賭ケ堕チル ——黒いチョーカーと快楽ハッキング調教—— 作:坂本太郎
第二話:家畜救済の絶対的支配 ——蕾 菜々美
愛浦心を完全に手懐け、自身の忠実な飼い犬へと仕立て上げた神代朔夜。クラスの女王を瞬時に陥落させた新星の噂は、瞬く間に学園内へと広がりつつあった。
しかし、この学園には、ギャンブルに負けてカーストの最底辺へと叩き落とされ、人間としての尊厳すら奪われた「家畜」たちが大勢存在する。2年椿組の蕾菜々美も、その一人だった。
「おい、ミケ。何ノロノロ歩いてんだよ」
廊下の隅で、菜々美は数人の男子生徒に囲まれていた。中心にいるのは、彼女を執拗にいたぶる木渡潤。菜々美の実家が裕福でないことを知った上で上納金を搾取し、彼女が小学校から大切に伸ばしていた美しい長髪を「なんとなく」という理由だけで切り落とした張本人だ。
「す、すみません、木渡さん……」
短く不揃いに切られた髪を震わせ、菜々美は床に這いつくばって飛び散ったコインを拾い集めている。抵抗する意思を完全にへし折られたその瞳には、深い絶望と諦めだけが澱んでいた。
そこへ、ゆっくりと歩み寄る足音が一つ。
「おやおや。実に見苦しい。男が数人がかりで、抵抗できない女の子を虐めるとはね」
声の主は朔夜だった。その背後には、昨日までとは打って変わって、朔夜の影のように付き従う愛浦心の姿がある。
「あぁ? なんだお前。……あ、噂の転校生か。心が大人しくなったと思ったら、お前に乗り換えたわけね」
木渡が下品に鼻で笑う。
「木渡、神代様に対して不敬よ。万死に値するわ」
心が冷徹な目で木渡を睨みつけるが、朔夜はそれを手で制した。
「いいんですよ、心。……木渡くんでしたね。その蕾さんという子、僕に譲ってくれませんか? 彼女の抱えている債務、僕が肩代わりしてあげてもいい」
その言葉に、菜々美が弾かれたように顔を上げた。木渡は怪訝そうに眉をひそめる。
「は? 譲る? 面白いこと言うじゃねえか。じゃあギャンブルだ。お前が勝ったらこのミケをくれてやる。だがお前が負けたら、その軍資金と、後ろにいる心も俺たちに寄こせ」
「いいでしょう。ゲームはシンプルに、一枚のカードの強さを競う『ハイ&ロー』で。ディーラーは心、君がやりなさい」
心がデッキをシャッフルし、二人の前にカードを伏せる。
木渡はニヤニヤしながらカードを確認した。「キング(13)」。ほぼ勝ちが確定した最強の数字だ。
「おいおい、悪く思うなよ転校生! 俺の勝ちだ!」
木渡が自信満々にカードを叩きつける。
しかし、朔夜は表情一つ変えない。
「なるほど。ですが、僕のカードはそれ以上です」
朔夜がめくったカードは「エース(1)」。このゲームにおいて、キングをも凌駕する唯一の絶対カードだった。
「な、何だと……!? クソが、イカサマか!?」
「おやおや、証拠は? 心がシャッフルしたカードを、僕はただ引いただけですよ。……さあ、約束通り彼女は僕が引き取ります」
木渡はチッと舌打ちをし、「ケッ、そんな出がらしの家畜、くれてやるよ!」と言い捨てて仲間と共に去っていった。
廊下に取り残された菜々美は、ガタガタと身体を震わせている。
「あ、あの……ありがとうございます。でも、私、お金も、お返しできるものなんて何も……」
朔夜は菜々美の前に屈み込み、不揃いに切られた彼女の髪に優しく触れた。その手つきは酷く甘やかで、同時に絶対的な支配者の冷徹さを孕んでいた。
「お金なんていりませんよ、菜々美。僕が欲しいのは、君の全てだ。髪を切り落とされ、尊厳を奪われ、誰も助けてくれなかった暗闇の中で……僕だけが君を救った。そうだろう?」
「あ……」
菜々美の瞳に、救い主を見つめるような狂信的な光が灯る。
「放課後、僕の部屋へ来なさい。君が失った尊厳の代わりに、これからは僕の手で、極上の『快楽』と『存在理由』を授けてあげます」
### 放課後の朔夜の部屋にて
薄暗い照明が舞う埃を金色に照らし出す部屋。ベッドに腰掛けた朔夜の前で、制服姿の菜々美が俯いて立っている。不揃いに刈り取られた髪が不安げに揺れ、彼女が発する言葉はか細く震えていた。
「あの……ご主人様。私が、その……相手をするなんて、恐れ多いことです。こんなボロボロの身体で……」
朔夜はその頬に優しく掌を添え、親指で瞼を拭うように撫でた。温もりが伝わった途端、菜々美の瞳孔が大きく開く。
「誰が決めた? 君の身体は君自身のものであり、今は僕だけの宝物だ。……まずは、その身体に染みついた恐怖を、僕の快楽で上書きしてあげよう」
低く穏やかな声が鼓膜を震わせる。喉奥から嗚咽が込み上げた。今まで受けてきた侮蔑も痛みも忘れるほど、胸が締めつけられる安堵と高揚。菜々美は涙を零しながら頷いた。
「あぁ……はい……ッ! 私のご主人様……ッ!」
朔夜がブラウスのボタンを外していくと、晒された胸元には木渡の暴力による痛々しいアザが残っていた。指先でアザをそっとなぞる朔夜の吐息に、微かな嫉妬と独占欲が滲む。
「醜い痕跡は消してしまおう。僕が新しい印を刻み直すから」
その言葉通り、朔夜の唇がアザの一つ一つを覆い尽くすように吸いついた。鈍い痛みと共に紅潮していく肌。菜々美は小さな呻き声を洩らしつつ身悶えした。
「ひゃあ……ッ! すごく熱いですぅ……痛いけど……これすきィィ♡」
そのままスカートを捲り上げられ、ショーツを割り開かれる。露わになった秘丘へ朔夜が容赦なく顔を埋め、分厚い舌で割れ目を丹念に舐め上げ始めると、粘膜全体が激しく痙攣し始めた。初めて覚える直接的な官能に戸惑いながらも、菜々美の声量は大きくなってゆく。
「んっ♡ あッ♡ そっそこぉ……あ゛ーッ!!」
敏感な突起部を歯牙に挟まれ、甘噛みされる度、甘い熱が押し寄せていく。
「イッ……イクゥゥウウッ!!!」
菜々美は盛大に愛液を吹き出しながら、最初の絶頂に身体を硬直させた。
激しく息を荒らげる菜々美の髪を、朔夜は愛おしそうに撫で回す。その手つきに脳まで蕩かされた菜々美は、ベッドの上でハァハァと熱い吐息を漏らしながら、朔夜のスラックスの奥で狂おしく硬度を増している質量を、潤んだ瞳で見つめた。
自分を暗闇から救い出してくれた神様。この人を、もっと喜ばせたい。その一心で、菜々美の身体は本能的に動き出していた。
「ご主人様……私に、それを吸わせてください。ご主人様を、もっと気持ちよくしたいです……っ」
菜々美は自ら進んでベッドの下へ四つん這いで膝をつくと、朔夜の逞しい雄芯を両手で包み込み、熱い吐息を吹きかけながら自ら進んで唇を寄せた。
「ん、むぅ……レろっ、んぐぅ……っ♡」
まだ不慣れな口つきで、大きなペニスを必死にくわえ込み、舌を絡ませていく。喉を突かれて涙目になり、ツバキを垂らしながらも、朔夜を満足させたい一心で健気に、そして卑しく首を振る菜々美。
自発的なその熱心なご奉仕に、朔夜の腰が自然と進む。菜々美の小さな口内が熱い肉壁で満たされ、限界を迎えた朔夜は、彼女の喉の奥深くへと熱い精液を解き放った。
「んぐ、ふぅ……っ、はぁ……っ」
口元から白濁液を溢れさせながら、菜々美は嬉しそうに微笑んだ。
「ご主人様の種、とっても熱いです……っ」
「本当に可愛い雌猫だ。だけど、本番はこれからだよ」
朔夜は菜々美を再びベッドへと引き上げると、濡れそぼる彼女の内腿を力強く押し広げた。先ほどのフェラでさらに硬度を増した二度目の剛直が、菜々美の潤った最奥へと一気に突き立てられる。
「ぎもちい゛……ッ! ご主人さまぁ……ッ! お腹の奥まで、ぜんぶ、朔夜様のモノが入ってきてるぅぅ……っ!!」
律動する腰使いに合わせて揺れる短髪。激しい肉体の衝突音が部屋に反響する中、菜々美のナカは朔夜の質量にぴったりと吸い付き、極上の収縮を繰り返す。
「これから一生、こうやって可愛がってあげる。……僕の腕の中で、何度もイき狂いなさい」
「はいぃぃッ! また、またイグゥゥッ!!」
激しいピストンの果てに、二人は同時に絶頂を迎えた。朔夜の二度目の濃厚な精液が菜々美の子宮を優しく、しかし容赦なく焼き尽くしていく。
意識が朦朧とするなか、ベッドに横たわる菜々美の首元へ、朔夜はそっと手を伸ばした。ポケットから取り出したのは、鈍い光を放つ「黒いチョーカー」だ。
カチリ、と冷たい金属音が響き、彼女の細い首に強固な首輪が嵌め込まれる。
「これで君は、名実ともに僕だけのものだ。もう誰も君を傷つけられない」
首輪の重みを感じながら、菜々美の心には絶対的な安心感と、この男に一生を捧げるという至上の幸福感が満ち溢れていた。
### 翌日の放課後 2年椿組 教室
翌日の放課後。
椿組の教室で、木渡は苛立たしげに机を叩いていた。パシリである菜々美が、朝から一度も自分の前に現れないからだ。
「おい、あのミケ、どこへ行きやがった――」
その言葉が終わる前に、教室の扉が静かに開いた。
入ってきた人物を見て、木渡だけでなく、クラス全員が息を呑んだ。
そこにいたのは、昨日までの怯えた「家畜」の蕾菜々美ではなかった。
不揃いだった髪は綺麗に整えられ、その肌はどこか艶っぽく上気している。何より、その首には心の物とお揃いの、朔夜の所有物であることを示す「黒いチョーカー」が誇らしげに巻かれていた。
菜々美は木渡の机の前を素通りし、教室の後ろで待っていた朔夜のもとへと歩み寄る。
「神代様。言われた通り、木渡の持ち物だった私物の整理をしてまいりました」
菜々美の声に、もう怯えは一切なかった。彼女の瞳は、朔夜への狂信的な忠誠と、昨夜刻み込まれた快楽の余韻で潤んでいる。
「ふざけるな、蕾! お前、誰の許可得てそんな格好してんだ!」
木渡が怒鳴り散らすが、菜々美は冷ややかに一瞥するだけだった。
「木渡さん。私はもう、あなたのミケではありません。私は神代朔夜様のものです。……あの方に壊されることだけが、今の私の幸せですから」
そう言って、菜々美は朔夜の足元にしなだれかかり、彼の靴にそっと唇を寄せた。
「よくできました、菜々美。これで君は、僕の二人目の可愛い雌猫だ」
朔夜は菜々美の顎を持ち上げ、クラスの全員が見ている前で、見せつけるように深く唇を重ねた。絶望の底から救い出され、快楽によって完全に生まれ変わった菜々美は、嬉しそうにその身を委ねていた。
(第二話 了)