【結】
1. 魂の決断、汚れなき心の敗北
「どうするの? 早く決めないと、中に全部ぶちまけちゃうよ?」
耳元で囁く佐々木の粘りつくような声。迫られた究極の選択を前に、由海は引き裂かれるような苦しみのなかで必死に思考を巡らせていた。時間にして、わずか数十秒のことだったかもしれない。けれど、14歳の由海にとっては、それが永遠とも思えるほど果てしない、暗闇の拷問だった。
大好きなバスケの、自分の誇りそのものであるユニフォームを汚される恐怖。
そして、この忌々しい男の種をナカに植え付けられ、妊娠してしまうという取り返しのつかない恐怖。
天秤にかけられるはずのない二つの絶望を前に、まだ幼い彼女の防衛本能が、最悪の決断を下させた。由海は、ボロボロと涙を流し、しゃくりあげながら、消え入りそうな声で言葉を絞り出した。
「……っ、……ぅ、に……ユニフォームに、出してください……っ!! お願い、な、中には……っ」
「あはは、わかったよ! じゃあ遠慮なく、いっぱい汚してあげるね!!」
由海の血を吐くような懇談に、佐々木は勝ち誇ったような、下卑た笑みを浮かべた。
それからの時間は、人間の尊厳を徹底的にすり潰すような地獄だった。嗚咽を漏らし、震えながら泣きじゃくる由海を、佐々木はただの物言わぬ道具のように執拗に犯し続けた。そして、絶頂を迎えるたびに引き抜き、由海の目の前で、彼女のユニフォームへと白濁した熱い精液を何度も、何度も容赦なくぶちまけ、汚していく行為を繰り返した。
「はぁ、はぁ……っ。じゃあさ、ソレ着てポーズ取ってよ。ボール貸してあげるから」
夜が更ける頃、ようやく腰を上げた佐々木は、信じられない命令を口にした。
乾きかけ、ベっとりと白く汚され、強烈な精液の匂いを放つユニフォーム。それを再び身体に通され、カメラを向けられる。スマートフォンのレンズの向こう側で、フラッシュに照らされた由海の顔は、完全に絶望に叩きのめされ、魂を抜かれた少女の顔そのものだった。
「着心地はどう?」
佐々木の無慈悲な問いかけに、由海は焦点の合わない瞳のまま、涙も枯れ果てた儚い声でポツリと答えた。
「……もう、このユニフォームは……着れません……」
「ふーん。じゃあ脱いでいいよ。着るのも脱ぐのも最後かもしれないし、ゆっくり脱げよ」
再び目の前で強要される、屈辱のストリップ。
一刻も早くこの汚物から解放されたいという焦りと、これ以上この男に醜い裸を晒したくないという矛盾した心境が、由海の胸を激しくかき乱す。けれど、全身をただ蹂躙されるだけの感覚から逃れるようにして、由海はユニフォームを床へ落とし、再び全裸の生贄へと戻っていった。
それから一晩中、由海は佐々木の気まぐれな欲のままに犯され続け、彼がイクたびに、脱ぎ捨てられたユニフォームや下着の上へ、容赦なく白濁した液が重ねられていった。
2. 悪夢の終わり、母の温もり
「……あー、もう限界。眠いし、帰っていいよ」
翌朝、さんざん呼び出して犯し、自分の欲望が満たされればゴミのように放り出す。
そんな佐々木の身勝手で異常な生活が、長続きするわけがなかった。夏休み中、明らかに様子がおかしく、怯えたようにスマートフォンを気にする愛娘の異変に、由海の両親はとうに気づいていたのだ。
不審に思った両親が学校や友人に相談し、さらには水面下で探偵を雇って調査を進めたことで、佐々木の卑劣な凶行は一気に明るみに出ることとなった。
裏付けの証拠を完全に握られた佐々木は、学校からの処分が確定するまで自宅謹禁を命じられ、その後、警察の捜査によって正式に逮捕。あまりにも悪質な脅迫と児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの容疑により、実刑判決が下され、当然のように退学処分となった。
「由海……っ! ごめんね、気づいてあげられなくて、本当にごめんね……っ!!」
地獄の檻からようやく解放された日、由海は自宅の居間で、泣き崩れる母親の胸へと飛び込んだ。
折れなかったはずの心の緊張が、母親の温もりと匂いに触れた瞬間、一気に決壊した。由海は母の細い背中にしがみつき、子供のように大きな声を上げて泣きじゃくった。
「お母さん……っ、ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」
誰にも言えず、たった一人で耐え続けてきた恐怖。ユニフォームを汚させてしまった罪悪感。
それらの全てを吐き出すように「ごめんなさい」と繰り返す娘を、母親はただただ強く、壊れそうなほど強く抱きしめ、共に涙を流し続けた。
3. 消えない傷跡と、未来への歩み
事件の後、由海の身体には、あまりにも皮肉な変化が訪れていた。
佐々木によって毎日のように執拗に揉みしだかれ、刺激され続けた胸は、14歳にしては豊かなBカップへと急激に成長を遂げていた。さらに、未成熟なまま度重なる暴力的な行為に晒され続けた秘部は、同い年の女の子たちと比べ、少し黒ずんだ色素沈着を起こし、小陰唇も度重なる摩擦によって少し肥大化してしまっていた。
鏡を見るたびに突きつけられる、佐々木浩介という男に刻まれた、身体の「消えない傷跡」。
由海の精神は、最後まで折れなかった。けれど、14歳の少女の心に刻まれた「男性への恐怖感」という傷は、あまりにも深すぎた。
学校の制服を見るだけで、あるいは男の足音が近づくだけで、今でも身体が勝手にすくみ、息が詰まってしまう。
そのため、由海は普通の共学の高校へ進むことを諦め、救いを求めるようにして女子校への進学を決めた。そこには、自分を怯えさせる「男」の影はどこにもなかった。
時が流れ、高校を無事に卒業した由海は、そのまま女子大学へと進学した。
男性への恐怖心は、今なお完全には消えていない。それでも、女子大の穏やかな環境の中で、由海は少しずつ、かつてのようなおっとりとした優しい笑顔を取り戻しつつあった。
大好きなバスケを奪われ、純潔を汚された、あの14歳の最悪の夏休み。
けれど、あの地獄のような日々の中でも、自分の心だけは決して奴に屈服させなかったという、静かな、けれど確固たる強さだけは、今も由海の胸の奥で、彼女の人生を支える小さな光として灯り続けているのだった。
(第4章「牙をむく日常、奪われた純潔」・完全完結)