※この作品はR-18です。

全裸のダンジョンマスター〜わたし魔物のお母さんになります〜   作:やばい性癖

2 / 3
ネズミ※

 

 サッと血の気が引き、心臓がバクバクと今まで経験したことのないくらい大きく鳴っていた。

 呼吸は浅く、もはや空気を吸っているのか吐いているのかもわからなかった。瞬きを忘れてしまった目は、乾いてヒリヒリしている。それでも視線はあの大きなネズミから離すことができなかった。

 

 ネズミはすでに正面のアーチをくぐり、わたしとの距離は5メートルくらいまで縮まっていた。

 赤い目は小さな光じゃなかった。青空の下に出てきたその目は、濡れたガラス玉のようにてらてらと光って、真ん中の黒目がわたしをとらえたまま動かない。口の両脇の長い髭が、ぴんと小刻みに震えていた。

 

 黒い爪が煉瓦を引っ掻く音がして、また距離が縮まる。

 

 逃げないといけないことはわかっている。今すぐ立ち上がり、走ってアーチの外へ、そして、できる限りネズミから離れないといけない。

 頭ではわかっているのに、身体は全く動かなかった。

 

 膝を抱え込んでいた手はいつの間にか床を突いていて、指先は冷たい煉瓦に張り付いてぴくりとも動かない。身体の前に揃えた膝は気付けば崩れていて、大きく足を開いてネズミに全てを曝け出すように見せつけていた。

 思わず声を出そうとしたのに、喉の奥がヒュッとなっただけだった。

 

 ネズミは細かく鼻先をヒクヒクと動かしながら近づいてきている。何かを確かめるように空気を吸い込んでいた。

 

 匂いを嗅がれている。今更ながら自分が裸であることが気になった。何も隠すものがない汗ばんだ素肌のわたしの匂いを、このネズミは熱心に吸い込んでいる。

 

 フゥ……フゥ……

 

 心なしかネズミの呼吸が変わってきた気がする。遠くから聞こえた低い唸り声じゃなくて、重く荒い鼻息が、何かに煽られたかのように繰り返され始めた。

 

 ついに鼻息すら感じる距離までネズミが近づいてきた。背中の丸い巨体がグッと縮こまって、後ろ足に力が溜まっていくのがわかってしまった。わたしに飛びかかろうと狙っている。

 

 全身の産毛が逆立ち、心臓は一際大きく跳ねて、目の縁にじわっと熱いものが滲む。

 

 怖い。怖い怖い怖い。このまま襲われたらあの大きな黒爪で引き裂かれる。あの大きな前歯で齧られて食べられてしまう。死の瀬戸際にできたことは、言葉にもならない叫び声をあげることだけだった。

 

「止まって!!!」

 

 祈りとも悲鳴ともつかない声が心の底からせり上がり、口から溢れ出した。何とか出せた声は想像よりずっと小さかった。その代わり、わたしの身体の中心から周りに向かって、見えない力が広がっていくのがわかった。

 

 気づくとわたしを中心に、半径10メートルほどの透明な膜が張られていた。

 

 膜の外の世界は音が抜け落ちていた。ずっと聞こえていた葉ずれの音が消えてしまった。肌に感じていた生ぬるい風が途絶えた。残ったのは自分の心臓と呼吸の音だけで、息遣いすらやけに大きく聞こえる。

 

 空から降りそそぐ太陽の光はすっかりと色褪せていて、その代わり膜が光を放ち揺らめいているように見えた。

 神殿の外の緑は相変わらず生い茂っているのに、葉は全てピタリと固まって写真のように動かない。アーチの外に見える羽虫は宙に浮いたまま静止していた。

 

 そのときわたしはナナリア様の言葉を思い出していた。

 

「二つ目は時の箱庭という力です。周りの時間を止めてななみちゃんだけの空間を作れる力です」

 

 きっとこれが時の箱庭だ。周りの時間を止められる。この力があればもしかして助か——

 

 視線をネズミに戻したわたしはそのまま息が止まってしまった。

 

 ネズミは止まってなどいなかったのだ。

 

 あの荒い鼻息はまだ続いていて、赤い目もてらてらと光ったまま、じっとわたしを見つめていた。膜の外では葉も風も羽虫も全てが止まっているのに、わたしとネズミだけがこの世界で動いていた。

 

 あの光る膜は、わたしとネズミを両方とも包み込むように展開されている。わたしがやったことは、自分を追い詰めただけだったのだ。

 

 うまく動かない身体を何とか動かし、立ち上がってせめて距離を取ろうとしたら、足がもつれて転んでしまった。背中越しにネズミに視線を動かすと、黒い影が飛び出しているのが見えた。

 

 次の瞬間、肩に岩のような重さがぶつかった。そのまま頬に煉瓦の冷たさが押し付けられて、受け身もうまく取れないまま、わたしはうつ伏せに倒れていた。

 

 背中に生き物の重さが丸ごと乗っている。針みたいに硬い毛が肌をチクチクと刺して、体毛の付け根からは燃えるような熱い体温が伝わってくる。床に押し付けられた鼻先からは土埃の匂いがして、その上からは嗅いだことのない獣の濃い匂いがかぶさってきた。

 湿った体毛と、熱い吐息の生臭さ、そして鼻をつく雄の匂い。

 

 肩に爪が食い込んだ。じりりと皮膚に焼けるような痛みが走って、身体がすくんだ瞬間、うなじに獣の熱い息がかかり、髪ごと噛みつかれた。

 

「——っ!」

 

 あの大きな黄色い前歯が、わたしの首の後ろを、髪の毛の束ごと挟んでいる。なぜか皮膚を噛みちぎられたわけではない。でも逃げたらきっとこのまま噛みちぎられると思うと指先まで冷たくなり、身体が硬直してしまった。

 

 ふと噛まれた首筋の圧迫感が消えて、耳のすぐ後ろで鳴っていた鼻息が遠のいた。

 

 離れてくれたと安堵するまもなく、腰骨に前足の爪が引っかかるのを感じた。ぐいっと腰だけが無理やり持ち上げられて、倒れ込んだままの上半身が煉瓦の上を擦りながら引き寄せられる。

 胸は潰れたまま、お尻だけが高く突き出された格好にされて、自分の身体を勝手な形に変えられていく。

 

「やめて!!何でこんな格好に!!」

 

 手を振り回して必死にもがくと、またのし掛かられて首筋を噛まれた。そうするとわたしは途端に動けなくなってしまう。

 

 ふいに太ももの裏にぬめりとした熱いものが触れた。

 

 指でも、爪でも、歯でもない、先の尖った、芯のあるぬめった熱いもの。それがお尻の谷間を探るように、にちゅにちゅと滑って、押し込む場所を確かめている。

 

 一体何をしているんだろうか、分かりたくないのに、ナナリア様の言葉を思い出してしまった。

 

「ななみちゃんには魔物たちとセックスをして、お腹に赤ちゃんを宿して生んでもらいます」

 

 今わたしのお尻を擦っているのは、おちんちんだ。ネズミのおちんちんなんだ。

 

 このネズミはわたしを食べようとしているのではなかった。別の目的ためにわたしに襲いかかったのだ。わたしに赤ちゃんを産ませようとしているのだ。

 ネズミがわたしを捕食しようとしていないことがわかると少し安堵してしまったが、すぐに別の恐怖にかき消されてしまう。

 

「やだ……やだ……ナナリア様、わたしこんなのって……」

 

 尖った先端が割れ目の上をぬるっと滑る。何度も行き先を探すように往復して、やっとおまんこの入口に狙いが定まる。

 

 ずぷ、とネズミのおちんちんの先っぽがわたしの中に沈んだ。

 

 思わず息が止まる。尖った先端がまだ誰にも触らせたことのない場所を、内側から無理やりこじ開けようとしている。自分の指とは全然違って熱くて、ぬめぬめしていて、そして硬い。

 

 みちみちと、どんどん膣口が押し広げられていく。

 

「待って、もう無理だよ……入らない、そんなの入らないって……」

 

 おちんちんの先端は、入ってすぐに浅いところで、何かに突き当たって一旦止まってしまった。

 

 自分でも触れたことのない場所、処女膜をネズミのおちんちんが突き破ろうとしている。尖った先っぽに押されて、限界まで張り詰めていくのがわかる。

 

「はじめての時ってとっても痛いんだって。血もでるんだよ」

 

 いつだったか施設の部屋の隅で高校生のお姉さんが声をひそめて教えてくれた言葉が急に鮮明に蘇った。

 

 きっとこのことだったんだ。……でも初めてがネズミなんて…嫌だ。やめて。それ以上は本当に……

 

 ネズミの腰が深く沈んだ。

 

 張り詰めていたものが、一気に裂けた。

 

 音が聞こえるわけなんてないのに、身体の内側からずぶりと響くようだった。おまんこに火箸を差し込まれたような熱と痛みが走り、その後にずちゅんっと硬い芯が根元まで潜り込んでくる衝撃が伝わってきた。

 

「——」

 

 もう声も出せなかった。

 

 痛みがおまんこから脊髄まで突き抜けて、眼前の煉瓦の床に白い星が飛ぶ。息を吸ったまま吐き出すことができず、見開いた目からは涙がポロポロと勝手に溢れて煉瓦にシミを作った。

 

 お腹の一番奥の行き止まりのところに、こつんと硬い先端が当たっている。わたしの中の誰も知らなかった突き当たりまで、ネズミのおちんちんが届いてしまっている。

 奥に達した部分がどく、どく、と脈を打ち、わたしを内側から揺らしている。

 

 太ももを生暖かい液体が伝い落ちるのを感じた。

 

 見えなくても分かる。きっとわたしの破瓜の血だ。細い筋になって膝の裏の方に流れて、鉄錆のような匂いが、獣の匂いの中に混ざり込んだ。

 

 わたしの初めて、ネズミに奪われちゃったんだ。

 

 もう何でもいいから早く抜いて、お願いだから——

 

 願いを言葉にする前に、ネズミの腰が動き始める。

 ずちゅ、ずちゅと濡れた音を立てて、硬い芯が膣壁を擦り上げる。おちんちんの根本にある瘤が膣口を押し広げるたび、カリの段差が奥の内側を引っ掻くたび、未だ生々しい痛みが激しく弾ける。おまんこを突き上げられるたびに、胸や頬が煉瓦に押しつけられて、声の代わりに潰れた息が漏れる。

 

「⋯⋯っ、ぅ⋯⋯っ、⋯⋯は、⋯⋯っ」

 

 フゥッ、フゥッ、と背中に感じる鼻息がどんどん荒くなっていく。ネズミのピストン運動が一層速く、深くなっていき、ついに最奥をこつこつと叩いていたおちんちんの先端が、ぐっと子宮口に押し付けられた。

 

 ネズミの全身がぶるりと震え、お腹の奥に熱いものがびゅっびゅっと迸る。熱い。

 

 子宮の入口にぴったりと押し付けられた先っぽが震えるたびに、煮えたぎるものがお腹の一番奥に流し込まれていく。

 一度だけじゃ全然終わらない。二度、三度、注がれるたびにお腹の奥が押し広げられて、行き場のない熱が未だにじんじんと痛むおまんこの内側に染み渡っていく。

 

 入りきらなかった体液が、つながった部分の隙間からぶしゅと押し出されて、内腿をつたい落ちていく。

 

 これが精液なんだ……学校で習った言葉。わたしの中にいっぱい出されている。赤ちゃんのもとになるものが、ネズミのものが……

 

 やだ……赤ちゃんができちゃう……ネズミの赤ちゃんが……

 

 あまりの出来事にショックで放心していると、ぬぽ、と音を立ててネズミのおちんちんが引き抜かれる。うなじを挟んでいた歯が離れて、腰の上から重さが消えた。

 確か、男の人は一度出せば収まるはずだって……

 

 全身に入っていた力が抜けて、安堵の息が漏れる。終わった、終わったんだ。

 膝が曲がり、腰がゆっくり床へ落ちていく——

 

 落ち切る前に爪がまた腰骨に食い込んだ。

 ぐい、と引き戻されて、腰から背中にかけてあの重みと獣臭が再びのし掛かる。ヒィッ、ヒィッ、と鎮まるどころかさっきよりも荒い息を感じる。

 

 太ももの裏にまたあのぬめりとした熱いものが当たったと感じた瞬間、今度はすぐにおちんちんがおまんこに差し込まれてきた。

 

 なんで……さっき出したばっかりなのに……

 

 二度目は最初よりずっと滑らかだった。破瓜の血とネズミに出された精液で中がぬるぬるになっていて、硬い芯が前後するたびに、ぐちゅぐちゅと粘り気のある音が鳴っていた。

 痛いのに、引っ掛かりがなくなった分、動きが一段と鋭くなっている。速くて深く差し込まれる分、息を整える隙間がなくなっていた。

 

 そしてまた、お腹の奥底に熱いネズミの精液がぶちまけられた。

 

 すぐにおちんちんが抜かれると、息を吐く暇もなくまた挿入される。そしてさらにもう一度。

 

 いつの間にか、噛まれている首筋の位置が変わっていた。顔の下の煉瓦は涙と涎でぐちゃぐちゃに濡れている。すでに何度吐精されたかもわからない。

 

 ぐちゅ、ぐちゅと腰のぶつかる音はどんどん湿り気を増している。

 

 最初は血が滲み、乾いた音だったのに、今は結合部からは泡が立ち、柔らかい水音が漏れている。ネズミに出された精液だけじゃない。わたしのおまんこから溢れ出たものが、そこに混じり合っている。

 

 痛いのに……痛いのに……何で……

 

 思いっきり突かれるたびに潰れた胸の先端が煉瓦に擦れる。腰を打ち付けられるたびに、おまんこのてっぺんの一番敏感な部分にチクチクとした毛が当たる。中を擦り上げられるたびに、痛みとは別の痺れるような何かがチリチリと這い上がってくる。

 

「⋯⋯っ、ぁ、っ⋯⋯」

 

 ついに声が漏れてしまった。吐息を吐き出すだけだった喉から、息じゃない音が押し出されてしまった。

 

 今のがわたしの声?違う……絶対に……そんなことない……

 

 コツンとお腹の最奥を突かれた瞬間、腰がひとりでに跳ねた。ネズミから逃げる方向じゃなかった。

 何度も突き立てられるたびに、そのリズムに合わせるように腰が勝手に動いていく。

 

 やめて……違う……わたしじゃないの。そう思ったそばからまたひとりでに腰が揺れてしまう。自分の身体なのに、全くいうことを聞かず、腰だけがネズミのおちんちんに合わせて、奥へ奥へと迎える方に動いてしまう。

 

 ぬちゃ、ぐぽっ、と結合部から漏れる音がどんどん大きく、湿ったものとなっていく。突かれるたびに泡だった白い体液がおまんこから掻き出され、太ももを伝い、高く上げさせられたお尻の真下に水溜りを作る。わたしの股間から、おしっこではないものが垂れてきている。

 

 突き刺すような痛みは、いつしか輪郭が崩れて、じんじんとした痺れの中に飲まれ始めていた。奥をずちゅんと突かれるたびに、視界が白くなる。

 

「あんっ⋯⋯ぁ、あっん⋯⋯」

 

 もはや声が出るのを止めることはできなくなっていた。ネズミのおちんちんが抜き差しされるのと同じタイミングで勝手に喉から音が押し出されている。煉瓦に爪を立てても、唇をキュッと結んでも、ひと突きされるだけで全部ほどけてしまう。

 

「それに、魔物とのセックスはとっても気持ちいいのですよ。ななみちゃんはきっと気にいるはずです。ななみちゃんにはその素質があります」

 

 ナナリア様の言葉が脳裏をよぎる。

 

 気持ちよくなんて絶対になりたくないのに、あんなに痛みを訴え続けてきた膣壁は、ネズミのおちんちんの形を、動きを一つずつ感じ取ってしまう。

 カリの出っ張りがどこをこすっているのか、根本の瘤が入口をどう広げているのか、全部伝わってきてしまうくらいに、わたしのおまんこがネズミのおちんちんの太さに馴染んできてしまっている。

 自分でおまんこをいじるときに感じるあの波の、もっとずっと大きいものが段々と競り上がってくる。

 

 来ちゃう。何かが来ちゃう…

 

 ネズミの前後運動が一際速く激しくなった。ばちゅ、ばちゅと腰がぶつかって子宮の入口に向かっておちんちんの尖った先端がぐりぐりと押し当てられる。

 

「あ、ぁああっ⋯⋯♡」

 

 全身に快楽の波が押し寄せる。つま先が突っ張り、膝が煉瓦を擦り上げ、背中が勝手にしなって、うなじを咥えられた頭が無理やり押さえつけられる。

 震えが背骨を駆け上がっていき、わたしのおまんこは中のものをぎゅう、と締め付けた。自分の身体なのに、自分の身体じゃないようにヒクヒクと痙攣して、視界が真っ白になる。

 

「あ、ぁああっ⋯⋯♡♡」

 

 無毛の割れ目の浅い部分からじゅわっと熱い液体が吹きこぼれる。おしっこを漏らしてしまったような力が抜ける感触が腰に伝わる。でもきっとおしっこじゃなくて、もっと透明な何かがネズミの下半身とわたしの太ももをびしょびしょに濡らしていく。

 

「ひ⋯⋯ぁ⋯⋯♡♡♡」

 

 わたしの口から甘い声が止まらなくなっている。開きっぱなしの口の端からよだれが糸を引いて煉瓦に落ちている。

 怖かったのに、痛かったのに、ネズミに犯されているのに、今のわたしの声は全然苦しそうじゃなかった。

 

 痙攣が続く膣内にびゅるびゅるっと熱が迸る。締め付けた拍子にネズミのおちんちんがわたしの中で跳ねて、そしてまた精液を注がれて、絶頂のうねりと射精の熱がお腹の中で混じり合っていく。

 

「うっ…♡♡、んん…んあ…はぁはぁ♡♡♡」

 

 もうどこまでが自分の身体の震えで、どこからがネズミの律動なのかも判別がつかなくなっていた。

 

 また抜かれて、またすぐに入ってくる。

 

 何度も絶頂を迎えて、何度も精液を注ぎ込まれている。視界はずっとぼやけていて涙が流れているのか、乾いているのかもわからない。頬の下に感じる煉瓦ももう温くなっていた。

 

「んぁ⋯⋯はぁ⋯⋯ぁ⋯⋯♡♡♡⋯⋯」

 

 一定のリズムで揺れ続ける視界の端では膜の外の止まった世界の光がぼんやりと滲んでいた。

 

 だんだんとネズミの動きに乱れが生じた。速さが落ちてひと突きが重くなり、最後にその全身がぶるぶると震えた。どぷどぷと今までよりも長い射精が、わたしの奥に広がっていく。

 

「⋯⋯ぁ⋯⋯ふ⋯⋯ぁ⋯⋯♡」

 

 ネズミはそのまま動かなくなっていた。荒かった鼻息はゆっくりと間隔が広がっていた。うなじに噛み付いていた歯ももはや引っかかっているだけだった。

 わたしは貫かれて、押し潰されたまま、ただ浅い呼吸を繰り返していた。

 

 ひどい匂いがする。獣の、雄の濃い匂いと、青臭くて生臭い、生まれて初めて嗅ぐ匂い。わたしの中にたっぷりと出されたものが溢れた匂いだ。それはわたしの股の方から立ち上って他の匂いと一緒に膜の中に充満していた。

 

「……終わっ………た…の……?」

 

 おまんこはまだ硬いもので塞がれたままだった。何度も注がれたものが行き場を無くして、奥の方に溜まっている。

 わたしのお腹は今までにない張りがあり、水を飲みすぎた時みたいに、おへその裏側から内部が押し出されている。

 少し身じろぎをしただけで、結合部からとぷっと何かが滲んで内腿を伝わっていった。

 

 もう終わったのだろうか。終わったなら、もうどこかに行って……

 

「…ここから……出ていって……」

 

 身体の底から湧き上がる願いが、なんとか口から言葉となって形を成した。

 

 そのとき、急に背中の重さが消えた。

 そこに感じていた熱も、腰骨に掴んでいた爪も、首筋に引っかかっていた前歯も、おまんこを塞いでいたネズミのおちんちんも一斉に失われていた。

 

 股の割れ目からは急に栓が抜けるような感覚が走り、堰を失った白い粘液がどぼっと塊となって溢れ出す。わたしの呼吸に合わせて、どぷどぷと煉瓦を直接白く汚していった。

 

 何が起こったのか全く理解ができなかった。汗で頬に張り付いた髪の毛を煉瓦に擦りながら、ゆっくりと膝を立て、鉛のように重たい首を捻って、恐る恐る振り返る。

 

 ネズミはわたしから離れたところにいた。おちんちんを大きくして、わたしのおまんこに何度も何度も突き立てていたあの体勢のまま、膜の外、アーチの手前で固まっていた。

 あんなに荒々しかった鼻息は全く聞こえなくなり、髭や体毛の一本一本までもがぴくりとも動かない。アーチの外に浮かんでいる羽虫と同じように、生きているはずなのに時間ごと固まっている。

 

 ネズミは膜の外に弾き出されていた。出ていって欲しいと口にすれば、外へ追いやることができるということだろうか……

 

「……説明、不足です……ナナリア様……」

 

 頭がクラクラする。

 なんとか立てていた肘が崩れて、わたしは横向きに煉瓦の上に転がった。霞んだ視界いっぱいに膜から発せられる柔らかい光が滲む。

 

 腰から下は自分のものじゃないみたいだった。黒い爪で掴まれていた腰骨にはまだ鋭い痛みが残り、内腿はヒリヒリとして、割れ目はズキズキと脈を打ち、膝を動かそうとしても震えるだけで力が入らない。

 

 いつからか、わたしはお腹の上に手のひらを置いていた。

 たくさん注ぎ込まれたものは、すでに熱を失っているのに、おへその下の奥の方にまだ何かが残っている気がした。

 

 だんだんと瞼が重くなる。眠りに飲まれながらも、手のひらがお腹の上に置かれているのを感じていた。




■ネズミの生殖器
 サイズ:勃起時15〜18cm
 先端部分:細く尖り気味
 カリ:根元側に瘤状の膨らみ。カリ高で、膣壁の襞を引っ掻く
 バキュラム(陰茎骨):あり
 色:赤紫
 射精量:一回あたりは少なめ
 精液の粘度:粘り強い
 精液の色:白〜薄黄
 精液の匂い:獣臭強め
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。