそばを離れるのは少し怖かったですが大丈夫でしたか?』

(うん。大丈夫。今は無視だけでおちついてるし……昨日はヒトハが僕の所に行こうとする度にトウコが止めてたしね)

 

 グリッジは普通の人には見えないし、声も聞こえない。グリッジは昨日ユウマから次の標的が担任の猿渡先生だということを知ってからすぐに行動を開始していた。ユウマの肩から離れて猿渡先生の肩に止まって調査を行っていたのだ。ユウマもグリッジがいないというのは不安だったので昨日はできるだけ目立たないようにしながら、事故などに細心の注意を払って家に帰り部屋に引きこもって生活していた。学校に来るときもおっかなびっくりだったが意外と何とかなる物である。

 

『でもその甲斐あって色々とわかりましたよ。あの先生、婚約者がいました。それもかなりのお金持ちで……今もっている学年が何事もなく卒業までいけたなら結婚できるみたいですねぇ。教師を辞めても生活できるぐらいのお金持ちのお嬢さんとの結婚……事なかれ主義になるのもまぁ、わかります』

(……じゃあ、簡単だね)

『えぇ、とーっても簡単ですし……とーっても面白いことが起こると思います。少し嫌かも知れませんが、わたくしめの作戦にのっていただけますか?』

(もちろん……でもやるなら徹底的じゃないと嫌だよ?)

 

 ユウマの言葉にグリッジはにっこにこな笑顔を見せる。

 ユウマはそのにっこにこな笑顔のグリッジをみてちょっとだけ心配になった。ここ数日の間、グリッジと一緒に過ごしていてユウマにはわかったことがある。ユウマの価値観と照らし合わせるのであればグリッジはかなりの変態である。トイレに着いてくるのはわかる……ドラマや漫画でのSPは片時も要人から離れることはない。トイレにもお風呂にも守る為に付いてくる。でもおしっこをしている所をまじまじと観察するのはどうなのだろう? おしっこをしている時のおちんちんをじっと見つめられるのは流石のユウマでも少し恥ずかし、ユウマが寝ているときにズボンの隙間から中に入り込んでおちんちんを触ってもくる。ただ大好きオーラが伝わってくるので悪い気はしないのでユウマはあえて放って置いていた。

 

『では作戦ですが、まずはとりあえず――』

 

 放課後、ユウマは作戦に従って少し遠くのショッピングモールへと繰り出していた。本来は電車とバスをいくつか乗り継いでたどり着くところなのだが、空を飛べば家に帰って準備をしたとしても20分もかからずについてしまった。

 

「あ、え、えーっと……ユウマ、ありがとう?」

「別に……そろそろ戦闘服が必要だと思うしついでにね」

 

 グリッジの指示で秋空オモイも一緒にショッピングモールへと来ていた。所要時間20分の内、10分ほどはオモイの『準備』というものに使われている。私服登校なのだからそのままでも良いと思うのだが、オモイは頑なにシャワーだのせ着替えるといって聞かなかったのだ。グリッジ曰く、今回はオモイの協力も必要不可欠らしくユウマは仕方なくオモイがシャワーを浴びて着替えを許可した。

 オモイが必要な理由は大きくふたつ。ひとつはオモイが持っているイジメの撮影データである。虐められている真っ最中に猿渡先生がやってきた時の撮影データももちろんあり、それを証拠として使う為だ。それは先ほどオモイが準備をしている間に回収して家に大事に保管してきた。

 

「それにしてもその……えっと……何というか……えぇっと私のせい……だよね。うん、その、えっと責任取るから。本当にごめんなさい」

「…………」

 

 もうひとつの理由は女の子の服が必要だからである。何故必要なのかグリッジは全く説明してくれなかったが、下着から何から何まで女の子用の服が必要になるとのことで……そろそろオモイの実行している作戦にも『戦闘服』が必要になるだろうとのことでそのついでに買いに来たのだ。なので今回、オモイは『女の子の服が欲しいから買い物に付き合って欲しい。ついでにイジメの時の撮影データを渡せ』と素っ気ないDMをもらっており、自分のせいでユウマが女装に目覚めてしまったのではないかと変な勘違いをしていた。ユウマとしてはオモイには何度謝ってもらっても良いし、しょぼくれた顔を見ていると胸がすっとするのでこのまま勘違いさせたままでもいいのかなと思っていた。

 そんなわけでオモイに連れられて最初に来たのは子供服売り場である。ユウマは父親の死後、母親と折り合いが悪くなったので必要最低限の安物の服しか買ってもらえていない。ユウマも人の目を気にしなくなってしまったので服なんてどうでも良くなっていた。なので適当な服を手に取って値札を見て驚いてしまう。

 

「な、なんだこの値段」

「ブランドものだと大体そのぐらいだけど……あーうん、ユウマだもんねぇ」

 

 オモイはそう言いながら清楚な白いワンピースと少しやんちゃに見えるシャツとキュロットスカートのセットを手に取って悩んでいるようだった。

 

『ユウマ様、ワンピースが良いって言ってあげて下さいな。キュロットスカートはオモイの趣味なので』

「……? あーえっと、ワンピースの方が良いと思う。きゅろっとすかーと? はお前の趣味だろ」

「へ、へぁ!? あ、あ、う、うん」

 

 オモイは驚きと焦りの表情になりながらキュロットスカートとシャツを戻して清楚なワンピースを籠の中に入れる。何が恥ずかしいのかわからないが顔が異様なまでに真っ赤になっている。

 

『あ、ユウマ様もあれを買いますよ。ワンピースでの立ち振る舞いを学んでおきましょう。着替えて散策です』

(!?)

 

 言いたいことは色々あったがグリッジに任せることにしているのでユウマはしぶしぶオモイとは色違いのワンピースを籠に追加する。

 

「……ここで着替えて散策するから。僕も着替えるからさっさと買ってしまおう」

「うん……うん!? え、うん、それはもちろん出来るんだけど……」

 

 十分後、ワンピースの会計をオモイのお金で済ませて試着室を貸してもらい着替えを済ませていく。

 ユウマは母親似の自分の顔が嫌いだった。父親が生きていた頃は好きだったが、母親が新しい彼氏を作ったときから嫌になった。こうして女物の衣服に身を包むとより一層母親に似てきてしまうような気がする。身体も華奢で弱々しいし、足も驚くほどに細く白い……父親のようにがっちりとした体型になりたいが運動は苦手だ。

 

(もしかして、僕が運動苦手なのも魔法のせい?)

『ご名答です。身体はあちらに持っていけませんのでステータスの割り振りが頭や精神といった所に偏るようになっているみたいですね。結果、細く小さな身体になってしまったのかと』

 

 本当に異世界はどうにかなってしまえば良いと思う。ユウマは異世界を呪いながら試着室を出るとすでにオモイが外で待っていた。

 オモイがこういった可愛らしいワンピースを身につけるのは珍しい。どちらかと言えば動きを阻害しないようなシンプルなものを身につけているイメージの方が強いのでユウマは思わずまじまじと観察してしまう。

 

「え、えーっとうん、よく似合ってるって言うか、私いまからこれの隣かぁ……ヒトハで慣れてるからいいんだけどさ」

「……? とりあえず次は下着売り場?」

 

 オモイは辟易としていた。

 男とは思えない小さくまとまった身体にくりっとした目、守ってあげたくなる顔をしていて……全身から甘い雰囲気を漂わせている。少し前まではその感じが嫌で嫌でたまらなかったが今はそれが可愛くて仕方ない。自分がユウマを虐めていた理由がただの嫉妬だったのではないかと思ってしまうほどだ。ユウマを虐めていた3人組の中でいちばん容姿が普通なオモイは引き立て役に回ることが多かった。しかし、まさか男とならんでも引き立て役になってしまうとは夢にも思っていなかったのである。オモイはため息をつきながら、あえてものすごく可愛い下着がたくさん売っているお店へと案内するのであった。




あとがきという名の語り
お世話になっております。ちょっと中途半端な所ですがここから1週間ほど更新が止まります!

また来週の月曜日にお会いしましょう!


そういえば、ハーメルンは二次創作も盛んですねぇ……こっちでも二次創作をあげていこうかな……アンケートでもちょっと遊んでみたい気がするし……

少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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