※この作品はR-18です。

敗北した魔法少女がコロシアムで見世物になる話   作:一畳と地下

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鏡の魔法少女VS怪人ペットトレイナー①

 

「……私を変えて。ミラーサファイア。」

 

コロシアムの入口に立ち、魔法少女へと変身する。

涙と潮でぐちゃぐちゃに汚れたドレスも今は元の綺麗な姿だ。

 

大丈夫。予習はしたし、油断も慢心もない。

昨日はおじさんの見た目に騙されたが、今日は手加減なんてしない。

最初から本気なら、私は負けたりなんかしない。

 

自分に言い聞かせながら、コロシアムへと入場する。

 

『鏡の魔法少女!ミラーサファイアの入場です!

 今日はどんな姿を見せるのでしょうか!!』

 

アナウンスはきっと昨日のような姿を期待している。

 

「今日も可愛い姿見せてくれよー!」

「ミラーサファイアちゃんさいこー!!」

 

昨日は私を応援してるように感じた野次も今は腹立たしい。

手を振るなんて浮かれて馬鹿みたいだった。

睨みつけて返す。

 

『今日はどうやらご機嫌ななめのようです!』

 

腹立たしいアナウンスは無視して、精神を統一しよう。

昨日は相手の挑発に乗って失敗した。

今日はつまらない試合と言われようが、私の得意を押し付けて勝利する。

 

『さぁ対戦相手の入場です!』

『今日の相手は怪人ペットトレーナー!!』

 

スモークの向こうから出てきたのは、私よりも年下に見える男の子だった。

多分中学生くらい?身長は私よりもわずかに低い。

黒い髪が少し目にかかっていて大人しそうに見える。

右手でトランクケースを引っ張り、左手には鞭を持っている。

 

「今日はよろしくね。いい試合にしよう。」

ぼそっと少年が呟いたのが聞こえた。

「……昨日みたいにいくと思わないで。あなたが誰だろうと手加減なんかしないわ。」

そう、手加減はしない。

どんなに恐ろしい動物を繰り出そうが、どんなに可愛らしい動物を繰り出そうが容赦はしない。

その覚悟を決めて私はここに立っている。

 

もう2度とあんな惨めな思いはしたくない……

 

『それでは挨拶も済んだようなので、試合開始です!れでぃ〜ごー!!』

 

少年のもつトランクケースに狙いを定める。

きっとあの中からなにか出してくるに違いない。

 

「……くらえっ!!」

 

鏡の展開よりもワンテンポ早く光弾を撃つ。

トランクケースが吹き飛んだのをみて鏡を展開する。

 

トランクケースは微動だにしない。

でもあれだけ大きく吹き飛んだなら、中の『ペット』も無事では済まないはず。

「めんどくさいことをするね。あとで拾いにいかなきゃ。」

だが少年はあまり気にした素振りを見せない。

 

「肝心のペットは動かないみたいね。ちょっとでも動いたらあなたも撃つわ。」

「……なにか勘違いしてる?なにもしないから、鞄の方を見てみたら?」

 

少年に狙いを定めたまま、トランクケースを一瞥する。

壊れたケースから溢れていたものは…

たくさんの小さな卵のようなもの

えげつないひだひだのついた棒のようなもの。

首輪。手錠。

ルームサービスに載っていたような大人の玩具だ。

 

「……勘違いしてるみたいだけど。

 僕はペットなんて連れてきてないよ。」

 

「君を従順なペットに躾する。だから怪人ペットトレーナーなんだ。」

 

 

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