※この作品はR-18です。

敗北した魔法少女がコロシアムで見世物になる話   作:一畳と地下

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忍の魔法少女VS怪人媚薬ロープ②

 

ゴングが鳴り、試合が始まった。

 

瞬間、地面からヌメヌメとした液体の纏わりついたロープが僕を襲った。

 

「うわ!なにこれ!」

びっくりはするけど、別にこれくらいどうってことはない。

「忍法!変わり身の術ー!」

ロープは僕を空かして、小さな木人を捕らえる。

 

 

「にんにん!!」

印を結んで片足立ち。忍者のポーズ。

攻撃を完全に避けたことを会場にアピール。

(でも変わり身はあと2回しか使えないからなー…)

切り札を1回使っちゃった。

うーん……ちょっと切り時間違えたかな。

 

(まあでもなんとかなるでしょ!頑張れ!僕!)

 

びっくりして変わり身を使っちゃったけど、まだ忍術は他にもある。

それに使用回数の上限は僕しか知らない情報だし。

負ける前に勝てば良いだけの話!

切り替えていこう!

 

「油断大敵でござるよ!!」

 

また怪人がロープを足元に投擲してきた。

多分あのヌメヌメが媚薬だよね。

触れるとやばそうだから、地面に垂れてるものにも触っちゃ駄目だな。

 

ひょいっとジャンプで躱す。

そんで……。

 

「風遁!風ぴゅーぴゅーの術!」

 

垂れた媚薬はリング外へと吹き飛ばす。

これで媚薬に侵される心配もなし。

こりゃ負ける方が難しいかも。

ちょっと残念。

 

僕の忍術は合計5つ。

火遁、水遁、風遁、土遁、それと身代わりの術。

どれも相手を一撃で倒すような力強さはない。

でも僕には応用力がある。

つまり、最強の魔法少女ということだ。

 

「ロープ振り回すだけって全然忍者じゃないじゃん!」

怪人に向かって声を出す。

「風吹いたり身代わりも忍者はしないでござるよ!」

怪人も負けじと反論する。

「するよ!忍者なんだから!」

どうやらあの怪人は忍者ってものを知らないらしい。

気が合わないなー、もうっ。

 

「今度はこっちから行くよ!」

 

怪人に向かってクナイを投擲する。

だが怪人もそれをひょいっと躱した。

お互いに身軽だから決着つくのかな、これ。

 

クナイを投げて避けられて、ロープを躱して風で飛ばす。

じみー。

 

「ああもう!めんどい!」

 

様子見しようと思ったけどやめ!

つまらないけど僕の方が強いから仕方ない!

 

「火遁!炎メラメラの術!」

 

印を結んで炎を出す。

やっぱり忍者は派手な炎だよね!

 

「そんな炎怖くないでござるよ!」

 

怪人が四方八方からロープを伸ばしてくる。

全部燃やして防御する。

 

リング内を逃げる怪人を炎とクナイで追いかける。

その間も怪人はロープを飛ばしてくるが、周りに展開する炎がそれを燃やし尽くす。

 

 

「降参するならゆるしてあげるよ!」

逃げる怪人に向けて降参を促す。

「僕は優しい……あれっ?」

いつの間にか足に力が入らない。

片膝をついてその場に座り込む。

身体中がもじもじする。

 

あれ?

ロープにも媚薬にも触れてないはずなのになんで?

 

 

「炎で拙者の媚薬が揮発したでござるよ」

炎の向こうから怪人の声が聴こえる。

「炎を消さないと、どんどん揮発するでござるよ。」

媚薬が身の回りに充満してる。

炎を消して、風で飛ばす。

 

「今さら遅いでござるけどね!」

 

満足に動けなくなった僕に怪人が近づく。

や、やばい。

まさか、これは……。

 

「く、来るな!」

 

ずっと言いたかったセリフ。

全力を出したけど、僕は今負けそうになってる。

逆転の術を考えながらも、心臓はドキドキと動く。

 

「媚薬で昂ってるの丸わかりでござるよ。」

 

怪人が僕の腕を取る。

手首同士にロープを素早く巻きつける。

 

「ぁあっ」

 

素肌から媚薬が浸透してきた。

これは本当にやばいかも……!

 

「っ変わり身の術!」

 

とっさにその場から離れる。

腕を縛っていたロープも小さな木人に移される。

 

その場から離れたものの、身体はさっきよりも昂っている。

ここから逆転する方法……とりあえず!

 

「……水遁、水ばしゃーの術。」

 

水を出して、頭から被った。

ちょっとでも頭を冷やしたい。

そうすれば良いアイデアも浮かぶかも。

 

ただ頭を冷やしたところで、身体が弛緩した状態は変わらない。

怪人が遠くからロープを伸ばしてくる。

 

(燃やしちゃ駄目だし、風で押し流すのも無理!)

 

どうにか避けようとするが、間に合わない。

足首にロープがひっかかる。

 

「ぁっ♡」

 

素肌から染み込む媚薬。

ロープを引っ張られ、怪人の手元へと引きずり込まれる。

怪人が僕の身体全部を縛ろうとする。

 

「火遁!!炎メラメラの術!!」

 

引き付けたところで、自分ごと燃やすように全力で炎を出す。

そしてその瞬間に身代わりの術。

 

最後っ屁にして最大火力。

負けたいけど、わざと負けたいわけじゃない。

これで倒れてなきゃ……

 

煙の中を期待するように見る。

ごそり、と動く影が見えた。

 

そこからはロープで身体を覆う怪人。

ダメージはあったようだが、倒れてはいない。

 

「まだ戦う意思があったとは。

 良い忍者でござるな。」

 

ヌメヌメとしたロープを持って、這いつくばる僕の所に怪人が来る。

 

「だが忍者とは戦う者ではないでござる。

 拙者、尋問が一番得意でござる。」

 

腕に縄を巻かれる。

もう変わり身は使えない。

 

「さあ、耐え忍んでみせるでござるよ。」

 

男がニヤリと笑う。

これからえっちな尋問が始まる……。

僕の心は、密やかに昂りつづけていく。

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