夏だ。
地獄のような夏だ。
七月に入ってから気温は連日三十五度を超え、湿度は常時七十パーセントオーバー。築四十年の木造アパート「ことぶき荘」の薄い壁は断熱材の概念を知らないかのように外気の熱をそのまま室内に伝え、俺の部屋は昼も夜も蒸し風呂と化していた。
よく見れば東南アジアの湿度の高い地域みたいに、壁に結露が起きている個所すらある。
原因は分かっている。
壁に据え付けられた、黄色く変色した昭和のエアコンだ。
このアパートに入居した時から鎮座していた年代物で、リモコンのボタンを押しても「カチッ」という虚しい音がするだけで、一ミリたりとも冷風を吐き出さない。いや、出ているがもう酷暑の現代では通用しないパワーなのだ。
もはやただの壁の装飾品である。
そんな灼熱地獄の中でも、俺こと佐藤達也の日常は変わらない。
いや、変わったことが一つある。
金が貯まった。
理由は単純だ。風俗に行かなくなったからだ。
隣の部屋の酒クズきつね女こと琴音と、上の階のダメたぬき女こと瑠衣。この二人の獣人の相手をしているだけで、俺の性欲は完全に消費しきられていた。
むしろ消費されすぎて赤字である。腰が痛い。
だが、その代わりに風俗代が丸々浮き、深夜のコンビニバイトに加えて倉庫整理や短期バイトもこなした結果、通帳の残高はそれなりの数字を示すようになっていた。
蒸し暑い七月の昼下がり。
俺は壁の黄ばんだエアコンを見上げながら、宣言した。
「よし。エアコン、買い替えよう」
誰に言ったわけでもない。部屋には俺一人だ。だが、この決意には確固たる理由があった。
新しいエアコンがあれば、この蒸し風呂のような部屋が快適になる。
快適になれば、琴音や瑠衣とのセックスも自分の部屋でできる。今までは暑すぎて琴音の部屋に避難したり、瑠衣が「おっさんの部屋暑すぎて無理やぁ」と文句を言うのを聞き流したりしていたが、エアコンさえあれば万事解決だ。
それどころか。
冷房の効いた部屋で、二人いっぺんに――
「……いや、さすがに無理か」
妄想はそこで打ち切った。
三十八歳の体力で獣人二人を同時に相手するのは、腰が砕ける前に心臓が止まる気がする。
だが、夢を見るくらいは許されるだろう。
通帳を確認する。残高は良し。エアコン代には十分だ。
俺は意気揚々とスマホで家電量販店の価格を調べ始めた。
§
――そんな淡い希望は、その日の夕方に届いた二通のラインで粉々に砕かれた。
『おっさん、あたし夏休みで実家帰るね~。パパとママが帰ってこいってうるさいの。二週間くらい留守にするから、部屋のお花に水あげといてね~あと冷蔵庫の中のプリン食べていいよ、賞味期限ギリだけど♡処分よろ』
琴音からだった。
続いて、瑠衣から。
『おっさん!うち夏休みもらえてん!涼太くんへの貢ぎ減らしたら貯金できてな、大学ん時の友達と旅行行くことになってん!一週間くらいおらんけど、寂しかったらうちの使用済みパンツ置いとくから嗅いどき!ま、冗談やで!……半分くらいは本当やから洗濯物のかごの中に入れておいたで♡』
…………。
俺の3Pの夢は、実現する前にはかなく散った。
いや、散ったどころか蕾のまま枯れた。
エアコンを買い替える動機の半分が消滅した瞬間だった。
だがまぁ、エアコン自体は買う。これは確定だ。
この暑さの中で一人で蒸し焼きになる生活は、もう限界だった。
ただ、問題が一つ。
暇だ。
琴音がいなくなれば部屋の掃除もない。瑠衣がいなければ愚痴を聞く必要もない。
コンビニのシフトは夜勤で、昼間は完全に空いている。
倉庫のバイトも今週は休みだ。
行くところがない三十八歳独身フリーターの夏。
これがどれだけ虚しいか、若い人間には分かるまい。
§
とぼとぼと外を歩いていた。
平日の昼間。
目的もなく、ただ部屋の蒸し暑さから逃げるように外に出ただけだ。一応近くの家電量販店に行こうとはしたが、真夏のこの空気の中でおっさん一人で人の多いショッピング街に行く気にはなれなかった。
アスファルトの照り返しが容赦なく、歩いているだけで汗が吹き出す。Tシャツの背中が張り付いて気持ち悪い。
近くの公園に辿り着き、端の方にあるベンチに腰を下ろした。
木陰になっている場所で、すぐ後ろには古びた公衆トイレがある。要するに公園の中でも一番人気のないゾーンだ。
夏休みの子供たちが噴水や遊具のあたりで遊んでいるのが遠くに見えるが、ここまでは誰も来ない。
……静かだ。
セミの声だけが頭上から降ってくる。
ボーっとしていた。
何も考えず、ただ汗を拭きながら、曇り始めた空を眺めていた。
どれくらいそうしていただろうか。
「ねえ、ロリコンさんですか?」
耳元で、ささやき声がした。
近い。
異常に近い。吐息が耳たぶにかかるほどの距離だ。
心臓が跳ね上がった。
慌てて振り向くと――にやにやと、見下すような、バカにするような笑みを浮かべた少女が立っていた。
猫の獣人だ。
頭の上に、ぴんと立った三角形の猫耳。毛並みは黒に近い濃紺で、耳の内側だけが淡いピンク色をしている。
髪は肩にかかる程度のボブカットで、同じく濃紺。毛先だけがわずかに色が抜けて藍色に透けている。
目は大きくて吊り上がっていて、瞳の色は翡翠のような鮮やかな緑。猫特有の縦長の瞳孔が、こちらをじっと観察するように細まっている。
服装は白いキャミソールにデニムのショートパンツ。華奢で小柄な体つき。身長は俺の胸くらいしかない。
腰の後ろからは、しなやかな濃紺の猫尻尾が、先端だけをゆらゆらと揺らしていた。
どう見ても中学生くらいだ。
「……は?」
俺の間の抜けた返事に、少女はケラケラと笑った。
「いやぁ、だってさ。平日の昼間に、おじさんが一人で公園のベンチに座ってボーっとしてるんだよ?しかもここ、公園の端っこで、向こうに子供たちが遊んでるのが見えるとこ。怪しすぎでしょ」
猫耳がぴくぴくと動く。翡翠の瞳が楽しげに細められる。
待て。これは非常にまずい状況だ。
平日の昼間。公園。一人で座っている中年男。しかも近くには子供が遊んでいる。
客観的に見たら、完全に不審者である。
「いや、俺はただ暑いから涼みに――」
「私たちは夏休みだけど、おじさんって社会人だよね?今日平日なのになんで働いてないの?もしかして、公園で遊んでる小さい子でも見に来たの~?この、へんたいさん♡」
煽りの精度が高い。
的確に社会的な急所を突いてくる。
周囲の視線が怖くなって見回すが、ここは公衆トイレの裏手だ。人通りはない。木々に囲まれて、遊具のあるエリアからは死角になっている。
少女と俺、二人きり。
それはそれで別の意味で危険な状況なのだが。
「おじさん、今ここで私が叫んだらどうなっちゃうんだろうね?」
少女が、にぃっと口角を吊り上げた。
猫の獣人特有の、鋭い犬歯がちらりと覗く。
「『たすけてー、知らないおじさんにつかまったー』って。ねえ、どうなると思う?」
「おい、やめろ。マジでやめろ」
冷や汗が噴き出した。
暑さとは全く別種の汗だ。
今この場で叫ばれたら、俺の社会的生命は終わる。
状況証拠が全て俺に不利すぎる。平日昼間、無職に見える中年、公園の人目のない場所で少女と二人きり。
弁明の余地がない。完璧な詰みだ。
「ね、おじさん。お金、持ってる?」
来た。
こいつ、金をせびりに来たのか。
最初から、この状況を利用するつもりで声をかけてきたのだ。
たちが悪い。計算高い猫だ。
「……いくらだ」
「んー、とりあえず見せてよ。おじさんのお財布」
俺は渋々と財布を取り出した。
使い込んではいるが、まだ見栄を張れた二十代の頃に購入した、それなりのブランド品だ。
エアコンを買いに行くつもりで現金を用意していたから、中には万札が何枚か入っている。
少女の翡翠色の瞳が、財布の中身を見た瞬間、ぐわっと見開かれた。
「え、なにこれ。おじさん、結構持ってんじゃん」
猫耳がピンと立ち、尻尾がぶわっと膨らんだ。
獣人の耳や尻尾は感情に正直だ。琴音や瑠衣を見ていれば嫌でも分かる。
こいつは今、完全に目の色が変わっている。
「こっち来て」
「いきなりなんだよ、というか手首離せ」
「早く行こうよ、おじさん」
「……どこに」
少女は俺の手首を掴むと、驚くほど強い力で引っ張った。
猫の獣人も、見た目に反して筋力が強い。華奢な腕で引っ張られて、俺は抵抗できずによろめいた。
連れて行かれた先は、すぐ後ろの公衆トイレだった。
古びた、いかにも公園の隅にあるタイプのコンクリート造りのトイレ。
少女は多目的トイレの扉を開け、俺を引きずり込んだ。
がちゃり、と内鍵がかかる音がした。
「おい……何するつもりだ」
「何って」
少女は猫耳をぴくりと動かし、悪戯っぽく笑った。
「おじさん、こういうの好きでしょ?年下の女の子とトイレでえっちなこと。ロリコンだもんね♡」
「だからロリコンじゃねえって……」
「そんなことまだ言うんだ?で、この状況どう説明するの?」
「うぐっ、それは……その……ちょ、待て!」
少女は返事を待たずに、慣れた手つきで俺のベルトに手をかけた。
慣れている。
明らかに、慣れている。
ベルトの外し方、ジッパーの下ろし方、ボクサーパンツの引き下ろし方。一連の動作が流れるように淀みなく、迷いが一切ない。
こいつ、売りをやっている。
その認識が俺の頭に浮かんだ瞬間、少女の小さな手が俺の半勃起した肉棒を掴んでいた。
「わ、おっきい。おじさん、見た目のわりにすごいね。これ入れたらお腹壊れちゃうかも♡」
少女は一瞬だけ翡翠の瞳を見張ったが、すぐににやりと笑みを浮かべた。
そして、公衆トイレの床にしゃがみ込み、俺の股間に顔を近づけた。
ちゅ♡
先端に、軽くキスをされた。
柔らかい唇が亀頭の先に触れ、離れる。
次の瞬間、舌が伸びてきた。
「……っ」
ざらざらだった。
猫の獣人の舌だ。ぺろり、と亀頭を舐め上げられると、その特有のザラつきが敏感な皮膚を刺激して、背筋に電流が走った。
琴音のきつねの舌とも、瑠衣のたぬきの舌とも違う。
猫特有の、細かい突起が密集した舌面が、亀頭のカリ首の裏筋を丹念にこそげ取るように舐め回す。
れろっれりょっ♡れりょれりょっ♡
「ん、おじさんのちんぽ、なんか匂いすごいね。女の匂いがいっぱいついてる。ヤリちんさんだ♡見た目によらないね♡いったいどれだけの女の子をたべたんだろ~」
「……子供には手を出してないからな」
「え~今手を出してるじゃん?」
余計なお世話だ。
だが、反論する余裕はなかったし、逃げるタイミングはとうに過ぎている。少女のざらざらの舌が容赦なく亀頭全体を舐め回し、敏感な粘膜を引っ掻くような刺激を送り続けてくるのだ。
そして少女は、その小さな口をいっぱいに開けて、先端をくわえ込んだ。
「はむっ……ちゅぷ♡んん……♡」
口が小さい。
琴音や瑠衣に比べて、明らかに口腔が狭い。だが、その狭さが逆に密着度を上げている。亀頭を包み込む頬肉の圧迫感。舌が下から押し上げるように絡みつく。
入りきらない根元の部分を、少女は両手で包み込むように握り、しごき始めた。
ちゅぱっ♡ちゅぱっ♡じゅるるっ♡
「はむっ♡おじさんのここ、ビクビクしてるね……気持ちいいの?ねえ、気持ちいいの?♡」
……上から目線でのフェラチオ。
テクニックは間違いなく慣れた手つきで、この歳にしてどこで覚えたのかと問い詰めたくなるレベルだが、それ以上に精神的な揺さぶりが巧みだった。
にやにやとバカにするような視線を上目遣いで送りながら、口と手を同時に動かす。
吸引力が増した。
頬をすぼめ、亀頭を強く吸いながら、ざらざらの舌で裏筋を高速で往復させる。同時に両手が根元をしごき上げ、溢れた唾液がぬるぬると潤滑剤になって手の動きを加速させる。
じゅぽっ♡じゅぶっ♡ちゅるるっ♡じゅぷっ♡
「んぅ♡んぶっ♡んむぅ♡♡」
「くっ……」
やばい。
年季の入った風俗通いで鍛えた耐久力があるはずの俺が、あっけなく限界に追い込まれている。
猫舌のざらつきが完全にチートだ。あの細かい突起が亀頭の敏感な神経をダイレクトに刺激して、快感の回路をショートさせてくる。
「あっ♡おじさんちんぽビクビクしてきた♡もう出ちゃうの?はっや♡ザコちんぽだ♡ざーこ♡ざーこ♡ざこちんぽ♡」
「ぐっ……お前っ」
「なんて、どうせエロ同人とかでもメスガキもの見てるんでしょ♡好きでしょこういうの♡」
煽られた。
明確に煽られたのに、その煽りが逆に興奮を加速させるという最悪の循環に陥っていた。
限界だった。
「出る……っ!」
「ん♡出していいよ♡おじさんの汚い精子ぜんぶ飲んであげる♡♡」
びゅるっ♡♡びゅくびゅくっ♡♡
射精した。
少女の小さな口の中に、溜まりに溜まった欲望が一気に噴出する。
少女は一瞬だけ目を見張ったが、ごくん、ごくん、と喉を鳴らして飲み込んでいく。口の端からわずかに白濁液がこぼれ、顎を伝って落ちた。
「んっ……けほっ♡ 多っ……おじさん、溜まりすぎでしょ……いつからしてないの……」
「……四日だ」
「四日でこの量?やっば♡」
少女は口元を手の甲で拭い、立ち上がった。
翡翠の瞳が、してやったりとばかりににやにやと輝いている。
俺は射精後の賢者タイムに突入しつつ、罪悪感の波に飲まれていた。
何をやっているんだ、俺は。公衆トイレで中学生くらいの少女にフェラされて射精するとか、これは普通に犯罪では。
いや、やられた側は俺だ。勝手にされたのだ。
だが、途中から抵抗しなかった時点で言い訳にはならない。
「おい」
俺は少女の肩を掴んだ。
「何やってるんだ、お前。こんなこと、やっちゃいけないだろ。歳いくつだ。親は何してるんだ。こんな場所で知らないおっさんに――」
説教モードに入った俺を、少女は冷めた目で見上げた。
さっきまでのにやにや笑いが、すっと消えていた。
「お前はロリコンの変態でしょ?」
冷たい声だった。
「説教とかいいから。おじさん、また勃起してるよ」
……視線を下に落とした。
賢者タイムのはずの俺のちんこが、少女の冷たい視線を浴びてなお、懲りずにむくむくと頭を持ち上げていた。
こいつ(ちんこ)にはいつか本気でキレそうだ。
「ほら、やっぱりロリコンだ♡」
にやにや笑いが復活した。
猫耳がぴくぴくと動き、尻尾の先がくるりと円を描く。
俺はこの場から逃げるべきだと判断した。
ベルトを締め直し、ドアの方へ向かう。
「すまん、もう行く。お前もこんなことやめろ。マジで危ないから」
「は?」
「だからどいてくれ……金なら出すから……」
だが、少女は俺よりも先にドアの前に移動していた。
猫の俊敏さだ。音もなく滑るように動き、背中をドアに預けて立ちはだかる。
「おじさん、どこ行くの?まだ終わってないよ♡」
「終わりだ。もう帰る」
「ふーん。じゃあ、通してほしかったら……」
少女はデニムのショートパンツのボタンを外し、するりと脚から抜いた。
その下は、白い綿のシンプルなパンティが一枚。子供っぽいデザインだが、股の部分がじっとりと染みを作っている。
パンティも脱いだ。
華奢な下腹部。うっすらと産毛が残る程度の恥丘。その下に、ぷっくりと薄いピンク色に紅潮した、小さな陰裂が露わになった。
少女はそのまま、片脚をひょいと持ち上げ、俺の顔の高さに自分の股間を近づけた。
身長差を利用して、ドアに背を預けたまま脚を俺の肩に乗せる。柔軟な体だ。猫の獣人らしい、しなやかな身体能力。
獣人の少女にさえ一般人のおじさんである自分は負けているのだ。
おそらく彼女はそれを分かっていて、強引に迫られても身体能力の差で逃げ切れるためここまで強気でメスガキをしているのだろう。
「舐めないと、通報♡」
翡翠の瞳が、冷たく煌めいた。
「……おい」
「おじさんがさっき、あたしの口にどぴゅどぴゅしたの、通報するよ?未成年にわいせつ行為って、おじさんの人生終わりだよ?♡」
完全に脅迫だった。
だが、この状況では反論が通用しない。客観的に見れば、俺が加害者の構図になる。
……詰んでいる。完璧に詰んでいる。
俺は観念して、少女の秘裂に顔を近づけた。
甘い匂いがした。
獣人特有のフェロモンの香りだが、琴音や瑠衣のそれとは質が違う。もっと軽くて、柑橘系の果物に似た、さっぱりとした甘さだ。
少女の秘裂はすでにうっすらと蜜を滲ませており、薄いピンクの陰唇がわずかに開いて、中の粘膜が濡れて光っている。
仕方がなかった。仕方がなかったのだ、と自分に言い聞かせながら、俺は舌を伸ばした。
ちゅ♡ れろっ♡
「ひゃっ♡♡」
少女の体がびくりと跳ねた。
猫耳がピンと立ち、尻尾がぶわりと膨らみ、そのまま気分がよさそうに左右に振れる。
「つ、っ♡おじさんの舌、あつ、いし……♡動きねちっこすぎ♡」
声が変わった。
さっきまでの余裕のある煽り口調が、わずかに崩れている。
俺はこの一ヶ月以上、毎晩のように琴音と瑠衣の相手をしてきた。
風俗通いで培った基礎に加え、獣人の膣内の構造や性感帯を実地で学び続けてきたのだ。クリトリスの位置、陰唇のひだの舐め方、膣口の周囲をなぞるタイミング。
経験値は爆上がり中だった。
舌先でクリトリスの包皮を剥くように押し上げ、露出した小さな突起を軽く吸った。
「っ♡♡♡あっ、そ、そこっ♡♡」
少女の腰がガクガクと震え始めた。
俺は容赦しなかった。陰唇のひだを舌でなぞり上げ、膣口の入り口に舌先をねじ込みながら、親指でクリトリスを円を描くように刺激する。
ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぬちゅり♡
「やっ♡待っ♡おじさん上手すぎっ♡なにこれっ♡ちょ、今までの客と全然ちがっ♡♡」
少女の脚が俺の肩の上で痙攣し、猫の爪がシャツの布地に食い込んだ。
尻尾がバタバタと暴れ回り、猫耳がぺたんと伏せる。
俺は舌を膣口の奥へと押し込みながら、鼻先でクリトリスを押し潰すように圧迫した。
同時に、空いた手で少女の尻を掴み、顔に密着させる。
「あ゛っ♡♡♡だめっ♡♡だめだめっ♡♡おじさんっ♡♡なんで、そんな、上手いのぉっ♡♡♡」
少女の体が弓なりに反り返った。
「イ……っ♡♡イクッ♡♡イク、イクっ♡♡♡♡」
びくびくびくっ♡♡
少女の全身が激しく痙攣し、小さな膣口からとろりと蜜が溢れ出した。
脚から力が抜け、俺の肩からずるりと滑り落ちそうになるのを、腰を抱えて支えた。
少女は肩で荒い息をしながら、呆然とした顔で俺を見上げた。
翡翠の瞳の焦点が、わずかにとろけている。
「はぁっ♡はぁっ♡うそ……舌で、イッたの、はじめてかも……♡」
その呟きは、少女が普段の営業モードで発するものではなく、素の声だった。
だが、すぐに我に返ったように表情を引き締め、いつもの生意気な笑みを貼り直す。
「……ふーん、おじさん、意外とやるんだ♡」
「意外とで悪かったな。もういいだろ、通してくれ」
「それとこれとはべつじゃない?」
だが、少女はドアの前からどかなかった。
それどころか、どこからともなくコンドームのパッケージを取り出した。ショートパンツのポケットに入れていたらしい。
慣れた手つきで封を切り、俺のまだ元気な肉棒に装着する。
器用だ。手慣れすぎている。
「ねえ、おじさん。せっかくだから、入れてよ♡」
「いや、もういい加減に――」
「嫌なの?♡さっき、あたしのおまんこ舐めながら、またこんなにおっきくしたくせに♡正直になりなよ、おじさん♡」
少女は壁に背中を預け、片脚を持ち上げて自分のおまんこを指で広げた。
くぱぁ♡
ぴくぴくと蠢く薄ピンクの膣口が、てらてらと蜜を光らせている。
「ほら、こんなにびしょびしょだよ♡おじさんのベロが気持ちよすぎて、あたしのおまんこ、おちんぽ欲しがってるの♡♡クソザコロリコンおじさんの、太いちんぽでめちゃくちゃにしてよ♡♡ねぇ、それって宝の持ち腐れでしょ♡♡どうせ、じぶんの腰振りに自信がないから挿れれないんだ~♡♡ざーこ♡♡」
……この煽りに負けたら、俺は本当の本当にダメな人間になる。
だが、もうとっくにダメだった。
ちんこはゴムを被った状態でビンビンに勃起しており、理性は蒸し暑さと共にとうに蒸発していた。
俺は少女の細い腰を掴み、持ち上げた。
壁に押し付ける形で、少女の両脚が俺の腰に絡みつく。
ずぷっ♡
「ーーーー~~っ♡♡♡♡!!?」
入った。
小さな膣口が、俺の肉棒の太さに悲鳴を上げるようにキツく締まる。
狭い。
圧倒的に狭い。琴音の膣とも瑠衣の膣とも違う、未発達な肉壁が全方位からギチギチに締め上げてくる。だが、内部は驚くほど熱く、滑らかで透明な愛液がたっぷりと潤滑しているため、痛みはなさそうだった。
「ぅ♡♡♡あ……おじさんの……おっきい……お腹の中、ぱんぱん……♡♡」
少女の翡翠の瞳が潤み、声がわずかに上擦った。
だが、すぐに意地悪な笑みを作り直す。
「……っふぅ、ほらほら♡入れたんだから動いてよ♡それとも、キツすぎて動けないの?♡クソザコおじさん♡」
煽ってくる。
この状況でまだ煽ってくる。
望むところだった。
俺は腰を引き、一気に突き上げた。
パンッ♡♡
「っっっ♡♡♡♡」
少女の背中が壁に打ち付けられ、猫耳がぶるっと震えた。
声にならない悲鳴が漏れ、翡翠の瞳が一瞬だけ白く反転しかける。
「どうした、さっきの煽りは。もっと言ってみろ♡」
♡は口に出してないが、気分的にはそんな感じだった。HxHのヒソカの気分がようやくわかったかもしれない。
いや、あの気狂いピエロの真似をしたガチの変態にはなりたくないので、やっぱなしで。きっとメスガキの口調が移っただけだろう。
パンッ♡パンッ♡パンッ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡だめっ♡♡おじさんの腰使い、えっぐ♡♡奥まで来てるっ♡♡お腹の中ぜんぶ、かき回されてるっ♡♡♡」
少女の煽りが崩壊していく。
俺は琴音と瑠衣で磨き上げたテクニックを惜しみなく投入した。腹側の内壁のざらついたツボを亀頭で抉りながら、リズムを不規則に変える。深く突いた直後に浅く、速く刻んだ後にゆっくりと根元まで押し込む。
ぐちゅっ♡ぬちゅっ♡パンッ♡♡
「ひぁっ♡♡な、なに、このちんぽ♡おじさんのくせにっ♡クソザコのくせにぃっ♡なんで、こんな気持ちいいのぉっ♡♡♡」
少女の猫耳が完全にぺたんと伏せ、尻尾が俺の腕にぐるぐると巻きついた。
翡翠の瞳は焦点が合わなくなり始め、口元からだらしなく涎が垂れる。
「あっ♡あっ♡やばっ♡♡また来るっ♡♡イク♡♡イクイクっ♡♡♡」
びくんっ♡♡
少女の膣内が痙攣し、万力のような力で俺の肉棒を締め上げた。
二度目の絶頂。全身を激しく震わせ、猫の爪が俺の背中に食い込む。
その締め付けに耐えきれず、俺も限界を迎えた。
びゅるるっ♡♡びゅくびゅくっ♡♡
「あ゛っ♡♡♡♡おじさんのっ♡♡中でっ♡♡いっぱい出てるっ♡♡♡まだでてるぅ…♡♡ゴムの中であつぅっ♡♡♡♡」
ゴム越しに、精液が大量に注ぎ込まれる感覚が伝わったのだろう。少女の体がびくびくと余韻の痙攣を繰り返す。
射精が収まり、俺は少女を床に下ろした。
二人とも、荒い息だけが狭いトイレの中に反響していた。
そして少女は、絶頂の余韻から立ち直ると、驚くべき回復力で立ち上がった。
猫の獣人の体力か。
俺のちんこからゴムを外し、パンパンに膨らんだそれを指先で摘まんで、にやにやと見せつけてきた。
「うわぁ♡子供まんこにこんなに出したんだ~♡♡」
口ではあんなに嫌がってたくせにさ、と続ける。
「やっぱりロリコンの変態じゃん♡おじさん、最低だね♡♡」
精神攻撃。
射精直後の賢者タイムに、この煽りは効く。鬱と罪悪感が津波のように押し寄せてきた。
「……もう二度と関わらないでくれ。頼むから」
俺は震える手で財布を取り出した。
もういい。金で解決するなら金を払う。これ以上この少女と関わったら、俺は社会的にも精神的にも終わる。
「これ、全部やるから。もう近づくな」
財布ごと差し出した。
カードも入っているが、後で利用停止を申請すればいい。
エアコン代が入った、大事な財布だ。だが、もうそんなことは言っていられない。
すぐにでもこの場を離れたかった。
少女は財布を受け取り、中を覗いた。
万札を数枚抜き取り、残りを俺に返す。
「全部はいらないよ♡でも、これはもらうね♡」
そして、にっと笑った。
「返してほしかったら――連絡先、ちょーだい♡」
「……は?」
「おじさんの電話番号。ラインでもいいよ♡」
何が目的なのか分からなかった。
金を返す代わりに連絡先?逆じゃないのか?
だが、少女は何も説明せず、ただ翡翠の瞳でじっと俺を見つめていた。
猫耳がぴくりとも動かない。真剣な目だった。
俺は観念して、スマホを取り出し、ラインのQRコードを表示した。
少女はそれを自分のスマホで読み取り、満足げに頷いた。
名前には「リン」とだけ表示されていた。アイコンは飼い猫らしき黒猫だ。
「よし♡じゃあね、おじさん……またね♡」
少女はそう言い残すと、パンツとショートパンツを手早く穿き、トイレのドアを開けて出て行った。
俺は一人、公衆トイレの中に取り残された。
汗と精液と獣人のフェロモンの残り香が充満する密室で、俺はしばらく動けなかった。
……何が起きた?
何が起きたんだ、今。
だらだらと休日を過ごすために行った公園で少女に恐喝され、そのまま公衆トイレでフェラされて射精し、クンニで絶頂させ、ゴムありセックスまでして、金を奪われて連絡先まで渡した。
しかも、年齢こそ聞けなかったがおもっくそ児童買春じゃねぇか。
どうしてこうなった。
俺はずるずると便座に座り込み、天を仰いだ。
公衆トイレの天井には、蛍光灯の虫の死骸が透けて見えた。
俺も干からびて死にてぇよ。
メスガキ襲来編