敗北した魔法少女がコロシアムで見世物になる話 作:一畳と地下
「ようやく目が覚めましたね。3時間くらい眠ってましたよ。」
目を覚ますとDr.ブランクが話しかけてきた。
周りを見渡すと、そこはホテルのスウィートルームのような豪華な部屋だった。
壁にかかった時計は19時を示している。
「……ここはあなたの部屋?」
「いいえあなたの部屋ですよ、蒼華さん。」
「名前で呼ばないで。」
(てっきりまた牢屋に運ばれるのかと思ってた…)
ふかふかのベッドにキラキラとしたインテリア。
美味しそうなお菓子までたくさん用意されている。
「ご飯はルームサービスとなります。そこのメニュー表から好きなものを注文してくださいね。」
メニュー表を見るとぶた麺から満漢全席までなんでも用意されている。
「そちらも気になりますか?」
Dr.ブランクが指差したページをみてみる。そこには
『乳首を苛めたい方の必需品!改造ローター!』
『疼くおまんこにはこれ!地獄ひだひだバイブ!』
『一人の夜が寂しいあなたに…10Pまで可能です!』
気持ち悪くてルームサービスを投げ捨てる。
ルームサービスを拾い上げながらDr.ブランクは話し続ける。
「蒼華さんはこの世界のアイドルになるんですからね。何不自由なく過ごしてもらいたいのです。」
「……アイドルってあんなことをこれからもさせる気?」
試合のことを思いだし、目から涙が溢れそうになるが堪える。
こんなやつの前で泣くのは、プライドが許さなかった。
「はい、そうですよ。」
Dr.ブランクは真顔のまま答える。
「……私はもうあんな試合出たくない。」
泣いても泣いても許してくれない。
イッてもイッてもまたイカされる。
あんな恥ずかしく苦しい思いはもうしたくない。
「3連複すれば全てが終わります。
それに貴方はもう1勝しています。」
Dr.ブランクはずっと真顔のままのたまった。
「あんなの勝ちじゃない…。もう嫌なの…。」
抑えなきゃなのに涙が溢れた。
そのとき。
ぱぁん。
目の前で拍手の音がした。
乾いた音にびっくりすると、Dr.ブランクは真顔のままこちらを見ていた
「ではこうしましょうか。
あなたが試合に出るだけであなたの世界は解放 しましょう。」
「三連勝の賞品はあなたを元の世界に返す。これならどうです?」
「それに負けてもペナルティはなしです。何回挑戦してもいいですよ。」
「……」
言葉に詰まる。
試合に出るだけで救われる……。
でも……。
「どうして迷うのですか?これであなたの世界は救われる。ハッピーエンドです。」
「それとも我が身かわいさに逃げ出しますか?」
Dr.ブランクの言葉に、私は……。
小さく首を横に振った。
自分の世界を見捨てることはできない。
だって私は、魔法少女なんだから……。