第2章:無垢な純愛と、先輩の「いけない」実験
【起】
1. 停滞する熱と、甘い焦燥
十七歳の夏。放課後の熱気がそのまま閉じ込められたような、夕暮れ時の先輩の部屋。
エアコンの低い稼働音だけが響く静寂の中で、酒宮由海はベッドの端に腰掛け、部活の先輩であり、恋人でもある彼の背中を見つめていた。
お互いに大好きで、付き合い始めてからそれなりの月日が経っている。
週に二回、部活の後にこうして彼の部屋に寄り道し、身体を重ねることが二人の秘密のルーティンになっていた。十七歳にしては、少しだけ経験を重ねている方かもしれない。彼の大きな手で何度も何度も愛撫され、荒々しく貫かれてきた由海の秘部は、色素沈着こそまだ薄いものの、最初の頃の桜色からほんのりと大人の色味を帯び始め、小ぶりだった陰唇も彼の形に合わせるように少しだけ大きく、肉厚に育ち始めていた。
しかし、最近の二人の間には、どこか冷めたような、停滞した空気が流れていた。
「いつも通り」のキスをして、「いつも通り」に服を脱がされ、ゴムを着けて「いつも通り」に果てる。
大好きだからこそ、この「マンネリ」がいつか二人の関係を終わらせてしまうのではないかという、言葉にできない焦りが、由海の小さな胸をじりじりと焦がしていた。
「……ねぇ、由海」
沈黙を破ったのは、ベッドに寝転がっていた先輩だった。
その少し低くて冷ややかな響きを含んだ声に、由海はキョトンと丸い目を向けた。
「なあに? 先輩」
「俺たちさ、最近なんか、普通じゃん」
「え……?」
普通、という言葉の裏にある意味を察して、由海の細い肩が小さく跳ねる。やっぱり、先輩も物足りなさを感じていたんだ。嫌われちゃうのかな、という不安が脳裏をよぎる。
「俺、由海のことめちゃくちゃ好きだし、可愛いって思ってる。……だからさ、もっと由海のいろんな顔、見たいんだよね」
先輩は起き上がり、ベッドの上で由海の前に膝をついた。その瞳の奥には、普段の優しい彼からは想像もつかないような、暗くドロリとした「執着」と「支配欲」の光が灯っていた。
「いつもと同じじゃつまらないだろ? だからさ……今日はちょっと、いつもと違うこと、していい?」
「いつもと、違うこと……?」
由海はおっとりとした声を震わせ、首を傾げた。
その警戒心の薄さと、彼を失いたくないという一途な想いが、これから始まる背徳的なゲームへの完璧な招待状になることを、彼女はまだ知る由もなかった。
2. 恥辱の開帳、おっとり彼女のひそかな疼き
「……う、嘘、先輩……っ。こんなの、恥ずかしい、よ……っ」
数分後。由海はベッドの上で、羞恥のあまり顔を真っ赤に染めて震えていた。
先輩から手渡されたのは、普段の彼女なら絶対に身につけないような、極端に生地の面積が小さい、透けるような黒いレースのキャミソールだった。
制服のブラウスとスカートを脱がされ、その下着(キャミソール)一枚にされた由海の身体は、同年代の女の子と比べても驚くほど華奢で、小柄だった。折れてしまいそうなほど細い手足、薄いウエスト。しかし、そのアンバランスな少女の体型にプラスされたかのように、胸元だけは不釣り合いなほど豊かに、こぼれんばかりの膨らみを主張してレースを押し上げている。
「何言ってるんだよ。めちゃくちゃ似合ってる。……ほら、足、自分で開いてみて」
「え、あ……っ……」
先輩の低く抗えない命令に、由海のおっとりとした思考は麻痺していく。
大好きな人に「見たい」と言われたら、拒むことなんてできない。それがどれほど恥ずかしいことであっても。
由海は仰向けに寝かされ、細い両膝を胸の近くまで引き寄せるようにして、自らの手で太ももを大きく左右に開かされた。――完全な、M字開脚の姿勢。
「ひぅ、んぅ……っ、見ないで、先輩……っ、恥ずかしい、よぉ……っ」
「隠すなよ。週に二回もやってるのに、今更だろ。……ほら、ここ、もうこんなに濡れてんじゃん」
先輩の容赦ない視線が、丸裸にされた由海の最も淫らな部分へと突き刺さる。
陰毛の薄いその場所は、週二回の行為によって少しずつ大人の形へと変わりつつある、肉厚になった陰唇が、すでに自身の溢れ出させた愛液でツヤツヤと光を放っていた。マンネリへの焦りと、初めて体験する強烈なシチュエーションへの興奮。由海自身の自覚とは裏腹に、彼女の肉体はすでに、これから始まるプレイを期待して激しく疼いていた。
「あ、は……っ、ん、んうぅ……っ」
先輩の長い指が、愛液を絡め取りながらクリトリスを強めにピンと弾く。
いつもより容赦のない、どこかモノのように扱われる刺激に、由海は「ひゃんっ!」と声を上げて背中を跳ね上げた。
「先輩、なんか……いつもと、ちがう……っ、激しい、よ……っ」
「言っただろ、違うことするって。由海が可愛すぎるのが悪いんだからな」
先輩は冷たく微笑みながら、ベッドの脇からあらかじめ用意されていた「あるもの」を取り出した。
3. 深まる罠、ハードプレイの幕開け
「……っ!? それ、なあに……?」
由海が潤んだ瞳をさらに丸くして怯えの混じった声を上げる。
先輩の手にあるのは、大人の玩具の店で買ってきたとおぼしき、太い革製のベルトと、目隠し用の黒いシルクの布だった。
「由海、手が動くと邪魔だからさ。……ちょっと、繋がせてね」
「え、あ……っ、待って、縛るの……? それは、ちょっと、怖い、よ……っ」
おっとりとした由海も、さすがに本格的な「束縛」の気配に本能的な恐怖を感じ、閉じようと太ももを震わせる。しかし、先輩はその華奢な膝を大きな手で強引に押し開き、有無を言わせぬ力でベルトをベッドのヘッドボードへと固定し始めた。
「動いちゃダメ。パパッと終わらせるから。……それとも、俺の言うこと、聞けないの?」
「う、ううん……っ、聞く、聞くから……っ、先輩……っ」
嫌われたくない。その一心で、由海は自ら抵抗を止めてしまった。
カチャリ、と無機質な金属音が響き、由海の両手首は頭の上で完全に固定された。
万歳をするような姿勢で固定され、胸元がさらに強調されて大きく波打つ。下半身は完全に開帳されたまま、逃げることも、隠すこともできない。
「よし、いい子。……じゃあ、次はこれね」
「ん、んぅぅ……っ!」
視界を遮るように、目隠しの布が視界を真っ暗に染め上げる。
何も見えない。聞こえるのは、自分の激しい呼吸音と、下着の中でじっとりと熱を持っている秘部の湿った感覚、そして――先輩がズボンのジッパーを下ろす、無機質な衣擦れの音だけ。
「あ、あ……っ、先輩……? どこに、いるの……っ? 怖いよぉ……っ」
「ここにいるよ。……今から、由海をめちゃくちゃに気持ちよくしてあげるからさ」
暗闇の中で、由海の耳元に先輩の熱い吐息がかかる。
自由を奪われ、視界を奪われ、ただ快感を受け入れるためだけの「器」のように固定された17歳の華奢な身体。
これから始まる、純愛ゆえの容赦のないハードプレイの準備は、いま完全に整おうとしていた。