怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
大学に着くと講義室は学生で溢れかえっていた。今日の朝は必修の英語の授業であった。
文系理系の学生がごちゃ混ぜで席に座っている。
周りから聞こえてくるのは夏休みになったら、どうするかの話で持ち切りであった。
そんな中、僕は窓側の一番後ろの席に着席しボーっとしながら座っていた。
そうしていると突然、後ろから声を掛けられる……。
「よぉ、悠人」
「んっ……あっ、おはよ! 壮太!」
声を掛けてきたのは僕の友人の鈴木壮太である。
筋肉質でガタイの良い男性で爽やかな笑顔で話し掛けてくるので僕も笑顔で返す。
だが、僕の顔を見てたちまち顔色が変わってきた。
「悠人……お前、大丈夫か? 目の下に隈が出来てるぞ?」
「えっ? うん、大丈夫だよ。疲れただけ……明日になれば回復するさ」
彼は心配そうに言うが僕は無理やり作り笑いをして答えた。
しかし、僕の顔をジッと見詰める壮太は真剣な表情になる。
僕の顔だけでなく活気の無さや、だるそうにしている態度から判断しているのだろう。
そして、声をひそめて僕に話してきたのである。
「悠人……お前さ、最近何か変わったことないか?」
「い~やぁ……特にないよ」
彼の鋭い質問に僕は言葉を濁すしかなかった。
そんな僕の様子に壮太は怪訝な表情をする。
「そうか? 何か心配事があれば俺に相談しろよ」
「う……うん、ありがとう」
彼は僕の返事に納得がいかないのか怪訝な表情をしたままでいる。
そんな時に教授が教室に入って来て授業が始まったのであった。
それから午前中の講義が終わりお昼の時間になったので僕等は学食に向かった。
壮太はいつもの日替わり定食を注文し僕は食欲がないので、うどんを注文し席に着いて食事を始める。
僕と彼でいつものようにオタク趣味の会話をしていると横の席に2人の女性が座るのであった。
その内の1人は見た目は日本人で長い黒髪をして凛とした整った顔をしていた。
もう1人は外国人留学生のようで茶色い髪が肩までの長さで綺麗な顔をしている。
横の席に着き日本人の方はパスタ、外国人の方は親子丼を手に取っていた。しかも、外国人は箸を使っている。
しかも、2人とも巨乳でスタイルが良くて思わず横目でチラチラ見てしまう。
すると、外国人の方は僕に気付き何故か話し掛けてくるのであった。
「コンニチワ! アナタの名前は?」
「えっ? はっ……はい、僕は結城悠人です」
「ワタシはイザベラ・ニコリーニよ」
突然、話し掛けられて慌てて返事をするが噛んでしまった。
そんな僕を見て横で聞いていた壮太はニヤニヤしている。
そして、このやり取りを見ていた日本人の女性も微笑みながら自己紹介をしてくれた。
「私は、
「おっ! ご丁寧にどうも、俺は鈴木壮太。筋肉を鍛えるのが趣味です!」
「ふふっ……どうりで筋肉質なんですね。オマケに体も大きいし」
「オッ! マッチョなニホンジンね!」
結衣と名乗った女性は壮太の紹介にクスクス笑い、同席のイザベラと名乗った女性も興味津々に彼の筋肉を見詰め呟く。
彼女達の誉め言葉に気をよくした壮太は右腕の二の腕に力を入れ曲げると力コブが出来る。
その様子を見て僕は自分の筋肉を自慢したいだけだろと思い心の中でツッコむのである。
壮太は嬉しそうにしているが僕はイザベラの国籍が気になったので尋ねた。
「あの……イザベラさんは何処の国から来たんですか?」
「ワタシはイタリアから留学しにきてるヨ」
「へー、イタリアから碧神大学まで来たんですね」
「そうヨ! 二ホンは食べ物も美味しいネ」
「ふふっ、イザベラはこう見えて食いしん坊なの」
結衣は苦笑しながらイザベラをからかうのであった。そんな様子に僕達は思わず微笑んでしまう。
壮太も疑問に思ったことを彼女達に話し掛ける。
「君達は何学部なんだ?」
「私達は人文学部宗教文化学科の2年よ」
「へー、俺達も2年なんだよ。同い年かもね」
「そうみたいね。でも、私達とは共通する講義が少ないからあまり接点がなさそうね……」
「そうだね……学部が違うと中々合う講義も少ないからね……」
結衣の言うように僕達とは学部が違うので講義室で会う機会は少なそうだ。
そして、彼女達の顔をよく見ると結衣の方は顔立ちは派手でないが、きちんと整っている。
切れ長の目で涼しげな目元である。化粧をしなくても筋の通った鼻立ちである。
口元も厚すぎず、ほんのり血色がある唇が結ばれていた。
次にイザベラの方はと言うと雑誌のモデルのような欧米の美人で形の整った鼻梁が品の良さを作っている。
瞳は茶色がかった薄茶色でまつ毛が長い。ふっくらした唇が自然な赤みを帯びていた。
彫りの深い顔立ちなのに、どこかあどけなさを残した美しさであった。
2人とも、とびきりの美人だったので、周りの学生達もチラチラ彼女達を見ていたのである。
食事の間、彼女達の話を聞いているとイザベラはイタリアの北部から留学してきたらしい。
日本語はイタリアに居る時から勉強したと言うが、かなり流暢である。
結衣の方はと言うと大きくはないが古く由緒正しき神社の娘ということであった。
そんな2人の自己紹介を聞いていた壮太がノリの良い感じで訊いてくる。
「ところで、2人とも俺と一緒に筋トレでビッグ3しようぜ?」
「えっ? 壮太、いきなり何言い出すんだよ?」
そんな彼の唐突な提案に結衣とイザベラは驚いた表情を見せる。
そして、彼女達は困った表情で壮太に話し掛ける。
「えっと……私は別に筋肉ムキムキになりたくないから……」
「ワタシも鍛えてるケド、ゴツゴツした体は嫌ヨ……」
彼女達は壮太の誘いをやんわりと断るのである。
断られた壮太はがっかりし定食をヤケ食いするのであった。
そして、午後の講義が始まるので僕達は食事を終えると、次の講義を受けるため彼女達と別れた。
食事を終え別れた悠人と壮太の後姿を見ながら結衣とイザベラは小声で話し合う。
「ねぇ……イザベラ。悠人という男……体から怪しい気が全体に漂っていなかった?」
「そうネ……ワタシもそう思うヨ。何か怪しいものニ憑りつかれているネ」
2人で悠人の事を話していると、結衣は心配で放置できない心境になってくる。
共にイザベラも心配で気が気でなくなってきた。
「このまま、放っといたら彼の命が危ないかもね……」
「ワタシ達の力で何とかしないト、いけないんじゃナイ……」
2人そろって悠人に何か不幸が降りかかる前に何とかしたいと思っていたのであった……。