※この作品はR-18です。

オリジナルキャラ アーカイブ   作:笛吹男(借り)

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第24話

【後日談:終わりなき囚われの籠】

契約通り、由海の両親の元には、定期的に彼女の「生存報告」が画像や文書と共に届けられていた。しかしそこに写る娘の瞳から、光が失われて久しいことなど、大人の都合で彼女を売った両親には何一つ変えられなかった。

由海の日常は何ひとつ変わらないまま、月日は残酷に流れていった。

世間の目を欺くための学校生活も、中学、高校を無事に卒業し、やがて彼女は20歳――成人を迎えた。

5億円で落札された「20歳までの所有権」という悪魔の契約の満了日。その前日まで、佐々木は自分の権利を使い尽くすかのように、由海の成熟した肉体を限界まで貪り、犯し続けた。

引き裂かれるような激痛に耐えた11歳のあの日から9年。開発され尽くした肉体は、与えられる暴虐の果てに自ら蜜を垂らし、佐々木の肉棒を締め付けるだけの名器へと完全に完成していた。

「……明日で、終わり」

ぼろぼろの衣服を身に纏い、佐々木邸の重い扉を出た由海は、久しぶりの外の空気を吸い込んだ。長かった暗闇がようやく終わりを告げ、自分の人生を取り戻せるのだという小さな希望を胸に、彼女はかつての実家へと足を向けた。

――だが、彼女を待っていたのは、想像を絶する残酷な現実だった。

かつて家族で暮らしていた自宅は跡形もなく売り払われ、草の生い茂る空き地となっていた。

会社の倒産、膨れ上がった負債、そして何より「娘を金で売った」という逃れられない自責の念に押し潰された両親は、由海が帰る直前にすべてを捨てて失踪し、行方不明となっていたのだ。

頼れる家族も、帰るべき家も、最初から存在しなかった。

鏡に映る自分の姿。20歳になった由海の身体は、11歳からの度重なる激しい開発によって、人知れず異様に敏感な雌の肉体へと変貌させられていた。そして、本人はまだ気づいてすらえいなかったが、その子宮の奥には、契約満了の直前まで避妊なしで叩き込まれ続けた、佐々木の種(子ども)が確実に根を張り始めていたのだ。

失踪した両親、開発され汚れきった自分の身体、お腹の中の知らぬ命。

そして、闇金から由海名義の口座へと振り込まれていた、オークションの取り分である1000万円という、自分を切り売りした代金の残骸だけが、ぽつんと手元に残されていた。

呆然自失のまま、誰もいない路地裏で佇む由海のスマートフォンが、冷たく震えた。

画面に表示されたのは、悪魔の名前――佐々木浩介。

「あ……、主、様……」

恐る恐る応答ボタンをスライドさせた由海の耳に、聞き慣れた冷酷な声が届く。

『親はとっくに逃げたよ。行くあてもねぇだろ。……住み込みのハウスキーパーとしてウチで働く気があるなら、掛け直してこい』

プチッと切り捨てられた通話。

1000万円の金があろうと、世間の生きていく術を奪われ、肉体も精神も「佐々木浩介の所有物」として調教され尽くした20歳の由海には、もう普通の社会で生きる選択肢など残されていなかった。

(生きるために……。わたしには、もうあそこしか……)

静かに零れ落ちる大粒の涙。

由海は震える指で、自ら佐々木の番号を押し直し、画面を耳へと宛てがった。

「……はい、主様。……今すぐ、お屋敷へ戻ります……」

数時間後、再び佐々木邸の重い扉が開かれた。

昼はハウスキーパーとして屋敷の雑務をこなし、夜になればかつてと同じように全裸でベッドに跪き、主人の性欲の捌け口として身体を開き続ける日々。

5億円で買われた雛鳥は、一度は開かれたはずの籠のドアから飛び立つ翼すら奪われており、自ら進んで再びその暗黒の籠の中へと戻っていった。

お腹の中に、新たな犠牲者となる主人の子どもを宿したまま――。

(第5章「金に買われた雛鳥、暗黒の競売」・本編および後日談・完全完結)

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