夕闇が街を包み込み、街灯がポツポツと灯り始める時間帯。
普段ならとっくに退勤しているはずの各務は、珍しくオフィスに忘れ物をしたことに気づき、人通りの途絶えたビル群へと足を進めていた。
昼間の賑わいが嘘のように静まり返ったエントランス。社員用の自動ドアをくぐり、薄暗くなった事務所へ向かうフロアの入り口へと差し掛かったその時だった。
「――おや、人事さん。こんな時間にどうされたんです?」
影の中からぬっと現れたのは、夜間巡回を担当している警備員だった。
「デスクに忘れ物をしてしまって……すぐ取って戻りますから」
各務はいつものように淑やかな表情を崩さず、さらりと受け流そうとする。しかし、警備員の男は退くどころか、ゆっくりと各務との距離を詰め、その視線は彼女のブラウスの胸元――豊かな膨らみが描く曲線へと、隠そうともせず向けられていた。
「いやぁ、防犯上の規定がありましてね。夜間の立ち入りは、一応記録と…………簡単な確認をさせてもらわないと困るんですよ」
そう言って薄笑いを浮かべる男の瞳には、どこか歪な色が宿っていた。
「最近はデータ持ち出しの件も厳しくてね。念のため、ボディチェックをさせてもらいますよ」
男は白手袋をはめた手を軽く擦り合わせながら、ぬらりとした笑みを深めた。
「……分かりました。お仕事ですものね、構いませんよ」
各務はため息混じりに、言われた通りにその場で両手をすっと高く上げた。
「では、失礼して……」
男の喉がゴクリと鳴る音が、無人のエントランスに小さく響く。
男は下心を隠そうともせず、舐め回すような視線を各務の身体に這わせると、まずはその豊満な胸の脇へと、熱を帯びた両手をゆっくりと伸ばした。
白手袋に包まれた男の手が、各務の脇腹から滑り出す。
それはおよそ「ボディチェック」と呼ぶには程遠い、ねっとりとした不躾な手つきだった。手のひら全体でブラウスの生地を押し撫でるようにして、細い腰のくびれから、横へとはみ出しかけている豊満な胸の側頭部へと、ゆっくりとなぞり上げられていく。
「……ん」
各務は両手を上げたまま、薄暗がりの中で小さく喉を鳴らした。
「……胸元に何か隠していませんか? ずいぶんと……張りが不自然だ」
興奮で息を荒くした警備員は、言い訳を口にしながら、ついにその掌を各務の胸の膨らみそのものへと滑らせた。
ブラウスと下着越しであってもはっきりとわかる、圧倒的な重みと柔らかさ。男の指が柔肉に沈み込み、その形を確かめるように下から撫で上げると、各務の吐息がわずかに揺れた。
「っ……これは自前です。…そんなに触らないと、分からないものですか?」
両手を上げた姿勢のまま、首だけを少し傾けて男を見やる各務。
白手袋が、ブラウス越しに豊満な膨らみを撫でさするように揉みしだき、硬く凝り始めた乳首の突起を確かめるように指先で捏ね繰り回しはじめた。
「……んッ……ぁ」
職権を装ったあまりに露骨で入念な愛撫に、流石の各務も身体の芯に熱が走り、膝の力が抜けそうになった。無意識に背中を丸め、突き出された胸から逃れようと腰を引こうとする――。
しかし、その腰はわずか数センチも退くことができなかった。
――ぐに、と。
逃げようとした各務のしなやかな臀部を受け止めたのは、背後に密着してきた男の股間だった。
制服のズボン越しであってもはっきりとわかる、猛烈な興奮によって硬く太く怒張した男の熱いかたまり。それが布越しに各務の尻の肉間へと力任せに押し付けられ、退路を完全に塞ぎ止めている。
「おっと……動いては困りますねぇ、人事さん。……ほら、まだ『確認』は終わっていませんよ」
耳元で男の荒い鼻息が吹きかけられ、胸に触れる手がその範囲を広げる。乳房の形をなぞるように掌が動かされ、各務の口元から、密やかな甘い吐息が零れ落ちた。
「女の隠し場所は、男よりも多いと聞きますからね」
男は耳元で低く粘つく声を漏らし、捏ね繰り回していた左手をゆっくりと胸元から離した。
突如として解放されたブラウスの胸元。そこには、薄暗いエントランスの冷えた空気に晒され、黒いレースのブラジャーが顔を覗かせる。
離れた男の左手は、各務の細いウエストを辿り、スーツのスラックスのホックへと滑り落ちる。パチンと小さな金属音が静かな事務所の入り口に響き、ファスナーが滑らかに下ろされた。
「ここも……しっかりと確かめさせてもらいますよ」
男の粗野な手が、スラックスの隙間から躊躇なく内部へと潜り込む。
薄い下着の生地一枚を隔てたすぐ先には、すでにうっすらと熱を帯び始めた各務の秘密の秘丘が存在していた。忍び込んできた指先が水気を含み始めたクロッチを捉えた瞬間―
――カタンッ、ガタタッ!
無人のオフィスフロアの奥、暗闇の静寂を切り裂いて、何かが床へ落ちたような硬い音が突如として響き渡った。
「――っ!?」
ビクッと肩を跳ね上げ、血相を変えたのは警備員の男だった。
熱に浮かされていた思考が一瞬で冷め破られ、我に返った男は、弾かれたように各務の身体から手と股間を離した。慌てて各務のスラックスからぬるりと手を引き抜き、数歩後ずさる。
「だ、誰だ……っ!?」
男は手元を震わせながら懐中電灯を握り直し、光の束をフロアの暗がりへと向けた。荒い呼吸と冷や汗が、男の制服をじわりと濡らしていく。職権乱用の現場を見られたかもしれないという恐怖に、その顔は急速に蒼白くなっていた。
一方、解放された各務は、上げさせていた両手を静かに下ろした。
呼吸を整えながら、乱れたブラウスの胸元とスラックスのホックへ優雅に手をやり、何事もなかったかのように手際よく身なりを整えていく。
「……風か、不審者でしょうか。確認してこられたらどうですか?」
静まり返ったエントランスに、各務のどこか艶を帯びた涼やかな声が、薄暗闇の中にぽつりと落ちた。
「ひ、ひとまず確認してきます! 貴女もも早く退社してくださいよ!」
懐中電灯の光を前後に泳がせながら、警備員の男は情けない足取りで暗闇の奥へと走り去っていった。
その背中を冷ややかな瞳で見送った各務は、小さく息を吐き出すと、何事もなかったかのように踵を返した。静かな足音だけを響かせ、自分のデスクへと向かう。無造作に置かれていた目的の書類を手に取ると、彼女はすぐさま出口へと歩みを進めた。
薄暗いフロアの出口へ差し掛かった、その時――。
「おや、各務さん。こんな夜遅くにどうしたんだい?」
影の中からぬっと現れたのは、モップを手に持った壮年の用務員、四島だった。
深く刻まれたシワと、長年の立ち仕事で鍛え上げられた頑丈な体躯。作業着越しにもわかる無骨な雰囲気をまとった四島は、手にしたモップを壁に立てかけながら、怪訝そうに各務へ視線を向けた。
「四島さん……。ええ、少し忘れ物をしまして」
各務は書類を胸元に抱え、いつものような淑やかな笑みを浮かべて見せる。
しかし、四島の眼は誤魔化せなかった。彼女のブラウスのわずかな乱れ、そして薄暗がりの中でも隠しきれていない、少しだけ紅潮した頬と乱れた呼吸。
「……そうかい。まあ、夜の会社は物騒だからね」
四島は低く擦れた声でつぶやくと、ゆっくりと各務との距離を詰めた。その無骨な手が、彼女のすぐ脇の壁へとつかれ、出口を塞ぐ格好になる。
「さっき警備の奴と何か話していたみたいだが……各務さん、顔がえらい熱っぽいじゃないか」
鼻孔をくすぐる中年男性特有の汗とタバコの匂い。四島の放つ無言の圧迫感に、各務の胸の奥で、先ほど冷めかけたばかりの熱が再び疼き始めていた。
「……各務さん。手、壁についてごらん」
四島の擦れた低い声が、静まり返った通路に響く。抗う隙すら与えない威圧感に促され、各務は自ら両手を伸ばし、ひんやりとした壁へと掌をついた。
その瞬間、背後からがっしりと重厚な体躯が覆いかぶさってくる。
四島の無骨で分厚い胸板が、各務の背中に隙間なく押し付けられた。作業着越しに伝わる男の粗野な体温と、中年特有の煙草と汗の匂い。鼻腔をくすぐるその濃厚な雄の臭いに、各務の喉から小さく熱い息が漏れ出た。
四島は、各務がこの会社に入社した当初から、何かと「世話」になっていた男の一人だった。
新人時代の右も左も分からない時期から、表向きは頼れるベテランの用務員として、そして裏ではその豊満な肉体を不定期的に調教し、快楽の味を共有した。各務の身体の弱点も、どんな攻め方をされれば悦ぶのかも、四島はすべて知り尽くしていた。
「……警備の若造に生殺しにされて、ずいぶん溜め込んでる顔をしてるじゃないか。ん?」
「ふぅ……っ、四島、さん……。意地悪を……言わないで、ください……」
壁につけた両手にキュッと力がこもる。
背後から回された四島の太い腕が、各務のブラウスの上から、あの規格外の爆乳を慣れた手つきで力任せに鷲掴みにした。警備員の男の生ぬるい撫で回しとはまるで違う、肉の深くまで食い込むような強烈な圧迫。
「う……ぁ……っ!」
経験が染み付いた身体は瞬時に四島の手に反応し、各務のつま先がぐらりと揺れた。
弱点を的確に押し潰され、捏ね繰り回されるたび、先ほど不完全燃焼のまま焦らされていた膣奥の熱が、一気に爆発的な歓喜となって下腹部へとなだれ込んでいく。
「相変わらず素直な身体だ。……ほら、お望みの『世話』をしてやるよ」
耳元で低く笑う四島の股間が、各務の尻の間に割り込み、ズボンの上からでも分かる膨らみを力強く押し当ててきた。
「く……ぁッ……!」
四島のの手慣れた手つきは、容赦がなかった。ブラウスのボタンが弾け飛ぶような勢いで押し開かれ、黒いレースのブラジャーごと押し上げられると、各務の豊満な生乳が惜しげもなく夜のオフィスへと剥き出しにされる。
剥き出しになったたわわな白桃へ、四島のゴツゴツとした粗野な手が直接食い込む。
「相変わらず、良い乳だ」
「ん、あ……ッ、直、せつぅ…………っ!」
冷たい外気と、四島の熱くザラついた手掌の対比。剥き出しの先端を指の腹で力任せに潰され、捏ね繰り回されるたび、各務の口から甘い悲鳴が零れ落ちる。
間髪を容れず、四島のもう片方の手が各務のスラックスと下着を一気に膝下まで引きずりろされる。露わになった無毛の秘丘からは、すでに溢れ出た愛液が太腿を伝い落ちるほどに滴っていた。
「口ではなんとでも言えるが、下は正直そのものじゃないか……ほら」
四島は作業着の前を開け、すでに獰猛に怒張した己の一物を、各務の濡れそぼった密裂へとダイレクトにあてがった。
――ズ、ちゅ、と。
「んぁあああッ……!?」
何の前触れもなく、一切の抵抗を感じさせずに、四島の一物が深く、滑らかに子宮口の手前まで貫通する。
身体の芯まで熟し切っていた各務の膣は、まるで長年待ち望んでいたかのように四島の一物を貪欲に巻き込み、熱い肉ひだ全体で力強く締め上げた。
「、相変わらず極上の締め付けだ……! 残業代代わりに、たっぷり可愛がってやるよ…!」
「はぁっ、あぁッ……! し、四島さん……っ、奥……奥まで、きちゃっ……!」
壁に手をついた体勢のまま、各務は耐えるように背中を丸める。
表面上の冷静さは完全に崩壊し、無人のオフィスフロアに、肉と肉がぶつかり合う激しい音と、淫らな呼吸音が響き渡り始めた。
ズチュ、ズチュと、濡れそぼった肉ひだと一物が擦れ合う、生々しく淫らな音だけが無人のフロアに虚しく響き渡る。
四島は長年の経験で培った腰使いで、各務の敏感な一点を叩くように容赦なく激しく突き穿っていた。だが、各務の口から漏れ出るのは、時折かすかに漏れる熱い息遣いと、唇の隙間から零れるわずかな吐息のみ。
かつてこの男に身体を開かされ、快楽を叩き込まれた過去があるからこそ――各務は壁に額を押し付け、必死に声を殺していた。どれほど激しく奥を叩かれようと、声を出して屈伏することだけは自尊心が許さない。表情を硬く引き締め、静かにその激進を受け止め続ける。
「くっ…、可愛気のない声の殺し方しやがって……っ!」
声を上げさせようと、四島は鷲掴みにした生乳を強烈に揉みしだき、さらに深く、重いピストンを叩きつける。しかし、各務はただ爪を壁に食い込ませ、背筋をピクピクと痙攣させるだけに留めた。
だが、いくら声を殺そうとも、内壁は四島の一物を狂おしいほど強力に締め上げていた。
「くそっ……もう限界だ、各務……っ!」
喉を詰まらせた四島の咆哮とともに、腰が強く押し込まれる。
――ドスッ、と。
最奥まで完全に突き立てられた状態で、四島の身体が激しく硬直した。
「ん……ッ……!」
各務は背中を反らせ、固く目を閉じる。
ゴムすら着けていない生の男根から、ドクドクと勢いよく解き放たれる脈打つ熱量。それがダイレクトに子宮口を叩き、膣奥を熱い精液で満たしていく感覚が、逃げ場のない快感となって各務の脳髄を白く染め上げた。
精子を注ぎ込み終えた四島が荒い息を吐きながら身を引くと、結合部からどろりと溢れ出た熱い白濁が、彼女の太腿を伝って静かに床へと滴り落ちる。
「……おいおい、これで終わりだと思ったのかい? 久々の各務さんの身体だ、こんなものじゃ全然足りねえよ」
荒い息を吐きながら一物を引き抜いた四島だったが、解放する気など毛頭なかった。ドロリと精液を滴らせる各務の腰を後ろからガッシリと掴むと、力任せにその身体を翻させ、壁へ背中を押し付けるように抱え直す。
「あっ……! し、四島さん……っ!?」
突然の浮遊感に、各務の瞳が驚きで揺れる。
四島は各務の太腿をすくい上げ、完全に宙へと持ち上げた。いわゆる『駅弁』の体位――自重のすべてが陰部に集中し、四島の一物を逃げ場なく最奥まで受け入れざるを得ない格好だ。
「さあ、第二ラウンドだ……もっと鳴いてみろ」
四島はニヤリと浅黒い顔を歪めると、自分の体格と腕力に任せて、まだ熱を帯びて怒張する一物を下から突き上げた。
――ズ、ちゅ、と。
「ぁう、ああッ……!?」
自身の体重がすべてかかり、先ほどよりもさらに深く、子宮口を押し潰すように最奥まで貫かれる。
各務は落ちまいと四島の太い首に両腕を回し、その強靭な背中にしがみついた。逃げ場を完全に失った状態で、激しい上向きの突き上げが開始される。
重力に従って落ちてくる各務の膣奥へ、四島の一物が容赦なくドスドスと突き刺さる。
「くっ……重みで、さっきより……格段に締まりが良いぞ……っ!」
「あッ、あぁッ……! だめ……っ、これ、深すっ……ぎ……ッ!」
声を殺そうと耐えていた各務の理性が、自重による圧倒的なストロークの深さに急速に削られていく。
直前に四島が注ぎ込んだばかりの熱い精液が、ピストン運動によって膣内でグチュグチュと音を立てて泡立ち、二人の結合部から愛液とともに飛沫となって飛び散った。
「あっ……ぁっ……んくッ、ふぁ……っ!」
どれほど声を殺そうと耐えていた各務だったが、逃げ場のない怒濤の快楽に、ついに膝をガクガクと震わせた。爪を四島の背に食い込ませ、声を出さぬよう必死に忍び泣くようにして――何度も、何度も静かに絶頂の波へと飲み込まれていく。
絶頂を迎えるたび、各務の膣奥が狂おしいほどの力で四島の一物を強く、強く締め上げた。
「くそっ……! 声は出さねえ癖に、中はずいぶんと素直に俺のを締め付けてくるじゃねえか……っ!」
締め付けられる快感に、四島の興奮も最高潮に達する。
四島は抱え上げる腕にさらに力を込めると、各務の胸元へ顔を埋めた。剥き出しになった豊かな白桃の頂点――引き締まった二つの乳首を、交互に力強く口に含み、吸い上げ、激しく舌先で転がす。
「あぁッ……! ん、んぁッ……! そこ、は……っ!」
膣奥を穿たれながら、同時に乳頭を強く吸われる快感。各務の脳裏は完全に真っ白へと染まり、白目を剥く勢いで背筋を弓なりに反らせた。
その反応に気分を良くした四島は、最後の力を振り絞るようにして激しいラストスパートをかける。
ズチュ、ズチュ、ズボ、と淫らな泡立ちの音を奏でながら、下からの獰猛な突き上げが何度も繰り返され――
「くっ……出、出るぞ……っ! 各務ッ!」
――ドスッ!!
一際強く、腰の根元まで深く叩きつけられた瞬間、四島の動きが止まった。
「、ぁ――――ッ!?」
各務の子宮口を押し潰すようにして、再び大量の熱い種子が一気に解き放たれる。
一発目以上の勢いと熱量で、直で注ぎ込まれるドクドクとした脈打ち。すでに精液で満たされていた各務の膣奥は、溢れんばかりの熱量に膨れ上がり、逃げ場のない快楽の余波に各務の身体は大きく跳ね上がった。
抱えられたまま、各務は四島の首に腕を回した格好で、しばらく絶頂の強烈な痺れに痙攣し続けていた。
静まり返ったフロアの出口付近で、二人の荒い息遣いと、結合部から滴り落ちる熱い液体の音だけが、ぽつり、ぽつりと重く響いていた。
「ふぅ……久しぶりに満足させてもらったよ」
四島は荒い息を吐きながら一物を引き抜くと、抱え込んでいた各務の体をそっと床へ下ろした。
力なく膝をつきそうになりながらも、各務は壁に手をついてどうにか立ち続ける。四島は慣れた手つきで作業着のボタンを留め直すと、壁に立てかけてあったモップを手にとった。そして、床に散らばった愛液と精液の混ざり合う汚れを、手際よく拭き取っていく。
「あ、あり……がとう……ございました……」
各務は乱れた息を整えながら、辿々しく感謝の言葉を口にした。
普段の整った口調はすっかり影を潜め、喉は擦れ、声には先ほどまでの激しい快楽の余韻が色濃く残っている。彼女は膝を震わせながら、床に落ちていた下着とスラックスを拾い上げ、一つひとつ服をつけ直していった。
床を綺麗に拭き終えた四島は、モップを肩に担ぐと、身なりを整え終えた各務の横顔をニヤリと見下ろした。
「また同じ時間に来たら、たっぷり相手をしてやるよ。……忘れ物には気をつけろよ、各務さん」
それだけ言い残すと、四島は背を向け、暗い通路の奥へと姿を消していった。
一人取り残された各務は、静まり返ったフロアで深く息を吐き出す。股間から太腿へとどろりと伝い落ちてくる四島の温かい熱を感じながら、彼女は乱れた髪をそっと手ぐしで整え、静かにオフィスを後にした。