ジークフリートが一行に合流してから、わずか半日足らず。
馬を駆け抜けさせたカルデア一行は、地平線を茜色に染め上げる熱く重苦しい夕陽の向こうに、ついに目的の地、夥しい数の飛竜が蠢くオルレアンの城砦をその視界に捉えた。
目の前に広がる光景は、まさにこの特異点の悪夢そのものであった。空と大地を埋め尽くすように、翼を生やした黒い異形の影が絶え間なく蠢いて渦を巻いている。そして、そびえ立つ重厚な城壁の真上には、その群れの中でもひときわ異彩を放つ、山のごとき巨体を誇る一頭の飛竜が、冷酷な眼光をたたえて鎮座していた。
その圧倒的な威容を目にしたジークフリートは、背の大剣バルムンクの柄に置いた手にぐっと力を込め、低く重い声でその名を呟いた。
「……ファフニール」
かつて己が命を懸けて屠り、そしていま再び竜の魔女の手によって邪竜として蘇った宿敵の名。その眼差しには、静かながらも揺るぎない屠竜の誓いが宿っていた。
あなたは一歩前に出ると、先ほどまでの疾走の合間にスカサハから教示された通りの手法に従い、両の目へと正確に魔力を循環させた。
視界が一瞬で研ぎ澄まされ、世界の輪郭が極彩色となって鮮明に浮かび上がる。数段階も強化された強化視覚により、遥か遠方の城壁や敵陣の動向がつぶさに、手に取るように視認できるようになる。
あなたの強化された視界は、城壁の上——あの巨体たるファフニールのすぐ隣に、肩を並べるように佇む三体の黒い影の存在をはっきりと捉えた。シャドウ・サーヴァントである。
目の前に広がる圧倒的な戦力と無数の飛竜群の異様な密集度を目にし、あなたは確信を深める。
これほどの破格の戦力が一箇所に集中して集結しているということは、この城の奥深くに、彼女たちにとって絶対に奪われてはならない余程大事なもの——すなわち聖杯が存在している証拠に他ならない。
一見すれば、進軍してくるカルデアとジークフリートを一網打尽にして討ち取るための圧倒的な威勢の示威行為に見える。しかしその真質は、城の中に安置された核心を守り抜くための、極限まで固められた防衛陣形そのものであったのだ。
あなたは静かに目を細め、目の前の壮観かつ圧倒的な敵陣の威容を前にして、胸の奥からはふつふつと熱い戦意が高揚してくるのが分かった。
決して死に対する恐れや死線への恐怖が無いわけではない。しかし、己を唯一無二の主と仰ぎ、忠義と欲望と絶対の服従を捧げて付き従う英霊たち、そしてマスターとして共に肩を並べて過酷な死地を踏破してきた仲間の存在を想えば、逃げ出したり引き下がったりする気持ちなど微塵も湧き上がってこなかった。
己の主が一切の怯みを見せず、精悍な眼差しで敵陣を睨みつけている様子を察し、アルトリアは気品に満ちた口端に小さく誇らしげな笑みを浮かべた。
「ふふ……どうか我ら英霊の力を信じてください、我がマスター。この程度の布陣、我らが槍と力をもって容易く突き崩し、聖杯が鎮座する城郭への道を一気に切り開いてみせましょう」
「その通り。お前はただ胸を張って、堂々と構えていればいいのだ。マスターであるお前が無事でありさえすれば、作戦などというものは自然とうまくいくようにできている」
アルトリアの言葉を受けるように、スカサハも手にした朱槍の柄を軽く叩きながら、泰然自若とした態度で言いはなった。
そのあまりにも豪快で大胆不敵な言い分に、ジャンヌは呆れたような苦笑いを浮かべ、思わずツッコミを入れた。
「スカサハ殿……作戦と言っても、私たちがこれからしようとしているのは、ただ真っ直ぐ正面から突っ込んで目の前の敵を薙ぎ倒すだけではありませんか……?」
「それこそが最も単純であり、かつ最も明快な解なのだ、ジャンヌ。
戦とは本来、敵将の首をいかに早く討ち取って全体の威勢を挫くかという手際の速さが求められる。真っ直ぐ進んで、立ち塞がる者を真っ直ぐ倒すだけで済むというのなら、それに越したことはないのだ。
そして——今の我々には、それを十全に実現できるだけの破格の力と速さ揃っている。全員、己の武と主への忠誠に自信を持て。これは百戦して百勝できる勝ち戦だ」
一切の揺らぎもないスカサハの答えと凛とした立ち振る舞いは、まさに影の国の女王として数多の戦場を統率してきた王の名に相応しいものであった。その声は、重苦しい緊張感に包まれていた一同の胸中に、確固たる勇気と自信を熱く奮い立たせた。
ジークフリートはスカサハの圧倒的な覇気に深い敬意を払い、背の大剣を力強く引き抜いた。
「影の国の女王……その言葉に恥じぬ戦いぶりを私も見せよう。我が剣に誓って、あのファフニールを必ずや討ち取ってみせる」
「ええ、当然よ。この私を青白い人形扱いしてくれたあの自惚れた小娘に、拳の痛みをたっぷりと思い知らせてやらなければ気が済まないんだから……!」
あなたにひれ伏すことで存在を繋ぎ止めたマルタも、秘めたる怒りとあなたへの執着を滾らせながら拳を固く握りしめた。
もはや、これ以上の言葉など必要ないだろう。
あなたは周りを取り囲む仲間と英霊たちを一人ひとり見回した。そして最後に立香としっかりと視線を合わせる。彼女の瞳からは、あなたへの絶対的な信頼と、魔力供給を通じて植え付けられた狂おしいまでの愛と依存の色彩が混ざり合った、熱い視線が返ってきた。
お互いに深く頷き合い、意志が完全に一つになったことを確認する。
あなたはオルレアンの城砦に向けて力強く右手を掲げ、凛とした声音で宣言した。
この狂った特異点を完全に攻略し、奪われた人類史を取り戻す。皆、その力を自分に貸してほしい、と。
「―――!!!!!」
あなたが言葉を紡ぎ終えたその瞬間、敵陣の中心——オルレアンの城壁の上から、空を引き裂き地響きを巻き起こすような、けたたましい邪竜ファフニールの咆哮が上がり、天地を揺るがした。
その狂暴な叫びに引きずられるように、空を覆い尽くしていた無数の飛竜が一斉に巨大な翼をはばたかせ、あなたたちを見下ろし、叩き潰さんとして一斉に飛翔し始めた。
「―――カルデアの陣営よ。 総員、突撃ッッ!!」
アルトリアが眩い魔力の光を放つ聖槍を天高く掲げ、一同の最前線を陣取って凄絶な号令を響かせた。
白銀の鎧を躍動させ、アルトリアを背に乗せた愛馬が、茜色の夕陽を背にして敵陣の中央突破を目指し、一直線に疾走を開始する。
その高貴で頼もしい背中を追いかけるように、あなたや立香、ジークフリートたちを乗せた漆黒の影馬群もまた、大地を激しく蹴り上げ、決戦の地オルレアンへと疾駆していく。
突撃を開始したあなたたちの前へ、群れを成した飛竜たちが一斉に翼をはばたかせ、空を黒く染め上げながら容赦なく襲いかかろうと迫る。
だが、陣頭を駆けるアルトリア・ランサーはその凄絶な飛竜の群れを前にしても動じることなく、堂々とその瞳で正面を睨み据えた。愛馬のスピードをさらに加速させながら、手に握る聖槍へと一気に莫大な魔力を流し込んでいく。
周囲の空間が微細に歪み、大気が軋むほどの膨大な光の魔力が槍身に集束していく。そのあまりの高密度なエネルギーに、聖槍の周囲にはバリバリと空間を引き裂くような激しい稲光が幾重にも生じた。
アルトリアは手綱を硬く握り締め、凛としたソプラノの声音で宝具の名を開帳する。
「―――最果てより光を放て。其は世界を裂く嵐の錨!
宝具が解放されたその瞬間、槍先から放たれたのは天地を引き裂くほどの極大の螺旋を描く光の奔流であった。
眩いばかりの光芒は、正面から押し寄せていた飛竜の群れを文字通り丸ごと飲み込んだ。絶叫をあげる暇すら与えられず、群れの肉体は魔力粒子の欠片すら残さず完膚なきまでに消滅していく。
光の奔流は衰えることなく、そのまま一直線にオルレアンの城砦へと肉薄する。
しかしその時、城壁の上に立つシャドウ・サーヴァントの一体が、手にしていた巨大な杖のような宝具を掲げた。直後、城砦全体をすっぽりと包み込むかのように、禍々しく重厚な巨大魔力障壁が展開される。
だが、星の錨たる聖槍本来の圧倒的な力の前には、シャドウ・サーヴァントの防壁など到底抗いきれるものではなかった。
―――波濤濠来。
極大の光線が魔力障壁へと激突し、激しい火花と空間の歪みを生み出す。ものの数秒ほど拮抗したものの、圧倒的な神威の前に障壁はあえなく、パリィンと甲高き音を立てて砕け散った。
崩れた堤防の内側へと凄まじい濁流が流れ込むかのごとく、光の奔流がオルレアンの城砦全体を眩しく照らし出していく。防御そのものは成功したのか、最前線の城壁こそ木端微塵に破砕されたものの、敵の本丸である本城部分は辛うじて無傷のまま残されていた。
しかし、その攻防の代償はあまりにも大きかった。聖槍の一撃を無理やりに防ぎ止めた反動による夥しい魔力消費に耐え切れず、障壁を展開していたシャドウ・サーヴァントはそのまま全身から光を漏らし、影の靄となって消滅していったしまった。
やがて光の奔流が収まると、そこには圧倒的な光景が広がっていた。
アルトリアたちの正面、あんなにも蠢いていた敵陣の中央部にはぽっかりと巨大な風穴が開いており、焦土と化した大地はまさに騎馬で駆け抜けるのに丁度いい直線ルートの轍となって伸びていたのだ。
特異点に現界して以来、ようやくその真価と全力を存分に振るう機会に恵まれたアルトリアは、愛馬の上で誇らしげに満足げな吐息を漏らした。
「ふう……実に素晴らしい手応えでした」
目の前の絶好の好機に、あなたもまた腹の底から声を張り上げる。一気に突き進め、と。皆の威勢を一段と盛り立てた。
開かれた勝利への一本道。あなたたちを乗せた騎馬群は、土煙を上げながら敵の本拠地オルレアンの本丸へ向かって、一車線の怒濤となって疾駆していかんとする。
―――まさにその時であった。
あなたたちの頭上から、陽光を完全に遮るほどの途方もなく巨大な影が覆いかぶさってきた。
邪竜ファフニール。圧倒的な威容を誇るその巨体でありながら、アルトリアの宝具が牙を剥く寸前、驚くべき俊敏さで大空へと飛翔して直撃を回避していたのだ。
そして今、急降下の勢いをそのまま殺傷力に変え、天から重圧のごとくあなたたちを圧殺せんと襲いかかってくる。その頑強な背の上には、ファフニールの巨体に飛び移ることで聖槍の閃光から間一髪で逃げおおせた、残り二体のシャドウ・サーヴァントの姿もあった。
空中で大きく首を大きくのけぞらせたファフニールが、その巨大な顎を膨らませる。隙間からは地獄の釜底を思わせる禍々しい紫色の魔炎が渦を巻き、激しく漏れ出していた。
「皆さん、一箇所に集まってください!!」
ジャンヌの切迫した叫びが響き渡ると同時に、ファフニールの口から大地をも焼き尽くすほどの灼熱の炎の渦が放たれた。
直後、ジャンヌが一切の迷いなくその手にする聖旗を強く掲げた。
「
旗を中心に、一同を包み込むような清純で神聖な光の魔力障壁が生み出された。直撃すれば一瞬で肉体を灰燼に帰すはずの紫炎の濁流は、聖女の張り巡らした障壁の前に猛烈な音を立てて堰き止められる。
炎の抱擁を全身に受けながらも、あなたたちの騎馬群は歩みを止めることなく前進を続けた。視界の全てを塗りつぶす紫煙と狂おしい光の嵐に、あなたも眩しさと熱気で思わず目を細め、手綱を強く握りしめる。
「皆さん、まもなく炎が途切れます!」
マシュの言葉の直後、やがて荒れ狂う紫炎が晴れ渡った時、正面の眼前にはファフニールの背から跳び降りた二体のシャドウ・サーヴァントが待ち構えていた。
一騎は大槌を、もう一騎は身の丈を超える巨斧を手にしている。
二騎の影は呼吸を合わせるように得物を上段へと振りかぶると、容赦なく同時に大地へと叩きつけた。
遁、と轟音と共に地脈が暴走し、あなたたちの行く手を完全に遮るようにして、地面から重厚な土の壁が高々とせり上がった。垂直にそびえ立った土壁の上には、着地したファフニールが爪を立て、眼下の一同を嘲笑うかのように獰猛な眼光で睥睨していた。
正面突破のルートを完全に塞がれた光景を目にしながらも、スカサハは一切の揺らぎを見せず、唇の端に薄く笑みを浮かべた。
「ここまでは予想通りだな。では、アルトリア、ジークフリート、後は任せたぞ」
「承知した。邪竜は必ず打ち倒そう!」
「お任せを、スカサハ殿。ここは我々とジークフリートで食い止めます。マスターを頼みますよ!」
仲間たちが力強く応じるのを見届け、スカサハは自らの掌に握り込んでいた北欧の秘石――ルーンの刻まれた石を前方の空間へと鋭く投げつけた。
パリンッ――!!
空中でルーンの石が弾けると、集束した魔術回路が空間の相位相克を引き起こし、異次元へとつながるかのような青い光のゲートが空間を押し開いて現れた。
「行くぞ!」
間髪入れず、スカサハ、あなた、そしてジャンヌの三人は迷うことなく愛馬の腹を蹴り、その青い光のゲートの中へと突撃していった。
視界がぐにゃりと歪み、光の奔流が全身を駆け抜ける。
次の瞬間、浮遊感とともにあなたたちが降り立ったのは、土壁の向こう側。先ほどの光の奔流で半壊し、静寂と不穏な気配が立ち込めるオルレアン城砦の内側であった。
背後からは未だ土壁の向こうで繰り広げられるアルトリアたちの激しい戦闘の威力が地鳴りとなって響いてくる。
あなたは態勢を整えると、城砦の奥深くに潜むであろう竜の魔女との決着に向け、眼前の闇を強く睨み据えた。
ここまでの一連の流れこそが、突撃の直前にあなたたちが組み上げていた作戦の全貌であった。
作戦の骨組みは、一糸乱れぬ役割分担によって構成されていた。
第一段階として、アルトリアの極大宝具の一撃をもって、敵陣中央の防衛線を強引に食い破り、一車線の突撃路を開く。
第二段階では、こちら側の進軍に対して行われるであろうファフニールらの烈烈たる反撃を、ジャンヌ・ダルクの防衛宝具によって完璧に遮断する。
第三段階では、敵陣が展開するであろう進路遮蔽・妨害を、スカサハの原初のルーンによる空間跳躍で一瞬にして無効化・突破する。
最終的に、敵の本丸へ直接雪崩れ込む奇襲班と、遺漏なくファフニールたちを足止めする遊撃班の二手に分離して、それぞれの局面で戦闘を推移させるというものだった。
敵の本丸を狙うグループには、狭隘な城砦内部で竜の魔女および未知の脅威と遭遇・交戦することを想定し、屈指の接近戦の達人であるスカサハを選定。さらに、絶対的な防衛力と聖女としての資質を持つジャンヌを帯同させることで、攻防一体の極めて強固な最小精鋭布陣を敷いた。あなたは、この二騎の槍と盾を背後から全力で支援し、勝利へと導く大役を担っている。
一方で、ファフニールらを足止めするグループは、広大な屋外の戦場での乱戦となるため、アルトリアとジークフリートという二大陣頭を中心に立ち回る構造だ。アルトリアが縦横無尽に空中と地上の飛竜群を引きつけ、立香、マシュとラクシュミー、そしてマルタが群がるシャドウ・サーヴァントらを分断。そうして戦場を整理し、邪竜ファフニールとジークフリートが完全なる一対一で対峙できる理想の局地戦を整える手はずとなっていた。
かくして、あなたたちの作戦はここまで何一つ狂うことなく、予想通りに推移していた。
いま、あなたとスカサハ、そしてジャンヌの三人は、息苦しいほどに密度の高いドス黒い魔術的毒素と瘴気が充満するオルレアン城砦の回廊を、力強く疾走していた。
背後の遠くからは、今なお大地を揺らす轟音と戦響が途切れることなく響いてくる。城の外に残った仲間たちが、己の命と誇りを賭けて全力で戦い、この作戦を成功へと推移させてくれていることを一瞬たりとも疑わず、あなたたちはただひたすらに聖杯が待つ最深部への道を突き進んでいくのだった。
オルレアンの城内全体に淀み、息づく魔力は、生身の並みの人間であればほんの数呼吸吸い込んだだけでも即座に霊脈を破壊され、死に至るほどの致命的な濃度と毒性を孕んでいた。あなたはスカサハが事前に施してくれた原初ルーンの防護の加護によって、その狂気的な環境を耐え抜いている。
しかし、あなたが平然と足を前へ進められている理由は、ルーンの加護だけではなかった。カルデアのマスターとして特異点内で幾多のサーヴァントたちと幾度も深く濃厚に体を交え、その身に濃密な魔力を循環させてきたことにより、あなた自身の体内でも魔力が活性化し、まるで新陳代謝のようにあなたの肉体には魔力に対する耐性が備わっていた。すなわち、この程度の汚染された悪性魔力に対する強靭な抗体と耐性が、あなたの体の中に芽生えていたのだ。
この息もできないほどの異常な環境下にあっても、一切の衰えを見せず意気軒高に突破していくあなたの頼もしい横顔を見つめ、ジャンヌ・ダルクは内心で深い安堵を覚えていた。だが同時に、彼女は周囲への警戒の糸を一切緩めることはない。
ここは間違いなく敵の本拠地の心臓部である。にもかかわらず、回廊は不気味なほどに静まり返っており、侵入者であるあなたたちに対する伏兵や防衛用の迎撃機構が全く姿を現さない。仕組まれた凄惨な罠が手ぐすねを引いて待っているという直感が、聖女の胸を強く突き刺して離さなかったのだ。
そしてスカサハもまた、ジャンヌと同様に鋭い五感を研ぎ澄まし、深い警戒を維持していた。
入り組んだ三叉路の突き当たりへと差し掛かったその時、スカサハは不意にその足をピタリと止めた。そして、目の前を左右に分かつ薄暗い角のうち、左手の角へ向けて冷徹で凄絶な眼光を鋭く注ぎ込む。
彼女に合わせてあなたとジャンヌも即座に足を止め、周囲を警戒する。するとスカサハは、左の角を凝視したまま、自身の背中側——右手の角へと手にした朱槍の穂先を無造作に向け、低く重い声で告げた。
「……ジャンヌ。あの道の向こうから、お前と酷似した……だが酷く歪んだ気配が感じられる。お前たちはそちらへ向かえ」
あなたは驚きながら、スカサハへ素早く問いかけた。
共に進むのではないのか、と。彼女が睨みつける方向には一体何が存在するというのか、と。
スカサハは視線を一切外さぬまま、静かに言葉を返した。
「……この世にあってはならぬものだ。聖女の神聖さや、人の魂のありようを根底から汚涜し、否定するような異形……お前たちのような光を歩む者が直接相手にしてよい代物ではない。影の深淵を知り、世のあらゆる悪徳と死を呑み込んできた者でなければ、あの道を進むことすら叶わぬだろう」
スカサハはそこで一度言葉を切り、鋭い鼻腔を鳴らすように息を吐いた。
「それに……お前たちが進む道の向こうからは、胸が揺らぐほどの膨大な魔力の脈動を感じる。おそらく、この特異点の核たる『聖杯』もあの向こうに鎮座しているはずだ。
……私のことで余計な気を揉むな。お前たちは迷わず進み、竜の魔女との決着をつけてくるがいい」
スカサハの揺るぎない覚悟と凄絶な眼差しに接したあなたとジャンヌは、一瞬互いに顔を見合わせた後、彼女の提示した決断をまっすぐに受け止めた。
どうか無事で……必ず勝利を収めてほしい、と、あなたは切実な願いを込めて告げた。ジャンヌもまた力強く頷き、「聖杯を確保したらすぐに合流しましょう」、と言葉を重ねる。
そうして二人は、今度こそ一切の迷いを捨て去り、スカサハが槍先で指し示した右手の回廊へと一足飛びに駆け出していった。
スカサハは去り行く二人の足音を一度も振り返ることなく静かに見送った。
そして、手に握る愛槍を二度、三度と鋭く旋回させると、凛とした口端に薄い笑みを浮かべた。
「……ふん、悪霊退治といこうか」
呟くと同時に、彼女の佇まいは黒い影そのものと化し、自身が睨みつける禍々しい悪の気配の渦中へと迷いなく突き進んでいった。
スカサハと道を分かちた後、あなたとジャンヌは息を潜めながら暗く静まり返った廊下をひたすらに駆け抜けた。
突き進むにつれ、スカサハが口にしていた通り、肌を刺すような重厚で膨大な魔力の脈動が刻一刻と強まっていく。いよいよこの歪んだ特異点の最深部、すべての元凶たる心臓部に迫っているのだという実感が胸を満たし、ジャンヌの瞳には聖女としての鋭い戦意が赤々と燃え上がり始めていた。
やがて廊下は唐突に行き止まりとなり、眼前に荘厳な装飾が施された重厚な扉が現れた。ジャンヌが警戒しながらその扉を両手で強く押し開くと、その向こうに広がっていたのは予想外の広い空間であった。
調度品や家具の類は一切置かれていないものの、まるで誰かの寝室であるかのように開放的で風が吹き抜ける大広間。待ち構える刺客や激しい迎撃を予感していたあなたにとって、その静寂と無防備さは拍子抜けを禁じえないものであった。
室内をくまなく警戒しながら見渡していた二人であったが、ふとあなたは部屋の最奥にある異常な存在感に気づき、静かに指をさした。
そこには数段の石段によって整えられた祭壇のような高台が存在し、その中央に、まるでこれよみがしと言わんばかりに輝く黄金色の杯が無造作に置かれていた。
世界の理を歪め、あらゆる願望を叶え、この世のすべてを創造し服従させるかのような万能の気配と、圧倒的な神秘の力を放つその器。それを見たあなたは確信した。あの杯こそが、この特異点を出現させているすべての元凶―――聖杯そのものなのだと。
目指す万能の器が目の前で無防備に晒されている光景に、思わず逸る気持ちを抑えきれなくなったあなたは、同行者であるジャンヌに先んじて、警戒も露わに室内へと足を踏み入れようとした。
「あっ……待ってください、マスター!」
違和感を察知したジャンヌが咄嗟に制止の声をあげようとした——まさにその瞬間。
踏み込んだあなたの足元の大地から、禍々しい紫光を放つ魔術陣が突如として大輪の花のように広がった。
罠だと即座に察知したジャンヌが顔色を変え、あなたを救い出そうと手を伸ばして駆け寄ろうとしたが、それよりも早く、魔陣から噴出した圧倒的な魔力の光芒があなた全身を完全に包み込んだ。
浮遊感と空間の歪みが全身を襲う。それはまるで、先ほどスカサハのルーン魔術によって空間の壁を突っ切り、ゲートをくぐり抜けた時とまったく同じ、空間転移の感覚であった。
ジャンヌの切迫した叫び声が遥か遠くへと遠ざかっていき、あなたの身体は瞬く間にどこか知られぬ闇の彼方へと転移させられてしまったのだった。
転移の浮遊感が収まり、目を開けたあなたは、自分が湿り気のある薄暗い空間に放り出されていることに気づいた。
しん……と静まり返った室内には、どこからか水滴がぽつり、ぽつりと滴り落ちる哀愁を帯びた音が鼓膜を叩いている。周囲をぐるりと取り囲んでいるのは荒々しく削り出された土の壁。そしてその一角には、頑丈な鉄格子状の小窓がついた無骨な扉が嵌め込まれていた。
どうやら自分は、この城に作られた地下牢の一室へと閉じ込められてしまったらしい。
自らの思慮の浅さ、無警戒さに悔根の念が胸を焦がす。咄嗟に右手の甲に刻まれた令呪へ意識を集中させ、これを行使すべきか否かで強く逡巡した。令呪の絶対命数を以てスカサハかジャンヌをこの場へ強制転移させれば、この閉塞した状況を一変させることはできるだろう。
しかしもしも、この地下牢が、転移してきた英霊の魔力や宝具を完全に封じ込めるような結界術式・概念装填で特化されていたとしたらどうなるか。ここで仲間を呼び寄せることこそが、敵の用意した真の思惑であり、術中に嵌まることに他ならないのではないか。
あなたは深く息を吸い込み、乱れかけた呼吸と動悸を抑えて冷静さを取り戻すと、静かに深呼吸を繰り返しながら周囲の様子をじっくりと観察し始めた。
「―――ふふ。さすがはカルデアのマスター。自らこちらの懐に飛び込んでおきながら、随分と冷静なのね」
その時、暗がりの中からあなたへ向けて一筋の声が届いた。
その声は、あなたと共にここまで戦い抜いてきたジャンヌ・ダルクの声と寸分違わぬ透明感を持っていた。しかし、そこに込められた情念はジャンヌのそれとは根底から異なり、遥かに苛烈で、暗く濁ったドス黒い昏さを孕んでいた。
声の聞こえた方向、地下牢の扉の向こう側へと視線を走らせ、あなたが全身の警戒を最高潮に引き上げた瞬間。ギィィ……と重く錆びついた鉄の擦れ合う音が響き渡り、扉がゆっくりと内側へ開かれた。
そこに佇んでいたのは、まさにジャンヌ・ダルクと瓜二つの造形をした絶世の美女であった。
しかし、その存在感は聖女のそれとは全く違う。病的なまでに透き通るような白い肌。その体つきはジャンヌよりも一回りも二回りも豊満で肉感的であり、漆黒のマントがその爆乳と凶暴なスタイルを誇示するように身を包んでいる。そして何より、本物のジャンヌならば生涯浮かべることなど決してあり得ない、嘲弄と悪辣に満ちた苛烈な笑みが、彼女の美貌に歪んだ色彩を添えていた。
あなたは警戒を一切解くことなく、静かに相手の正体を問うた。お前が竜の魔女か、と。
彼女は口元に不敵な笑みをたたえたまま、ゆったりと頷いた。
「その通り。私こそがこの歪んだ特異点の絶対の支配者であり、人間どもを滅ぼす人理の敵。竜の魔女よ。……まあ、異名で呼ばれたがるようなこだわりなんてないんだけど。せいぜいジャンヌ・オルタか、オルタとでも呼べばいいわ」
オルタはそう吐き捨てると、迷うことなく地下牢の部屋の中へと足を踏み入れ、背後の重々しい扉を自らの手でカチャンと固く閉ざして見せた。
あなたが全身に緊張を張り詰めさせているのを見つめると、オルタはおどけるように軽く両肩を竦めてみせた。
「そう身構えないでちょうだい。今すぐあなたを殺すつもりなんてないわ。……ねえ、少しばかり、お喋りでもしようじゃない?」
あなたは冷徹な視線を崩さずに言葉を返す。敵同士の自分たちが一体何を語り合うというのか、と。
オルタは薄く笑いながら、妖艶に腰を揺らして一歩近づいてきた。
「敵同士だからこそ、話せることもあるんじゃないかしら? 仲間や従者に対しては、マスターとしての格好や矜持が邪魔をして打ち明けられない想いや弱音だってあるでしょう? 二度と会うこともないただの敵同士であれば、却って腹を割ってすべてを話せる……そうは思わない?」
彼女の口ぶりや眼差しには、命を奪い合う殺伐とした敵我の立場とはかけ離れた、どこか密やかで親密な温もりすら感じられた。相手の真の意図を図りかねたあなたは、誘惑に呑み込まれぬよう一層警戒の綱を固く締め直す。
そんなあなたの張り詰めた態度を見ても、オルタは余裕を保ったまま、楽しげに言葉を繋いだ。
「ふうん……何も話す気がないなら、こちらから質問してあげるわ。
ねえ、カルデアのマスター。あなたはこの地獄のような特異点を見て、一体何を感じたの? ……どんな気持ちで、この踏みにじられた世界の中を生き延び続けてきたのかしら?」
あなたは深呼吸をし、まっすぐに彼女の瞳を見据えて答えた。
人々の生きる力と意志、そして決して何者にも貶められてはならない人間たちの命の尊厳の姿を見た。日々を懸命に生き、明日へと命を繋ごうとする人々が、人理焼却という理不尽な暴虐によってその未来を奪われてはならない。自分はこの地獄のような特異点を駆け抜けながら、その想いを一層強く抱くようになったのだ、と。
「―――くすくす、あははははッ!」
あなたの言葉を聞いた瞬間、オルタは可笑しそうに、そして嘲笑うように細い肩を揺らして激しく笑い声をあげた。
「そんな綺麗事を吐くために、血と泥に塗れて今日まで生き延びてきたというの? くだらない。本音は違うでしょう? 私が聞きたいのは、そんな優等生な回答じゃないのよ。もっと……根源的な問いかけなの」
彼女は笑みを収めると、射抜くような鋭い視線であなたを見つめ返した。
「これだけの地獄と人々の凄惨な死を見ておきながら、平然と振る舞えている。……本当は、この世界の人々に何ら情なんて寄せていないんじゃないかしら? あなたは理不尽に踏み躙られた世界であっても、己の貪欲な欲求や欲望を優先することに何ひとつ躊躇いを持っていない。本当は人理焼却なんてどうでもいいと感じている……そうでしょう?」
オルタの突きつける容赦のない問いかけに対して、あなたは即座に答えを返すことができなかった。
これまでに自身が取ってきた行動、英霊たちと交わしてきた淫蕩で倒錯した契り、そして己の中に渦巻く欲望。自らの内面を振り返れば振り返るほど、それは否定しきれない事実として重くのしかかってくる。彼女にそう指摘されてもぐうの音も出ないほど、自身が積み重ねてきた行いは欲望に忠実なものであった。反論する余地など、どこにも残されてはいなかったのだ。
言葉を失ったあなたの様子を見て、オルタはニタリと、どこか深い悦楽を滲ませた笑みをその美貌に浮かべたる。彼女が細い手首を軽く払うと、空間に漆黒の魔炎が走り、その痕に一脚の無骨な木の椅子が錬成されて現れた。
オルタはその椅子へと深く腰掛け、長い脚をゆっくりと高く持ち上げてから、優雅に組み替えた。
―――その瞬間。
あなたの視線は、己の意図とは無関係に、無意識のうちにオルタの組まれた両脚の付け根、その過激すぎる股間へと強く引き寄せられてしまった。
オルタはあなたからの熱く不躾な視線をはっきりと認識すると、どこか満足げに喉を鳴らし、言葉を続けた。
「……ふふ、そう。あなたのその欲求を、私は何ひとつ否定なんてしないわ。人間なんて本来、欲深くて愚かで、下等な生き物なんだから。誰もが予感するような世界の終わりを迎えたところで、己の本能や性欲に打ち勝つことなんてできやしない。ある者は他者から糧を奪い、ある者は弱者を犯し、ある者は気に入らない人間を殺す。そうやって泥に塗れ、業を積み重ねてきたのが人理に生きる人間という種の正体よ。あなたもその愚かな一人に過ぎないのだから、己の欲を我慢する必要なんてどこにもないわ。好きなように望み、好きなように貪ればいい。……こんな特異点が滅んだところで、あなたの運命や本質には何の影響もないのだから」
そう言って、オルタは意図的に、ゆっくりと時間をかけて再び足を組み直した。今度は、あなたの視界にその淫らな光景を決定的に焼き付けるかのように、焦らすような手つきで。
あなたの内心では、彼女の放つ悪徳の論理を全力で否定し、拒絶したかった。しかし、あなたの男としての抗いようのない本能は、眼前の圧倒的な肉体の誘惑から目を背けることを拒んでいた。
組み直される両脚の隙間、露わとなったジャンヌ・オルタの秘所へと、あなたの視線は無意識に吸い寄せられていく。あなたの目が狂っていないのだとすれば、黒い炎の薄布の隙間から覗く彼女の秘処は、極めて露出度が高く、布地が極小しかない極限まで淫猥で破廉恥な下着に覆われているだけであった。
オルタは組んだ脚の膝に頬杖をつき、愉悦に満ちた眼差しであなたを見下ろしながら言葉を紡いだ。
「……あなたはきっとこう思っているのでしょう? 『この問答を通じて、私に何をさせたいのか』と。答えはとても簡単。
英霊だろうと人間だろうと、根っこは同じ。結局は自分の欲のために足掻く、薄汚れた獣のような生き物だって証明したい……ただそれだけよ」
彼女は妖艶に目を細め、白く細い指先で自身の胸元をゆっくりとなぞってみせた。
「私は聖杯の力を以て、この世界に暴虐と破滅を好き放題にもたらしてきた。そしてあなたはその身に宿る真正の魔力を使って、英霊たちとの間で、肉体と魂を繋ぐ深過ぎる間柄を構築してきた……。私からシャドウ・サーヴァントの契約を力づくで奪い取ったのも、すべてはその恐ろしい魔力のおかげなんでしょう? ジルがしっかりと解析してくれたわ。
……ねぇ、気づいている? あなたと私は、本質的にあまりにも似た存在なのよ。どちらも、己の欲望を大事にする。もしあなたがその手に聖杯を収めれば、いずれあなた自身の手で新たな特異点を形成するでしょうね。この歪んだフランスとはまた違った、あなたの望む欲望と混沌に満ちた世界を」
オルタはそこで言葉を区切ると、哀れむような、しかし冷徹な嘲笑を浮かべた。
「……けど、残念ながらそんな日は決して来ないわ。なぜか分かるかしら?」
彼女は椅子から立ち上がり、床に響く足音を忍ばせながら、じりじりとあなたへ距離を詰めてくる。
「今日、ここで、あなたはこの私に完全に支配されて、二度と人理の側に立つことすらできなくなるからよ。
……あなたが私に敗北した後、あなたに付き従うあの生意気な英霊たちは、ジルが遣わせる異形の触手たちの惨めな苗床となって、腐った悪魔を延々と産み落とすためだけの孕み床になるの。そしてあなた自身は、この暗く冷たい地下牢を二度と出られない禁足の寝室として、世界がすべて黒い炎で焼却されるその最期の瞬間まで、深い絶望と恥辱に浸りながら過ごすことになるのだから」
彼女の語る凄惨で淫靡な未来の宣告が、湿った地下牢の空気に重たく響き渡る。
しかし、あなたは眉ひとつ動かさず、冷ややかな視線で彼女を見つめ返すと、静かに問いかけた。―――話は、それで終わりか。
そのあまりにも期待外れな反応に、オルタはピクリと眉を顰め、不快そうに苛立ちを露わにした。そんな彼女に対し、あなたは動じることなく堂々と己の言葉を重ねていく。
自分はもしかしたら、君の言う通り君と同じ身勝手で歪んだ存在なのかもしれない。だが、決定的に違う点がひとつだけある。自分は、何があろうと人理を守り抜く。その救済の過程において、自分がどれほど深重な罪と冒涜を重ねようとも、人理が正しく取り戻されたその暁には、自分という存在は世界の理によって必ずや裁断されることになる。それでいいのだ。それこそが、狂った世界を正しき姿へと戻そうとする、世界の絶対的な修正力なのだから。
だからこそ、自分はとっくに開き直っている。どんな形であれ、どれほど泥に塗れようと、人理を救済するために持てるすべての力を尽くす。何故なら自分は、いずれ訪れる己自身の破滅と報いを、とうの昔に受け入れているのだから―――。
それは完全に支離滅裂であり、どこまでも傲岸不遜な独善の主張であった。己の原罪を認めて、己の身がいつか破滅することを前提として世界のすべてを背負うという狂気。
オルタはその言葉の異常さに一瞬言葉を失い、完全に閉口した。―――そして、しばしの沈黙の後。
「……ハハッ……あははははははッッ! 狂ってる、狂ってるわあなたッ!」
あまりにも滑稽で、あまりにも狂気じみたものを見たと言わんばかりに、オルタは腹を抱えて激しく笑い始めた。目尻に涙を浮かべながら、床を足で叩くようにして笑い転げる。
「アハハッ! こんなにも自分勝手で、自分が行う冒涜に一切の罪悪感すら抱いていない奴を……あのカルデアは、マスターとして選んだというの!? あははっ、あまりにもお粗末すぎるわ! 傑作、本当にお腹が痛いくらいに最高の傑作よッ!」
ひとしきりお腹を抱えて笑い転げた後、オルタはゆっくりと顔を上げ、あなたを再び射抜くように見つめた。
その瞳の奥には、先ほどまでの冷徹な嘲弄や殺意とは明らかに異なる、爛々と燃え上がるような熱が宿っていた。あなたは感覚的に理解する。その不気味なほどの熱は、ジャンヌがあなたという絶対的な雄に屈服し、己の霊器ごと完全に隷属した際に、その瞳に宿らせていた狂おしい情愛の熱と何一つ変わらないものだと。
「……ふふ、いいわ。あなた、最高よ」
オルタは熱を帯びた息を吐き出しながら、恍惚とした笑みを浮かべた。
「人間としては最低最悪のクズだけど、狂気とエゴに満ち溢れていて最高に英雄っぽいじゃない。こんな壊れた人間が、世界を守る側のマスターとして戦っているなんて……最高に皮肉が利いていて愉快だわ。……ええ、私、あなたのことが最高に気に入ったわ!」
オルタはそう口にすると、あなたの正面へとゆっくり歩み寄り、完全に逃げ場を塞ぐように向き直る。そして己の肩に羽織っていた漆黒のマントを、無造作にバサリと払いのけた。
マントの下から露わになったのは、直視することすらためらわれるほどの圧倒的な豊満さと、毒々しいまでの淫靡さを誇る彼女の裸体であった。
重厚な甲冑も衣服もそこには存在しない。破格の肉感を誇る超乳は、先ほど自ら仕込んだ蠢く黒い魔炎の薄帯によって、極限まで膨らんだ紫赤色の乳頭周辺だけが不完全に覆われているに過ぎない。わずかに動くだけで、弾力に満ちた爆乳は生々しい重量感を伴って左右に揺れ動く。
視線を下へと滑らせれば、キュッと引き締まった腰つきから一転して豊満に広がる肉感的な臀部と太もも。秘処を覆う布地は、膣口の割れ目をかろうじて隠すだけの極小の帯でしかない。
オルタはニタリと笑いながら振り向くと、無防備な尻穴と肉厚な尻肉が一切隠されることなく丸出しの状態で晒されていた。そしてその肉厚な尻肉を両手で思い切り広げる。ぶるんと音を立てて肉が広げられ、皺のよった尻穴が大きく晒される。そしてその穴を囲うようにして、常軌を逸した文言が刻まれていた。変態肉便器、膣内射精中毒、受胎マゾ。焼き刻んだ性奴隷の文言がくっきりと残病的なまでの白い肌と、露出された生々しい肉感のコントラストは、見る者の理性を一瞬で焼き切るほどの威力を秘めていた。
先ほど彼女が足を組み直した際の光景からある程度の想像はしていたものの、あの聖女と瓜二つの美貌を持つ女が、本物を遥かに凌駕する爆乳と肉体美を全裸同然で晒しているのだ。あなたの股間は本能的な昂ぶりに抗えず、下着を押し上げるようにして力強く鎌首をもたげ始めた。
「ふふっ……身体は正直ね……♡」
あなたの股間の肉厚な熱と密やかな変化を、竜の魔女の鋭い五感は見逃さなかった。
オルタは歪んだ歓喜に瞳を輝かせると、自らの両手で溢れんばかりの爆乳を指が食い込むほど力任せに揉みしだき、指の隙間から柔らかい肉を押し出しながら、ニタリと笑った。
「……ねえ、勝負をしようじゃないかしら?」
唐突に突きつけられた言葉に、あなたが疑問符を浮かべて見つめ返すと、オルタは揉みしだく手つきを一層激しくしながら言葉を続けた。
「お互いに最低で狂った生き物同士、これ以上ないくらい最低で下品な方法で決着をつけようって言っているのよ。
……この狭い地下牢で、私たちはこれから全力で性行為を行うの。制限時間は二時間。それまでに、相手を気絶させるか、あるいは完全に屈服させて降伏させた方の勝ち。
……勝者にはこの特異点の核心たる聖杯を与え、世界の所有権を譲ってあげるわ。どうかしら?」
あまりにも破天荒で破廉恥な提案に、あなたは目を見張りながら問う。もしも二時間の間、お互いに気絶もせず屈服もしなかった場合はどうなるのか、と。
オルタは己の爆乳をしごき上げ、紫赤色の乳頭を指先で強く捻り上げながら、舌先を滑らせて答えた。
「その時は、殺すわ」
彼女は妖しく目を細め、事もなげに言ってのける。
「あなたが生きてここを出る方法は、私を性行為の快楽で気絶させるか、あるいは牝の快楽に沈めて完全に屈服させるしかないの。 ……けどね、聖杯の無限の魔力供給を受け、英霊としての絶大な霊格を持つこの私を、生身の人間が力ずくで気絶させるなんて到底不可能な話よ。
つまり……あなたはこの性行為を通じて、この竜の魔女を完全に性の悦楽で屈服させる以外に、生き残る術なんてどこにも無いのよ……♡」
オルタから突きつけられたあまりにも常軌を軌した提案。
しかし、その条件を聞いた瞬間、あなたの中に迷いは一切なかった。即座に腹をくくり、腹の底から怒りにも似た、凄絶な使命感が沸き起こる。
この竜の魔女を……この傲慢な雌を、性の悦楽によって完全に屈服させてやる、と。
生存本能と紙一重の激しい決意は、あなたの中で純粋な性愛の興奮へと変貌を遂げ、股間の肉茎に凄まじい血液を送り込んでいく。肉茎はズキズキと脈打ちながら、狂暴なほどの硬度と威容をもって下着を力強く押し上げていった。
あなたは一切の躊躇を捨て、己の衣服を次々と脱ぎ捨てていく。上衣が落とされ、露わになるのは過酷な旅路と死線をくぐり抜けて鍛え抜かれた肉体。甚大な魔力によって活性化され、圧倒的な雄としての精気が狭い地下牢の中に充満していく。
その佇まいに、オルタは「はぁ……♡」と熱っぽい息を漏らし、瞳を恍惚に揺らさせた。
そして最後の一枚の布地を脱ぎ去り、あなたのすべてが露わとなったその瞬間―――オルタは息を飲み、興奮を隠しきれずに目を見張った。そこに佇んでいたのは、常人の規格を遥かに超み出た、精悍にして凶悪なまでに巨大な陰茎であった。
「……うそ……っ。なによそれ……こんなに大きくて、太いの……っ!? 信じられない……こんなの、本当の意味で雌殺しじゃない……♡♡♡」
オルタは頬を紅潮させ、震える指先で口元を覆いながら狂おしげに叫んだ。さらなる欲望と興奮を高め、その病的なまでに白い肌を爛爛とした熱で赤く染め上げていった。
「ふふ……あははっ♡♡♡ やっぱり……最後の戦いに、建前も鎧もなにもいらなかったみたいね……♡♡♡」
そう言って彼女が白く細い指先をパチンと鳴らす。次の瞬間、彼女の爆乳と膣口を辛うじて覆っていた極小の黒炎の下着が、儚く霧散して姿を消した。
そこに現れたのは、隠すものが何一つなくなった、完全なる全裸の肉体であった。脅威の容積を誇る爆乳は、下着の束縛から解き放たれて「たゆんっ」と重々しく揺れ動き、その頂点に位置する紫赤色の大きな乳頭は、興奮のあまりカチカチに硬直してピンと主張している。キュッと引き締まったウエストから一転して豊満に丸みを帯びた腰つき、そして脚を開けば無防備に晒される、愛液でうっすらと湿り気帯びたピンク色の秘処。まさに雄を狂わせ、己のすべてを差し出して犯されるために存在するかのような、究極の雌の肉体がそこにあった。
「あぁっ……♡ んふっ……っ♡♡」
オルタは、まるであなたの裸体と凶悪な陰茎を極上の「おかず」にするかのように、あなたの眼前で迷わず己の肉体を弄り始めた。
片方の手で溢れんばかりの爆乳を鷲掴みにし、指先を食い込ませながら揉みしだく。そしてもう片方の手は大きく開かれた太ももの間へと滑り込み、湿り始めた自らの秘処へと指先を押し当て、クチュクチュと浅ましい音を立てて膣口を押し開いていく。
「ねえ……知っているかしら……? あの澄ました聖女の方のジャンヌのバストサイズはね……たったの97センチなのよ……♡♡♡」
オルタは激しく乳房を揉みしだき、愛汁で濡れた指で秘処を抉りながら、蕩けた声で打ち明ける。
「じゃあ……この私はいくつだと思う……? 115センチよ……♡♡♡ この胸はね、あなたみたいな強大な雄様に力任せに揉みしだかれ、犯されるために……聖杯の力で成長したようなものなの……♡♡♡ おかげで、こうやって一人で自慰をする時も……あなたみたいな強い雄様にぐちゃぐちゃに犯されることばかり……ずっと妄想していたんだからぁっ……♡♡♡」
自ら爆乳を歪ませ、愛液を滴らせながら、竜の魔女はあなたという絶対的な雄の視線を全身に浴びて、狂乱の性行為の幕開けへと己を加速度的に没頭させていく。
目の前で繰り広げられる、竜の魔女、ジャンヌ・オルタのいやらしく浅ましい痴態。そのあまりに破廉恥な全身の光景を目の当たりにして、あなたの中に残っていたわずかな躊躇も完全に吹き飛んだ。
あなたは遠慮することなく、彼女に見せつけ、誇示するかのように片手で己の巨根を掴むと、力強く亀頭から根元までをズシ、ズシとしごき始めのだった。
「ふぁ……ッ♡ あはっ……見せつけてる……目の前で雄が情けないオナニーを見せつけてるわ……っ♡♡」
そしてあなたは、もう片方の空いた手を迷うことなく伸ばし、自慰で片手が塞がっているオルタの逆側の爆乳を、容赦なく鷲掴みにした。
「ぉ”ぉッ”ホッ……♡♡♡ あぁぁぁッッ……ッ♡♡♡」
手のひらから溢れ出す、115センチという脅威の質量の柔らかさ。吸い付くような肌の弾力と、手の中で揉みしだかれる爆乳の極上の触感に、あなたの雄としての性癖と昂ぶりも一気に最高潮へと跳ね上がっていく。
あなたは揉みしだく手つきを荒々しく強めながら、しごき倒していた己の凶悪な亀頭の先端を、オルタの愛液で滑らかになった下腹部へと強く、思い切り押し付けた。
「ほお”お”ぉぉ……♡♡♡♡♡♡ か、固い……♡♡♡ 固くてあついのが……お腹に……当たってるぅ……♡♡♡♡」
己の腹部に直接感じる、雄の凶悪な熱と硬度。その圧倒的な感触に、オルタは淫らなオホ声を漏らし、全身をビクビクと歓喜に跳ねさせた。
「あはっ……♡♡♡ 最高……最高よ、あんた……♡♡♡ 自分の雌の体が……あんたみたいな最低な雄のオナニーの道具に使われてる……♡♡♡ そうよ、もっと揉みなさい……♡♡♡ あなたみたいな自分勝手な雄のせいで……私のオナニーも、お股のキュンキュンも全然止まらないんだからぁっ……♡♡♡」
暗く湿った地下牢の中に、肉がぶつかり合う音と、ぐちゃぐちゃとした激しい愛液の水音が不快なほど鮮明に響き渡る。
激しく互いの体を弄り回し、熱い吐息と喘ぎ声を撒き散らす中、ふとした瞬間にあなたとオルタの視線が至近距離でバチリと交差した。どちらからともなく、躊躇いなど一切なかった。
互いに己の秘部を激しくオナニーで弄り倒し、爆乳を揉みしだいた姿勢のまま、二人は吸い寄せられるように激しい密着吻合―――濃厚なベロチューを交わし合った。
「んむッ……♡♡♡♡ んぐぅ”ぉ”……んズズッ……♡♡♡♡ ぶはっ……♡♡♡♡♡♡ んちゅっ……れろ、れろろろろッ……♡♡♡♡♡」
聖女の面影を残す舌と、あなたのアグレッシブな舌がぐちゃぐちゃに絡み合い、互いの唾液が口端からドロリと垂れ落ちて顎を濡らしていく。
舌の裏まで貪り尽くされる甘美な味わいに、オルタは一瞬でベロチューの快楽へと狂おしく夢中になっていった。彼女は眼孔を蕩けさせ、あなたをさらに煽り立てるように、性奴隷へと完全に引きずり降ろすような言葉を淫らに囁き散らすのだった。
「んっ……♡♡♡ ふはっ……最高よ……♡♡♡ もっと……もっと私をぐちゃぐちゃにしなさい……♡♡♡ 私を気絶させて……あなたの性奴隷に……完全な私の負けに……落としてみなさいよぉッ……♡♡♡」
粘膜同士が擦れ合い、生々しい水音を上げる濃厚な接吻は、一度始まると止まることを知らなかった。
「んむ……♡♡♡♡♡♡ ズズッ、んぢゅぅ”っ♡♡♡♡♡♡ れろ、れろろろろろッ♡♡♡♡ んぉぉ”ぉっ”♡♡♡」
オルタは自ら激しく舌を突き出し、あなたの口内を隅々まで貪り尽くす。舌先を絡め合わせ、互いの口内に溜まった熱い唾液を交換し合うたびに、口端からドロリと溢れ出た体液が顎を伝い、彼女の爆乳の上へと一筋の筋を作って垂れ落ちていく。
その間も、二人の手の動きが止まることは決してなかった。あなたは片手でオルタの溢れんばかりの爆乳を指先が食い込むほど力任せに鷲掴みにし、柔らかく温かい肉塊をぐちゃぐちゃに形を変えながら揉みしだき続ける。もう片方の手では、完全に怒り狂った己の凶悪な大肉茎を握り締め、亀頭から根元までを高速でしごき倒していた。引き締まった亀頭がオルタの滑らかな下腹部や秘所の入口へと幾度となく擦れ合い、生々しい摩擦の熱を生み出していく。
「あぁ”ぁ”っ……♡♡♡ んズュッ、んんぉぉ”っ……♡♡♡♡ 凄い……雄のおちんぽが……♡♡ ♡私の身体に擦れて……熱くて♡♡♡ 頭がおかしくなりそう……んじゅじゅ、れろれろっ♡♡♡♡♡」
オルタもまた、あなたの舌を受け止めながら、自らの手による自慰を極限まで加速させていた。
片手で自らのもう片方の爆乳を爪が立つほど力強く揉みしだき、カチカチに硬直した紫赤色の乳頭を指先で捻り上げる。そしてもう片方の指先は、すでに溢れ出た愛液によってぬめり気帯びた己の膣口へと深々と突き入れられ、ズチズチと音を立てて熱いひだを掻き回していた。
地下牢の湿った空気の中に、二人の荒い息遣いと、重なり合う接吻の音、そして互いの身体を激しく弄り回す生々しい水音が狂った旋律となって響き渡る。互いに自らの性感を限界まで高め合い、脳髄を焼き尽くすような快楽の波が頂点へと達しようとしたその瞬間。
「んぉぉ”ぉっっぉ”ぉ……♡♡♡ ぐ、いっぐぅぅ”……♡♡♡♡ んじゅるるる、んれぇぇぁ”ぁおぉ”ぉぉっっ♡♡♡♡♡ いっぐぅっぅ”ぅぉぉっ”♡♡♡」
どちらからともなく限界を悟り、二人は同時に絶頂の瞬間を迎えた。
「んっっ”っっ”ぉぉ”ぉっ”っほぉ”ぉぉ”っっぉ”ぉオォ”ォ”ォッッッ”ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」
オルタは喉を極限まで絞り出すような、まさに獣そのものの浅ましく淫らなオホ声を張り上げ、全身をガクガクと弓なりに反らせた。
絶頂のショックで彼女の狭い膣口からは、濁った愛液の飛沫が勢いよく吹き出し、あなたの太ももや腹部へと激しく撒き散らされた。それとほぼ同時に、あなたの握りしめた極太の肉茎からも狂暴な勢いで精液が噴出する。
ドクッ! ドクククッッ……!!
勢いよく放たれた白濁の精気は、オルタの病的なまでに白い下腹部と、大きく開かれた太もも、そして愛液に濡れた秘所の上へと、容赦なく大量に浴びせかけられた。
「はぁっ……はぁっ……♡♡♡♡ んじゅる、んぢゅるる♡♡♡♡ っぷはぁ……♡♡♡ あつい……♡♡♡ 白いの、いっぱいかかった……♡♡♡♡」
互いの体液を全身で浴び合い、濃密な匂いが充満する地下牢の中で、オルタは恍惚とした瞳で己の体に飛び散った白濁を見つめ、大満足の笑みを浮かべながら熱い息を吐き出す。
絶頂の狂乱が終わり、荒々しく重い吐息だけが湿った地下牢の静寂を支配する。
やがて息を整えた両者は、自然と互いの身体を一度離し、僅かな距離を置いた。しかし、二人の間に漂う空気は決して冷めることはなかった。
あなたとオルタは、互いの肌にびっしりと付着した愛液と精液の匂いを鼻腔に感じながら、隠しようもない露骨な性欲に満ちた熱い眼差しで、まじまじと相手の肉体を貪るように見つめ合う。ふう、と熱い吐息を漏らしたオルタの瞳には、一切収まることのない狂おしい興奮が爛々と渦巻いていた。
彼女は迷うことなく地下牢の無骨な土壁へと歩み寄ると、両手を壁に力強くつき、膝を少し折って腰を高く突き出した。そして、自ら太ももを大きく左右に開いて見せ、背後に立つあなたへ向けて、己の最深部を隠すことなく見せびらかした。
その光景は、あまりにも破廉恥で、雌としての本能を剥き出しにした誘惑であった。突き出された豊満で肉厚な二つの尻肉。その尻肉の隙間、最奥に位置する無防備にすぼまった尻穴の周りには、自らを最底辺の性奴隷へ貶めるの文言がくっきりと浮かび上がり、怪しく脈打っている。そのすぐ下でトロトロと愛液を滴らせているピンク色の膣口。先ほどの自慰と絶頂によって完全にひだの蕾が開かれた膣口は、吸い込まれるような肉の深みを見せており、呼吸に合わせてヒクヒクと浅ましく蠢いていた。
「……ふふ、はぁっ……♡♡♡ もう制限時間も限られているんだから……早く私を犯しなさいよ……っ♡」
オルタは壁に額を押し付け、首だけをあなたの方へと振り向けながら、蕩けた表情で淫らに囁いた。
「この竜の魔女の雌の体をたっぷりと味わって……あなたの好きなところに、そのいやらしくて雄臭い白濁をぶちまければいいわ……っ♡♡♡
どうせ、二時間経ったらあなたをここで殺しちゃうんだから……後悔のないように、好きなだけ抱き潰しなさい……♡♡♡」
彼女の挑発的で淫らな言葉を聞いた瞬間、あなたの中で理性のタガが完全に吹き飛んだ。
湧き上がる狂暴な激情のままに、あなたはオルタの背後へと一足飛びに近づく。そして一切の躊躇も容赦もなく、彼女の柔らかく肉厚な両の尻肉を力任せに鷲掴みにすると、左右へと力いっぱい引き裂くように思い切り広げた。
「あはっ……♡♡♡」
まざまざと視界全体に押し広げられる、オルタの性器のすべて。
広げられた尻肉の狭間で、ピンク色の粘膜が剥き出しになり、愛液で濡れそぼった膣壁が露わになる。そしてその先、深く開かれた膣口の暗がりには、彼女の肉体の最奥、子宮口の蕾が怪しく蠢いているのがはっきりと見て取れる。あなたは己の命と人理の命運を賭け、その最奥をギラギラとした眼光で睨みつけた。
そして、手にした己の凶悪な極太の肉茎を誘導し、完全に怒り狂った亀頭の先端を、彼女の愛液で滑らかになった膣口の入口へとぴったりと合わせる。
「はぁっ……はぁっ……♡♡♡♡ 来る……来るのね……♡♡♡ おちんぽ……♡♡♡ 私の、膣の一番奥まで……あはぁっ……♡♡♡♡」
直後に訪れるであろう激痛と超絶的な快楽を確信し、オルタは今にも狂わんばかりに激しく呼吸を乱した。彼女の口端からは、絶頂と歓喜のあまり粘ついた喜悦の涎がドロリと垂れ落ち、壁を濡らしていく。
そして―――その次の瞬間。
あなたは何の迷いも躊躇もなく、腰を思い切り前へと突き出し、彼女の最奥―――子宮口へと向かって己の巨根を一気に叩き込んだ。
「んんぉ”ぉ”んん”ほぉ”ぉぉお”おぉ”ぉっっ”ほぉぉ”ぉっっ”っっっ”っっっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
身体の最深部を力任せに穿たれた瞬間、オルタの口から飛び出したのは、人間の女性のものとは思えない、信じられないほど下品で、地響きのような暴虐なる獣のオホ声であった。
聖杯の力と英霊の頑強な肉体を以てしても受け止めきれぬほどの絶大な性感と圧倒的な衝撃が、彼女の全身の神経回路を激しく駆け抜け、竜の魔女の理性を一瞬で粉々に砕き割るのだった。
カルデア側と契約していない、人理によって召喚された女性の英霊が、特異点内で不特定多数の人間(現地人など)との間で性的関係を結ぶのは、アリか。
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有り(輪姦、和姦問わず)
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有り(和姦のみ)
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無し(主人公側の性行為だけ書いてほしい)
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なんでもいいかヌかせて!